バカと真剣とドラゴン―――完結―――   作:ダーク・シリウス

62 / 84
真約番外編

『・・・・・』

 

この場に真剣な面持ちの顔を突き合う大勢の少年少女達が放課後のFクラスに集っていた。

 

「―――王様ゲェェムッ!」

 

『いええええええええええええええええいっ!』

 

仕切る雄二、それに呼応する僕達。メンバーは何時も接しているメンバーと省略しておこう。

そして、何故か招かざる客までもいる。

 

「お姉様限定で命令してみせますわ!」

 

「死神君から面白い催しをすると聞いてね僕も参加させてもらった」

 

清水さん、そして久保君だ。

 

「さぁーて、ハーデス。お前が今回の主催者だからルールの説明を頼むぜ?」

 

『・・・・・了解(フシュー)』

 

死神の格好をしているハーデスが久しく見る口から煙を吐きだした。

 

『・・・・・今回は神月学園式IN王様ゲーム。従来の王様ゲームとは異なった

ルールを説明する。基本的に王様ゲームのルールとは変わらないがまず

王様のくじは三枚ある』

 

「ふむ、こんなに大勢いるからの。その分王様のくじも増やしたと言うわけか」

 

軽く十人は超えている。王様も増やして更にプレッシャーを増すなんて・・・・・!

ハーデス、何て恐ろしいルールにしたんだっ。

 

『・・・・・そして、王様のくじを引いた者は番号のくじを引いた者に命令はしない』

 

「それじゃ王様ゲームにはならないじゃない」

 

島田さんの言う通りだと何人かが頷いた。僕もそう思うよ。

 

『・・・・・疑問は尤も。だから王様が命令をするんじゃなく、

命令を書いたくじをまた引いてもらう。その後、番号のくじを引いた者の数字に

紙に書かれた命令通りに実行してもらう』

 

「なるほど、王様が直接命令しないであらかじめ書かれた指令で実行してもらうと言うことか。

三人の王様が引いたくじを運悪ければ誰かが三回も実行しなくてはいけない」

 

「王様は引いたくじで決めただけだから余計な恨みを買わずに済むな」

 

『・・・・・事前に皆にはその指令書を三枚ほど書いてもらった』

 

穴が空いている箱をハーデスは前に置いた。その箱に命令権と書かれている。

あの箱の中に僕達が書いた命令の

紙が入っている。他の皆がどんな命令を書いたのか緊張してしょうがない。

 

『・・・・・なお、実行ができなかった者には姫路瑞希に作ってもらったクッキーを

食べてもらう』

 

「なん、だと・・・・・!」

 

「お、お主と言う奴は・・・・・っ!」

 

「・・・・・なんて、卑劣な・・・・・!」

 

戦慄する僕ら・・・・・だが、ハーデスはまだ書き続けていた。

 

『―――――というのは冗談』

 

おいっ!!!!!と姫路さんの料理のレベルを知っている友達が一斉にツッコンだ。

驚かすんじゃないよ!

 

『・・・・・でも、実際はそのぐらいの恐怖の罰ゲームを用意しているから覚悟して』

 

そ、それぐらいの恐怖とは一体・・・・・僕らは一気に警戒心が増した。

 

『・・・・・それじゃ、そろそろ始めるけど質問ある?』

 

ハーデスの問いに僕は誰が書質問するのかと思い眼だけ動かして皆の様子を見る。

誰も挙手したり口を開こうとしない。暗黙の了承というやつだろう。

 

『・・・・・では、始める』

 

僕らの様子を見て問題はないと判断したハーデスが進行する。僕らの目の前には王様のくじと番号のくじが入った籠がある。それに向かって一斉に手を伸ばしそれぞれ運任せで

くじを一枚だけ手にした。そして、王様はだーれだっ!と

言いながらくじを開いた!・・・・・。・・・・・。・・・・・。

 

「うしっ、俺だ!」

 

「あ、ボクだね」

 

「いきなり僕が王様なんて、運が良いや」

 

雄二、工藤さん、卓也が王様のくじを引いた。むぅ・・・・・残念であり、

どんな命令を書いたくじを引くのか緊張して思わず心構えしてしまう。

 

「えっと、命令のくじを引けばいいんだよね?」

 

「自分が書いた命令はともかく、他の奴らが書いた命令の内容が気になるな」

 

「うーん、どれにしようかな」

 

三人は一人ずつ穴が空いている箱に手を突っ込み、くじを引いて開いた。

 

「なんだ、俺が書いた命令じゃないか」

 

「ボクもだ」

 

「・・・・・うわ、これ誰が書いたのさ」

 

『・・・・・命令のくじを引いたら番号を指定してくれ。ああ、同時にな』

 

ハーデスは促す。

 

「それじゃ命令だ。そうだな。俺は5番と6番」

 

「ボクは2番と4番!」

 

「この流れだと7番と8番に決めるね」

 

3人の手にある命令のくじは・・・・・・。

 

「鉄人に『好きです付き合ってください!』とコクってこい」

 

「ほっぺにチュウで♡」

 

「ポッキーゲームをしてもらうね」

 

それぞれの手にある命令のくじに指名された数字のくじを持つ皆が様々な反応をする。

5番は・・・・・僕だっ。どうやら6番はムッツリーニみたいだね・・・・・。

なるほど、そうかぁ・・・・・。

 

「「貴様ぁっ!!!!!」」

 

ムッツリーニと雄二に食って掛かる!当たり前だ、誰が鉄人に悲しくて

告白をしなきゃならない!そんなことすれば完全に誤解されるじゃないかっ!

 

「え・・・・・吉井君が2番じゃないんですか・・・・・?じゃあ、誰が・・・・・」

 

「ん(トントン)」

 

唖然の表情で僕を見る姫路さんの肩に人差し指で意識を自分の方へ返る島田さん。

 

「くっ、口惜しいです・・・・・お姉様の唇を堪能できないなんて・・・・・!」

 

「同感だね・・・・・」

 

清水さんはともかく久保君。島田さんにチュウされたかった?

もしかして彼は島田さんのこと・・・・・。

 

「モロォッ!?なんて命令を引いたんだお前はっ!」

 

「おやおや、これは嬉しい命令ですね♪」

 

卓也の指定した数字の主は大和と葵君のようだ。どっちがどの数字かはともかく、

ポッキーゲームを男同士でするなんて罰ゲームに等しい。

 

『・・・・・実行開始。はい、ポッキー』

 

「お前・・・・・こういう時まで用意周到じゃなくても・・・・・っ」

 

「では、大和君。ポッキーを銜えてください」

 

「み、美波ちゃん・・・・・あの、できれば・・・・・私は吉井君に・・・・・」

 

「王様の命令は絶対よ?」

 

「ちくしょう、雄二・・・・・この恨みは忘れないぞっ!」

 

「・・・・・次は貴様の番だ・・・・・っ!」

 

命令された僕らは命令通りに実行する事となった。

 

~~~しばらくして~~~

 

「酷い・・・・・っ。僕は普通に女の子が好きなのに・・・・・」

 

「不名誉な・・・・・」

 

「掠った・・・・・冬馬の唇と掠った・・・・・」

 

「そう言うちょっとエッチな命令があるということは他の命令もきっとあるんですね。

それなら絶対にそのくじを引いて容赦はしません!」

 

『・・・・・因みに引いた命令のくじは破棄される』

 

なるほど・・・・・同じ命令をしなくて済むし、二度も同じ命令はできないと言うことか。

 

「行きますよっ。せーの!」

 

 

―――王様はだーれだっ!―――

 

 

姫路さんの号令でくじを引くら僕らぁっ!さぁ、王のくじよ。我が手に収まれぇっ!

くじを開いて王様か数字か確認することしばらくして、

 

「・・・・・」

 

王様のくじを見せびらかす霧島(妹)さん。その表情は絶対零度・・・・・。

しっかりと雄二を見つめている。だからだろう、雄二は間違いなく自分を指名するのだと察して

 

「すまんが急用が!」

 

『・・・・・許さない』

 

逃走する雄二!僕とムッツリーニがそうはさせまいと捕まえようとした矢先、

黒いマントから極太の鎖が意思を持っているかのように雄二へ伸びた!

 

『・・・・・霧島翔花、命令のくじをひけ』

 

「分かった・・・・・」

 

彼女は命令のくじが入っている箱からくじを引いた。

 

「―――4番、王様の言う事を聞く」

 

たったそれだけの命令のくじ。雄二は問答無用に鎖に巻かれたままどこかへと連れて行かれた。

他の王様のくじを引いたのは・・・・・?

 

「美春が王様ですわぁっ!」

 

一人は清水さんだった。約一名、顔中に脂汗が噴きだしているのは

目の錯覚だと思っていようか。

 

「お姉様、美春と結婚する命令のくじを引きましたわっ!」

 

「ハーデス!ルールブレイカー、ルールブレイカー!美春がルールを破ってるわよ!?」

 

目が爛々と輝かせ鼻息を荒くし、引いた命令のくじを開かないまま島田さんに

詰め寄る清水さんに抗議する島田さん。

 

『・・・・・清水美春、命令を忠実に言い番号を指名しろ』

 

「5番です!これでいいでしょう、骸骨野郎!」

 

「ん?5番は俺様だぜ」

 

「・・・・・」

 

ガクトが見せびらかす5番のくじ。それの事実にピシリと清水さんが石となって罅が

生じた音が聞こえた。

 

『・・・・・島津岳人と清水美春が結婚するのか。―――おめでとう(パチパチ)』

 

「じょ、冗談です!今のはちょっと口を滑らして言い間違えただけです!

本当の命令は・・・・・」

 

 

―――王様と結婚―――

 

 

と、書かれていたくじを清水さんが見せてくれた。

この場に静寂が訪れ、何とも言えない雰囲気となった。

 

「・・・・・骸骨野郎、ものは相談ですが・・・・・」

 

『・・・・・王様の命令は絶対』

 

死神は冷酷だった。

 

「嫌ですッ!こんなゴリラ野郎と結婚するぐらいならまだ豚野郎の吉井明久の方がマシですわ!」

 

「はいっ!?僕!?」

 

「ちょっ、美春なに言いだすのよ!?そんなの認められるわけ無いじゃない!」

 

「そ、そうです!絶対に認められません!」

 

命令のことで揉め合うことになってしまった。ハーデス、どうする気なんだろう?

 

『・・・・・命令を実行できないなら罰ゲーム。そう説明したよな』

 

あっという間に清水さんを鎖で身体を締め上げるように拘束した。

まるで亀の甲羅ような結び方だ。そして口にたくさん穴が空いているボールを口に銜えさせて、

宙吊りにさせると目に黒い布を巻き付け何故かヘッドホンを装着した。

 

「~~~~~~っ!?~~~~~~!!!!」

 

・・・・・清水さん、何を聞いているんだろう。宙吊りの状態で激しく身体を動かして

悲鳴染みた声を上げ続けるがしばらくしてぐったりと身動きをしなくなった。

 

「ハ、ハーデス・・・・・清水さんに何をしたんだい・・・・・?」

 

『・・・・・体験、してみる?』

 

「さぁ、続けようか王様ゲーム!」

 

「「「「「イエーイッ!」」」」」

 

「・・・・・因みに、私が王様」

 

最後の王様は彼女だった。・・・・・確実にハーデスが狙われるね。霧島さんは命令の

くじを引いて開いた。

 

―――王様の言う事を命を懸けて聞く―――

 

「・・・・7番」

 

『・・・・・なぜ、ピンポイントで当てるんだ・・・・・』

 

―――ハーデス、骨を拾ってあげるよ。

 

「・・・・・ハーデス、私とキスをする」

 

『・・・・・それ、変えてくれない?』

 

「・・・・・ダメ、王様の命令は絶対」

 

『・・・・・廊下に出ようか』

 

二人は教室からいなくなった。

 

 

~~~しばらくして~~~

 

 

リンゴのように真っ赤な顔、濡れた瞳の霧島さんがハーデスの腕に抱きついて幸せな

様子に対して、体中に鎖で縛られたまま口にボールを銜えられていて静かに泣いている雄二。

 

『・・・・・続行』

 

 

―――王様はだーれだっ!―――

 

 

「フハハハッ!ようやく我である!」

 

『・・・・・俺か』

 

「おや、僕だね」

 

九鬼君、ハーデス、久保君が王様・・・・・奇妙な組み合わせになったな。

三人は命令のくじを引く。

 

「我からでいいな?」

 

『・・・・・構わない』

 

「うむ、では王様以外の全員は―――好意を抱いている者の名を言うがいい!」

 

んなぁっ!?誰だ、そんな高校生活で一番恥ずかしいことだろう秘密にして

おきたいベスト5に入るような命令を書いた奴は!

 

「おい、英雄。好きな奴はいなかった場合はどうなんだよ」

 

「我は書かれている命令を言っているだけである。が、死神よ。

好意を抱いていない者がいるとなるとどうするのだ?」

 

『・・・・・好きなタイプを言えば良い』

 

「あー、そうくるか」

 

九鬼君の命令・・・・・。ここは身長に答えた方が賢明だ。

最初に命令を実行したのは霧島さんだけど、

彼女は当然のようにハーデスと告げた。それに続いて皆は好みのタイプを

恥ずかしそうに告げていく。雄二は・・・・・まあ、触れないでおこう。

 

「今度は僕だね。―――10番は王様を抱き締める」

 

「あ、僕ね」

 

名乗り上げた途端、久保君は両腕を広げた。

 

「さぁ、吉井君。カモンッ!」

 

「う、うん・・・・・」

 

恐る恐ると・・・・・久保君に近づいて背中へ両腕を回して抱きしめた時、

僕は久保君に抱きしめられた。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・久保君?そろそろいい?」

 

「・・・・・」

 

「えっと・・・・・」

 

『・・・・・こいつ、気を失っているぞ』

 

ベリィッ!とガムテープを剥がす勢いで久保君から放してくれたハーデス。

 

『・・・・・さて、俺の番だな?』

 

「・・・・・っ!」

 

大丈夫、大丈夫だ。何もハーデス自身が命令を言うんじゃないんだ。

誰かが書いた命令を実行するだけなんだ。さぁ、こい!今ならどんな命令だって受け―――。

 

 

―――王様以外の全員は性転換する―――

 

 

命令が書かれたくじを見て・・・・・僕ら(F男子)が取った行動は、

 

「「「「「急に急用がぁっ!」」」」」

 

『・・・・・命令実行』

 

 

~~~しばらくして~~~

 

 

「ううう・・・・・!また、また女の子になっちゃったよ・・・・・!」

 

「もう勘弁してくれ!」

 

「誰じゃ!ハーデスが好きな命令を書いた者は!」

 

「ご、ごめんなさい・・・・・私です・・・・・」

 

姫路さんっっっ!?

 

「・・・・・俺が女になるとは・・・・・」

 

「僕が男だよトーマー」

 

「妙な気分ですね・・・・・」

 

「男・・・・・胸が・・・・・ない」

 

誰もが真逆の性別になって驚きを隠せない。それは性転換したことがないメンバーで、

性転換を体験した僕らにとってはもう二度も体験したくないことだ。

 

『・・・・・そろそろ頃合いだ。これで最後とする』

 

「ハーデス、僕らを元の性別に戻してくれるよね!?」

 

『・・・・・一時的なものだから放っておけば元の性別に戻る。―――1時間後』

 

長過ぎる!この状態で家に帰れと言うのかキミは!

 

 

―――王様はだーれだっ!―――

 

 

「あっ、王様のくじだ」

 

「よし、僕だぁーっ!」

 

「ようやく私か」

 

公孫勝ちゃん、僕、川神先輩が最後の王様となった。それから命令のくじを引き、

まずは川神先輩が言う。

 

「んじゃ、1番と3番は一日恋人同士」

 

「な、なんじゃとっ!?」

 

『・・・・・3番です』

 

な、なにぃっ!?

 

「(ニヤリ)じゃあ3番は一つ秘密を言う!」

 

『・・・・・こ、公孫勝・・・・・!?』

 

「王様以外の全員は僕らの女装写真を焼き捨てる!」

 

「「そ、そんなぁっ!?」」

 

これだけは何としてもしなくてはいけないんだ!僕の社会的信用と社会的抹殺されない為にも!

 

「そんなの酷いですあんまりですっ!」

 

「そうよっ!それだと木下の写真だって燃やすことになるじゃない!」

 

「ふっ、大丈夫。僕が持っていない秀吉の写真は存在しないから」

 

「待てお主、今なんと―――!」

 

秀吉が何か言ってくるが些細なことだ。さぁ、さぁ・・・・・!

 

「さぁ、大人しく写真を出すんだ!」

 

「「いやぁぁぁああああああああああああああっ!」」

 

 

 

 

 

「さぁーて、お前の秘密を聞いてやろうじゃないか」

 

「ハーデス、逃げちゃダメよ?」

 

『・・・・・女の子と付き合っています』

 

「嘘っ!?」

 

「・・・・・なんとなく、見当付くけどね」

 

「「「・・・・・」」」

 

「あら、私はハーデスと付き合ってるわよ?」

 

『・・・・・何時の間にそんな設定が・・・・・!?』

 

「設定じゃなくて事実よ。キスをした仲じゃない」

 

「・・・・・ハーデス、どういうこと」

 

「うん、何時の間に小山さんとキスしたの?」

 

「ちょっと、その辺りを説明してもらいましょうか」

 

『・・・・・勘弁してくれ。俺は友香とキスした覚えはない・・・・・っ!』

 

こうして・・・・・ちょっと波乱な王様ゲームは幕を閉じたのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。