異世界から来たハーデスの家族達がこの世界に来て翌日。もうニュースは昨日のことで
盛り上がっている。
たくさんのドラゴンの出現、巨大な宇宙船。今世界中は蒼天にもっと注目をし始めている。
そんな大騒ぎになっている世界と世間はハーデス・・・・・いや王様に何らかの方法で
追及を求めているが、王様はそれには応じずにいる。
「―――ねぇ、本当にいいの?このままでさ」
『・・・・・別に世界征服とか侵略なんてしようとわけじゃないし、
勝手に騒がせていればその内静かになる』
「今さらならがお前が蒼天の王様だとはな・・・・・本当に驚かせてくれる」
『・・・・・お前が俺に対して失礼な言動の数々、忘れているわけじゃないからな?』
「うぐっ!だ、だが王様が身勝手なことで一般人に手を下すなんて事はできねぇよな?」
『・・・・・ああ、そうだな。だが、お前を弄ぶことぐらいはできる』
「ま、まさかっ!?」
ハーデスがマントから例の銃を取り出して雄二に突き出した。
『・・・・・遊んでやろう』
「や、やめろぉっ!?」
あーあー・・・・・雄二が女の子になっちゃったよ。だけどハーデス・・・・・。
「・・・・・何時もの格好」
『・・・・・当たり前だ。もう説明したことだぞ』
騒ぎを起こさない為ね。はいはい分かってるよ。
「直江達も大好きなハーデスが傍にいるのに静かじゃな?」
「いや・・・・・騒ぐと迷惑を掛ける。確かにハーデスの言う通りだ」
「プライベートは大騒ぎして良いからな。そん時に派手に騒いでやるぜ!」
公私混合、しっかりと分けて接する大和達だった。
「あの人達は今どうしているの?」
『・・・・・この世界を探検している。特に蒼天』
「そっか、楽しいことが見つかると良いね」
―――蒼天―――
―――西区―――
「うーん、一誠が鍛えているだけあって強い強い」
「攻撃が一切通用しないとは・・・・・っ」
「いやぁ、潜って来た修羅場が違うし世界のレベルも違うよ。だけど一誠も人を見る目があるね」
魔法使いの式森和樹と愛紗の戦いを見ていた俺達。決着はついて和樹の勝利となった。
当然ながらな。
「ふえぇ・・・・・ご主人様の家族は強いですねぇ・・・・・」
「言っておくけど、和樹は本気すら出していないぞ」
「え?そうなんですか?」
「ああ。和樹、今度は俺とやるか?」
「いいね、久し振りに一誠と勝負だ」
あいつは全身から魔力を迸らせ臨戦態勢になる。俺も全身に闘気を纏い俺達は同時に蹴り出す!
―――北区―――
「へぇ・・・・・あのリーラって女、使えるわね」
「何せスーパーメイドだからな。だけどリーラは中央区で働いてもらう予定だ」
「・・・・・いえ、私のところで働いてもらいたいわ」
「その心は?」
「・・・・・あなたとイチャつかせるわけにはいかないわ」
俺を見上げる形で睨んでくる。はいはい・・・・・可愛い嫉妬だな。
「ん、抱き心地がいいな」
「ちょっ、仕事場でなにしてくれるのよ!?」
照れるな照れるな。もう少しだけこいつを弄っていよう。
「一誠さま、華琳様と遊んでいる暇があれば・・・・・」
さり気なく愛用の銃を見せびらかす愛しきメイドに両腕を広げた。
「分かった。リーラ、おいで」
「・・・・・はい、一誠さま」
「なによそれ」
―――東区―――
「・・・・・人間が多い」
「二番目に人が行き来する場所だからな」
肩に乗せているオーフィスが漏らす。
「・・・・・イッセー」
「なんだ?」
「この世界にいて、どうだった?」
上から質問され少し悩んでこう答えた。
「最初は苦痛だった。皆のところに帰れない辛さは最初の数年ずっと感じていた。
だけど、泣く暇があればやる事をしようと決めた。それがこの蒼天の国を創造する事だ」
「そう・・・・・」
「でも、それからは忙しいあまりに辛さなんて感じなくなったよ。
そして、この世界の家族と出会い一緒に生活をして、楽しくなってきた」
歩き始めると、この国の住民達は俺に挨拶を軽くしてくる。
その度に手を振ったり笑顔を浮かべたりしながら歩を進める。
「それが今の現状だ。俺の努力と長い年月の結晶が目の前にできているんだよ」
一度手放さそうとしたこの国を俺はまだ手放せないでいる。
いや、もしかしたらまだ早かったのかもしれない。最愛の家族と再会したからか―――。
「イッセー」
「ん?」
「我はずっと寂しかった。イッセーの温もりが、声がずっと欲しかった。
だけど、ようやくイッセーと会えた」
肩から降りて俺の首にぶら下がる形で俺の顔を見上げる。
「我はオーフィス。イッセーを守るドラゴン。我、これからずっとイッセーと共に生きる」
純粋な眼差しをそう言いながら送ってくるオーフィスを抱き締めたまま、歩き始める。
―――南区―――
「いっぱいお魚があるね!」
「南区は漁業専門の場所だからな。だけど、魚の捕獲量を制限している」
「どうして?」
「蒼天ばかりが大量の魚を釣り上げれば他の国行く魚が減る。
だからその国に行く魚を残してできる限り平等にしているんだ」
俺の世界にいる葉桜清楚が関心した仕草をして笑みを浮かべた。
「一誠くん、やっぱり優しいね」
「そうか?」
「うん、優しいよ」
腕に絡んでくる清楚をそのままにして魚市場から離れる。
「それにしても一誠くんが築いたこの国も凄いね。宇宙まで造られた塔に、月面に人が
住める環境を作っている最中だなんて」
「月が終えたら次は火星にも作る気だ」
「もうそんなことまで考えているのっ!?」
目を丸くして驚愕する愛しい英雄の魂を受け継いだ女に、人気のない場所に連れ込んで抱き締めた。
「い、一誠くん・・・・・?」
「月面に満足のいくまでコロニーを造るまで、俺は元の世界に帰れない」
「・・・・・」
「だけど、お前達がこの世界にいてくれるなら俺はもっと頑張れる」
言い終えると、清楚が俺の背中に腕を回してきた。
「うん、この世界に長く住んだから大切なことがたくさんできたんだよね。
それを手放す勇気と辛さ、どれだけ凄いのかなんとなくわかるよ」
「・・・・・」
「私も、私達も一誠くんのお手伝いをするよ。だって、私達は家族だもん!」
清楚は柔和に笑みを浮かべた。
その笑みを見ただけで俺は・・・・・愛おしく感じて彼女の唇に自分の唇を重ねた。
―――中央区―――
「お前の仕事部屋は何もないのだな」
「必要な物しか置いていないからな。それに俺の仕事は外交で殆どこの部屋には
入らないし、いないんだ」
「そんなお前が世界から注目の的であるぞ。これからどうするきなのだ?」
執務室に設けている椅子に腰を下ろす俺の脚の上にガイアが俺の胸に背中を預けて乗っている。
「放っておく。蒼天は他の国と同盟関係を結んでいないんだ」
「なぜそんなことをするのだ?」
「他の国にも独立国家があるし、蒼天は援助とは別のやり方で他の国から来る依頼を完遂して
物資を報酬として貰っている。蒼天は一人でどこまで成長していくのかそれをしていきたいんだ」
「・・・・・お前と言う男は、見ない間に随分と成長したと思えば
まだまだ子供の部分が残っているな」
む・・・・・それは心外だな。
「ガイアの前だけだよ。俺の子供の部分を見せるのは」
「くくくっ、そうか・・・・・なら子供らしく甘えてくるか?」
体勢を立て直して俺と対面する形で金色の双眸を向けてくる。
「・・・・・ああ、久々に甘えるよ」
ガイアの豊満な胸に顔を押し付け、空気をガイアの体臭と共に吸って深く吐いた。
「昨日の夜もそうだったけど・・・・・久し振りだよ、ガイアの温もり」
「それはこちらの台詞だ一誠・・・・・久し振りにお前を感じた。・・・・・まだ、足りないが」
「それ、俺もそうだからな?」
「では・・・・・ヤルか?」
その答えは俺が彼女の背中と頭に腕を回して深い口づけをした。
『ちょっと待てぇっ!』
良いムードが崩壊した。この世界と異世界の家族達に怒号によって。
「ご、ごごごご主人様!そ、そのようなことをこの場所でするなんて破廉恥です!」
「ちょっとガイアさん!抜け駆けはズルいですよ!」
「ねぇ、イッセー。欲求不満なら私としない?ほら、わたしのココに・・・・・」
「お姉様破廉恥です!」
「いっくん!言ったじゃない、私は何時でもどこでもいっくんを受け入れるって!
ここでするなら私もする!」
「ゆ、悠璃・・・・・それはそれで色々と問題が・・・・・いえ、私も求めてくださるなら
受け入れますけれど」
・・・・・なんだか、賑やかになったなぁ・・・・・。
「まったく・・・・・違う世界でもこの騒ぎか・・・・・お前といると静かと言う概念は
消えてしまうな」
「次元の狭間に行けば静かだぞ」
「・・・・・ふむ、その手があったか。よし一誠、今すぐ次元の狭間で―――」
『そうはさせるかぁっ!』
俺の目の前でガイアVS嫉妬集団の戦いが繰り広げられた。俺はこっそり執務室から
出て青い空を見上げる。
「・・・・・この世界で俺は何を得たんだろうな」
元の世界に行き来できるようになった。家族とも再会を果たせた。この世界の家族にも
ようやく本当のことを告げられた今、遠慮なく―――。
「―――――」
目の前にポッカリと開いた空間の穴。あれは・・・・・。
『お前の物語はここで終わらせはせん』
ゴウッ!
穴から発生する凄まじい吸引力!翼を広げ地面に深く突き刺す!
地面に四つ這いになって吸い込まれないように抵抗を!
「なんだよこれ・・・・・!マジでふざけるんじゃねぇっ!」
『次の物語にお前が必要不可欠』
「うるせぇっ!俺はてめぇら神の思い通りになってたまるかよぉっ!」
『来い、そして次の物語を』
なんだってんだよ!何で俺が狙われるんだよ・・・・・!
「一誠っ!?」
「イッセー様!?」
「あれは、イッセーくんを吸い込んだ空間の穴・・・・・・!」
「まさか、また僕達から一誠を奪うと言うのか!そうはさせない!」
和樹が魔力で構築した鎖を俺に向けて放ち、身体に巻き付けた。
「一誠、踏ん張って!」
「ああ・・・・・っ!」
翼を床に突き刺しながら少しずつ皆のところに向かう。
後もう少し、後もう少しで・・・・・!
ヒュンッ!ドスッ!
「・・・・・なっ」
俺の身体に槍が突き刺さった。すると翼が消失して俺を支えるのは鎖だけとなった。
それだけじゃない、空間の穴から黒い巨大な手に摑まれ鎖を引き千切りながら
空間の穴に引きずり込まれ―――。
「ふざけるなぁぁああああああああああああああああああっ!」
ガイアが咆哮を上げて俺に一瞬で近づき黒い手を弾いた。
拘束が緩んだ隙に俺を抱き抱えて上空へ飛んだ。
「しっかりしろ一誠!」
「ガ、ガイア・・・・・」
「もう二度と手放す訳にはいかない!もうあんな辛い思いだけは二度も感じたくない!」
必死な顔で俺に言う。上空に飛んだ俺達の目の前に数多の黒い穴が生まれ、
その穴から黒い触手が無数に出て俺達に伸びてきた。ガイアは高速で飛行し、
触手に対して真紅の魔力弾を放ち続ける。
そんな事を繰り返していれば当然、俺の家族達は気付く。
『主!』
『おいおいなんだよアレは。あいつらを狙っているのか!』
『嫌な予感がする。我らは主の中に入るぞ!』
ゾラードが咆哮を上げた後に皆が光の奔流と化と成って全員俺の中に戻った。
『主、我らの力を使ってくれ!』
「ああ・・・・・勿論だっ」
傷は瞬間回復で治した。肩には何時の間にかオーフィスがいる。
ガイアも俺を抱えて触手に攻撃をしている・・・・・この状況、アレをするべきだろう。
「ガイア、オーフィス。あれをやる」
「ああ、その方が良いだろう」
「我、イッセーの為に力を貸す」
俺たち三人は真紅と黒いオーラを迸らせ一つに混じり合わせる。
そして、俺にとって数十年振りの鎧を纏う。
「我、夢幻と龍神の子の者なり」
『我、夢幻を司る真龍「
「我、無限を司る龍神「
『我は無限を認め、夢幻の力で我は汝を誘い』
「我は夢幻を認め、無限の力で我は汝を葬り」
『我らは認めし者と共に生く!』
「我らは認めし者と共に歩む!」
2人の呪文のような言葉の後に俺も呪文を唱えた。
「我は夢幻を司る真龍と無限を司る龍神に認められし者。
我は愛すべき真龍と龍神と共に真なる神の龍と成り―――」
「「「我等の力で全ての敵を倒す!我等の力で汝等を救済しよう!」」」
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
眩い深紅と黒の閃光が辺り一面に広がっていく。そして、閃光が止んだ時。
周りから見れば、俺は深紅と漆黒の二色のドラゴンの姿を模した
立派な角が生えた頭部、胸に龍の顔と思われるものが有り、
特に胸の龍の顔は意思を持っているかのように金と黒の瞳を輝かせる。
瞳は、垂直のスリット状に黒と金のオッドアイになっていて、
腰にまで伸びた真紅の髪は深紅と黒色が入り混じった髪になっている。
「この鎧を纏うのも久し振りだな―――『
四方八方から迫りくる触手に一瞬で膨大な魔力を迸らせその勢いで弾け消す。
『まだ敵は諦める気はなさそうだぞ』
『しつこい』
「だが、今の俺達は間違いなく最強」
黒い空間の穴に手を向ければ、大きさが半分、また半分と小さくなってついには消失した。
「物語が何だか知らないが。俺を使ってお前ら神が楽しんでいるなんて腹立たしいんだよっ!」
諦めの悪い触手達が一斉に襲いかかる。だが、横から攻撃が放たれて触手はボロボロになる。
「援護するよ一誠!」
「和樹に教えられて来てみればまたあの時の状況とはな」
「今度こそイッセーくんを守るよ!」
和樹達(空を飛べる限定)が俺を囲むように攻撃態勢になった。
更に上空からドラゴン達が現れ、一斉に火炎球を吐きだした。
数多の触手はそれに直撃して大爆発を起こす。これで終わりだと思いたいが・・・・・。
『次の物語を・・・・・始める』
『お前が必要不可欠』
『来い』
脳裏に直接話しかけてくる声。ふざけるなっ、また俺を、俺から大切な家族を遠ざけると言うのか!
「あーそうかい・・・・・」
「一誠・・・・・?」
「お前ら、ちょーとばかし離れてくれ」
真紅と黒のオーラが俺の怒りに呼応して出てくる。俺はあの人達の息子だ。
常識はずれな事だって何度もしてきたし経験もした。今ならもしかするとだな・・・・・。
「・・・・・」
触手が微動だにしない俺の全身を巻きつき始める。
・・・・・。・・・・・。・・・・。・・・・・そうか、
「ふんっ!」
全ての触手を弾き飛ばして虚空から封龍剣を手にした。
そして・・・・・力強く封龍剣で空間を斬った!
斬った空間は裂け目が縦に分かれて中身を覗かせる。
「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」
『・・・・・・』
七人の老若男女、中には子供が全員同じ服を身に包んで宙に浮く球体を囲んで座っていた。
神々しく光る空間の中はとても神秘的でまさしく神しか入れないであろう異次元空間。
「よう、ようやく会えたなクソ神共」
『なっ、どうして我々の居場所を見破った!?』
『有り得ない、人間からドラゴンに転生しただけのイレギュラーがどうして神の空間を
突き止めることができた!?』
「一度触手に絡まれて触手から感じる力を確認したけど、結局無意味だった」
神の空間とやらに足を踏み入れた。深紅と黒が入り混じった球体を七つ発現して圧縮、凝縮する。
「まっ、お前らがいる場所を突き止めたのは・・・・・ただの直感と勘だ」
『『『勘!?ただの勘でこの場所を見つけるなんて有り得ないし非常識だ!』』』
「俺の両親は非常識の塊ができたような人達だった。
それは俺にもどうやら受け継がれているみたいなんだよなー?」
ははは、と笑い大剣の切っ先を突き付けてやった。
「予定通り、俺の邪魔をする神は全員一人残さず殺す」
『ま、待て!我らは死んでしまった人間を転生をさせる役割を持っている神であるぞ!
その役割を持った神がいなくなればこれから先死んでしまった人間はどうなると思っている!』
「あ?知るかよ。どうせ別の神がお前らの後釜になるだろうし別に問題ないんじゃね?」
『く、狂っている・・・・・!私達を殺して何の意味があると言うのですか!?』
「―――俺の数十年分の時間と人生を狂わせた事と、
俺の命を狙うが為に刺客を送って来た事。そのケジメをお前らに付ける為だ」
七つの球体は一気に膨張して全長三メートルぐらい大きくなる。
「それとも何か?数十年前に逆行できるっていうのか?
仮にできたとしても俺はお前らを許すことはしない。
どんな理由で俺をこの世界に閉じ込めたのかは知らないがな。俺は今―――キレているんだ。
逆鱗している。だから―――死ね」
全ての球体をレーザービーム状に七人の神に放った。すると、流石は神か。
神秘的なオーラで自身を包みこんで攻撃を見事に防いだ。
『舐めるな、我々は神であるぞ!貴様の攻撃なぞ我らに通用するとでも思うたか!?』
「なら、これならどうだ?」
幾重の魔方陣を展開してそこから鎖が意思を持っているかのように伸びて神々を拘束しようとする。
『グレイプニルかっ!』
「御名答っと言っても俺のこと知っているから分かっているのも当然か」
神を噛み殺す狼を縛る鎖は流石に神、この手の攻撃に通用しなかった。
『―――拘束します!』
女の神が周囲に蔓を発生させて俺の全身を絡める。その上、魔力が吸われていくのが分かった。
だけど、それがどうかしたか。言っただろう、今の俺の状態は逆鱗であることを。
「俺を舐めるなよ、クソ神」
無限の魔力もな!奔流と化となる無限の魔力を蔓が吸い切れずに俺を拘束する力が緩み、
その瞬間に大剣を横薙ぎに振るった。
『バ、化け物・・・・・っ!』
「その化け物を飼い馴らそうとしたお前らに罰が当たったんだよ」
音も無く女の神の首を刎ねながら背後に移動した。
『なっ!?』
残りは六人。亜空間から別の大剣を手にして残りの神に飛び掛かる。
『お、おのれぇっ!』
空間を歪ませ、空間攻撃をしてくるのが理解した。その空間ごと神を一刀両断にして斬り殺した後に
もう一方の大剣を別の神に向かって投げ放った。だけど、その神は神秘的なオーラを
展開して防ごうとする。
「でもな」
勢いが無くならない内に投げ放った大剣を開いた空間の穴の中に吸い込ませ、
防御態勢の神の真後ろに空間の穴が開いて背中に深く突き刺さった。
『な・・・・・に・・・・・』
「その大剣は神を噛み砕くフェンリルの牙で作られた神殺しの大剣。
お前ら神にとっては最悪な武器だろう」
『そ、そんな物・・・・・何時の間に作っていたと言うんだ!?』
「さあなっ!」
胸の龍の顔の口が大きく開き砲身を覗かせエネルギーを充電する。
『・・・・・何をしようとしているっ』
「神の空間諸共お前らを吹っ飛ばす。
―――インフィニティ・ロンギヌス・スマッシャァアアアアアアアッ!!!!!」
刹那。深紅と黒が入り混じった極太で膨大な魔力のエネルギーを前方に向けて放った。
神が相手なら手加減なんてしない。全力全開っ!残りの神の必死な防御で自身は何とか
防いでいる様子だが神の空間全体に罅が次々と生じている。俺達の攻撃の威力の余波が
空間全体にも伝わっているんだろうな。
『ヤバいよ!このままじゃこの空間が・・・・・っ!』
『流石に無限と不動のドラゴンを同時に力を一つにした威力は凄まじいっ・・・・・!』
『何としてでも防ぎきれ!』
『ぐっ・・・・・!』
あんなこと言っている神達だが、もう防ぎきれていないぞ。なんせ胸の砲身だけじゃ
砲撃じゃないんだからな。
「アジ・ダハーカ、暴れ尽くせっ!」
背中に深紅と黒が入り混じった三つ首のドラゴンが生え出してギラギラと意思を
持っている様子を示す。
『ハハハハッ!相手は神なら喜んで暴れてやろう!』
ギェエエエエエエアアアアアアアアアアアアアッ!
三つ首の龍の口からインフィニティ・ロンギヌス・スマッシャーと同等の威力が
空間に目掛けて放った。俺の両手も同様に至るところに砲撃として魔力を放った。
『や、やめろぉっ!?』
『この空間を壊すなぁっ!』
『くそっ!好きに暴れてくれるっ!』
『まずい、本当にこのままではっ!』
本当に拙いよな。なんせ、空間がもうボロボロだ。この神の空間とは違う空間が晒し始め、
気配も感じ始めた。
「全て、ぶっ壊れろ」
ついに神の空間は崩壊した。四人の神々も耐えきれず俺達の砲撃に呑みこまれる。
消失したとは思えないが追撃しよう。そう思って違う空間に足を踏み入れた。
「・・・・・ここはなんだ」
『神の空間と言っておったからな。神の領域と思った方が妥当だろう』
古代遺跡みたいな建造物、流れている綺麗な川、木々も所々生えていて―――
『・・・・・・』
さっきの老若男女みたいな奴らが大勢いた。書類らしきものを抱えたり、
テーブルに座っていたりとか人間味あふれている作業をしている。
―――背後に展開させた巨大な禍々しいオーラを放つ黒い魔方陣から出てくる
最凶のドラゴンを待機させて告げた。
「おい、お前らの中で最高権力を持つ奴をここに連れて来い」
『な、何だ貴様は!一体どこから入って来た!?』
「お前らのお仲間に散々人生や時間を弄ばれた人型ドラゴンだ』
『ドラゴンだとっ!?バカな、たかがドラゴンがこの場所に辿り着く訳がない!』
「喚くな、騒ぐな、良いから最高権力を持つ奴を連れてくるか案内しろ。一言文句を
言いたいからな」
『ふざけるなっ!』
一瞬で姿を消した別の神。俺も凄い勢いで迫ってくる神に床へ叩きつける感じで拳を
顔面に叩き付けた。
「全知全能だろうがなんだろうが、俺には関係ない。逆鱗状態の俺はそう易々と止まらんぞ!」
高らかに咆哮を上げる。戦意が籠った神々は色々な攻撃で仕掛けてくる。それに対応して俺達も
攻撃を仕掛けようとしたが第三者の声でそれができなくなった。
『おやめ下さい』
「・・・・・」
俺の目の前に光の粒子が集い始め、神々しいオーラを身に纏う者が現れた。
床まで着くほど長い入り混じった金と銀の神、瞳も金と銀のオッドアイ。
身長は俺と同じぐらいの高さの女。
「お前は?」
『私はあらゆる世界を見守り、そして転生を司る神のシステムです。
あなたをこの世界に移したのも私の指示なのです』
「・・・・・それはどういう理由でだ」
背後にヴァーリ達が現れる。気にせず俺の問いにシステムは答えた。
『あなたは他の者達とは異なる存在なのです。同胞が管理するどの並行世界、パラレルワールドに
登場する勇者、英雄、魔王、超能力者、人間、異種族を遥かに超越しています』
「ンなこと知るかよ。俺は必死に目的や夢を果たしたい一心で強くなっただけなんだ」
『分かっております。全てが偶然や奇跡、必然と片付けれないほどの現象を
何度もあなたはしてきました。私は興味を持ったのです。
今まで鑑みても転生者でもない、私達神が故意で仕組んだでもない、
イレギュラー的な人生を歩むあなたを。ですから、あなたをどの並行世界でも
起きている戦争をしている世界に送り、貴方はこの世界でどんな行動をするのか私達は
それを―――』
無言でシステムに砲撃を放った。でも、さっきの神とは違い、
俺の攻撃は明後日の方へ弾かれた。こいつだけは他の神と別格か。
「それはなんだ、あれか?俺の意思とは無関係にお前らにとって有り得ない俺を使って、
御楽な気分で眺めていたと?」
『・・・・・そう捉えても構いません。しかし、転生者達でもこの神の領域にこんな
力尽くで足を踏み入れたのは貴方が初めてです。私、凄く驚いているんですよ?』
あーそうかい。それはどうもありがとうございます。
「んじゃ、お前でいいんだな?俺が何度も異世界に繋げるゲートの魔法をできなくしたのは」
『ええ、ですが日食の日だけ私達は休暇を得れる時期なんです。
ですので、あなたはそれを知らずに異世界とゲートを繋げた。
そして異世界からあなたと共に生きた者達が、この世界に招かざるドラゴン達までもが
侵入してしまいました。もう、この世界は完全に二つの世界の要素が入り混じっています。
もはや、同胞が手に負えない世界になってしまいました』
「ふーん。なんだ、放棄をするのか?」
『・・・・・いえ、貴方にお任せします。色々とご迷惑を掛けたお詫びとして』
「それ、完全に面倒事を押し付けているよな駄神」
『だ、駄神・・・・・』
ショックを受けていようが俺の知ったこっちゃない。・・・・・俺に任せてもらえるなら、
そうだな。
「おい、俺の世界の情報とこの世界の情報、一つに纏め上げることはできるか?」
『え、ひ、一つにですか・・・・・?』
「二つの地球を融合させるなんてこと危なくてできないはずだ。
なら、世界同士の情報を抽出してそれを適合しつつ一つの世界に構築する。
そうすれば二つの世界は一つになって面白くなるんじゃないか?」
そんな提案をしてみた。ま、無理なら無理で行き来するだけだがな。
『・・・・・今まで考えたことがない事を言いますね。
ですが、そのやり方ならばできなくはないです』
「んじゃ、今すぐやれ」
『いますぐですか!?』
「暴れるぞ」
魔力を充電するとシステムは慌てて首を縦に振った。
『じ、時間をください。そうすれば貴方方が気付かない内に
二つの世界は一つになっているはずですから』
「二つの世界に住む生物達の記憶はどうなる?それと同じ人物がいるんだが」
『しばらくは疑問を抱くでしょう。ですが、時間が過ぎるにつれ当たり前のように
思います。それと同じ人間がいることに関しては、
この世界の人間達の心と記憶、魂を全て貴方達の世界にいる人間達に融合します。
そうすれば同じ人間が二人もならずに一人の人間としてこれからも人生を送ることができます』
「そうか。それなら安心した」
ドラゴンを俺の中に戻し、戦闘態勢の構えを解く。鎧も解除して踵返す。
「それじゃ頼んだぞ。―――ミカル」
『・・・・・ミカル?』
「お前の名前だ。別に深い意味はない。俺がそう呼びやすいように
ミカルと呼ばせてもらうだけだからな」
『・・・・・』
何か言いたげな視線を感じつつ家族達と神の領域から出た。
「さーて、これからが楽しみだ」