衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】   作:神宮寺志狼

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明けましておめでとうございます
2026最初の活動報告を投稿いたしました。
言いたいこともそちらに書いたのでここでは省略させていただきます。

さて、稼ぎまくったヘイトですが拡散するには
・ヘイトを稼いだやつを活躍させる
・実は悲しい過去が

みたいな方法があるのですが今作では

「は?そもそもそいつがやった、なんて一言も確信的なことは言ってないぞ?」

「稼いだヘイトは別のやつに移せばいい」

とかいうクソッタレ理論をぶちまけます。

そもそもこの作品は神視点ではありません。
登場人物の視点による作品でございまして。

要は「語られて居ない真実は真実ではない」という叙述トリックの一つ
「信用出来ない語り手」ならぬ「信頼できない語り手」な訳でして。
嘘を信じさせるためには99%の真実に1%の嘘を混ぜ込んだ訳です。

さてさてそれとそろそろお気づきの方も、出てくるであろう士郎の体の異常の原因についても活動報告の方と、この話の1文に取り上げております。

2026も、衛宮士郎"先生概念"GRADATION ARCHIVEをよろしくお願いします。

誤字脱字、や感想コメントバシバシください、なんて。



#14 原点"非"回帰

「む.....」

 

窓ガラスから指す微かな日差しに瞼を開く。

 

ここはアビドス高等学校の保健室。

いつもの、俺の寝床だ。

 

体には──なんの異常もない。

まずは頭の体操だ....。

昨日までの出来事を頭の中で整理しよう。

 

 

アビドスに今いる理由。

ここが中立であるためだ。

 

俺達、補習授業部を回収したのはゲヘナの救急医学部。

対策委員会の皆やイチカ達正義実現委員会とも合流を果たした。

 

ことがひと段落した時にはもう朝の四時を迎えていた。

ヒフミ達は疲労困憊の上に怪我もしていたし、騒動の中心である俺達が事態の収集をしないままトリニティに帰ることは出来ない。

では治療ついでにゲヘナへ....というわけにもいかないので、トリニティでもゲヘナでもなく、アビドスにお邪魔している。

 

 

「........。」

 

隣のベッドを見ればワカモが穏やかな寝息を立てていた。

()()重症を負っていないというのは不幸中の幸いである。

 

さてその一方で試験用紙解答用紙は焼失。

そのうえトリニティに戻れていない為、不合格な事は間違いない。

 

試験のやり直しは.....正直、無いというのが9割、再試験を受けさせてくれるのでは、という希望が1割。

いや、その1割とて希望とも言えない。

というのも巻き込んだ範囲が尋常じゃない、とてもじゃないが隠蔽なんて出来たものじゃないだろう。

確実にナギサは動けない。

 

ティーパーティーと補習授業部を抜いたとしてもだ。

 

 

シャーレと藤河組への敵対行動。

 

俺の落ち度でもあるが、ヘリが墜落した地域で被害にあった住民や生徒達。

 

正義実現委員会、救護騎士団。

もしかしたら自警団も動いているかもしれない。

 

ゲヘナ地区では温泉開発部への情報の斡旋、根回しに加え風紀委員会へ全力出撃を強いる形になった。

 

対策委員会は.....どうやら巻き込まれた、というより風紀委員会に協力していただけのようなのでカウントしないことにしよう、うん。

 

万魔殿(パンデモニウム・ソサエティ)は....どうだろう。

廃墟地域とはいえ、一面火の海となれば黙っていられない。

いやマコトの様子次第ではむしろ「喧嘩を売られた」といって嬉々として殴り込みにいく....かもしれない。

 

 

何にせよ、ナギサ───トリニティだけで解決できる範囲を超えている。

あれだけ説教して、殴りつけた俺が言うのもなんだがナギサが心配だ。

今はまだ大事に....いや既になっているが、やり方によってはこれ以上()が飛ばないようにも出来るだろう。

 

それでもだ。

 

 

「どうしてそんな難しい顔を?」

 

「いや、どうしたもんかなって.....?」

 

柔らかいものが二の腕に当たる。

温かい。

ついでにいうと耳元で浦和の声がするのはおかしくないですかね?

 

「あら、衛宮先生、おはようございます♡」

 

視界に映るのは肌色、肌色、肌色。

思考が、停止する。

 

────────────────────────

体がひとりでに飛び跳ねた。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」

 

(ドンガラガッシャーン!)

 

俺の寝ているベッドの布団の中から()()()()()()()()をした浦和が出てきた。

何も着ていない、という訳では無いのだ。

ただ大事な部分が全て透けて背景が見えているというか。

 

まるで浦和の体のパーツが分解されてるというか。

 

「お前!?なんて格好をしてんだ!」

 

「あら、知りませんか?

今流行りの()()()()()()と、いうのですが────」

 

違う、絶対違う。

そんな化け物流行(ブーム)があってたまるか。

 

お前はそれを知らないとタカをくくってるんだろうけどな浦和。

俺はミレニアムプライスの生中継を見てたから知ってるんだよ!

 

「それは()()じゃなくて()()だろ!

悪いけど、俺は開発者を知ってるし、その技術ってのは俺の注文した物品の技術を応用して作られてんだ。」

 

事実を提示すると一瞬驚くような表情を見せたものの、直ぐに笑顔に戻した。

 

「そうですか....。

ですが衛宮先生?

 

()()()()の違いとは何でしょう?」

 

何言ってるんですかね?コノヒト。

そりゃあ、───あれ、なんでか答えられない。

 

俺の返答を待たず、浦和はおかしな事を言い続ける。

 

「防水機能でしょうか?使っている素材?

お肌の保護?デザイン?露出の範囲?

 

例えば衛宮先生。

お風呂で背中を流させて貰った時に着ていた私の水着。

 

あれは本当に() ()だったと思いますか?」

 

「────は?」

 

いや、ハッタリだ。

あの時間違いなく浦和は水着だ、と言った。

デザイン的にも俺にはあれが水着に見えた。

 

......でも、普通制服の下に水着なんて着るか?

 

「ま、さか────」

 

「最近の下着はデザインが充実していますからね♡

一目で水着かどうかの判断はつかないでしょう♪

 

それにボディペイント──という線も捨てられませんね。

()()()()()()()()()()()()()そういう風にも。」

 

「───────」

 

いや、下着だったかも、というのは分からなくもないが。

どうして「何も着ていない」とかいう浦和にしか分からないハイレベル問題がお出しされ───話していたのはその浦和だった。

 

「私が「これは水着だ」と、そう言って。

先程まで「あれは水着だ」と信じられていましたよね?

それが衛宮先生にとっての真実でした。

 

「実は下着だった。」と言われ、真実と虚構の境界は曖昧になってしまった。

真実を知るものも、私1人。

では衛宮先生はどのようにその「真実」を証明するのですか?」

 

朝っぱらから何を───

 

───五つ、楽園に辿り着きし者の真実を───

 

......頭に浮かんだその言葉。

それは─────

 

「証明出来ない、答えがない....?

それは第五の───」

 

浦和は頷いた。

 

「そうです。

衛宮先生には私が着ていたものが何だったのか。

 

それどころか、()()()()()()」かどうかさえ証明する手立てはありません。」

「────。」

 

これは、浦和の最後の確認だ。

 

俺を信じていいのか、俺が浦和を信じられるのか。

 

「それでも衛宮先生は私を諦めないと──」

「─────信じるとも。」

「───え?」

 

間髪入れずに即答する。

 

「信じるに決まってる。

 

俺は「正しい答え」なんて興味無い。

これまで俺は「何か」を信じてただひたすら歩き続けてきた。

だから、今までと何も変わらない。

 

確かに誰かを疑うことはあるかもしれない。

考え無しに人を信じることもあるだろうけど。

それでも、そう思うに足りえる理由(何か)があるんだ。

 

正解なんて一つじゃない。」

 

「正しさ」や「正義」が一つではないように──。

それこそ人のいる分、無限にあって、それぞれの正解がある。

 

「では先生は───」

 

「第五の古則の答えに「正解はない」。

でも肯定するにも否定するにもまず()()()()()()()()()()()

探し続けたり否定するための根拠を並べたりしてな。

信じ続けることは出来る。」

 

衛宮士郎()が俺の生き方()を信じ続けているように。

それの善し悪しを、誰が測れると、証明出来るというのか。

 

「それが衛宮先生の答え、ですか?

ただ「信じる」と?」

 

「あぁ。

「決めつけること」も「否定すること」もしない。

それが俺の────」

 

突如聞こえてくるドタバタ音。

 

「やっほ!士郎!

撃たれたって聞いたけど無茶苦茶元気そうじゃん!

あーあ。

わざわざ朝一番の電車に乗ってきたのに無駄足だったね...。」

 

「お姉ちゃんは電車の中で寝てたからマシだよ。

ユズなんてずっとネットでアビドスのマップと格闘してたんだから。

それに一度アビドスを歩いたことのあるアリスちゃんが居なかったら今頃遭難してたよ?」

 

「私は....その。

人通りの少ない道を探していただけで....。」

 

「私たち勇者パーティが来たからには安心してください!シロウ!」

 

そこに居たのはゲーム開発部。

 

ベッドから転がり落ちた上半身裸の俺。

光学迷彩で大事なところは見えていないが故に冗談抜きで真っ裸の女子生徒(浦和ハナコ)

そりゃあ───

 

「「キャアアアアアアアーー」」

 

叫ばずにいられないのが歳頃の女の子達である。

 

「ご、誤解だ。」

流石に2度も部屋で大騒ぎすれば、みんなが飛び起きた。

 

「 ...!

敵襲か!?」

 

「ど、どうしたんですか、朝から....

って、衛宮先生とハナコちゃん!?そんな格好で何を...!

それにそこにいる方はお知り合いですか?」

 

「....え?ちょ、ハナコ何───」

 

敵襲と誤認して起きるアズサと。

浦和の格好を見て顔を真っ赤にするヒフミと。

即鼻血を垂らすコハル。

 

そして────

 

(ジャキィン!)

「........あなた様?

これはどういう事か説明していただけますか? 」

 

戦闘態勢に入った、ワカモの姿。

 

「ま!待て待て!ワカモ!

─────.......。」

 

が、そんな事より今は問いたださなければならない事がある。

頭の体操をしておいて正解だった。

 

間違いなく()()()()は、異常だ。

 

「───ちょっと待て!

 

なあ、モモイ!

お前、その話()()()()()()

一から話せ、ミレニアムは()()()()()()()()()?!」

 

「え、えーっとね ....?!その───

 

面倒くさくなったのか、問い詰めた俺が()かったのかモモイはユズの後ろに逃げるように退散した。

 

「....そうですね .....///」

 

ユズは顔を真っ赤にして倒れそうになっていたものの、深刻さを理解してくれたのか、深呼吸して話し始めた。

周りのガヤも、それに伴い消えていく。

 

「一から話すと、昨日の夜2時過ぎくらいにネットのニュースに流れていたんです。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って。」

 

「2時!?」

 

おかしい。

情報の伝播が速すぎる。

2時と言われれば丁度俺が撃たれた時間帯だ。

 

「情報源が何処かわかるか?

情報部(ヴェリタス)か?」

 

「いいえ....ハレ先輩は否定して....むしろ不思議がってました。

『まるで情報を手に入れたのではなく「渡された」ような速度だ。』

って。

 

私達はその....心配だったんですけど、3時くらいにユウカ先輩が部室にやって来て「衛宮先生と連絡が取れないけど貴女たちは?」って聞かれて。

皆で衛宮先生の携帯に連絡をとったんですけど繋がらなくて。

モモイが「確かめに行こう」って言い出して....。」

 

3時頃に早瀬から?

 

携帯を開いて履歴を見るが、ない。

その理由をワカモが語る。

 

「それは桐藤ナギサからの電波妨害によるものです。

私達も士郎さんへ連絡をしようと電話をかけたのですが繋がらず。」

 

「...電波妨害(ジャミング)って....あれだろ?

通信障害を起こす奴。

いや、でもあれだけ怒った後、あっさり温泉開発部扇動と地雷の件を話したナギサがそんな事するわけ.....」

 

たしかアビドスで初めてカイザー理事に会った時、アヤネとの通信を妨害されていた。

それはさておき更におかしいことが一つ。

 

「なぁ。

なんで()()()()()()()()()って分かったんだ?」

 

トリニティのトップに撃たれた、と聞いたなら尋ねるのは当然トリニティになるはず。

それが彼女達はアビドス(此処)に来ている。

 

 

俺の疑問にミドリが答えた。

 

「いえ、ネット記事の最終更新でアビドスに移動したって書かれていたんです。

あ、()()というのも、その手の話題の記事は片っ端から消されてしまったんですけど.....。」

 

その手の権限と技術を持ってるのはヴェリタスかリオのどちらかだ。

おそらく不確定な情報をシャットアウトしたのだ。

逆にいえばそれがなければミレニアム中にナギサのスキャンダル情報が出回っていただろう。

 

ここで携帯が鳴った。

発信者は、ウタハだ。

 

電話に出るとまるで今の会話をリアルタイムで聞いていたかのように注釈を開始した。

 

『やぁ、親方。

状況の説明は後回しだ。

 

電波障害に関してなんだが。

とある()()()()からの情報によると現物の機器は時限式でもなければ遠隔操作出来るタイプでもないようだ。』

 

「え?なんでC&Cが動いてるんだ?」

 

確か、Cleaning(C)&(&)Clearing(C)ってセミナーの直轄の()()秘密部隊だったよな?

それがどうして....?

 

「いや、それはともかく、今()()()()するタイプじゃないって言ったよな?」

 

『あぁ。

要はON/OFFの機能しかないタイプだ、という話だよ。』

綺麗に裏が取れた。

ミレニアム中に出回ったナギサの行動。

俺と補習授業部の連絡を邪魔したジャミング。

 

ナギサの反応は「俺に危害を加える」ではなく「自分の身を守る」「俺に恐怖した」とそんな具合だ。

これまで行ってきたその行動の根本理由。

それが「エデン条約の締結」ではなく単純に「死にたくない」であったとするのなら?

 

俺に情報をくれた理由は、俺を敵では無いと、認識してくれたからだと都合よく解釈したとして。

 

であるなら。

 

「ナギサは......罠にハマった?

いや....桐藤ナギサ(ティーパーティー・ホスト)の評判を落としたい誰かが居るって事に───!」

 

ようは不信任案を提出するようなものだとしたら。

 

そもそもがおかしかった。

頭の回るナギサが突発的に起こしたにしては酷すぎる行動の数々。

もし、それが俺達が勘違いしているだけで、第三者の罠だとしたら?

 

「ワカモ!

大至急ホシノ達を呼んでくれ。

俺はヒナ達風紀委員会とイチカ達正義実現委員会を呼ぶよ。」

 

「は、はいっ!」

 

 

 

皆が集まる前に洗面所で顔を洗う。

 

「あれ....おかしいな。」

 

鏡に映る自分の姿が、()()()見える。

それと───

 

「なんだ────この()

 

 

───左眼の色が、青色に変色している。

なんだってこんな色に。

ナギサに撃たれた時に、何かあったか?

 

『あ、あの衛宮先生。

皆さんが集まりました。』

 

ドア向こうからヒフミの声がして。

無意識に()()から意識を逸らした。

 

「あぁ、今行くよ。」

 

 

 

 

「イチカ。

やっぱりナギサは(つか)まらなかったか?」

 

「そうみたいっすね。

トリニティ内も大部混乱してるみたいっすから。」

 

みんなが集合した辺りで状況を再度説明する。

浦和は流石に色んな方面から怒られて制服を着なおした。

特に、対策委員会が詰め寄る様子は傍から見ても.....カタギの雰囲気とは言えなかった。

 

「まず、今の俺は補習授業部の顧問になってる。

というのもその部活はティーパーティーとヒナの間で進んでる「エデン条約」を邪魔する容疑者を叩き込んだ部活だ。

シャーレの権限を用いて生徒を退学にできるようになってる。

作ったのは桐藤ナギサ。

俺を顧問へ推薦したのは聖園ミカだ。

 

で、どうもその方面から俺も"処理"出来るよう監視されてたらしい。

ただ、現状「誰が監視を付けたか分かってない。」

 

ナギサは俺の事も警戒して藤河マコを人質(切り札)にしようとしたけど部下の暴走で失敗した。

ミカのお陰でティーパーティーから逃げられたけど、結局マコは行方不明になった。

さらにナギサは隠蔽を画策した。

 

ワカモの話によると一応無事らしいけど.....。

ここまでは───いいな。」

 

そこまで語った瞬間に対策委員会(ホシノ達)の表情は曇りに曇った。

当たり前といえば当たり前か。

仲の良い友人が、見知らぬ生徒に苦しめられた上に犯人が罪を認めようとしないのだから。

皆、怒っている。

 

実際、セリカは無言で椅子から立ち上がった。

それをシロコが歯を食いしばり、自らの怒りを抑えながらも引き止めている。

 

「皆.....気持ちは分かるし、藤河....マコの事を心配してくれてるのは凄い嬉しい。

だけど、話はまだ途中だ。

待ってくれ。」

 

「.....わかってるよ、先生。

でも私達はいいとして、ここに居る藤河組の皆は────」

 

心配するホシノは彼女達に視線を向けて驚いた様子だ。

誰も、1mm足りとも動かない。

 

「.... 大丈夫だ。」

 

ワカモがずっと睨みを利かせてる。

誰一人として動けていない。

 

「続けるぞ、そこからは補習授業部をティーパーティーの部下が襲った。

これは自発的な反抗だ。

自分のやった事を重く見たからこそ、生き残るために。

 

そこから補習授業部の生徒と喧嘩してボロボロになっちまった俺は本館の救護騎士団の世話になったり下街を見に行ったりした。

で。「何者か」から「俺がトリニティにいる」という情報を得た美食研究会に拉致されかけた。

 

そこからは補習授業部、自警団や正義実現委員会のおかげで事なきを得た。

エデン条約締結手前、美食研究会の扱いをどうするかをナギサに進言。

「シャーレ」が「ゲヘナ」へ引き渡す形になった。」

 

ヒナへ視線を送る。

 

「......ええ。

万魔殿(パンデモニウム・ソサエティ)はともかく風紀委員会(私達)はその認識....。

 

でも、ナギサは分かっていながら学力試験の会場を無断でゲヘナの廃墟街へ設定した。」

 

「.....あぁ。

俺も使える手段を使おうとした。

実際トリニティにヘリを向かわせようとした矢先、ヘリは撃墜された。

 

イチカ、対空迎撃した生徒の調べはついたのか?」

 

「....さっきハスミ先輩から連絡が。

やはり先生の言う通りティーパーティーの、それもナギサ様の部下っすね。

 

砲撃した生徒からの話では「空砲や曳光弾(えいこうだん)で威嚇し撤退させろ」と指示されたそうっす。

しかし実際には実弾が装填された.....。

本人達曰く「すり替えられた」と。」

 

ん?

ちょっと待った。

分からない単語がひとつある。

 

「その「曳光弾(えいこうだん)」ってのはなんだ?」

 

聞くと、アズサが答えてくれた。

 

曳光弾(えいこうだん)は光る弾丸や弾頭の事だ。」

 

 

「光る弾丸?

それで、なんで威嚇になるんだ?」

 

「砲撃とは何も攻撃だけに使われる訳ではありません。

「ここには対空砲があるぞ」という、意思表示にもなるんです。

これがどういう事か、お分かりですか?」

 

......なるほど。

光る弾頭は夜だから見やすく。

尚且つ、「引かないのであればこちらからは一方的に撃てるぞ?」と相手に伝えられるわけか。

 

 

「なるほどな。

それが現地で実弾とすり替えられた、と。

 

つまり、シャーレのヘリを追い払いはすれど撃墜するつもりはナギサにはなかったかもしれない訳だな?」

 

「そうなります。

あくまで可能性っすけど。

あ、操縦していた生徒は現地の....ボランティア生徒の応急処置が早かったおかげで軽症で済んだそうです。

ただ、なんかこう.....

奉仕活動部なんて存在しない部活動に所属している生徒達だとか .....。」

 

「.....まぁ、救護活動した生徒の身元はこの際置いといて。

その後、文句を言いに言った俺はナギサに撃たれ、俺はナギサを殴った訳だ。

これは間違いようの無い事実。

 

で、説教して反省したのか会場に仕掛けた(地雷)や敵勢力の情報を俺に明かした。

 

ただし得た情報は「何者かによる妨害工作」によって伝達できず。

俺の乗った車が向かった橋は堕とされ、全て道が通れないほどの状態だった。」

 

ここで小鈎(おまがり)ハレから追加の情報がやってくる。

 

『ついでに、その橋。

()()()によると()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()らしいよ?』

 

「.....。」

 

そう来たか....。

ヒナも眉間に皺を寄せている。

内通者は()()()()()()()()、ということだ。

 

「 ....試験会場は爆発。

 

だけど、アズサ。

お前が見たっていう地雷。

あれはどういう時に使うものなんだ?」

 

「どういう時.....?

効果の────」

 

彼女は俺の言いたいことを察したのだろう。

いつもより真剣に、かつ冷や汗をかいている。

 

「あれは対人地雷。

要は人を負傷させるための地雷であって───

 

建物を破壊、炎上させるほどの威力はない。」

 

「「──!」」

 

確かにナギサは地雷を仕掛けたとは言った。

しかし、それは試験を妨害する為であり、直接的に生徒へ被害を出すものではない。

 

「多分、地雷の起動ギミックに第三者が爆発するよう局所的に細工したんだ。

出なければあのレベルの爆発はありえない。」

 

「でも!

それってあんたや士郎達の想像な訳じゃない?

その桐藤ナギサって生徒が仕組んだかもしれないじゃない。」

 

セリカの言い分も最もだ。

が───

 

「全て現ホスト(ナギサ)の仕業」

そう思わせることが、この事件の裏にいる第三者の思惑だとしたら?

 

....これから俺の知っていることを話すよ。

ナギサの行動理由が手っ取り早く納得できる話だと思う。

他言無用で頼む。

 

ただ、そうだな....。

ヒナ、天雨を下がらせてくれないか?」

 

一言付け足すと本人は不機嫌になった。

まぁ、こんな大事な局面で「下がれ」と言われれば────

 

「....そうですか、私の事は信用ならないと。」

 

そうなるのは当たり前だ。

 

「お前のことは()()()してる。けど今回ばかりに関してはなんて言われても()()()しない。

 

.....もし、トリニティのスキャンダルが発覚したとして、それを優位な立場を作る為に使わない自信があるか?

十中八九ないだろ、お前には。」

 

「.......。

ええ、よくお分かりで。

ですが私は───」

 

「アコ、いいから下がって。」

 

ヒナは俺の話すことの重さを理解してくれたのだろう。

天雨を下がらせてくれた。

 

「あと、そうだな。

ホシノ、対策委員会はお前とアヤネを残して全員下がらせてくれ。

 

補習授業は部長のヒフミと後ハナコ。

正義実現委員会はイチカ。

 

ゲーム開発部は全員下がってくれ。」

 

そういうと指示に従って皆が教室から出ていく。

が───

 

「えー?ここまで来て私たちだけ放置って酷くなーい?!」

 

モモイが唐突に文句を言い始めた。

それを周囲の者たちが腕を引っ張り連れ出そうとする。

 

「仕方ないよお姉ちゃん。

私達、衛宮先生の様子を見にきただけで完全な部外者だし。」

 

「でもさ、でもさ─!」

 

ミドリが宥めるもジタバタしてこの場に残ろうとするモモイ。

 

それを─────

 

「言うこと聞かない子はお仕置ですよ~?」

 

ノノミが()()で説得した。

普段ユウカから怒られているモモイには、直ぐにノノミの()()のヤバさが分かったらしく、大人しく連行されていった。

 

 

皆が教室から出た後。

俺は語り始める。

 

「今、トリニティのトップの1人。

百合園セイアが何者かに殺された。

セイアを亡き者にし、ナギサの評判を地に落としホストの座を奪おうとする()()()が存在している。

そのせいで───」

 

その言葉は、浦和の語る()()()()()()()()()()()()

 

 

「いいえ、衛宮先生。

 

百合園セイアさんは生きています。」

アズサとの絆エピソードの前半はとある理由で士郎を怒ったアズサが士郎をガンショップに連れていく話です。(今のところ)さて、士郎はどんな銃を買うでしょう。

  • 回転式拳銃(リボルバー)(一丁)
  • 自動式拳銃(オートマチック)(二丁)
  • サブマシンガン(一丁)
  • マシンガン(一丁)
  • アサルトライフル(一丁)
  • スナイパーライフル(一丁)
  • ショットガン(一丁)
  • ショットガン※レバー式(二丁)
  • アンチマテリアルライフル(一丁)
  • 買わない
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