衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】   作:神宮寺志狼

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「今からこのイベント名を「量産型ワカモイベント」と命名する!」(水曜どうでしょう並感)

多分このルートのアーチャーは本家3ルートと比べても死にきれない退場の仕方したんだろうなぁ ....。
本気で、彼は救われなかった。

衛宮士郎と対峙した理由が、自分が開放されたいからでも、罪滅ぼしの為でもない。


#4 休戦協定/VS mass productions Beast Fox(I)

Interlude 4-1 ユキノユメ、ツキノキオク

 

体が、燃えるように熱い。

体を動かそうと悶える。

 

不意に腕が、何かを掴んだ。

 

それは小さな少年の足。

泣くまいと、必死に歩いていた彼は。

耳を両手で塞いで、私の腕を振り払った。

 

ここは火事の現場なのだろう。

 

まるで、髪の毛はおろか、全身が焼けているような彼の体は見えなくなった。

 

 

 

意識が目覚めれば、私は見知らぬ屋敷にいた。

それはまるで武家屋敷のような、百鬼夜行連合学院の自治区と同じ様式の家だった。

 

「どこだ....ここは。」

 

冷たい床を歩き、暖かい畳の上を進む。

 

「子供の頃────」

 

「っ....」

 

男の声がして、不意に物陰に隠れてしまう。

不法侵入もいい所だ。

しかし実際は自分にだって何がなにやら分からないのだから困る。

 

低く、抑揚の無い男の声が、冷たい寒空の縁側の下に、消え去るように、けれどしっかりと響いていた。

 

「───僕は正義の味方に憧れてた。」

 

 

正義の味方.....?

いい歳した大人が何を言っているのか。

 

「なんだよそれ。「憧れてた」って、諦めたのかよ。」

 

「うん、残念ながらね。英雄(ヒーロー)は期間限定で、大人になると名乗るのが難しくなるんだ。

そんな事、もっと早くに気付けば良かった。」

 

柱の影からそっと、縁側を覗いた。

そこに居たのは、今にも倒れそうなやせ細った黒髪の老人───いや、中年の男性と。

 

例の、赤毛の少年だった。

 

「そっか。それじゃしょうがないな。」

「そうだね。本当に、しょうがない。」

 

何かが、おかしいと感じた。

日常というにはどこか寂しい、でも悲しさも感じない。

ただ、座る2人は哀れに思えた。

 

男は随分と衰弱しているが、その根底には鍛えられたモノを感じる。

 

───彼は、本当に「正義の味方」だったのだろう。

理由は分からないが、それを諦めた。

単純にそれだけの会話だった。

彼が───そう言うまでは。

 

「うん、しょうがないから俺が代わりになってやるよ。

切嗣(爺さん)は大人だからもう無理なんだろうけどさ。

俺がなる分には子供だし、大丈夫だろ。』

 

少年は腕の裾をまくって力こぶを作った。

 

彼は子供だった。

世間も、世界も、「成る」と誓った「正義」さえも知らない。

ただ、「不幸」と「死」を身近に育ってしまった、子供だった。

 

「任せろって。

切嗣(爺さん)の夢は────」

 

彼は、「正義の味方」になると誓った。

「正義」とは(なに)で、何をすれば「正義の味方」になれるのかも知らないまま─────

 

「あぁ、安心した.....。」

 

死にゆく()へ、決して裏切れぬ誓いを立ててしまった。

 

 

 

意識が飛んだ。

次に違和感を感じたのは、鼻だった。

 

「うっ....!?」

 

激臭に耐えられず鼻をつまむ。

喉元まで胃の中身が戻ってくる程の気持ち悪い腐臭。

 

両目で捉えたものは、何人、何百人もの遺体だった。

それで、ようやく理解した。

 

私が立っているのは────戦場なのだと。

 

そして、見据える先に立っている男がいた。

頭髪は赤毛に白髪が混じり、まるで業火に焼かれたかのように日焼けした肌。

そして、見る影もないほど、歪んだ眼差し。

 

それは、あの縁側の少年だと、どうしてか理解できた。

 

 

そこから、体感、何時間も人殺しを見せつけられた。

 

地獄を見た

 

何人も何人も、何人も何人も何人も何人も何人も何人も。

目の前で、少年が殺していった。

 

地獄を見た

 

砂漠で、市街地で、野原で、建物内で、海上で、空中で。

所構わず殺しを続けた。

 

────地獄を見た

 

「正義の味方」になると誓った少年は、どうして、殺戮を繰り返すのか。

手をかける相手の中には、武器を持っている者もいれば、罪のない子供や一般人も混じっていた。

 

「こんなもの」の何処が「正義の味方」と言うのか。

 

 

 

 

また、視点が変わった。

それは崩壊しかけた城の内部。

 

男が2人、立っている。

1人は成長した、あの日の少年。

 

もう1人は、先程の「正義の味方」だ。

そちらが、先に口を開いた。

 

「あぁ、()()は確かに「英雄」になったさ。

今、お前が望むように、願うように、目指す「正義の味方」。

そこに、至ったよ。」

 

一体、あれの何処が「正義の味方」だと言うのか。

─────いや、本当は、理解している。

ただ、それを、私は認めたくないだけだった。

 

「だが、それは間違いだ。

「正義の味方」という概念そのものが、間違いだったのさ。

何故なら()()は知っている。

「正義の味方」とは「より多くの人を助ける」ものだ。

10を救う為に1を犠牲にし、場合によっては、その助けた10すらも、100 を救う為に犠牲にする。

 

だから殺した、殺し尽くしたさ。

己の理想の為に多くの人間を殺し、その数千倍の人間を救った。」

 

そうだ。

そうするしかない。

より多くの人を助けるために、目の前の犠牲を容認してきた。

 

私も、彼と変わらない。

 

けれど、差は歴然だった。

私は、先程の彼の殺戮の光景を延々と見せられることに、耐えられず目を閉じた。

見無かったことに、しようとした。

 

あれとて、断片的なものだろう。

「人」ではなく「正義の味方」として存在を変えてしまった彼は、不変の存在となり、延々とそれを繰り返した。

 

 

けれど、私はそれを、羨ましいと感じてしまった。

あれだけ人を殺せる彼には、人の心など無いのだろう、苦しみなどないのだろう。

ただ世界の歯車、システムとして存在する彼は、何も感じないのだろう、と。

都合よく考え、それを羨ましいと感じた。

 

けれど、人が「正義の味方」になどなれるはずも無い。

どこまでいっても、彼は「心を鉄」にしても「人としての感情」だけは捨て去ることが出来なかったらしい。

 

「けれど、切り捨てた側を助けることは出来なかった。

単純な話だ。

「罪の無いもの」を助けるために「罪ある者」を殺した

であれば「罪ある者」を救う為に、何を切り捨てればいい?」

 

そうして、繰り返したのが、あの殺戮の光景。

 

「別に、誰も彼もが幸福であって欲しいなどという傲慢な願いは持ってはいなかったさ。

ただオレは、自分の知りうる限りの世界で、誰にも涙して欲しくなかっただけだったのにな。」

 

彼は現実主義者だった。

ひたすらに「正義」に味方し、当てはまらない者を「敵」として殺してきた。

「正義の味方」が救えるのは、味方をした人間だけだった。

 

彼は、壊れていた。

普通の人間ならばそのように、簡単に、「1を犠牲に多くを救う」などと言う選択肢をとることは、出来ない。

それを、彼は「世界規模の命」で行ってしまった。

 

結果、助けた命より、奪った命の方が多く、重くのしかかった。

けれど、その罪悪感にすら彼は耐えきった。

そして、その死後、存在そのものを「正義の味方(抑止力)」にしてしまった。

 

それを、今、「正義の味方」となった少年は後悔していた。

 

 

「違う、間違えていたのは、最初だけだ」

 

その彼の努力と、後悔と願いを。

未来の自分を見て尚、少年は否定した。

 

「俺は「多くの人間を救う」事が「正義の味方」だとは思ってない。

確かに、俺も手の届く範囲の人に嘆いて欲しくないってのは同じだ。

けど、その先は違う。

お前はそこで諦めた。

誰もかも助ける方法を模索せず、切り捨てた。

俺はそんな事しない。

 

「俺は、必ず全員を救って、笑顔にしなければならない」からだ。」

 

「─────貴様。」

 

「正義の味方」より、「少年」の方が壊れていた。

「正義の味方」になった彼はマシだった。

 

多くを救う為に少数を切り捨てる()()()手段を取ることができた。

 

けれど、少年は────手遅れだった。

彼は本気で「全てを救わなければ」いけなくなっていた。

 

「は、はははははっっ──!

ではなんだ?全員を救う手段を見つけられなければ、全員見殺しにすると言うつもりか!

いや、これは傑作だ!

それの何処が「正義の味方」だと言う?」

 

誰もそんな事言ってない

馬鹿らしいってのは分かってる。

けどな、少なくとも諦めたお前より、マシだ。」

 

人を救う為、人を殺していた「正義の味方」より。

「全ての人を救わなければいけない」彼の方が、よっぽど壊れていた。

 

「貴様───本気で言っているのか....?」

 

「あぁ、本気だ。

だから今日、ここで俺は間違った理想()を叩きのめす。」

 

「そうか.....ならば、死んで楽になるといい───」

 

 

そうして、無限に思われる剣戟が、城の中で響いた。

最初、優勢だったのは、「正義の味方」の方だった。

 

けれど、少年は何度切り裂かれようと、貫かれようと、体が吹き飛ぼうと、蘇った。

 

際限なく、彼は立ち上がる。

 

そして、とうとう「正義の味方」は、少年に倒された。

体は塵となって消えていく。

その散り際の顔は、憎しみではなく少年を憐れんでいた。

彼にとって少年を殺すことが、「少年に対する救済」になると思っていたのだろう。

 

それがその悪夢の、最後の光景だった。

 

Interlude 4-1 ユキノユメ ツキノキオク End

 

 

「───ッ!?」

 

眠っていた少女が飛び起きた。

 

「おはよう、七度。」

 

彼女は俺を認識すると、数歩後ずさりする。

 

「生きて....いるのか...?」

 

「そうだよ。

だから大丈夫だよ、ユキノちゃん。」

 

怯える七度へ、吉野がインスタントのコーヒーを差し出した。

ありがとう、と感謝の言葉を七度は吉野へと向ける。

 

「...夜営か ...こんなにしっかりした夜営は初めてだ。

お前達はその点経験豊富そうだよな。

こうやって携帯用簡易コンロとかも持ってるわけだし。」

 

「.........。」

 

七度の視線が、ブレない。

ずっと俺を見続けている。

 

「......悪い、上手く話題が拾えなくて。

お前が落ち着いたら色々話をしようと思っていたんだが、どうする?

聞きたくないってならそれも一つの手だ。」

 

カップを置いて、覚悟は決まっていたかのように、彼女は言う。

 

「それはありえない。

理由も理屈も分からないが、否定しようのない程、貴方は特殊な立場に居る事はもう分かった。

 

そして、今のD.Uの騒動の中心であり、この後も解決の為に身を乗り出すのだと言う事も。

 

正直に言えば、それを把握しないまま作戦行動に臨むことは出来ない。

 

もし、貴方がこのままシャーレに帰る、というなら話は別だ。

私達はこのまま別れるだけの事だ。」

 

どうやら錯乱も混乱もしていないようだ。

その言葉は信じていいだろう。

 

「いいや、それこそ無理だ。

俺はこの事態を収拾するって約束してきたばかりだ。

元々、俺の不始末が原因なのに、それをお前達に押し付けることなんて出来ない。

けれど、現状戦力不足は否めない。

こっちは地理に詳しい奴と、戦術、戦略に特化した生徒が2名だけ。

俺は.......戦えない。

 

だから頼む、お前たちの力を───貸してくれ。」

 

土下座をする形で、頭を下げた。

 

「......。」

 

七度は周りを見渡している。

その視線の先は座って仮眠を取っている高倉と天神山、そしてヒフミ。

 

俺が意識を取り戻してから数時間してから、連戦の疲労からか、寝てしまった。

 

 

 

「.....FOX2、それと浦和ハナコ。

少し、彼と2人にして貰いたい....。」

 

「.....。」

「分かりました....では私達は表の通りの様子を見てきます。

行きましょう、ニコさん。」

 

何か七度の態度に思うところあるのか、2人共納得して下がって行った。

俺もそれを無言で許した。

 

別に嫌われている、憎まれているとはいえ、銃を抜かれて殺される、なんてことは無いだろう。

 

「───────貴方は.....一体何者なんだ。」

 

突然聞かれて戸惑った。

何を聞きたいのか、分からない。

 

「.....衛宮士郎。

23歳、職業は「シャーレの先生」。

 

それでいて、魔術師、正義の味方見習いってとこかな。」

 

「......。」

 

コーヒーを1口、彼女は飲んだ。

何を考えているのか、その眉を潜め、睨むように、見極めるように俺を見続けている。

 

「FOX3、クルミが死亡確認をした。

その時、貴方の心臓は停止していた。

それどころか、再起不能なまでに、その体は────」

 

「あ、いや ....まぁ気持ち悪いよな。

目の前で心臓が爆発した人間が、こうして生きて会話してるんだから。

当たり前だ、お前のその感情は人として正しいものだ。

 

実を言うと、俺もなんで治るのか、分かってないんだ。

俺がかけられた"鎖"の効果なのか、それとも神秘の力なのか。

 

でも一つ言えるのは、お前のせいじゃない。

さっきも言ったけど、取り繕った言葉なんていらない。

どれだけその言葉に殺意が、恨みが乗っていようと。

先生にとって──

生徒の本音を聞けるのは嬉しいことなんだから。」

 

「........。

では、貴方は生徒になら殺されてもいいと、言うつもりで?」

 

いや違う違う。

何も殺されていいとは思ってない。

 

「そういう点なら、ダメだ。

キヴォトスの殺人の重みはお前達子供である生徒に耐えられるものじゃない。

生徒の為に、俺は死ぬ訳にはいかない。」

 

一言とて「自分の為に」など言わなかった。

それが、()()俺の本心だからだ。

ナギサに撃たれた時、真っ先に思ったのは、「アイツに罪を背負わせたくない 」だった。

 

「─────正気とは思えないな....。」

 

「七度。」

 

次は、俺の番だ。

 

「────俺の事を、「先生」と認められなくたって構わない。

お前たちの学園が無くなりつつあるのが、俺が来る前からの話だったと不可抗力だったと言って逃げるつもりもない。

 

不必要とされた上で、お前達に対して何も手を差し伸べ無かった奴の、むしのよすぎる話だ。

それでも、お前達の力が、必要だ。」

 

少しの沈黙の後、七度は呟いた。

 

「やはりSRT(私達)は、必要とされて存在していたんだな.....。」

 

表情が会った当時の、キリッとしたものに変わった。

それはナギサと同じように、「FOX小隊隊長」としてのものだった。

 

「衛宮先生。

確かに今は貴方を先生と認められない。

 

けれど───1人の大人として()()なら認めてもいいと思っている。

今私から言えることはそれだけです。

 

FOX小隊は現時点より、シャーレと協力して事態の収束に尽力すると約束しましょう。」

 

そうして彼女は手を差し出した。

それは握手、この状況を協力して乗り越えようという、意思表示。

分かっている、これが一時的なもので、今後永続ではない事を。

 

「あ、あぁ!

ありがとう、それで十分だ!」

 

その手を、がっしりと掴む。

嬉しさのあまりのことだった。

 

けれど、彼女はこちらを睨みながらいう。

 

「......全てにおいて貴方を許した訳ではない。

しかし....貴方が私を必要とするように、私達にも補給や作戦指揮が必要だ。

 

見極めさせて貰う。

衛宮士郎...先...」

 

「無理に「先生」って呼ばなくていい。

年上を苗字で呼び捨てにするのはかえってやりづらいだろうから、俺のことは士郎でいい。」

 

「─────。

そうだな、上の名前で呼んでしまうと彼と被るから。

 

「......?」

 

一蹴されると思いながらも提案したそれは、簡単に承諾された。

 

「とにかく、一緒に戦ってくれる、ということでいいんだな?」

 

「私達だけでは迅速に鎮圧できない案件であることも確か。

それに、「災厄の狐」。

今回の事件は彼女の犯行ではない、と私達は考えています。」

 

「─────!」

 

「「災厄の狐」のやり口としては杜撰さが目立ちます。

自身の替え玉を用意して撹乱と混乱を引き起こすのは陽動としては良い手段だが、部隊の指揮がまるでなっていない。

ヘルメット団など完全に放置している。

 

あれなら数に物言わせサンクトゥムタワーを襲撃するか、ローテーションを組み長期戦に持ち込んだ方がいい。

 

「災厄の狐」はそのように戦力を無駄にはしないはずです。」

 

一度退()()ならぬ対峙したことがあるからか、彼女は断言してくれた。

例えそれが敵側から見た際の要因とはいえ。

それでも味方がいてくれることが嬉しかった。

 

「.....ありがとう。

あいつを見たら相当驚くと思うぞ?

様変わりした様子に。」

 

「そういえば、矯正局から脱獄したのを確保し、監視下に置いているそうですね。」

 

.....睨まれている。

仕方ないといえば、そうだろう。

 

ワカモは俺が来る前、相当なしでかしをしている。

それを必死で捕まえたというのに時が経てば無罪放免。

 

彼女達にとっては面白くないことだろう。

 

「.........。」

「士郎、貴方は甘すぎる。

理想もだが、生徒に対してもだ。

 

あれは制御不可能な暴力装置だ。

見切りをつけた方がいい。」

 

 

「それは────賛同できない。

俺はあいつが暴れていた理由も知らないし。

捕まえるのにどれだけの手間暇と歳月を使ったのかも、わからない。

 

けど、あいつにだって良いところは必ずある。

そこを持ち上げてやれば、いずれは───」

 

『お前達はこっちを探せ!』

 

『シャーレには戻ってない!

まだD.Uに居るはずだ!』

 

表通りから生徒達の声が聞こえる。

もう夜になったというのに、まだ俺を探しているらしい。

 

 

「お話中悪いけどさ、そろそろ動いた方が良くない? 」

 

その声に振り返ると、全員起きてそこに立っていた。

 

 

「.......とにかく移動しよう。

俺が囮になる。

 

お前達は弾薬だって少ないだろ?

シャーレか、ヴァルキューレ警察に行けば弾薬補充くらい出来るはずだ。」

 

「そ、そんな無茶です衛宮先生!」

 

ヒフミが止めに入ってくる。

けれど、それを聞いている暇はない。

 

「今こうするのが最善の策だ。

大丈夫だ、自分の身なら守れるし、俺一人ならどうとでもなる。

 

七度、お前達は浦和とヒフミを守りながら後から来てくれ。」

 

少し考えてから、七度は俺の提案を蹴った。

なれど、全てを否定した訳ではなかった。

 

「.......いや、ならFOX2、FOX3を同行させる。

これが最低限の条件だ。」

 

「ん、ならそれで。

よろしく頼む、吉野、高倉。」

 

そうして2人を後ろに引き連れて走り出す。

 

「衛宮先生───どうかお気を付けて!」

 

「あぁ!」

 

浦和の祈りのような叫びに、自信を持って答えた。

 

 

 

 

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