衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】   作:神宮寺志狼

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リアリティ&ロマンを追求しました。
後は....ワカモが怪物になりかけてないか心配だなぁ。

ちょっと長くなりましたがもうそろそろこの章もおしまい。
読み合いと敵の戦術が完全に士郎を殺しに来てるんだよなぁ。

逆にヒフミ達と一緒に士郎が居たら多分タマヒュンして死にます(無慈悲)
それはそれとして、レイジョ.....ごめん。


#8 攻防─進退/VS mass productions beast Fox(V)

Interlude 8-1

Three Drive / Destruction & Domination

 

「ヒフミちゃん!大丈夫!?」

 

「は、はい....なんとか....。

私よりユキノちゃんが....!」

 

ニコちゃんが肩を貸しているボロボロになったユキノちゃん。

どうやらユキノちゃん同様に私を助けようと来てくれたようだ。

そのもう一方の肩を組むようにして慌てて支えた。

 

「大丈夫だよ、意識を失っているだけ。

それより────彼女。」

 

「.....はい、間違いなく彼女が本物のワカモちゃん(災厄の狐)です。」

 

ビルから上がる炎で、辺り一面の夜の闇が照らされ浮き上がるように見える2人の姿。

 

ワカモちゃんから「離れていて」と言われた私はやや遠目からその戦いを見ていた。

 

彼女は所属不明の生徒を圧倒している。

 

相手もそうとう鍛えているのか、既に何をしているのか分からない程の動きで攻撃を躱している。

しかし、そう。()()()()()()()

反撃する隙間もなく、表情も苦しそうだった。

 

「ねぇ、ヒフミちゃんは「災厄の狐」の戦闘を見たことある?」

 

首を横に振る。

皆無だった。

振り返ってみれば彼女は何時だって軽装備で。

弾薬もそこまで持ち合わせがなかった。

 

彼女の全力戦闘は、初めて見る。

 

「......まともにワカモちゃんが戦ってるところを見るのは初めてです。

一瞬だけならトリニティで見ましたが.....。」

 

あの時は凄い剣幕でミカ様と退治し、時間を稼いでくれた。

後から衛宮先生に聞いたが、ミカ様との戦いは一方的にワカモちゃんの敗北で終わったらしい。

それから何処か変わったようにワカモちゃんは一人、何かをしていたようだが。

 

「.......私たちが戦った時の....()()()()()()()()()()()().....。

戦い方はより大胆に動いているのに隙がない。

それに───尻尾って3本もあったかな....。」

 

「いえ....確か一つだけだったような気がしますけど.....。」

 

ここまで来るとあれが本当にワカモちゃんなのか疑いたくなってしまう。

その理由は尻尾だけではない。

いつも使っているライフルに追加でサブマシンガンを左手に構え、背中には対物ライフルを背負っていたからでもある。

 

完全な重武装。

間違いなくそれは「戦闘」の為の装備品。

それは私からすれば「決戦」に臨む為の装備のようで、言わば「臨戦 」だった。

 

「あれは....九七式自動砲....?

それにUZI.....違う、多分M9サブマシンガンだね。」

 

ニコちゃんは武装面を分析して私に伝えてくる。

けれど、詳しくない私には何がなにやら。

 

「簡単に言うと、あの背中に背負ってる対物ライフルは20mm

サブマシンガンは9mm弾だよ。」

 

20mm。

確かオトギちゃんが撃たれた弾丸もちょうど20mm。

 

どうして、そんなものを彼女が持っているのか────

 

「「災厄の狐」.....。

想定以上だな。」

 

「あら、それはどうも。

それで、そちらは何処(いずこ)何某(なにがし)で?

随分と()()()()()()を鍛えているご様子から察するに「ただの不良生徒」とは思えません。」

 

「.....。」

 

視界が夜に慣れてゆく。

 

攻めはワカモちゃん、会話は相手側が一方的な流れ。

 

相手が距離を離せば即座にライフルで追撃。

近距離戦ではワカモちゃんの「点」である銃剣の突きをナイフの「線」でギリギリ受け流しているように見えた。

 

そして、隙さえ見せれば近距離でも迷わずワカモちゃんは20mmのライフルのトリガーを引いた。

 

(バァァン!)

 

それを、なんという事か。

 

(チャキン!ドガァァン!)

 

相手の生徒は、手榴弾をぶつけて、相殺した───。

 

「───なんと!」

「─────。」

 

煙の中から出てきた彼女は、ワカモちゃんに肉迫する。

腕が、首元へ伸びる。

あれは掌底を突き出して.....

対するワカモちゃんはライフルの反動で、対応が遅い。

ダメだ、あれでは捉まってしまう。

 

 

(ダダダダダダダッ!)

 

ニコちゃんが横から援護射撃をした。

2人は以前、戦っていた敵同士。

ユキノちゃんだってワカモちゃんのことを信じていなかった。

けれど、今こうして、共に戦っている。

それが、物語の王道のような展開を迎え、新たな敵と戦うため互いを支える姿に、曇っていた心の中は晴れ。

この先の顛末が少しだけ、明るく見えた気がした。

 

「その制服と姿...。

SRTか──。」

 

こちらに銃口が向く。

されどその隙を、ワカモちゃんが逃すはずもなかった。

 

()()私相手に余所見をしている余裕があるとでも?!」

(パァン!)

「チッ....!」

ライフルの狙撃で生徒の構えたアサルトライフルは逸れる。

すかさずワカモちゃんが元いた場所から()()()()()()距離を詰めた。

 

左手でハンドガンを抜いた彼女はワカモちゃんへ発砲する。

──が、しかし。

 

「その程度の攻撃で私を止められるとでも!?」

「しつこい奴だ──!」

 

ワカモちゃんはその銃撃を身で受けながら接近した。

相手の生徒もマスク越しでも分かるほどの感情を目つきで露わにするが、戦闘に関しては至って冷静に対処しているように思える。

 

とうとう銃剣とナイフによる鍔迫り合いにまで至った。

 

「私、噛み付いた獲物は逃がさないのが主義でして。」

 

「餌を用意したのは此方だが.....逆に釣られたということか。

「シャーレの犬」ならぬ「シャーレの狐」め。」

 

ギリギリと、鋼の擦れる音がしたと思えば。

それを終わらせたのは相手の生徒による蹴り、足払いだった。

 

「あら?私としたことが───」

「形勢逆───なにっ!?」

(ドカッ!)

 

体勢を崩し、前のめりになるワカモちゃんに狙いを定める生徒。

されどその動きより先に、ワカモちゃんは前転と同時にそのアサルトライフルを蹴り上げ、跳ね飛ばす。

 

「貴様───!」

 

それはヒラヒラと宙を舞う。

それでも戦い慣れからか。

冷静に、失った武器を気にすることなく後退(バックステップ)し、手榴弾をワカモちゃん目掛け投擲した。

 

「───笑止!

先程の20mmを防がれたお返しです...ッ!」

 

それをワカモちゃんは

銃剣で真っ二つに切り裂いてしまいました...?

 

(ドカァァァン!)

「「嘘!?」」

「────なんだと.....馬鹿な!?」

 

驚きの声は私やニコちゃんだけではない。

これには堪らず驚愕したのか、バックステップを踏んだまま動きが止まった相手の生徒。

そして煙の中から突撃したワカモちゃん。

 

そして、その腕を掴み、その長物の対物ライフルの銃口を相手の生徒のお腹に押し込んだ上で。

 

「お覚悟は宜しくて───!」

 

引き金を、引いた。

 

(カチリ...ズドォォォン!!ズドォォォン!

 

「ぐぅっ......!」

 

衝撃が可視化されるほどの弾丸は彼女に直撃した。

それも彼女が上着の下に着ているトップスは裾の短いタンクトップで。

(へそ)をや肩は素肌を晒していた。

 

その腹部に至近距離から20mmの直撃弾を2発も受けたのだ。

いくら疎い私でも、「倒された」と思えた程だ。

 

「......クソっ....情報不足か.....。

「災厄の狐」......脅威度の認識レベルをあげるべきだな....。」

 

お腹を抑えながら。

彼女はぶつくさと喋り、立ち上がった。

 

「─────正直、今ので終わったと思っていたのですが。

まだまだ私も未熟のようです。」

 

立ち上がる相手から見据えながら、弾倉を投げ捨て、リロードをするワカモちゃん。

 

「それはこちらのセリフだ。

「災厄の狐」。

お前の強みは人心掌握と戦術で、個人としての戦闘力は高くないと聞いていた。」

 

「あら、それは悔しいですが正しい認識です。

()()()()()()ならば、ですが。

 

そして嬉しくもありますね。

この数週間「百鬼夜行(地元)」の奥地や「山海経」で「()()」を致しまして。

調度良い()()()を探していたのですが。

 

よく分かりました。

以前の私なら拮抗か辛勝です。」

 

「.....聖園ミカ.....あの馬鹿にでも触発されたか。」

 

その言葉を受けてから、ワカモちゃんの全身の毛は逆立った。

 

「......貴女、もしやアリウスの────」

 

立ち上がった彼女はといえば、耳に手を当てている。

──誰かと通話してる?

 

 

「────了解、無駄話はここまでだ、撤退する。」

 

「逃がすと思っ────」

 

相手の視線が、上へ向いた。

別の建物.....。

 

1人ではない....!?

 

見渡すとワカモちゃんの直上から煙を吐いて落下して───違う、()()()()()()()ものがあった。

 

「ワカモちゃん!上です!避けてくださいッ!」

「───ッ!!」

 

ロケットのようなミサイルが流れ星のように落ちてくる。

私の叫びでそれに気づいてくれたワカモちゃんは、ライフルで迎撃に成功した。

 

煙に包まれるなか、咳き込むワカモちゃん。

 

「ケホッケホッ.....一体何処からの─── 」

 

(ズドォォォン!)

 

闇の中、建物の中から花火のように光る閃光。

直後、建物が唐突に崩れ始め、此方に倒れてくる。

 

 

「不味くないですか!!?」

「ヒフミちゃん。

これ、間に合わないかも───っ!」

 

二人で動けなくなったユキノちゃんを支えながら急いで退避しようとするも頭上、目前にビルの残骸が落ちてくる。

全てはスローモーションのように、体感時間は遅くなる。

 

それが目と鼻の先になったところで────

 

「山海経功夫(カンフー)レイジョ直伝───

「玉天()────!!」

 

ワカモちゃんが、地面と平行に飛び蹴りをした........?

すると何故か私たちを余裕で被りそうなビルの塊は横へ吹き飛んで行った。

 

おかしい。

Where is it g=9.80665m/s²(重力/重力加速度は何処へ)

 

「お2人とも、少々失礼をば。」

「「────」」

 

そして、おかしい。

新たな瓦礫が落ちてくる前に私達3人は担ぎ上げられ、別のビルの屋上へ降り立った。

 

放心するしかない私たち。

 

「逃げられましたか.....ですが、これで敵はハッキリしました────あら?どうしましたヒフミさん。

鳩が豆鉄砲喰らったような顔をされて。

 

───まさか何処かお怪我でも?」

 

「......い、いえ.....

いま、ねじ曲げちゃいけないものが.......。」

 

物理学を無視した動きに、頭が着いていかない。

 

「ダメだ.....ヒフミちゃん。

これ気にしたら負けな気がする。」

 

そうして、2人してビル下の光景を眺める。

ズザァと、ビルが崩れていた。

 

「.....あぁ....これでは士郎さんに怒られてしまいます......。」

 

ワカモちゃんはそう言ってしょんぼりしている。

 

「「心配するの、そこなんだ。」」

 

ニコちゃんと2人、顔を合わせて言った。

 

Interlude 8-1

Three Drive / Destruction & Domination End

 

「........くそ、上を抑えられるって、こんなにやりにくいもんだったか?」

 

何処かから聞こえてくる爆発音と、建物が倒壊するような音に気を取られつつも物陰からビルをこっそりと見上げる。

 

すると当然のように、俺へめがけ、20mmの鉛弾が飛んで来た。

 

(ドガッ!!)

 

すんでのところで回避には成功した。

 

「うおっ....危な.....。」

 

狙撃手に睨まれたお陰で計画は頓挫し目標地点へ中々たどり着けない。

さらに各務に指定された迂回ルートを進めばその先からヘルメット団が群れをなしてやってきていた。

気づけば誘い込む予定が、身動き取れない場所へ誘導されてしまっている。

 

『.......ごめん先生。

完全に敵の狙いに嵌ったみたい。』

 

「各務のせいじゃない。

相手の方が一枚上手だっただけだ。

それより状況は?」

 

励ましてみるも、各務の絶望したような声色は無くならない。

 

『ダメ.....包囲網が完成しつつある。』

 

「そうか.....ダメで元々。

どうにかこうにか狙撃手の攻撃を掻い潜って─── 」

「は?馬鹿かてめぇ!あたしらは多少は良いけどよ!

炸裂弾使ってんならあんたは直撃したら身体の1片も残らねぇぞ!」

 

1片も、と来たか。

20mmの狙撃弾の威力がそれ程とは思わなかった。

 

「どうにか防ぎながら移動できないもんか!?」

 

「馬鹿言わないで、下手すりゃ私の盾なんて簡単に貫通()かれるわよ!」

 

さて、どうしたものか。

 

『......まぁ、「マスター」、そっちは任せて。

正直、私も悔しいから、少し仕返しがしたいかな。』

 

「お前っ───「アーチャー」....!」

 

通信が入ったのは天神山(FOX4)からだ。

20mmの直撃を頭に受けたと聞いたが.....大丈夫なのかと不安が募る。

 

『心配しないでよ、確かに直撃コースだったけど。

照準器(スコープ)に当たって威力は減衰してたから。

でも、そこのメイドさんの意見には賛成。

 

こっちの位置をちゃんと捕捉して撃ってきたから。

衛宮先生が当たったらろくな事にならないと思う。』

 

『なので提案があります。』

 

そうして次は浦和だった。

 

『仮に、相手を「彼女」と称するとして。

彼女は「マスター(先生)」より先、狙撃する前にわざわざこちらの狙撃手を叩きました。

 

つまり、ある程度こちらの狙撃は警戒している、という事になります。

要は「先手必勝」を選んだわけです。

こちらの狙撃支援を潰せば、一方的に自身は狙い撃てるようになりますからね。』

 

その理屈は分かる。

相手の舵取りはこう言った戦闘相当手馴れているのだろう。

計画的犯行、いやもとい戦術だ。

 

『ですから、「彼女」はこちらで請け負えます。

叩いたのに潰せていなかったとなれば自ずと此方を対処するしかなくなるでしょう。』

 

『こっちは照準器(スコープ)壊されて、予備はあるけど....正確な狙いが出来ないからね。

一撃じゃ仕留められない。

 

だから発砲して敵の位置を探った上で撃つ。』

 

 

つまり時間稼ぎをした上で決着をつけると。

 

「問題は相手がどこにいるかよね。

それ、解ってんの?」

 

『ポイントBravo(ブラボー)付近のビル、23階の右から4番目の窓....だったはずだけど.....。』

 

いいや、それは途中に遮蔽物となる建物が存在していて射線が開いていない。

そこらを見渡すと壊れた車のバックミラーがあったので拾った。

これを使えば敵の場所を探れそうだ。

 

問題は光の反射が少しでもあれば狙撃手に気づかれてしまうことだ。

 

「お、機転利くじゃねぇか。

そういうの好きだぜあたしは。

少し出てくるわ。

任せたぜ、「先生」。」

 

「は!?ちょっと待てよ!!」

 

美甘が遮蔽物となる建物から姿を出した。

当然それを見逃すはずのない狙撃手からの一撃が、美甘に迫る。

 

しかし、そこは自称ミレニアム最強。

弾道を読み、次から次へと攻撃を躱し、迎撃する。

 

「オラオラオラ!もっと撃って当ててみろ!」

 

その間にバックミラーをかざし、場所を探った。

 

「────「アーチャー」。

やっぱり相手は移動してる。

54階、右からも左からも数えて24つ目の窓!」

 

俺がそう言うと美甘は囮を中断し、滑り込むように戻ってきた。

 

「よくやったな!先生!」

 

「───あぁ!ありがとう。」

 

美甘は手を掲げてきたので、同じように掌を合わせ、ハイタッチする。

 

『OK!

距離は2100ヤード(約2km)って所かな!

いつもなら余裕だね!』

『風速は東へ8ノットです。』

 

観測役の浦和。

そして

 

「そっちの狙撃と同時に、俺たちは目標地点へ向かう!

「FOX4」、お前に全部委ねるぞ!」

 

 

『─────。』

 

通信も、その場も沈黙が支配する。

たった一発の銃声。

それが聞こえるまで、何秒かかるのか。

まだかまだか、と焦りが募る。

 

『走って!』

(パァァァン!)

 

 

引き金が引かれたようだ。

 

『着弾せず!

右に30、下側に40ずれました!

....!此方に気づいたようです!

反撃、来ます!』

 

(ズドォン!)

 

『オッケー!.....危なかった!

移動しよう!』

 

 

狙撃手は完全に2人に任せ、走り出した。

 

「ちょっと!

少しくらい怖かったりしないわけ!?

よく走れるわね!この状況で!」

 

「.....任せたからな!天神山(FOX4)に!」

 

「って言っても、今日会ったばかりじゃん!

なんで....そんな私達のこと────。」

 

なんでと言われても。

俺は出来ると、そう信じている。

なぜなら────

 

「お前達はずっと、そういう任務に着いていたんだろ?

ならそれだけの実力がある。

俺は、SRTという厳しい現実を、自分の道を選んだお前たちを信じている。」

 

「っっ...!

.......何よそれ.....ばっかみたい.....」

 

「あぁ、そうだ。

俺は信じることしか出来ない馬鹿だ。

それでも、本人がやりたいと言っているならそうさせてやりたい。

いや、やり遂げて欲しいから、俺はあんなことを言ったんだろう。」

 

 

どうやら天神山の方は上手くいってないようだ。

ただ、注意を逸らすことに関しては成功していた。

 

話していると、目標地点へ到達した。

そこはビルひとつ崩れ....例の狙撃手がいるビルから丸見えになっていた。

これでは包囲殲滅なんて夢のまた夢だ。

 

(ガシュン!)

『ッ!やられた!

また照準器(スコープ)壊されたんだけど!?

どれだけ私の頭撃ち抜きたいのあいつ!?』

 

『....こちらを使ってください。

所詮倍率4のスコープですが....。』

 

『......ありがとう!遠慮なく使わせてもらうね。』

 

予備のスコープも破壊され。

どうやら浦和のアサルトライフルのスコープを借りたらしい。

 

『当れェェェェッッ!』

(ドシュン!)

 

視界の先。

天神山の放った銃弾と、相手の生徒の銃弾が行き違うように飛んでいた。

 

『いい加減狙いは分かってるんだよ!』

 

そして。

さらに天神山はもう1発放ち。

自分目掛け飛んで来た銃弾を、()()()()()()

 

『.....標的....ダウンしました.....!』

 

『やったね!』

 

パシンと、手と手の重なる音がここまで響いてくる。

 

「終わったみたいだぜ。」

 

「だな、ならこっちも終わらせよう。」

 

そして、俺は手元の端末からヴァルキューレ公安局長を呼び出した。

 

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