衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】   作:神宮寺志狼

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────その足枷は武器にもなる。

自らについた枷を力に変えてでも彼はその幻想を抱くべきだ。


#7 I should do that illusion.(勝利すべき黄金の剣) /カイザーPMC(Ⅱ)

Interlude 7-1 それぞれの物語

 

私、早瀬ユウカは持っていた資料を全て落とした。

 

「えっ!?何これ!!」

 

それも仕方ない話。

 

街頭モニターに戦闘の様子が映し出されている。

 

 

「ちょっとちょっと!!何よこれ!!」

 

キヴォトスでの銃撃戦は日常茶飯事だ。

かといって街中でその映像を見ることは滅多にない。

 

他校の戦闘を見世物にするほどキヴォトスは落ちぶれてはいない。

 

しかし、異常だった。

 

その者が戦うは企業界に名を馳せるカイザーのPMCグループ会社。

派遣されれば負け無しと言われる一流企業だ。

 

そんな大軍に対し1人で果敢に、されど退くことはなく、1歩ずつ、手に持つ刃で弾丸を、弾幕を、砲弾を捌いていく。

 

今日提出の資料が風で飛んで行くことを気に止めることも無く、ただそのモニターを眺めた。

 

「嘘.....あれが衛宮先生の....本気?」

 

時間を忘れ、ただ見つめる。

 

 

 

「衛宮先生の魔法.....凄い綺麗....」

 

彼の振るう剣先は金色に光り輝き、放たれた銃弾を無機物へと還した。

 

金属の粒子は光を反射し、虹色の光をポツポツと画面に表示させる。

 

 

「ハッ!?い、いけない!ま、待ってってば!待ちなさーい!!」

 

私は衛宮先生のせいで。風にのらりくらりとされる書類をただひたすら追いかけ回す羽目になった。

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハスミ先輩!!これみて欲しいっす!!」

 

職務中、正義実現委員会の後輩が、慌てて部屋に入ってくる。

 

 

「イチカ。もう少し静かにできませんか?

 

.....それで?なんです?その映像は──────」

 

その映像は何処からもたらされたのか。

クロノススクールが特番として配信していた。

 

やや画質が悪いものの、その映像に映る人物が、自らが通うシャーレの主である事が見て取れた。

 

 

「ね、凄くないっすか?

この人ヘイロー無さそうなんすけど....

剣で銃弾を弾くなんて、大した動体視力っすよね......」

 

(バタン!!)

 

机を叩き椅子を倒して立ち上がり急いで部屋を出る。

 

「ちょ、ちょっとハスミ先輩!!どこに行くんすか!!」

 

「ティーパーティーの元へ。

すこし席を外します。

 

残っている仕事は後で終わらせますので、心配ありません!」

 

 

 

困惑する後輩を置いて部屋を出る。

 

 

彼は自らの命をかけて、自分の正義を貫こうとしている。

 

出会った時に言われた言葉を思い出す。

 

子供のように我儘で、何もかも救いたいと。

それが出来ない事は彼自身が一番理解しているのに。

 

 

彼は話す度いつも迷っていた、嘆いていた。

生徒を自らの手で守ることが出来ないと。

 

 

「衛宮先生はここでの先生なりの正義を見つけられたのですね。」

 

だからこそ、自分の事のように嬉しく思う。

 

そして、どうにかその力に成れないかと、私はティーパーティーの部室の扉を叩いた。

 

「失礼します、ナギサ様。お話があり、参りました。」

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────────

 

 

私は知らない天井に視線を向けて目を見開いた。

 

カヨコやハルカ。ムツキ皆して病室のテレビに食いつくように見ている。

 

 

(何を見ているのかしら .....?)

 

起きて、その子達の隣に立てば、目に付いたものはシャーレの先生がカイザーPMCと1人で戦う光景だった。

 

 

大地に刺した武器をとっかえひっかえ。

忙しなくその腕が動く。

 

かと思えば、いつぞやの迫撃砲を防いだように、空中に数多の剣を生み出し、それを全てカイザーの兵士に降り注いだ。

 

 

「.....これが、あの人の実力なの....?」

 

カヨコは目を見開き、驚愕している。

 

ハルカは瞳をうるわせ見蕩れ、ムツキは相対した時のギャップに口元を痙攣させている。

 

 

「錬鉄の、先生。」

 

思いついた言葉を口にした。

 

あの人は剣を扱う人ではなかった。

元々強いひとでも無さそうだった。

なんなら初めて見た時なんて権力だけで、他に取り柄のない弱そうな男だとまで思っていた。

 

 

カイザーの兵士と戦っているのでは無い。

彼が挑んでいるのは自分自身なのだと、私は咄嗟に理解した。

 

彼は自分の写鏡。

「正義の味方」という理想の自分になる為に己と戦っている。

 

私はどうなのか?

 

もう1人の私が、頭の中で言っている気がする。

 

「そんなの──────」

 

決まっている。

 

衛宮士郎という先生が、「正義の味方」を目指すのならば。

 

私、陸八魔アルが目指すのは─────

 

 

「キヴォトス1のアウトロー.....っ!」

 

 

患者服など来ていられない、脱ぎ捨てる。

 

いつもの決まった服に着替え、コートを羽織る。

 

 

「カヨコ、ムツキ、ハルカ、行くわよ!!」

 

「しゃ、社長...!?一体どこに...」

 

 

窓を開け放つ。

 

「何処って、決まってるじゃない。

衛宮先生の所へ、よ。」

 

 

 

「.....別にいいけどさぁ、アルちゃん。

 

ここ34階だよ?」

 

 

 

 

「えっ、?!」

 

窓枠に足をかけたところで滑らせる。

どうにか窓枠を掴んだが、指がどんどんと滑り落ちていく。

 

「ちょ、ちょっと!早く助けなさいよぉぉぉっっっ!!!」

 

 

それをカヨコは笑って

 

「うん、いつもの社長らしい。

私はその方が好きかな。」

 

と、状況が状況でなければ見蕩れるような笑顔を見せてくれた。

 

 

何とかハルカやカヨコに引き上げてもらい、一命(?)を取り留めた私だった....。

 

 

 

 

Interlude 7-1 それぞれの物語 END

 

 

Excalibur ataraxia

 

「フッ.....あぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」

 

神速で発射された弾丸を同じく神速の剣戟をもって弾き飛ばす。

1歩ずつ、ゆっくりと前へ進む。

その度に、慌てふためくカイザー理事の声が聞こえた。

 

 

「ええい...!たかがヘイローのない男一人に何をしているんだお前達は!!」

 

「で、ですが、あの剣、戦闘を初めてから30分経ちますが、一向に折れも欠けもする気配がないのです!

まるでこの世の刀剣とは思えません!!」

 

「......なんの素材でできているのだ.....あれは。

 

銃弾が効かないなら迫撃砲、榴弾、砲弾、ミサイル、なんでもいい!

使えるものは何でも使え!

 

この場の全兵士を総動員しろ!!」

 

「りょ、了解!!」

 

兵士が伝令の為か下がっていく。

 

一個中隊という話が、全部隊、全てが動き出した。

戦車、ヘリが出現し、こちらへ攻撃を開始する。

 

 

直前。

 

「させるかってんだ───────」

 

右手に投影した朱色の魔槍。

それは今か今かと、本来の使用用途として使われるのを待っているようだった。

 

真名を()って解放する。

 

 

「────────突き穿つ(ゲイ)

 

槍を重心にして、空中へ棒高跳びの要領で跳躍する。

高度が十分に上がったところで地面に刺した槍を手元に呼び寄せた。

 

 

繰り出すは必中必殺の一撃。

この槍の攻撃を回避()わしたものを、俺は1人しか知らない。

 

死翔の槍(ボルク)ッ─────────!!!」

瞬間、槍が赤く燃えるように光る。

 

怒号のような叫びと共に向かい合う大群に向かって、叩き下ろす。

 

 

意志を持って標的に飛翔する槍、それを防ぐ為に放たれた弾丸の衝撃をものともしない。

 

(ドガァァァァァァァァァァァァァン!!!!)

 

放った槍の一撃は膨大な熱量と共に爆発と暴風を撒き散らした。

 

 

 

「ぬぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!」

 

カイザー理事は戦車に引っ付いて耐えようとしていたが、その戦車ごとその風はなぎ倒し、彼は戦車の下敷きになった。

 

 

 

ホシノに向かって叫ぶ。

 

 

「ホシノ!!!皆を頼むっ!!!!」

 

 

 

ガコン、と盾の展開する音が聞こえた。

それが彼女の答え。

 

「いやぁこれはやばいね~!」

 

ホシノはその爆風からワカモ達も含め皆を守ってくれた。

 

 

ドサッ...と。地上に不格好に尻から落下した。

 

「痛ぅっ!!」

 

煙が晴れ、視界が開ければ着弾地点に立っているものは誰もいなかった。

敵からの攻撃は無い。

 

左手に持つ彼女の剣は、まるで役目を終え、休みたいと言わんばかりに砕け散った。

 

 

「.......帰ろう。皆。」

 

「「うんっ(はい)!!」」

 

 







勝ったので取引関係なく帰ろうとするあたり抜けてる士郎。


原作の宝具が戦車の砲弾並の威力は描写から考えて嘘だろ.....と思いたくなる。

剣の概念がどうこう、というのは実際にランクは下がってますけど、士郎やアーチャーの投影魔術のランク下がる件、あれようわからんのですよね。

ランク下がるのにAラン武器じゃないと傷つけられないバーサーカー切ったりころしたりしてるし。


それと、生徒の撃つ弾丸は、生徒の言葉であり意思。
故に先生がそれを切り捨ててはいけない、という縛り呪いの元、干将・莫耶は砕け散りました。


故に、生徒以外になら本気になれる。
この作品の衛宮士郎は子供に弱く、大人に強い。

Vol1 2章終了後、見たい絆ストーリー。とある事情により絆が深まらないのでホシノを除く。

  • 黒見セリカ
  • 砂狼シロコ
  • 奥空アヤネ
  • 十六夜ノノミ
  • 早瀬ユウカ
  • 羽川ハスミ
  • 空崎ヒナ
  • 本編を進めろ余り我を待たせるな雑種
  • 全部書け、そのような泣き言聞く耳持たん
  • 「バカの藤河は何処だ!」
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