衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】 作:神宮寺志狼
シャーレ部室
「士郎さん....?士郎さん!!起きてくださいまし!」
(ガバッ!!)
「あら.....?あなた様!?どちらへ!!?」
「あ?士郎ならアビドス高校に出かけていったよ?」
「.......。」
あれからかなりの日が経ち、俺はシャーレで騒動の後片付けと手続きやらなんやらを終え、やっと自由に動く時間が出来た。
当初は迷っていたアビドス自治区は今では頭に地図が入っており、迷う心配など心の片隅にもない。
「こんにちは!!士郎先生!お待ちしておりました!!」
「こんにちは、アヤネ......?」
ん?なんか呼ばれ方に違和感がある。
「お疲れ様です~先生☆」
顎に手を添え考え事をしていた俺の横からひょっこりノノミが顔を出した。
対策委員会の部室で、彼女達は忙しなく動いていた。
ここに来た当初、D.Uに送った書類が通り、アビドス対策委員会がアビドス高等学校における正式委員会として承認されたのだ。
アヤネ曰く「非公認、という事で強気に出られなかった場面もありましたから、それか無くなったのはかなり安心しました!ありがとうございます!」とのこと。
そしてアビドス生徒会も復活し、対策委員会との兼任になっている。
が、何故か知らないが、生徒会長の座は空席。
どうもこれはホシノにとって譲れないものらしかった。
「あ、先生!!もうすぐお昼になるので柴関ラーメンへ行くつもりなのですが、ご一緒しませんか?」
「.......そうだな、柴大将にも挨拶しておきたいし。
この感じだとセリカはバイトで、ホシノはまたパトロールか?」
(ガラガラガラ)
「そういう事。」
シロコが扉を開けて入ってくる。
「よっ、シロコ。
聞いたぞ、お前も宅配のバイトを始めたんだって?」
「そう、人呼んでABYDOS EATS。」
アヤネからの手紙で聞いていたが、趣味のライディングを活かして荷物配達の仕事を受けているらしい。
シロコらしい方法だな、と当時は微笑んで手紙を読んでいたのだが。
運んでる荷物がいきなり爆発したり、砂漠の熱で冷凍梱包越しに食品が腐る、など四苦八苦しているようだ。
「いらっしゃいませー!!柴関ラーメンでーーす!!」
皆で街へ出かけ、目的の場所へ辿り着く。
柴関ラーメンは元あった場所に建て直し営業している。
「こんちは、大将。それにセリカ。」
「お、衛宮先生じゃねぇか!」
「あ、士郎!何よ来るんなら事前に連絡入れなさいよ!!水臭いわね!」
「いや.....アヤネ、伝えなかったのか?」
「はい♪︎サプライズ、という事で。」
なんて当の本人はニコニコしている。
土地はカイザーグループが一時的に消えたことで全てアビドス高校へ返還された。
何しろあちら内部崩壊のせいで大損害を受けたのだから。
土地の管理をしている余裕も無いのだろう。
だからこそ、アヤネ達が忙しく働いてるわけで、寧ろこれまでの比にならないくらい忙しくなるだろう。
「あ〜、先生じゃん。やっほー。」
計ったかのようにホシノがやってくる。
「ホシノ、体は大丈夫なのか?」
「まぁね~、手荒な扱いはされなかったしさ。
案外黒服って優しい奴なのかな?」
ホシノの生徒としての権利も当人へ戻ってきた。
黒服の奴はどうやったのか知らないが、契約内容をホシノがサインした後で3日間の従属契約にすり替えたらしい。
正に汚い大人の代表例だった。
最悪なのはホシノ達当人達が納得の言っていない点だろう。
何せアビドスの銀行口座に借金9億円が振り込まれていた。
話し合いの結果、それには手を付けず、いざと言う時の資金にするらしい。
収穫といえば他にもあった。
アビドス砂漠にあった制圧した駐屯地の資源だ。
かき集めるだけかき集め、売却した金額はおよそ5億に登る。
そちらを借金返済にあてるそうだ。
つまり残りの借金は約5億円。
して、カイザーグループと言えば立て直しの真っ最中。
特に戦力が壊滅的な被害を受けたPMCグループは各学園の生徒の派遣を要請。
アビドス高校の生徒に対しては報酬とは別で利子利息関連の値下げをしてくれるとの事。
当然、カイザー理事が行った利子の引き上げおよび預託金の話もチャラになった。
カイザーローンは連邦生徒会のガサ入れが入る予定だったのだが、もはやそれどころでは無い。
ガサ入れするどこか勝手に潰れたのだ。
もう手の付けようがない。
「あら先生。お久しぶりですわね。」
「やっほー!!先生!!」
「お、ハルナ、イズミ、ジュンコ、アカリ!ほんとに久しぶりだな!」
更にいえば、柴関ラーメンはハルナ達美食研究会のブログに高評価として載っけたことからかなり有名な店舗になってしまった。
一時は閉店の噂も流れたが、そこは大将求められては応えるしかない、の精神で融資を受け、店を再び構えることにしたらしい。
ただ、元々人手が足りていなかったので、その辺は藤河組から数人バイトとして派遣している。
「あ!旦那!いらっしゃいやせ!!」
「さ、さ!こちらに!!」
「ありがとなお前たち。」
戦闘の後、アル達はいつの間にか姿を消していた。
あの作戦ではかなり裏方に回りたがっていたから、アルらしいっちゃらしいんだが。
ただ、カヨコやハルカ、ムツキなどとは予め連絡先を交換していたので何時でも会おうとすれば会える。
どうやら性懲りも無く、またアビドスに事務所を構えたらしい....が以前に比べ業績は悪化の一途を辿っているらしい。
今度、顔を出してやらないと。
俺はこの後力を貸してくれたゲヘナやトリニティ、ミレニアムへ出向かなければならないので対策委員会と一緒にいられるのは昼飯の時間と午後の定例会議の1時間くらいのもんだろう。
「うん!やっぱり柴さんのラーメンは美味しいわ!!」
満足気に食べているジュンコ達。
「柴大将のラーメンもいいですが.....
衛宮先生、時間の空いた時でいいですから、お噂の手料理奮ってくださいね。」
なんて舌なめずりしながらアカリに言われる。
「....あ、あはは.....」
それみよがしにシロコが自慢し始めた。
「ん、シャーレで食べたシロウの料理は天に昇るほど美味しかった。」
その言葉に、対策委員会一同が固まった。
「....シロコ先輩....抜けがけしましたね....」
「ん、なんの事だか分からない。」
シロコとアヤネの間で目に見えない火花が散り始めた。
「あらあら~?」
ちょっとした言い争いが始まった。
それに耐えかねたのか
「──────静かにして頂けませんでしょうか!」
イライラしたのか、ハルナが爆弾のスイッチらしきものを手に取った。
瞬間、またもや柴関ラーメンは爆発した。
「ありゃりゃ~、まーた柴さんのお店無くなっちゃったよ~!」
キレるのかと思えば思ったより余裕のあるホシノの言葉。
「あぁぁぁぁぁっ!アンタ達!許さないんだからぁぁ!!!」
(ダダダダダダッ!!!)
そして、戦闘が勃発する。
俺と言えば、またイリヤとアロナに助けられた。
『大丈夫ですか!?先生!』
『全く、うるさいくらいで店を爆破させるなんて本当に野蛮なんだから。』
「......はぁ。」
対策委員会が武装し、それに大して美食研究会も銃を取り出す。
しかし、戦争、戦闘って雰囲気では無い。
やっと、皆に余裕が出来たのだ。
アヤネが苦笑いしながら俺に指示を求めた。
「あはは.....では先生。指揮をお願いします。」
「....仕方ないなぁ。」
こうして俺は今日も喧嘩場という名の戦場へ足を踏み出す。
先生としてまだ半人前だけど、俺はここでできる事をやっていくよ。
だから見ててくれ
きっと立派な
回収していない伏線について
「コレどうしたの?」
って言うものがありました感想にてコメントお願いします。
できる限り答えます。
とりあえず
「ホシノと対策委員会の再開」の抱き合いとか、ホシノの謝罪は絆エピにて書きますし、
カイザー理事の「いざとなればアレを」の「アレ」は一応「二脚歩行ロボ」通称「ゴリアテ」であり、ほんへのアビドス攻防戦最後の戦闘にでてきたロボットです。
これはシャーレによって回収され、作業用ロボになりましたがVol2のとある展開で再び出てきます。
今後はVol2を投稿しつつ、絆エピを投稿、と互い違いに投稿するつもりです。
ではここまでお疲れ様でした。
また会いましょう。
アリスの士郎に対する呼び方。
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「士郎」、「士郎先生」
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「シロウ」、「シロウ先生」
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「マスター」、「先生」
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「衛宮先生」、「先生」
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「エミヤ先生」、「先生」