衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】   作:神宮寺志狼

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#5 Blue sky/彼女の部屋(Ⅱ)

 

「やっと会うことが出来ました。

 

私はここで先生をずっと、ずーっと、待っていたんですよ?」

 

「いや、お前寝てたじゃないか。」

 

俺がツッコミを入れると恥ずかしくなったのか、彼女は自嘲げに聞いてもいないことを話した。

 

 

「あ、あうう、もちろん偶に居眠りした事もありましたけど....」

 

本当に反省しているようで、これ以上何か言うのは流石に申し訳なくなる。

 

 

「まぁ、いいさ。

 

よろしくな、アロナ。」

 

 

 

「はい!よろしくお願いします!

 

まだ身体のバージョンが低い状態でして!特に声帯周りの調整が必要なのですが.....

 

 

これから先、頑張って色々な面で先生の事をサポートしていきますね!」

 

アロナは続ける。

 

「あ、そうだ!

 

ではまず、形式的ではありますが、生体認証を行います♪」

 

 

「生体認証?」

 

って、なんだ?

 

 

「うう.....少し恥ずかしいですが手続きですから仕方ないんです!

さあこちらに来てください。」

 

 

俺はアロナに歩み寄った。

 

「では私のこの指に、先生の指を当ててください。」

 

 

「えっと、」

 

俺は差し出された指先に左の人差し指をあてる。

 

 

「これでいいのか?」

 

「はい。まるで指切りして約束する見たいでしょう?」

 

 

 

どうにも想像してしまうエイリアンだかなんかの映画のワンシーン

 

 

たしか「E.R」だったか「E.S」だったか....。

 

 

「先生、何を考えるか分かりますよ。

 

ですけど、私はこれで生体情報の指紋を確認するんです。

 

どれどれ...?」

 

 

 

すごい、これが最新の技術なのか。

 

よく分からないが。

 

「アロナは凄いんだな?」

 

 

「!!そうです、私はすごいんです!」

 

そして、少しの間待つと。

 

「確認終わりました。」

 

と、アロナが告げる。

 

「よし、御苦労さん。で、アロナ。シッテムの箱は────お前は何ができるんだ?」

 

「....まず、先生は何をして欲しいですか?」

 

俺は状況を説明した。

 

 

「.....なるほど、連邦生徒会長が行方不明になって、そのせいでサンクトゥムタワーの制御をする手段がなくなった....。」

 

俺はここぞとばかりに聞いてみる。

 

「なぁ、アロナ。」

 

 

「なんでしょう?衛宮先生。」

 

「連邦生徒会長について何か知らないか?」

 

アロナは首を横に振った。

 

 

「私はキヴォトスの多くの情報を知っていますが.....連邦生徒会長については殆どの情報を知りません。

 

 

彼女が何者なのか、名前はなんと言うのか。どうして居なくなったのかも....

お役に立てそうにありません。」

 

 

彼女は凹んだような表情をした。

 

 

 

「いやいや!すまん。ちょっとした話題上げだ!

 

 

よし、アロナ。頼みたいことがある。」

 

 

 

 

「....サンクトゥムタワーの1件ですね?

 

あれなら私が解決できます!」

 

 

えへん。とアロナは胸を叩いた。

 

「じゃあ、頼む。アロナ。」

 

 

 

 

「はい。分かりました。

 

それではサンクトゥムタワーのアクセス権を修復します!」

 

 

 

 

そして2秒も経たないうちに

 

「サンクトゥムタワーのadimin権限を取得。

 

サンクトゥムタワーの制御権を回収。

いま、タワーは私、アロナの統制下にあります。」

 

 

 

は?

 

「ホントか!?アロナ。」

 

 

「はい!いっぱい褒めてください!!」

 

 

よしよし、よくやった。と俺はアロナの頭を撫でてやる。

 

何がOSだ、何が管理者だ。

 

 

ただの良い子じゃないか。

 

 

「えへへへ///」

 

「じゃあ、七神に権限を譲ってやってくれ。」

 

 

「いいのですか?先生。連邦生徒会に制御権を渡しても。」

 

俺は頷いた。

 

 

 

「アロナ。あそこに戻るためにはどうしたらいい?」

 

「この教室を出れば先生は先生の世界に戻れます!

 

あとの細かいことは私にお任せ下さい。」

 

「わかった。

ありがとな

また後で。」

 

 

 

「はい、先生!!」

 

 

 

 

 

 

気がつけばあの地下の部屋にいた。

 

タブレットの中ではアロナがこちらに手を振っている。

 

 

 

七神が部屋に入ってくる。

「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。

 

これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められますね。」

 

 

「そっか、良かった。」

 

彼女は俺のホッとした一言に感謝した。

 

 

「お疲れ様でした。先生。

キヴォトスの混乱を防いでくれた事に、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします。」

 

 

しかし次の一言で戦慄した。

 

 

「ここを襲撃した不良達と停学中の生徒達については、これから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく。」

 

 

 

「───────────────討、伐?」

 

 

「あぁ、あくまでものの例えで──」

 

 

「....七神、その件なんだけど俺に任せてくれないか?

 

先生として。生徒にお説教しておかなきゃいけない。」

 

 

 

「.....わかりました。

 

では、ついてきてくたさい。

 

貴方のその目標には欠かせない場所です。」

 

 

そして、シャーレに、案内される。

 

 

 

 

「ここがシャーレのメインロビーです。」

 

 

『空室、近日始業予定』と書かれた紙が貼られている。

 

「長い間空っぽでしたが、ようやく主人を迎えることが出来ましたね。」

 

部屋に入る。

 

 

「部室です。

 

 

ここで先生のお仕事を始めると良いでしょう。」

 

 

 

「で?結局俺の仕事ってなんなんだ?」

 

 

 

「シャーレは、権限だけはあるものの、目標がない組織です。

 

これといって特に何かしなきゃ行けない、という事も在りません。」

 

 

「 .....」

 

 

「キヴォトスのどんな学園の自治国も自由に出入りでき、所属関係なく先生の希望する生徒達を部員として加入させることも可能です。

 

面白いですよね、捜査部とは呼んでいますが、その部分に関しては連邦生徒会長も特に触れていませんでした。」

 

 

「つまり?」

 

「....なんでも先生のやりたいことをやって良い、ということです。

 

本人に聞いてみたくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のまま。

 

私達は彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起こる問題に対応できるほどの余力はありません。」

 

 

「そっか。」

 

 

「今も連邦生徒会に寄せられてくるあらゆる苦情。

 

支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請なとなど。

 

もしかしたら時間が有り余ってるシャーレであれば。

 

この面倒な苦情の数々を解決できるかもしれませんね。」

 

 

 

「...!!」

 

助け舟だ。

 

俺はここにきてまだ何も知らない。

 

何も分からない。

 

 

何をすればいいのかも。

 

 

それを、七神は提示してくれている。

 

「その辺に関する書類は、机の上に沢山置いておきました。

 

気が向いたらお読みください。

 

全ては、先生の自由ですので。」

 

 

そうして、彼女は頭を下げた。

 

 

「それではごゆっくり、必要な時には、またご連絡します。」

 

 

そうして、入れ替わりに、早瀬、羽川、奥空、火宮が入ってくる。

 

 

「お疲れ様でした。先生。

 

先生の活躍はキヴォトス全域に広がることでしょう。」

 

 

「.....そうですね。

 

何せ正義の味方を名乗る魔法使いなのですから。」

 

 

 

そして、その日は解散になった。

 

 

俺の求めていた日々が、ようやく始まる。

 

 

 

 

「親父、見ててくれ。」

 

今度こそ、俺はここで先生(せいぎのみかた)になってみせる。

 

 

 

 

Prolog end.

 




序章あとがき。


いかがでしょうか?
衛宮士郎先生概念はこんな感じでfate要素2割ほど付け足して作品を書いていくつもりです。

私は衛宮士郎に憧れていた時期がありました。
いえ、今も憧れてますけど、ただ憧れているだけです。
なぜならどうやったって士郎には慣れません。
私達「人間」は「私」を捨てることが出来ないのです。
他人からの頼みを断らず受けいれ苦痛も吐かない。
そんな衛宮士郎みたいに全力で誰かの為になれたらと思っています。


一時期はTwitterでなりきりまでしていました。
という訳で衛宮士郎強火勢です。


とりあえず各章のコンセプトを書いておきます。

間章

大聖堂でまさかのとある仇敵と再開した。

しかしその人物は反転していて...?



Vol1 対策委員会編。


士郎が対策委員会編の皆に認めてもらおうと躍起になるお話。
その終盤にはアイアスで防げぬ攻撃に対してホシノの持つ盾を投影、その武器記憶からホシノの行いを知ってしまう。

2章、3章ではどうにかホシノを助けようと躍起になる。


Vo2 亡き王女の為のパヴァーヌ

モモイ達と共に廃墟探索していたところとある少女を発見し、保護する。

しかし、その女の子は危険性を孕んでいて?

その点に関して調月リオと意見が一致せず、先生の立場に苦悩するものの、リオの「少数を切り捨てる」という意見を受け入れられず少女を守ることを誓う士郎。


そして約束されたコードネーム、美甘ネルと呼ばれる少女と出会うお話でもある。

Vol3.エデン条約編。


トリニティとゲヘナの劣悪な関係に困惑しながらもナギサの要請を聞きつつ跳ね除ける士郎。

そして補習授業部の顧問に。

なんやかんやあり、歪んた生徒達である、ミカ、サオリを救いたいと思うようになる。

「あぁ、怒る。ミカが悪いことしたら他の生徒より何倍も怒る。」

ブルーアーカイブにおけるHeaven's_Feelルートのようなもの。
士郎はミカの「王子様」では無く「騎士」になることを誓う。

「俺の姫に手ぇ出してんじゃねぇぇテメェェェッ!!」


Vol4 カルバノグのウサギ編。

人の良い士郎は不知火カヤに騙されていく、がラビット小隊の現状をみて、触れてそれが間違いのことに気づいた。

そしてFOX小隊と対峙、カヤの手からユキノの手を切る。

「誰かを傷つけてまで得る居場所に、誇りも意味もないだろうッ!」


最終章

Unlimited Blade works.


長くなりましたがこんな感じです。

次回のタイトルは

「大聖堂の神父」です。



評価なんかより感想いただけると、非常に嬉しいです。
特に出筆スピードが上がります。

褒めて伸びる子なのだ。
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