衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】   作:神宮寺志狼

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#5 私はアリスです。あなたが私のマスターですか?

次の日、改めてゲーム開発部の部室に訪れた。

 

(キィ.....)

「ん、鍵が、空いている......。不用心だな。」

 

そこには倒れて──────すぅすぅ寝息を立てて体を丸めて寝ているミドリとユズ。

 

そして───────

 

(カチカチカチカチッ......テレレレレー!)

 

順調にゲームをクリアしているアリスがいた。

物音に気づいたのか、瞳がこちらを見て駆け寄ってくる。

 

「マスター。」

 

 

「─────────────────────。」

 

久しぶりに、その呼び方を聞いた。

 

 

────マスター、最後の指示を。───

───貴方の命がなければ、聖杯は破壊できない。───

 

 

聖杯を求めた、最後のサーヴァント。

そして、聖杯を破壊することで、自らの願いを切り捨てた少女。

 

しかし、彼女は自らの願いに()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

彼女は自らの望みに折り合いをつけることが、出来ず、

ただ俺や遠坂や、あの世界を守る為に、「今」を生きる者の為に、自らの願いを、契約をその剣で、()ったのだ。

 

その願い、心を救えなかった少女のこと思い出す。

 

「─────────っ.......。」

 

「......?マスター?

何が、悲しい?どこか怪我をしたのか?」

 

目の前が潤んで少女のことを見えなくするので、袖でその額を拭った。

 

 

「いや、なんでもない。

アリス。こんな朝早くから何をしていたんだ?」

 

「......我は与えられた試練を尽く、撃ち滅ぼしていた。」

 

 

「──────はい?」

 

なんだ?話し方が、おかしいぞ?

 

 

 

 

 

俺の素っ頓狂な声にミドリが起きる。

 

「........?あれ?もう朝?

しまった!朝食の準備しないと.......!」

 

アリスは起きたミドリの目の前に経つ。

「ふむ、ようやく気づいたか.......。

無事に目を覚ましたようで何よりだな。

 

君は運がいい。

そのまま永遠の眠りについているのかと思っていたぞ。

フフフフフ.....。」

 

何だ、表面はアリス、中身が言峰みたいな。

吐き気がする。

 

「え....話し方変わってる.....?

 

こほん。

あ、アリスちゃん?

 

調子はどう?色々と覚えられたかな?」

 

ミドリも困惑している様子で恐る恐る話しかけた。

そして、やはり───────

 

 

「君の言葉を肯定しよう、必滅者よ。

我はこの世界の全てを理解した。」

 

「えぇ......なんか偏った言葉ばかり覚えてないか?」

「.....あれから数多くのゲームをプレイさせたので、たぶんゲームの登場人物の言葉を真似しているのかと。

 

でも....この話し方、なんか悪魔っていうか、魔王っぽいよね。」

 

 

「......。

ガーン!!。」

 

ミドリの言葉に傷ついたのか効果音を自分の声で再現するアリス。

 

「ユズちゃん。起きて。」

 

「.......おはよう....あれアリスちゃん喋り方どうしたの?」

ユズがアリスの状態に困惑しているとモモイが勢いよく扉を開けて入ってきた。

 

「みんなおはようー!!

 

はい、アリスこれ!」

 

モモイがアリスに渡したのはミレニアムサイエンススクールの学生書。

 

そこに書かれていた名前は「天童アリス」。

 

天童....って、天の童?

どこからそんな名前持ってきたんだ?

 

アリスは渡された学生証を掲げた。

 

「パンパカパーン!!

アリスは「正体不明の書類」を獲得した。」

 

「おぉ!またさらに口調が洗練されてるね!

アリス、これは「学生証」だよ!」

 

「洗練ってか.......これはレトロゲームの会話口調そのものだよ......。」

 

「失敗した」と言わんばかりに頭を抱えるミドリ。

 

 

アリスは学生証を裏返したりして首を傾げる。

 

「「学生証」......?

それはなんですか?モモイ。」

 

「「あ、口調が元に戻った。」」

 

 

と俺とミドリは同時にツッコミを入れる互いを見て「プッ」と笑った。

 

 

「この学生証は、私達の学校の生徒だっていう証明書。

生徒名簿にもヴェリタスがハッキ......いや、登録してくれたから、アリスも正式に私たちの仲間だよ。」

 

「仲間?パーティーメンバーという事ですね!

理解しました!

 

パンパカパーン!

アリスが「仲間」として合流しました!」

 

 

ヴェリタスが登録?

 

セミナーでは無いのか?

 

ミドリとユズとのひそひそ話を終えたモモイが提案をする。

「制服に学生証!揃ったね!

 

後は....ふふん、武器だけ!

 

よし、アリス!

銃を探しに行こう!!」

 

 

 

 

 

 

そして俺達はモモイにつれられてまたもエンジニア部の部室を訪れた。

 

 

 

「.....なるほど....新しい部員の子が武器を持っていないんだ....

それで────」

 

「あれ?ウタハ先輩は?」

 

モモイがキョロキョロと当たりを見回している。

 

「......今、衛宮先生から依頼された物を造ってるみたい。今呼んでくる。」

 

猫塚という生徒は歩いて製鉄所の方へと歩いていった。

その後ろに俺達はついて行く。

 

「え?衛宮先生、ウタハ先輩と知り合いだったの?」

「昨日ミドリに部室から追い出された後にエンジニア部にお邪魔してな。

何か作って欲しいものがあるか?って聞かれたから思わず、な。」

 

「な、何を作ってもらってるんですか.....?」

 

「それはだな──────」

モモイやユズの質問に答えながら歩いている時。

 

それが、目に映り立ち止まる。

 

 

「あ、れは───────」

「ででどーん。

シロウがパーティーから離脱しました!

 

追跡します。」

 

 

「え?ちょっと衛宮先生、アリスちゃん!?」

「な何?どうしたの!?」

 

俺がそれに駆け寄ると、アリスやモモイ、ミドリ、ユズまでもが付いてくる。

 

「これは.....?」

 

 

そこに立てかけてあったのは、俺が2度も助けられたあの()

 

 

「ふっふっふっ。

やはり創造の魔術師はお眼が高いようですね。

 

説明が必要ならいつでもどこでも答えをご提供!

 

エンジニア部のマイスター、コトリです!!」

 

「え?えっと.....。」

 

俺が急に出てきた眼鏡の少女に困惑しているとミドリが紹介してくれた。

 

「あ、コトリちゃん。久しぶり。

 

衛宮先生、この子は豊見コトリちゃんです。」

 

 

「あ、あぁ。

 

それで豊見。

これはなんなんだ?

大砲、みたいだが......。」

 

 

いや言われなくても知っている。

コイツの強さと頼もしさ。

そして性能と構造がどんなものであるか。

 

俺が聞きたいのは、これが何なのか。

どうしてここにあり、どうして俺が使えたのかということだけ─────

 

そんな事は当然知らない豊見が説明する。

 

「よくお分かりですね!

 

これはエンジニア部の下半期の予算の約70%をかけて作られた「宇宙戦艦搭載砲レールガン」です!」

 

「宇宙.....」

「戦艦.....?」

 

困惑する俺とアリスを他所に話は進んでいく。

 

「うわっ.....宇宙戦艦って、大きく出たね。

 

この間なんて「コールドスリープ装置」を使って「未来でまた会おう」なんて言いながらエンジニア部の全員集団で風邪を引いてたのに.....」

 

「あれは今冷凍庫として使用しています!

それに完全凍結製なので消費期限間近の食品をもっと先まで─────」

 

 

俺はその砲を見て。

 

 

同調、開始(トレース オン)。」

 

解析を開始した。

 

「基本骨子、解明。

構成材質、解明........」

 

 

やはり、俺が展開したものと同一の銃だ。

 

 

抽出、開始(トレース オン)。」

(ガコンッ!)

もうひとつ、この場に同じものを作り上げた。

 

 

「やっぱり同じだ......なんで俺は─────」

 

知らなかったはずの、今見たばかりのこの武器を、展開することが出来たのだろう?

 

 

傍で息を飲む音で我に返る。

目の前で魔術を使ったからか、否、自らの頑張って作ったものを一瞬で作り上げたのだからそりゃ嫌な気持ちにも───────

 

 

「す、凄い!!

どうやったんですか!?

材料は!?作業工程は!?

どうやって一瞬で組み上げたのでしょう!?」

 

なんて豊見に問い詰められる。

 

「あ、いやこれは魔術で──────」

 

そして俺自身、この力のことをよくわかっていない。

 

モモイもミドリもユズも口をあんぐり開いている。

 

そしてアリスは、

 

 

「混乱してます!魔法が存在......?.....世界の法則が壊れてしまいます!!」

 

なんてポカポカ自らの頭を叩いている。

 

「そういえばあの時も衛宮先生、剣を召喚してたよね......。」

「やっぱり凄いね!「創造の魔術師」!!」

 

「あのなぁ、モモイ。

本当にやめた方がいいぞ。

確かに俺も学生の頃は色んな名前をつけられたけどさ。」

 

曰く、穂群原のブラウニー。

 

曰く、バカスパナ。

 

曰く、偽用務員。

などなどと呼ばれていた時もある。

 

 

「んで、その「宇宙戦艦」はどうしたんだよ。」

 

辺りを見回すが、それらしきものは見当たらない。

 

 

 

「衛宮先生。

 

私達は宇宙船の砲塔1つだけで予算の70%を消費してしまいました。

 

どんな時代になろうと我々技術者の足を引っ張るのは現実的な問題。

 

予算が足りない所か、ミレニアムサイエンススクールの全部活の予算を奪い取っても足りるかどうか...。」

 

察して口を閉ざした。

 

アビドスの問題とは違う。

彼女達は目指したものを、諦めたのだ。

 

 

「え!、そんな現実的な問題、レールガン作る前にわかる事じゃん!

なんで実行したのさ!」

 

「愚問だね、モモイ。」

 

ここでやってきたのは、作業中だったウタハ。

「親方、こんにちは。

例のアレは完成度30%と言ったところだよ。」

 

 

「悪いな....というかそんな予算ギリギリなのに頼んで大丈夫だったのか?」

「昨日も言ったが、アイデアなら大歓迎だ。

 

宇宙戦艦を作ろうとしたのだってロマンの塊だったからね。

 

さて、アリスちゃん随分とそれが気に入ったようだね?」

 

アリスは疑問を提示した。

 

「この武器の名前は、なんというのですか?」

 

「その武器の正式名称は───────」

 

「「光の剣(スーパーノヴァ)」だ。」

 

猫塚より先に、答えてしまった。

 

「......流石だね、先生。

ウタハ先輩が「親方」って言うだけあるみたい。」

 

「あ、いや....何となく。」

 

そんな名前だった気がしただけだ。

俺はまだこの剣の事を、よく知らない。

 

俺が命名したこの展開魔術は投影とは違う。

解析するまで、その武器の技術や経緯を理解できない。

だからホシノの盾の事を俺はよく知らないまま使っていた。

 

「.......また無駄に大袈裟な名前を....。」

 

ミドリがボソリとつぶやいた、がアリスは目を輝かせ、その剣を見ていた。

 

「ひ、光の剣.....わぁ.....うわぁ....!!

アリス!これが欲しいです!!」

 

「「え!?」」

 

アリスはウタハの腕を掴んで懇願する。

まるでアレに魅入られたかのよように。

 

「偉大なる鋼鉄の職人よ!あの龍の息吹が欲しいのだ!」

 

龍の息吹.....。

 

なんでだ?

 

どうしてアリスの言葉は俺の心をこうも──────

 

 

「うーん、そう言ってくれるのは嬉しいんだが、

それは難しい、

この部室にあるものは何でもあげようとは思うんだけど......」

 

「難しい?

 

私のレベルがたりていないのですか?

装着可能レベルは?

それとも購入資金が必要なのでしょうか?

値段はいくらなのでしょう?」

 

 

その熱意に困り果てたウタハが問題を告げた。

 

 

「.....もっと現実的な問題なんだ。

.......この武器は個人火器として使うにしては大きくて、重すぎる。」

 

「「あ!」」

 

確かに、あの剣は困るほどに重かった。

しかし───俺はそれ込みの戦闘技術を誰かから投影したのだ。

 

故に、恐らくこの武器を扱える所有者は─────

 

「いや、アリスなら大丈夫だ。

だろ?」

 

俺はアリスの瞳を見つめてそう宣言した。

 

「で、ですが基本重量140kg!

更に光学照準器とバッテリーを足した上で砲撃を行うと、瞬間的な反動は200kgを超えるんですよ!?」

 

「それで使えるなら、持っていってもらって構わないが.....」

 

 

ウタハや豊見、猫塚が顔を見合せて苦笑いする。

 

「汝、その言葉に一点の曇りもないと誓えるか?」

 

 

アリスは立てかけられた光の剣を掴んだ。

 

「も、もちろん嘘は言っていないが....本当に?」

 

ウタハは保証人の俺を見て冷や汗をかいている。

 

「あぁ、あの武器の持ち主はアリスだ。

他の奴には使えない。

 

ウタハ達には悪いけど、あれはアリスの為に用意された────」

 

「この武器を抜く者─────」

 

アリスは決心したように、その剣の(グリップ)を掴んだ。

 

「アイツだけの、選定の剣(カリバーン)だ。」

 

 

「───この地の覇者になるであろう!」

 

 

その姿を見た。

 

その小さい片腕は豪快に、その大きい鋼鉄の砲塔を、天へと掲げた。

 

 

「う、嘘....クレーンを使わないと持ち上がらない、はずなのに....信じられない。」

 

アリスは嬉しそうに、その剣を見上げている。

 

「えっと、ボタンは....?」

 

「ま、待って、トリガーを─────」

 

 

(カチッ!)

「......っ、光よ!」

 

 

 

その砲の先は青白い光を収束させ──────

 

(ドカァァァァァァン!!!!)

 

 

部室の天井に大穴を開け、空を覆っていた雲を切り裂き、太陽を丸裸にする。

部室は電気系統がいかれたのか、暗闇に包まれたがその大穴からは光が光が差し込み、アリスを照らしあげる。

 

まるで、スポットライトのごとく。

 

「わぁっ!!?私たちの部室が.....天井が!!!」

 

「.....凄いです!!

アリスはこの武器を装着します!!」

 

コトリが悲鳴をあげる中、アリスはアレを持ちながら飛び跳ねていた。

 

ユズは立ったまま気絶し、ミドリは尻もちをつき、唯一モモイだけが──────理解を放棄してアリスを見ていた。

 

「ふむふむ!我がゲーム開発部のルーキーはとんでもなく強キャラだってことが判明したね!!!」

 

「ふむ......70%の予算で制作したその重荷が、とうとう役に立つ日が来るとはね。

 

構わない、どうぞ持っていってくれ。

親方の言う通り、アリス、君以外には使えない武器のようだ。

 

ヒビキ、後で彼女が持ちやすいように肩紐と取っ手の部分を作ってあげてくれ。」

 

「わ、分かった。

前向きに考えると、部室のスペースも確保出来たし、実戦データが取れるようになったのは有難いかも。」

 

放心した豊見を放置して、エンジニア部の意見は決定したようだった。

こちらとしてもモモイとアリスだけが喜んでいる。

 

「うわぁ! なんだか物凄い武器を貰っちゃったね!

ありがとう!

ほらアリスもお礼を言って!」

 

「うむ、苦しゅうない!」

 

....本当に偏ってるな彼女の語録。

 

しかし、彼女達の感謝を、ウタハは受け入れない。

 

「......いや、お礼にはまだ早いさ。

さて.....ヒビキ。

以前に処分要請を受けたドローン、ロボット、全機出してくれ。」

 

「.....うん。」

 

これはどういう流れなんだ?

 

「.....それはまともに試運転をした事がなくてね。

まぁ当たり前だろう?

 

何せ親方の言う通り、「使えるものがいなかった。」つまり────」

 

ウタハの目が鋭くなる。

 

「試運転......って事か。」

 

「え?どういう事衛宮先生。」

 

首を傾げるモモイを他所に俺は警戒水位をあげ、腰を落とす。

 

 

「それに....その武器は強力すぎる....「資格」が、そのアリスにあるか、確かめたいんだ。」

 

 

「わかった.....おい、ユズ、起きてくれ。

ミドリも、ほら立って。」

 

俺はユズとミドリを叩き起こす。

アリスが状況確認、と言わんばかりに説明する。

 

「前方に戦闘型無人機(ドローン)及びロボットを検知、敵性反応を確認。

 

マスター・シロウ。

戦闘許可を要請します!!」

 

 

「─────────────。」

 

 

どうして本当に、この子の言葉がセイバーにダブって聞こえるのか。

 

「先生!」

「先生!早く!!」

 

 

 

頭を切り替えろ。

今の俺はなんだ?

 

 

「あぁ、全員、安全装置(セーフティ)を解除、射撃開始!」

 

 

こうして、俺達はお互いに納得のいくまま、試験という名の戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....ふむ、やはり分かっていたことだが素晴らしい。」

 

「く....悔しいですが、その「光の剣」は改めて、あなたのものです!

 

持ってってくださいドロボー!!

 

うわぁん!!」

 

なんて言って豊見は悔しさに膝をつき地面を叩いている。

 

 

「わぁ...わぁっ!!!

 

パンパカパーン!!アリスは「光の剣」を装備しました!!」

 

 

 

 

 

とりあえず戦闘に勝利したモモイ達は安堵して座り込んでいる。

かなりの敵の量だったが、それをほぼアリス1人が破壊した。

 

「本当にそれを使えるなんて.....こっち来てアリス。

 

もう少し詳しい使い方を説明してあげる。

それから取っ手の部分を補強して、紐もつけてあげる。」

 

「ありがとうございます!」

 

俺はアリスと猫塚の会話を黙って見ていた。

 

「親方。」

 

 

ウタハに肩を叩かれて振り返る。

 

「彼女。何者だい?」

 

「.....」

 

豊見と猫塚のアリスを見る目と、ウタハの見る目は違っていた。

 

「最低でも1t以上の握力。

発射時にもブレない安定した体幹バランス。

 

強度や出力はもちろんのこと、弾丸を当て続けても傷一つつかない綺麗な肌。

 

結論から言うよ親方。

 

あれは人じゃない、肉体というより機体、と言うべきだ。

 

おそらく最初から多対一の厳しい環境での戦闘活動を想定し、ナノマシンによって「自己修復」する事を前提とした機体。

 

まさかとは思うけど─────」

 

「ウタハ。」

 

考え込むウタハの肩に手を置いた。

 

「彼女はゲーム開発部の部員「天童アリス」だよ。

誰かを傷つけるためにいるわけじゃないし、ロボットじゃない。

 

彼女は彼女だよ....。」

 

俺は言い聞かせた。

 

ウタハにではない。

 

1番はきっと、自分自身にだ。

気づかないうちに彼女の存在を、俺は、考えないようにしていた。

 

「そう....だな。」

 

はしゃぐアリスを、俺達ふたりは遠くから、祈りを込めるように見つめていた。

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