衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】 作:神宮寺志狼
いや、リオの再エミュレートとヒマリを脳内インストールするのに難航してました。
私本編ゲームでリオは持っているのですがヒマリが居ません。
キャラが濃すぎてきつい。
いや、これミレニアムの生徒大半に言えるわ!!
ついでに制服ネルとバニーネルはいますが通常ネルは居ません!
あ?HARD周回して神名文字しろだァ?
なんで確定ドロップじゃねぇんだよ!
1週間まるまるドロップしないとかフザケルナァァァ、フザケルナァ、バカヤロォォォ!!!
うわぁぁぁぁぁぁ。
(現在神名文字60個しか溜まっていない)
半年周回して回収できないって....ま?
あ、タイトルの"演習"はご心配なく。
最初に話した通り、基本、本編ストーリーからずらすつもりはありません。
でも、駄文を書いている私が言うのもなんなのですが。
どうしてもブルアカのストーリーに納得できない箇所が多く、自己解釈や「こうじゃない?」みたいな改変を逐一加えてます。
タイトルにある"演習"はあくまでもとある戦闘の事です。
そして、このチャートの後にゲーム開発部に立ちはだかる者達と言えば─────?
「ええっ!!?パスワードがかかってるの!?」
俺はユズに端末を預け、部室のPCに例のデータを入れてもらった。
が、そこから解凍、展開とやらが出来ないらしい。
「うん....分からないなら起動できないね。」
「.....どうするの?モモイ。」
俺は全く訳が分からないのでただ話を聞いているだけだ。
「アリス、分からない.....よね。」
「すみませんモモイ。
アリスにはハッキング機能はありません。」
モモイがアリスに頼んでみるが当然わかるわけもない。
「仕方ないなぁ....やっぱりここはヴェリタスに頼むしかないね。」
俺は前から疑問に思ってたことを聞いた。
「なぁ、ヴェリタスってなんなんだ?」
「ヴェリタスはもごもご」
説明しようとしたミドリの口をモモイが塞ぐ。
「ヴェ、ヴェリタスはね、ミレニアムの情報部みたいなものなんだ!
ネットとかPCに強い人達が集まってるんだよ!!」
ミレニアムの情報部から.....」────
早瀬の言葉を思い出す。
「あぁ、あの情報部か!
俺も挨拶したいと思ってたんだ。
案内してくれないか?」
「え゛っっ!」
自分から言い出したはずのモモイは口を抑えた。
「どうしたんだ?」
「......先生、ヴェリタスと知り合いなの?」
なんだろう、モモイの顔が青ざめている....?
なにか不味いのか?
「いや、知り合いではないんだけど、世話になったから改めてお礼を.....」
「い、今挨拶どころじゃないし、また今度にしない?」
「んな馬鹿な話があるか、会って会話するだけだってのに何が問題なんだよ。」
「う、うぐっ....そ、そういえばさ、先生。
ウタハ先輩に頼んだのどうなったの?」
ん?なんかモモイに無理やり話の路線を変えられたが.....
「確かに.....今日で頼んでから3日目だったな。」
「ほらさ!行ってきなよ。G.Bibleは私たちが何とかするからさ。ね?」
「ちょ、っと待て!モモ─────」
そうしてモモイは何時ぞやのミドリのように俺を部室から追い出した。
「....ま、いっか。」
「お姉ちゃん!なんで先生を弾き出したの?」
「だってヴェリタスっていえば生徒会非公式のハッキング集団だよ!?
あんな熱血真面目先生なんて連れていったら何が起きるか分からないよ!
最悪ヴェリタスの部室爆発しちゃうかもしれないじゃん!!」
「えぇぇ...」
「衛宮先生は、そんな人じゃ ....」
ミドリはモモイの言葉に口元を引き攣らせ、ユズがその言葉を否定した。
しかしモモイは続ける。
「いやあれは優しいけどユウカ以上に怖い人だね。わたしにゃわかるよ。」
腕を組んでうんうん、と。
「シロウが怖いのですかモモイ?」
モモイは違和感を説明し始めた。
「うん.....多分。
私さ、先生って懐が広くて何があっても私たちを庇ってくれる人だと思ってたんだよね。
でも実際は違うんだなって。
衛宮先生は一見優しいけど、あれはなんていえばいいのかな?
怒らせちゃいけないって思うんだ。
...うーん.......上手く言葉に出来ないんだけどさ、
いざとなった時に、簡単に人を切り捨てられそうな人?
うーん ....これも何か違う....」
自分の言葉が纏まらず、呟くモモイの独り言を2人が否定した。
「もしかして...お姉ちゃん、コントローラーぶつけて頭叩かれたことまだ根に持ってるの?」
「酷い.....そんな言い方あんまりだよ....。」
自分の意見を否定され、拗ねる。
「うっ....根に持ってなんか無いけど.....でも正しくないことは徹底して許してくれないよ、あの人。」
「ま、まぁそうだけどさ。でもこっちから頼っておいて追い出すのは酷くない?
クロノススクールの映像見て強い人だって知ってはいたけど、結局頭一発でも胸一発でも弾当たったら死んじゃうんだよ?
それでも私たちの前衛に立ってくれたし、ユズちゃんだって助けてくれたじゃん。」
ミドリに非難されるモモイ。
「それもおかしいんだよ。
私には分からないけど、普通は怖いんじゃないの?死ぬって。」
ここで、モモイにアリスが疑問を提示する。
「モモイ、「死ぬ」とはどんな事なんでしょう......」
「え?そりゃぁ....冷たくて悲しくて苦しくて、寒くてひとりぼっちで寂しい....とかじゃないの...?
めんどくさいなぁ....後で報告するよちゃんと.....でもさ、元々私達が「G.Bible」を探しに行こうって言った時も、何か不満というか文句ありげだったし....」
「確かにそれはそうだけど......」
「『そんなものに頼らず自分たちの力で頑張れ』って言いたかったのかな.....。」
モモイの推測にミドリが頷いた。
「多分そうなんじゃない....?
ただ私達のことを思ってなのか、言葉を飲み込んでくれたけど......
いっその事それ無しで.......」
「何言ってるの!目の前にせっかくポザモンのワザマシンみたいなゲーム開発の極意が載ったものがあるんだよ!?
なら使わないと損じゃん!」
「......アリスもそう思います。
使わないのではアリス達の努力が無駄になってしまいます。」
「.......衛宮先生なら、私達の得た物なんだから自由に使っていいよ、って言ってくれると思う....多分。」
それぞれの意見が出揃いやっと──────
「なら、決まりだね!
行こう!ヴェリタスへ。」
モモイ達は床から立ち上がり、部室を後にした。
エンジニア部の部室前。
「ごきげんよう、初めてお会いするわね。シャーレの先生。」
大人びた印象を受け、その姿に見覚えのある女生徒が立っていた。
その格好は黒いスーツ姿。
それはもう、OLとかもはや社会人。
なんなら女教師と言っても過言では無い風貌。
女生徒と判断出来たのは、その子が夢の中で生徒として俺の事を「先生」と呼んだからだ。
対面して感じた好感と不快感。
どうしてか、俺はこの生徒と全く反りが合わない、と初対面で分かった。
「....もしかしてこの前電話で会話した生徒?」
ミレニアムへの訪問許可の際に、電話に出た──────
「えぇ。
ミレニアムサイエンススクールの生徒会長、
今時間は空いているわよね。」
「────────────。」
彼女のそれは問いかけでは無い。
「確認」だ。
まるで俺の動きを一挙一動、知っているかのような。
いや、ような、ではない。
「話があるの、着いてきて頂戴。」
「....あぁ 。」
まるで見えない鎖を引っ張られるように、俺はそいつの後に続いた。
案内されたのはセミナーの会議室。
そこに居たのはアヤネや火宮と同じようにエルフのような耳をした、凛とした佇まいの生徒1人と、早瀬と迷った時に案内してくれた、例の生徒。。
「これで、全員揃ったわね。」
「な、なぁ。なんなんだこの集まり。」
俺がそう尋ねれば耳長の少女が、調月に小言を述べた。
「やれやれ、やはり何も話していないのですね。
まさか武力で無理矢理従えてきた訳ではありませんよね?リオ。」
親しそうに、されど忌々しく嫌味を込めて、その生徒は言う。
「まさか、それこそ非合理的よ。ただ一言言っただけ。」
「.....「着いてこい」と?
そうですか。」
その瞳がこちらを捉えた。
「こんにちは、『創造の魔術師』にして勇敢にして勇猛な先生。
その勇姿とお噂はかねがね。
私は
ミレニアムサイエンススクールにおける『全知』の称号と学位を持つ
完全無欠の英才美少女にして「情報部」の部長です。」
「───────────。」
こりゃたまげた。
使っている言葉は同じはずなのに全く一切中身が理解できない───それでいて、なんだろう自画自賛と言うか、賛美と言うのが正しいか。
とにかく自分のことを誇らしげに語っていることだけは何となくわかる。
「「全知」......?
はぁ。
それはそうと情報部の部長さんか。
会えて光栄だ、お前には直接礼をいいたかったんだ。」
その場に行って握手をする。
デスクに隠れて見えなかったが、彼女は椅子には座っていなかった。
ただしくは車椅子に座っていた。
その膝にはブランケットがかかっている。
恐らく、下半身が不自由で、血行があまり良くないのだろう。
体温調節というのはそも血管の収縮による血流の速度の変化によって起こるもので、それは人にとって欠かせない機能だ。
ずっと車椅子に座っている後天的要因なのか、それとも体の機能自体がそもそも──────
「情報部.....?ま、まさか─────」
早瀬が何故か青ざめている。
「どうしたんだ?早瀬─────」
「何を言っているの?
ミレニアムに情報部なんて存在しないけれど?」
俺の質問を遮り、リオが告げる。
「───────情報部が、存在しない?」
「えぇ、正確には情報部という部活が存在しないだけ。
諜報や荒事専門のエージェントの部活「メイド部」はあるけれど。」
メイド部.....?
そりゃまたなんでメイドさんがそんな事.....
というか───────
「じゃあ早瀬やモモイが言ってる情報部ってのはメイド部の事なのか。
じゃあ明星は────」
「ヒマリで結構です。衛宮先生。」
話している最中に訂正された。
「わ、わかった。
つまりヒマリはそのメイド部の部長さん、ってことでいいのか?」
「いいえ。私はC─────メイド部には所属しておりません。」
言い出した本人が否定する。
なんだそりゃ。
情報部は無いけど情報を取り扱う部活に所属してて、でもそのメイド部には所属してない.....?
「お前、矛盾してるぞ?」
「ふふふっ...失礼しました。
確かに私はメイド部の所属ではありませんし、情報部もミレニアムには存在しません。
リオの言っていることは残念ですが正しいです。」
残念ですが....って。
曰く、本物の天才というのは言葉だけではなく思考からして一般の人と異なっているという。
そういう訳で、歴代の天才と呼ばれた発明家や軍師達は新しい時代や物を築いて言った訳だが。
案外ヒマリもその手の類なのかもしれない。
「...........あまり時間はないの、いい加減にして。」
とリオがヒマリに「回りくどい」と指摘した。
「衛宮先生、彼女はミレニアムの非公認の部活に所属しているの。
その部活の名前は「ヴェリタス」。
非公認にも関わらず、セミナーやミレニアムのサーバーだけでは飽き足らず、ネットのありとあらゆる情報をハッキング、つまり盗み出したり、書き換えたりしているサイバー犯罪グループ一歩手前の集団よ。」
「犯罪グループ一歩手前!?」
リオの説明に驚愕する。
彼女の説明は歯に衣着せぬ言い方ではあるがわかりやすい。
ヴェリタスに行く、と言った俺を部室から追い出したモモイの行動にようやく合点が行った。
「衛宮先生、それは誤解です。」
と今度はヒマリが眉をひそめて話し始めた。
「今でこそ、ヴェリタスが「悪行を重ねるダークハッカー集団」というレッテルを貼られていますが......
元々はセミナーの統制による情報の独占を防ぐ為設立された組織なのです。」
今度は分かりやすく説明してくれた。
「つまりだ、ヴェリタスが非公認なのは圧政に対する生徒としての権利を掲げたレジスタンス、って事なのか。」
そりゃレジスタンスともなれば国────ここで言うなら学校から正式に認められることなど有り得ない。
が、「今でこそ」、「元々」、と言った。
つまりヒマリ自身がリオの言葉を否定しきれないところを見るに、現在行っている行動は褒められたものでは無い、ということだ。
「......確かに生徒達からそういう「セミナーが独裁している」なんて言う声もあるわ。
私がヴェリタスを放置しているのもそういう理由よ。
けれど、あまり─────」
「言いたいことは分かりました、えぇ、えぇ、分かりますとも。
可愛い後輩達には優しく注意しておきます。」
なんだろう。
ヒマリとリオのやり取りは、お互いのことを理解しているが故に嫌っている、みたいな、
パズルのピースはハマるのに、わざと距離をとってくっつかないようにしているような不思議な感じだ。
「ってか、早瀬、お前セミナーの癖してヴェリタスにカイザーPMCの軍事情報盗ませたのか!?」
(ギクッ)
「さ、さぁ。何のことでしょう。
そんな事ありましたっけ....?」
「お前なぁ誤魔化すなんて─────」
ここで、第三者が介入してきた。
「では、衛宮先生はご自身の発した言葉を1字1句、覚えているのでしょうか?」
「え?」
そんな訳ない。
確かに自分の言った言葉には責任は持つが、それを1字1句覚えているか、と言われると.....
「と、なれば衛宮先生の記憶違い、または聞き間違いかもしれません。
今後はメモを取ったり聞き取れなかった場合は恥を忍んで聞き返すことをオススメします。」
早瀬の隣に立つ、見覚えのある白髪の生徒。
「君は確か.....」
「申し遅れました。
私、セミナー所属の書記で
ノア、で結構です。」
「そっか、この前はありがとな。」
彼女はからかうように「あの時、とは
「まぁいいか....それで?
ミレニアムの生徒会長と、反発してるはずのレジスタンスの部長が揃って、俺に何の用だ?」
俺は本題を引き出す。
今この瞬間にも、モモイはヴェリタスの部室で、なにか危ない橋を渡っているかと思うと。
「あらあら、先生はゲーム開発部の皆さんのことが気になって仕方が無いようですね。」
と、見透かしたようにヒマリが読心する。
「安心して、衛宮先生。」
次にリオは会議室のモニターの電源をつけた。
映るのは様々な電子機器が積むに積まれた機械だらけの部屋。
そこに3人の生徒が写っている。
「これは?」
「ヴェリタスの部室にある指向性マイクを搭載した監視カメラによるライブ映像よ。」
「は?」
俺の質問に、リオはあっけらかんと「盗撮、監視している」と言った。
「それいいのか?プライベートというか......」
「起動するのはこれが最初で最後よ。
衛宮先生に現状を理解してもらうにはこれしかないわ。」
「つったってな....」
俺はヒマリを見る。
「まぁ、ヴェリタスの
可哀想に。
あの部室の3人に肩入れする者はこの場に居ない。
それが例え同じ部活の所属生徒であっても。
「南無三。」
俺は両手を合わせた。
「で?先に聞きたいんだけど、これからこの部室で何が起こるってんだ?
部室に爆弾が仕掛けられている、とか言うんだったら何言われたって助けに行くからな。」
「.....それならとっくにメイド部を向かわせているわ。
どちらかと言うと。
私とヒマリにとっての爆弾はヴェリタスと──────」
『こんにちわー!!』
『おっ、モモイじゃん。どうかしたの?』
ヴェリタスにゲーム開発部一同が訪れモモイと赤い髪の少女が話し始める。
「彼女たち、ゲーム開発部よ。」
映像に映るアリスがこちらをその瞳でとらえ、不思議がっている。
その様子を見て、リオとヒマリの瞳がいっそう細まるのを、俺は見逃さなかった。