衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】   作:神宮寺志狼

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前提条件。

・奥空アヤネと衛宮士郎の関係

本来のプロローグに奥空アヤネはいない。

が、救援物資の受け取りの為に今回はD.Uに来ていた。

故に対策委員会の弾薬補給などは問題ない。


アヤネの報告によって衛宮士郎という人間の評判は対策委員会全員に伝わっている。
曰く「優しい先生」「生徒の為を思って自分の身を戦場に投げ出せるキヴォトスににつかわしくない人」(アヤネにとっては褒め言葉である)。


士郎の事はSNSでも情報が流れている為、柴大将は密かに士郎の料理を食べてみたい、と思ったりしている。

・カイザーの手駒が減った。

本来アビドス高等学校を襲撃するはずだったカタカタヘルメット団は衛宮士郎の説得によりD.U付近で仕事をしている為、アビドスに不在。
理事は対策委員会の邪魔が出来ずに地団駄を踏んでいる状況。

故に最初から便利屋68に泣きついている。
アルの状態は満足分の軍資金すら出されている為にかなり手強くなっている。

故にアヤネから手紙が届かないのでこのまま行くと大ピンチ!

だったのだが、言峰綺礼のファインプレーによってことが始まる前にギリギリ間に合う。

・狐坂ワカモの随伴。
「士郎さんっ♡」

ワカモのせいで、というかお陰でアルも悪い方向にアクセルを踏むことになる。


Vol.1 対策委員会編 第1章 対策委員会の奇妙な日々
#1 対策委員会へようこそ!


あれから数日間。

 

俺はアビドス高等学校について調べることにした。

 

アビドス高等学校。

 

キヴォトスにおける過去のマンモス校であったが今は見る影もなく自治区そのものの存続が危ぶまれている地区。

 

そこに存在するのがアビドス廃校対策委員会。

 

メンバーは5人。

その1人は奥空アヤネ。

 

あの時シャーレの部室奪還を一緒に手伝ってくれた生徒だ。

 

他は対策委員会の委員長小鳥遊ホシノを筆頭に、

 

砂狼シロコ。....「すなおおかみ」なんて変わった名前だな?

 

十六夜ノノミ。

黒見セリカ。

 

.....たった5人でアビドス高校生というのだから随分と寂しい。

 

 

 

「おはようございます。し、士 ...さ...////───

し、士郎さん!」

 

ワカモが朝食準備中の俺の元にやってきた。

いまだその呼び方が恥ずかしいのか、一息では発せられていないようだ。

俺はあくまで、普通に接する。

 

「おはよう、ワカモ。

 

今日はアビドスに遠出する予定なんだけど......一応聞いとく、来るか?」

 

「はい ..っ!あなた様となら地獄の果てでも───」

 

「そういうの、縁起悪いからやめような?」

 

ワカモの頭に手をポン、と置く。

彼女は何かとつけて身を挺そうとする。

 

朝食も終わり、出立の準備をする。

 

「そうだ、奥空に連絡しておかないと。」

 

貸与されたタブレットでmomotalkなるアプリを開き奥空に連絡する。

 

「『調子はどうですか。

いまから、アビドス高校に向かいます。』っと」

 

 

『うーん、アビドス高等学校ですか.....』

 

アロナがボソリと語り出す。

 

『昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の変化で街が厳しい状況になっている、と聞きました。

 

どれほど大きいかというと、街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるぐらいだそうです。』

 

ゾッとした。

砂漠の迷宮。

そんなのに迷い込んだら───

 

『あはは、まさか、そんなことあるんでしょうか?

いくらなんでも街のど真ん中で遭難なんて....!』

 

「だよな!

俺はもう一度行ってるし!

ワカモも居るし!そんなことには────────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────迷った。」

 

 

広すぎる上、やはり建物が多く、高いところから見渡せたとしても目印なんて一切ない。

 

数日、歩き回ったがもはや抜け出すことすら出来ない。

 

「あのー、スミマセーン。」

 

家を尋ねて回るがどこにも住人が見当たらない。

 

『あなた様!私が道を探して来ます。動かないでここにいてください!』

 

そう言ったっきり、ワカモは帰ってこない。

 

終わった。

 

 

 

ごめん、親父。

俺ここまでみたいだ。

 

「ばたり。」

 

俺は水分も食料も無く、地に伏せた。

 

DEAD END

 

 

 

 

 

 

(キキーッ!)

 

───と思ったのだが、何かが止まる音で目が覚める。

 

自転車だろうか....?

 

「あの....?.....大丈夫?」

 

最後の力をふりしぼり、顔を上げる。

 

「悪い....水、無いか?」

 

「...強盗にでもあった?もしくは事故?」

 

彼女は自転車を止めて、俺に歩み寄った。

顔は、日差しの影になり、よく、見えない。

 

しかしその低い声とは裏腹に、こちらを心の底から心配するような感情も伺えた。

 

「違う.....道に迷って....連れとはぐれて.....。」

 

喉が、もう話せない。

 

「......ホームレスではないんだ。

.....立派なスーツもボロボロだから何かあったのかと思った。」

 

そんなに?

 

たしかに意識が飛んでいたこともあったが、何日間ここに居たのだろう?

 

「....ただの遭難者か。よく見かけるけど。

 

もうこの辺には食べ物を売っている店なんてないよ。

こっちじゃなくて、郊外のほうなら市街地はあるけど。」

 

せめて、コンパスでもあれば話は別だった。

 

何も対策してこなかった自分の責任だ。

 

キヴォトスという場所を甘くみすぎていた。

 

「ちょっと待って。」

 

その少女はカバンを漁るとミネラルウォーターを取り出した。

 

「はい。これ。

ライディング用なんだけど.....」

 

「....貰えるか?」

 

そう聞くと彼女は頷いた。

 

 

俺は意識朦朧としていたのか、それを未開封だと判断した。

 

「でも、それ私の飲みか─────」

 

 

全身に水分が行き届くような感覚。

 

これが生きてるって事なんだな。

 

 

こんな所では死ねない、死んでたまるもんか。

 

 

だって、まだ俺は何も成していないんだから─────────

 

 

気づけば飲み干していた。

 

 

口が潤い、声が出しやすくなる。

 

 

「すまん、全部飲んじまった。」

 

 

「......///

ううん、気にしないで...//。」

 

 

俺は上半身を起き上がらせ、向き直る。

 

「俺は衛宮士郎。

 

連邦捜査部シャーレの先生だ。

知り合いの様子を見に、アビドス高等学校に向かう途中で道に迷っちまった。」

 

そう言うと彼女はとんでもないことを口にした。

 

 

「衛宮士郎....先生。

アヤネが5日前に来るって言ってた人だ。」

 

 

「5日前っ!?

もうそんなに経ってたのか!?」

 

「貴方の印象は最悪。

嘘をつく悪人の大人。」

 

いや、まあそうもなる。

連絡したのに、実際来ないのだから。

もてなしの準備とかもして、期待してくれていたかもしれない。

 

「うっ....面目ない。」

 

彼女は俺の様子を見るや否や

 

「冗談。私は砂狼シロコ。

アビドス高等学校所属の2年生。」

 

───自己紹介をしてくれた。

 

これから行く、いや、目指していた学校の生徒の1人だ。と。

 

 

 

その後、空腹で動けない俺をなんやかんやで背負ってくれることになった。

 

「 ... 悪いな、ロード置いてかせて。」

 

「... ん、大丈夫。

私からしたらここは庭みたいなもの。

ライディングコースだから道には迷わない。」

 

 

背負われている最中、髪の毛の香りから硝煙の匂いがする。

 

そう、親父が隠しきれてなかった匂いだ。

 

 

「まって、私さっきまでロードバイクに乗ってたから....そこまで汗だくってわけじゃないけど....その....」

 

「いや、いい匂いがする......」

 

その香りに安心した俺は、再度目を瞑り、意識を失った。

 

 

 

─────────────────────────────

 

(ドサッ!)

 

乱暴に地面に置かれた衝撃で目を覚ます。

 

「ッ!!」

 

頭を打った。強烈に、床に。

 

 

「ただいま。」

 

 

「おかえりシロコ先...ぱ...い?

うわっ!何その荷物!?どこで拾ってきたの!?」

 

 

捨ててきなさい、なんて言葉が聞こえてくる。

猫か犬か俺は。

 

「わぁ、シロコちゃんが大人を拉致してきましたぁ!♪」

 

なんて縁起でもない台詞まで聞こえる。

 

その中───────

 

「え──!!衛宮先生!!?」

 

と駆け寄って肩を揺すってくれる生徒が1人。

目の焦点がようやく合う。

 

「あ、奥空か。

遅れて悪い....。」

 

謝ると彼女は顔を真っ赤にしながら目尻に涙を溜めたまま捲し立てた。

 

「そんなことはどうでも良いです!

 

全く急に連絡してきたと思えば、急に連絡が取れなくなって。一方的過ぎます!

 

私何かあったかとずっと心配で。」

 

「あ、死体じゃない生きてる!?よかったぁ、とうとう先輩がやらかしたと思ったじゃない!」

 

「この方がアヤネちゃんの言っていた衛宮士郎先生ですか?♪」

 

残りの2人も色々納得してくれたらしい

俺はどうにか起き上がって挨拶をした。

 

「こんにちは、俺は衛宮士郎って言って、連邦捜査部シャーレの顧問だ。」

 

俺は周りを見渡す。

誰か、足らない。

名簿で見た限りはもう1人──

 

「あれ?小鳥遊って、生徒は?」

 

「あ、ホシノ先輩なら隣の部屋で寝てますよ。

起こしてきますね?」

 

 

『ホシノ先輩、起きてください、衛宮先生がいらっしゃいました。』

『まだ起きる時間じゃないよぉー。』

 

なんて言いながら奥空が1人の生徒を引っ張ってきた。

 

「こちら、前に紹介しましたシャーレの衛宮先生です。」

 

とその寝ぼけた生徒の目が一瞬鋭く開かれるのを、俺は見逃さなかった。

 

あれは、遠坂のする値踏みのような目だ。

 

「─────────────────────────」

 

威圧されている。

 

この小鳥遊ホシノという生徒は大人を信頼していない。

 

何故だかそう思えた。

 

そして、その目は何処か、鏡の自分を見ているようで──。

 

 

「あ?先生かぁ~、よろしくー。むにゃ。」

 

なんて直ぐにとろん、とした目に戻った。

 

これが俺と対策委員会の5人の出会いだった。

もう少しステイナイト要素を取り入れたく思い、下記から希望を選んでください。尚セイバーはとある事情で省いてます。遠坂凛はうっかり意外人間性が完成しすぎてるので省きます。

  • 間桐桜 (士郎の背中を追い先生に)
  • 無銘寄りのアーチャー(執事)
  • イリヤ(シッテムの箱所属)
  • 上記三人とも。
  • 士郎と麻婆だけでいい
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