衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】 作:神宮寺志狼
俺は扉の横の椅子に腰かけていた2人に事情を説明した。
「────って訳なんだが....」
「補習授業の担任.....。
それは......トリニティに出張....ということですか?」
「思ったより長丁場になりそうだね....後輩達に連絡しとかないと....。」
2人とも渋々のようだがあっさり納得してくれた。
というより、マコが、だ。
「それとな、マコ。
ティーパーティーの桐藤ナギサ....この学校の生徒会のトップがお前の事務処理の腕を買って手伝って欲しいんだと。
悪いんだけど、手伝ってやってくれないか?」
なんというかマコはトリニティに対して偏見を持っている。
説得に時間がかかりそう.....かと思えばそんなことも無く二つ返事で承諾してくれた。
「はぁ.....いいよ。
どうせ士郎の事だから安請け合いしちゃったんでしょ?」
「なっ...?
流石にそれこそ偏見だ。
俺だってお前達の自由意志は尊重してるぞ。
だから桐藤にはお前の返答次第って答えておいた。」
マコは呆れたのかため息を吐く。
「それ、蹴った場合相手の期待に答えられなかったって事でしょ?
つまりトリニティから、シャーレ、引いては士郎自身の信頼そのものが落ちるって事よ?
だから私にその案件を持ってきた時点で、私には「断る」って選択肢がないのと同じよ。
まぁでもいいわよ。
シャーレに強制送還されるくらいなら士郎がいる場所に近い方がいいし。」
......なんだろう。
保護者と子供の立ち位置が入れ替わっているように聞こえるんだが.....。
「士郎さん....私は如何しましょう?」
「ワカモは....何かあった時の為に傍にいてくれ。
それに、お前は素で頭良いだろ?
だから「補習授業部の副担任」兼護衛役で頼む。」
「.....はいっ!私で宜しければ───!」
補習授業部だから戦闘に巻き込まれないだろう、なんて考えは秒で捨てた。
ここはキヴォトスなのだ。
一般人すら平気で銃撃戦に巻き込まれるのだから何があってもおかしくない。
立ち話する俺達の元へナギサの部下がやって来る。
「承諾頂けたようで何よりです。
では、藤河マコ様、こちらへ。
ナギサ様が中でお待ちです。」
「はいはい...。
じゃあ、士郎、また後でね。」
「あぁ、後でな。
仕事しっかりやって来いよ。」
「うん!」
こうしてマコは桐藤が1人いるティーパーティーのテラスへと。
俺達は渡された名簿に記載されている生徒達を訪ねる為、わかれた。
これがトリニティでの彼女との最後の会話になる事など、この時の俺は知る由もなかった。
「.....やっぱりな。」
俺は呆れてしまった。
名簿を見る前から予想していたことだが、やはり中を見てみると「阿慈谷ヒフミ」の名が載っていた。
「あ、あはは......こんにちは、衛宮先生。
先生が言ってた通りになってしまいましたね......。
そ、そのこれには、やむを得ない事情がありまして......。
あ、あうぅぅ....。」
ワカモが俺とヒフミの間に割って入る。
「あなた様、お知り合いですか?
......この方は...どこかでお見かけした覚えがあるような....。」
なんと、ワカモは覚えていないらしい。
まぁあれだけの激戦だったし、仕方もないといえばそうかもしれない。
「アビドスでカイザー相手に色んな学園から集まってきてくれたろ?
あの中にヒフミもいたんだ。
それとホシノ達とブラックマーケットに行った時────」
あの時のことを言葉にしようとすると慌てた様子でヒフミが俺の口を手で封じた。
「あ、あわわ....!
衛宮先生!此処でその話は....」
その様子を見て思い出す。
そういえば言峰は「ブラックマーケットがトリニティでは進入禁止区域に指定されている」と言っていた。
俺は頭を縦に振って言いたいことを理解している、とジェスチャーした。
そうしてようやく手がどかされる。
「す、すみませんでした.....。」
ぺこりと、頭を下げるヒフミ。
というか、この子の苗字は「
初めて知ったぞ.....。
まぁ今まで何度も名前で呼んで来たわけだし、苗字知らなかったから不可抗力だ。
俺とヒフミのやり取りに首を傾げるワカモ。
とはいえ、知り合いだった事は納得してくれた様だ。
「で、やむを得ない事情ってなんだ?」
俺はヒフミとワカモを椅子に座らせて、対面する。
俯瞰的に見るなら、俺は取調室の容疑者に尋問する警察官だろうか。
「え、えっとですね....
こうなってしまったやむを得ない事情というのはですね.....。」
まさか、またテストをサボってペロロ様とやらのグッズを探しにブラックマーケットまで行っていたわけではあるまい。
この前の一件はシャーレからの正式な書類とデータを持たせた為にどうやら再試験を受けることが出来たのだと、後日聞いた。
まぁ今回は深い事情が──────
「──────────────────────。」
空いた口が、塞がらない。
彼女は「ペロロ様のゲリラ公演」と言った。
ゲリラとはスペイン語で「小規模の戦争」という意味合いがあり、ゲリラ部隊やゲリラ戦争、はたまたゲリラ豪雨もそこから来ている。
つまり要約すると「唐突な───」という意味合いだ。
つまりヒフミはサプライズにも近い事前の通達なしのイベントの情報を何処からか仕入れ、こともあろう事に
察しが良いワカモもそれに気づいたのかポカーンと目と口を開いている。
「「..........。」」
「そ、そんな冷たい目で見ないでくださいぃ.....!
ちゃんと試験の日程は確認していたはずなんです!
何かの間違いと言いますか、手違いと言いますか....。」
「あ、あはは....!」
頬を冷や汗が伝うヒフミの表情。
(スゥーーー───────)
俺は息を大きく吸い込んで───
「んな馬鹿な手違いがあるかってんだ───!!」
「あうぅ....!?ご、ごめんなさぁぁぁいっっ!!」
俺の大声の説教に、ヒフミはペコペコと頭を何度も下げる。
これは言峰が振り回されるのも納得だ。
多分、反省も後悔も一切していないんだから叱りようもない。
「ったく....俺は良いけど、こうして困るのはお前自身なんだぞ。
お前は学生なんだから、学業を優先にするのが
ヒフミは自らが置かれている裕福な状況がわかってない。
キヴォトスには学びたくても普通の学校に通う事───つまり学籍を持ちたくても手に入れられない子供達が五万といるのに。
「.......次は...もう少し上手くやりますぅ....。」
「反省点違くないですかね?!
───それに次なんてあってたまるか!」
俺はヒフミの頭を軽く名簿で叩いた。
この様子を見てワカモもため息混じりに感想を漏らした。
「.......ティーパーティーのホストである桐藤ナギサさんが藤河さんを引き取って行った事が幸いしましたね.....
彼女の場合ヒフミさんとは正反対の娘ですから.....」
....確かに。
そう考えるとマコ達「藤河組」の面子がトリニティ総合学園を目の敵にする理由もそこにあるのかもしれない。
「そ、そう言えばですね。
そのナギサ様に、先生のサポートを頼まれまして....。
わ、私が今期の「補習授業部」の部長になってしまいました.....。
全員がテストに合格すれば、自然的に部長からは解雇されますし、部も解散するはずですが....。」
「.....。」
確かに、名簿には間違いなく役割の部分に「部長」と書かれている。
「ヒフミは随分と桐藤に信用されてるんだな。」
「あはは.....。
それでは....えっと...衛宮先生。よろしくお願いします。」
「あぁ、よろしくな、ヒフミ。」
俺は右手を差し出して、ヒフミがそれを取った。
すると彼女は肩の力を抜いて溜息を吐く。
「ん?どうしたんだよ。」
「いえ、こんな状況になってしまったのは私自身の失敗が原因ですが.....
担任の先生が知っている方で良かったな、と。
衛宮先生とならきっと大丈夫だろうな、って....。」
「まぁ、それを言うなら俺も同じだ。
トリニティは前に1度来たけど大聖堂に行っただけだからな。」
マリーとは結局あの後話せずじまいだし、言峰を保護したっていう生徒やシスターフッドのリーダーにも話を聞いておきたい。
「あ、衛宮先生は補習授業部の他の生徒には、まだ会われていないんですよね?
ナギサ様からお預かりした名簿を確認したんですが、「部員」は私を含めて4人みたいですね.... 。
とりあえず、探しに行きませんか?
まずは皆さんを集めて、どうすれば落第せずに済むかの計画を立てないと....。」
「....そうだな。」
大学時代、塾や家庭教師のバイトをやってみたがいまいち好感触を掴むことは出来なかった。
少し、心配になってくる。
「よし、ヒフミ、案内を頼んだぞ。
この学校も他と比べるまでもなく広いからな。
ワカモ、ちゃんと付いてこいよ。」
とりあえず席を立つ。
「私は士郎さんの姿しか見ておりませんので、その点はご心配なさらず。
ですが、お気遣いありがとうございます。」
そうして回収する2人目の生徒の所へと着いた。
「なぁ、ヒフミ、ここ、普通の教室じゃないよな?」
尋ねるとヒフミは俺の視線から目を逸らした。
「な、なるべく来たくはなかったのですが.....。」
恐る恐ると言った形で扉をノックし、失礼します、と声をかけて入っていく。
その後ろに俺たち2人も続いた。
「えっと...どなたかいらっしゃいますか....?」
そうしてポツンと立っていたのは正義実現委員会の制服を着たピンク髪の少女。
一瞬こちらを睨んでいるかと思ったその視線は、彼女が緊張している現れだ。
「あ、あの ......。」
「.........何?」
「あ、あぅ....そのですね ...」
ヒフミがしどろもどろしている。
横目で俺に「何かしてしまったでしょうか?」と疑問を投げている。
いや、いきなり要件も言わずに部屋に入って人を見て挙動不審になると相手だって怪しく思うだろうよ。
「大丈夫だ。
あれが素なんだろ、多分。
ちゃんと話せばわかってくれるって。
頑張れよ「部長」さん。」
背中を押したがオロオロするヒフミ。
そんな様子にまるで痺れを切らしたかのように目の前の少女が口を開いた。
「.....正義実現委員会に何の用?
そんなへんちくりんな人と生徒連れて────。」
(ジャキンッ!)
これまた開口一番、小馬鹿にされた。
いや、俺はもう慣れている、というか生徒相手にこんな事で腹なんて立ててられない。
それよりだ。
後ろで弾丸の束をクリップで装填したような音が聞こえた気がする。
「貴女、今なんて仰いましたか....?」
「ヒッ....!?」
気のせいでは無かった。
ヒフミを押しのけて、その生徒の目の前に、ワカモが立ちはだかった。
被っているのは狐の面だが、ヒフミはまるで般若を見たかのように青ざめた顔をしている。
「.....な、何よ.....やるって言うならその喧嘩、買って....買って....」
何やらスイッチが入った全身からオーラを出していてもおかしくないワカモの様子に、最初こそ威勢の良かったその生徒は次第に足を震わせ、その声は小さくなってしまった。
ワカモの肩を掴む。
「止めろって、ワカモ。
へんちくりんって言われたことは....ちょっとショックだったけどそんなことはどうでもいい。
ここはシャーレのビルじゃないんだから抑えてくれないと俺が困る。
もし、物を壊しでもしたら桐藤から怒られるのは俺なんだぞ?
後、弱いものいじめは良くない。」
この様子では今後のトリニティでの生活も先が思いやられる....。
「は、はぁ....わかりま─────」
何とか落ち着いた────と思いきやそうはならなかった。
俺の言葉が刺さったのか、目の前の生徒が逆ギレし始めたのである。
「な、何が弱いものいじめよ!?
身長差と雰囲気でちょっと....ほんの少しビビっちゃったなんてことは無いんだから!」
....語るに落ちるである。
まぁ、ワカモの目の前で強がりを張れるだけまだ根性があると言えよう。
その様子を見てワカモも銃を下ろした。
「......確かに、これは虫を足で潰すのと同義です。
ここはあなた様のお顔を立てて────」
「だ、誰が虫ですって!?
私が虫なら....あんた達は....そ、そうよ!
あんた達はミジンコよ!」
正に売り言葉に買い言葉。
ワカモの拳に、力が入るのがみてとれた。
「ワカ────」
肩に手を置いていた手を、そっと振りほどかれる。
「
情状酌量の機会はもう与えました。
止めないでくださいませ、士郎さん。」
「あわわわ ...!」
ヒフミの顔がさらに真っ青になっていく。
これはもう────止められない。
俺は顔に手を当てて、目を閉じた。
「うぅ....わ、私だって正義実現委員会だもん!」
(ガシャッ!)
2人が銃を向けあった。
そんな時だ。
場違いな迄の格好をした生徒が、この場に現れたのは。
「「─────!?」」
ワカモと相手の生徒の動きが止まった。
なんならこの場にいる人間全員が口を開いて驚愕した。
部屋の中の扉からでてきたその生徒は、水着姿だったのだ。
トリニティの校章が刻んであることからおそらく指定水着なのだろう。
「あら?もしかして私も
嬉しいです♪︎」
「え、は?
何で!?
あ、あんたどうやって牢屋から出てきたの!?
ちゃんと鍵は閉めたのに....!?」
ワカモに銃を向けていた件の生徒はそれどころではない様子で今やってきた生徒を見る。
「いえ?開いていましたよ?
何やら楽しそうに談笑する声が聞こえてきたので、こちらに来てみました。
あら ....そちらの方は大人の方。
ということは「先生」ですね。
改めましてこんにちは。
私は浦和ハナコと申します。
─────なるほど、もしかして補習授業部の?」
出てきた子は随分と物分りがいいのか、面子と俺を見ただけで大体の事情を察したらしい。
「ま、待ちなさい!
その格好で出歩かないでよ!
ちょ、ちょっとぉ!」
「 .....?
何か問題でもありましたか?
「あるに決まってるでしょ!?
何で学校の中を水着で徘徊するの!?」
こちらに来る浦和という少女を目の前の対峙していた下江と呼ばれた生徒が制止する。
確かにその言い分は正しい、正しいのだが.....。
その質問に、浦和は涼しげに話題の論点をずらした。
「ですが ...
ここもあくまで学校の敷地内で......
あ、もしかして下江さんは、プールでは水着を着ないタイプですか?」
その論点ずらしに気づいたのは、俺だけだろう。みんな首を傾げている。
「そうでしたか、下江さんは全裸で泳ぐのがお好きなんですね。
流石は正義実現委員会。そういった分野まで網羅されているなんて。
感心してしまいます。」
「──────ば、バカじゃないの!?着るに決まってるでしょ!?
そんなことするわけ────!」
「それにしても裸こそが正義、とは......かなり前衛的ですね。
あまり考えたことはありませんでしたが、なるほど。
試してみるのもまた一興....。」
どうやら下江は浦和の手の上で踊らされているらしい。
「まぁ、水着くらいどうってことないんじゃないか?」
─────なんて、俺の口からこれまた変な言葉がとびだした。
「「へ?」」
今の言葉にヒフミも俺の傍から離れていく。
「え、衛宮先生....?」
「あんた正気!?」
......今度は俺が目の敵にされてしまったらしい。
「いや、だってさ。
これまでワイシャツの脇下を空けた生徒やら、ファスナーの着いた謎ビキニを服って言い張るやつも居たんだ。
今更競泳水着が────なんて言われてもなぁ......。」
和泉元は元々体温が高いのかそれとも体温調節の機能不全でもあるのか?と仕方ないと心の中で納得した────というかせざるを得なかった。
それはそれとして天雨は───ダメだ。
あれを「普通の服」と認識してしまったら人間として大事な部分を取りこぼしてしまいそうで納得できていない。
それはそれとしてこの状況を静観して居られるだけ、何か大事なものを忘れてしまった気がするのは気のせいだろうか?
「──────先生は、なんとも思わないのですか?」
と浦和本人が驚いたような顔をしてこちらを見る。
「む、なんとも思わない訳じゃないぞ。
正直、男児としては目のやり場に困るもんでちゃんと制服を着て欲しいと思う。
でも個性とそれとはまた話が違うだろ。」
俺の言葉に、彼女は一瞬ホシノのようにこちらを見定めるように鋭い視線を向け────
「......そうですか...。
先生のお願いであれば、仕方ありませんね♪︎」
そう言って浦和は、おもむろに水着の上から制服を着始めた。
ポツンと固まっていた下江はその様子を見てなんとも言えない顔で仰天している。
と思えば
「───────────嘘、何言っても聞かなかったって皆言ってたのに.....
ちょ、ちょっとあんた何したのよ!
────あ、もしかして大人の人....噂の先生.....。
魔術師の......。
ダ、ダメよ!
そう言うウスイ=ホンに出てきそうな如何わしい術を使うなんて!
この変態!スケベ!
エッチなのはダメ!!!死罪────!」
と俺に対して憤慨しはじめた。
「なんでさ!!俺は何もしてないぞ!?」
今にも何かものを投げ、こちらを不審者と言わんばかりの下江。
その腕を、浦和が間一髪止めてくれた。
「はいはい、楽しい妄想は後でにしましょうね❤。」
と浦和が下江の後ろから抱きしめるように体重をかける。
当然頭と頭が重なる訳もない。
2人にはかなりの身長があるのだから。
身長差がある事はおかしい事でもない。
問題なのは、本人は気づいているのか居ないのか、その豊満な部分を下江の頭頂部からずっしりと乗せていることにあった。
俺はソレが柔らかく潰れたのを見て、目線を逸らした。
「あら .....ふふふっ....♪︎」
何やら浦和の目線が妙に艶めかしく感じる。
「あの女.....士郎さんに向けて淫らな誘惑を.....」
一方、ワカモは俺の手を粉砕するレベルの力を入れてにぎりこんでいる。
声掛けたらなんて言い始めるか分からないので必死に耐える。
.....本当に砕けそうになってきた。
「ちょ....何のっけ─────」
下江も何か重いと思ったのか上を見上げて───そして
「ブッ─────!」
漫画みたく、鼻血を出した。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、あら?少々からかい過ぎてしまいましたね...」
それを見て駆け寄るヒフミ。
そして事態は進展していく。
なんとその場にガスマスクをつけ、シュコー、シュコーと某SF映画のラスボス兼主人公のような存在が、ハスミともう1人の正義実現委員会の生徒に、連行されてきたのだった。
「ただいま戻りました....あら?
これは衛宮先生、イチカが迎えに行ったと聞いていましたが、ここで一体何を?」
いやそれはこちらのセリフだ。
「な、なぁハスミ?
その生徒は一体....」
彼女は連れてきた生徒を一目する。
「彼女は白州アズサ。
生徒に対する暴行による現行犯で確保、連行してきた次第です。」
(シュコー......シューッ....)
「.......。」
「.......。」
「こ、これはもしや、先程の女といい、この娘といい、面を被っている良妻賢母の私のキャラを総取する作戦でしょうか.....。」
ワカモの困惑から飛び出た言葉にハスミの眉が動いた。
「何故、貴女まで来ているのです?」
「何故...と言われましても。
私の仕事は貴女も知っていての通りでは?」
.....なんか喧嘩というか目線で火花を散らしてそうな2人。
そんな2人を無視して、白州という生徒がとうとう、口を開いた。
「 ..........惜しかったな....。
残弾の問題さえ無ければ、あと数人道連れに出来たのに.....。
もういい、好きにして。
ただ拷問に耐える訓練は受けてるから、私の口を割るのはそう簡単じゃないよ。」
俺はもう一度名簿を見直した。
1人目、2年生、阿慈谷ヒフミ。
「あ、あはは....あははははは....。
.....はぁ....。」
2人目、1年生、下江コハル。
「ど、どういう状況なわけ....。」
3人目、2年生、浦和ハナコ。
「さてさて、お手並み拝見ですね.....。」
4人目、2年生、白州アズサ。
(シュコー.......シューッ.......)
「これはなんて言うか.......」
この先が、本当に思いやられた。
色んな方の先生作品で「桜花絢爛お祭り騒ぎ」を見かけます。いかがでしょう。読みたいですか?
-
要る。
-
後回し、本編に進んで