衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】 作:神宮寺志狼
イリヤ「バカシロウ!」
アロナ「衛宮先生のお馬鹿!」
読者「このアホ!」
筆者「あー ....このマヌケ....少しは危機感持てよ.....。」
本編をまた無駄に改変します。
というかサオリの最初の意志を、汲み取ろうと思います。
多分間違っていない。
サオリはアズサをトリニティのスパイに選んだ理由その物が「幸せになって欲しかった」「和平の象徴になるはずだった。」
なので。
多分、ここからのエミュレートは間違っていないはずだ。
しかし、人によっては解釈が一致しなくなると思います。
対戦よろしくお願いします。
あれから数時間、俺が居なくなったと騒ぎになり、風呂場から出た瞬間にちょっと遅れて様子を見にきたらしい白州と遭遇してしまったせいで口裏が合わなくなって苦労したものの、忘れ物を取りに行っていたという発言でどうにかこうにか誤魔化せた。
実際には何も無かったので問題ない....はずだ。
それに運がいい、と言っていいのか分からないが下江はもうぐっすり寝ているらしく俺の株が下がる事はなかった。
「では、そろそろ寝ましょうか。
明日から本格的に勉強合宿が始まってしまいますし.....そろそろ寝ないと明日に支障が出てしまうかもしれません。」
ヒフミの発言に耳を傾けた皆、揃って頷いた。
「んじゃ、もう寝てる下江はいいとして、1部屋につき丁度5人分のベッドがあるから、お前たちはそっちの部屋で寝てくれ。
俺は隣の部屋で寝るから。
一応巡回とかしてると思う。
特に何もないと思うが、なんかあったら相談に来てくれ。」
あー....この感じ人数合わせに呼ばれた柳洞寺で夏休み合宿をした時の夜に似てる。
誰か怪談を話し始めたりしたら、夜トイレで起こされるだろうな。
なんて、少し昔を懐かしんだ。
「はい、ちゃんと覚えて起きますね。」
「それではお疲れ様でした!おやすみなさい先生。」
「うん。おやすみシロウ。」
「おやすみなさいませ、あなた様。」
4人とも締めの挨拶をして部屋へと戻って行った。
「さて、と。
イリヤ、準備を。
アロナは.....お眠のところ悪いんだがもう少し頑張ってくれな?」
シッテムの箱を起動してアロナとイリヤを呼び出した。
『そう、皆寝たのね。』
『....ですが、衛宮先生。
ここは学園本校舎からもかなり距離がありますし。
襲われる心配はあまりないかと.....本当にやるんですか?』
これからするのはこの別館の敷地内に結界を張る。
張る、といっても大半はイリヤ任せになるのだが....。
「やる。
少しだけど不安要素もあるし、念の為って奴だ。
アロナは周りの様子を見ててくれ。」
これから行う事はなんというかトリニティ生徒にはあまり見られたくない。
魔術というものが忌むべきものとされるトリニティの敷地内でその魔術を使うのだ。
監視カメラとかでもいいが、あれは常人に破壊される上にそもそも「見る」という作業が必要だ。
それに対して結界はその雰囲気だけで察することが出来る。
イリヤ達と結界の基点と分基点を回ること数十分。
『終わったわよ。
こら、アロナ。まだ寝ないの。』
『ハッ!お疲れ様でした....衛宮先生!』
目を擦るアロナをイリヤがジト目で見つめている。
「お二人共お疲れさん。
ありがとな、付き合ってくれて。」
して、自室に戻ろうとした時だ。
『....あれ?
おかしいですね。』
ふとアロナがつぶやいた。
「何がおかしいんだ?」
疑問に思っているとイリヤが指を指した。
『シロウ、あれ。
アズサじゃない?』
その先には制服を着て玄関から出ていく白州の姿があった。
もうとっくに門限は過ぎている。
こんな時間から何処へ行こうというのだろうか?
『どうしますか?先生。』
「..........。」
放置する、という選択肢は無い。
かと言って声をかけてもいいのか?
言峰から聞いてしまった
「様子を見よう、敷地内を出るんだったらその時はこっそり後をつけるし、散歩だったらとりあえず声をかけて注意する。」
『.....シロウらしくないわ。
そのまま声をかければいいのに.....。
────って言いたいところだけど、あんな話聞かされたあとじゃあ仕方ないわね。』
イリヤに咎められる。
どうして、こうも生徒に対して猜疑心が生まれるのか。
「.........。」
俺は、こっそりと白州の後に着いていくことにした。
踏み越えて欲しくなかった。
散歩であればどれほど良かっただろうに、敷地の門を超えた瞬間に、怪しさが倍増する。
彼女は逐一立ち止まり、周りを気にしているようだった。
尾行に、気づかれたのか?とも思ったがそのまま歩き出す。
そして、歩くこと一時間程。
トリニティの郊外まで来てしまい、彼女はひとつの廃屋に入っていく。
『衛宮先生......。』
「もしかしたら、ここは白州にとってのアジトとか秘密基地なのかもしれない。
案外備品とか武器弾薬を保管してるだけかもしれない。」
とりあえず様子を覗きたいが故にその冷たい鉄のドアに貼りつこうとすると、立て付けが悪いのか微かに開いていた。
低いがハッキリと聞き取れる少女の声。
それと白州が会話していた。
「.......ポイントと時刻の変更を打診してきたにも関わらず300秒も遅れてやってくるとはな。
アズサ。」
「すまない....誰かに付けられているような気がした。
撒くのに随分かかってしまったが、大丈夫だ。 」
やはり、尾行に気づかれていたらしい。
その後は距離をさらに離して着いてきたので何とかなったが。
それはそうと、相手は誰だ?
少なくともトリニティの生徒ではないことは確かだろう。
寮の門限はとっくに過ぎている。
「.....相手は?」
「....発見できなかった。」
「そうか...
単刀直入に聞く。
イレギュラーが発生したらしいが、首尾は?」
「....滞りない。状況は第二フェーズに、移行した。」
何やら会話している様は、白州が2人、いるように思えた。
「「補習授業部」とか言ったな。
下手を打ったな、目立ちすぎている。
その部活の存在は恐らく「箱」だ。」
補習授業部が....箱.....?
どういう事だ。
「......理解している。
だが、三度ある学力試験の内、一度でも合格すれば問題ないらしい。」
「そうか、
だが、そんな事は私達には関係ない、違うか?」
「.....あぁ。そうだ。
私達は─────────
でも────」
白州の言葉を聞き逃した。
彼女はなんと言っていたのか。
「......わかっているならいい。
お前が────なのも─────までだ。
所詮この世は──────。
だが 、お前がそうしたいというのなら。
....それまではお前の好きにするといい。」
「.......わかった。
ありがとう、サオリ。」
「あぁ、だが忘れるな。
私達は─────」
相手の生徒の言葉も聞き取れなかった。
暗くて、白州の表情が見えず、目をこらそうとしたときだった。
(ギィィ.....)
「....誰だ。」
(ジャキッ...!)
扉に手をついたのが不味かった。
体重をかけたせいで扉が動いてしまう。
「やばっ!!」
さらに脳天気な俺はそのまま声を出し。
(タタタタタタッッッッ)
『衛宮先生!!』
(カキンッ!カーーンッ!!)
そのまま扉越しに発砲される。
アロナがシールドを張ってくれたので体はピンシャンしているが、部屋の中から向けられる殺気は、本物だ。
『シロウ!逃げなさい!』
『衛宮先生、思い出してください!
あなたは生徒と戦うことが出来ません!
お願いですから、ここは────』
生徒から.....逃げる?
なんでだ?
「ま、待ってくれ!
話をさせてくれ、いきなり人を撃つことないだろ!?」
むしろ、中途半端に開いた扉を、全開にして姿を晒す。
『衛宮先生!?』
『シロウ!何してるの!』
2人の忠告が聞こえるが、そんなものお構い無しで白州ともう1人の少女と対峙する。
「....お前は....。」
「シロウ?!何でここに!」
何から言おう。
まずは謝罪からだろうか?
「こっそり後をつけたのは、悪かった。
でも白州、お前もお前で規則違反だぞ。
出かけたいなら一声かけてくれれば許可するって言ったじゃないか。」
「....え?」
「は?」
何か、間違ったのか、白州から「サオリ」と呼ばれた生徒は、目を丸くして、銃口をやや降ろした。
「だから。とっくに門限の時間は過ぎてるんだって。
この時間なのはなんかしら理由があったんだろうけどさ、せめて敷地から出るなら一言くれよ。」
「いや、シロウ!
これは─────」
白州が顔を歪めて困惑している。
もう1人の生徒は、名前を聞いて俺が誰だか、理解したようだった。
「シロウ....?
エミヤ シロウ....連邦捜査部の衛宮士郎か?」
「あ、あぁ。
怖がらせて悪かった、別に危害を加えるつもりは───」
「─────!
動くなっ!」
1歩近づくと下がっていた銃口は、また俺に向けられた。
「な、なんだよ。」
「........手に持ったその端末を床に捨てろ。」
サオリという生徒は、俺にシッテムの箱を手放せと言っている。
本来、アロナもイリヤもいる為、銃口から弾丸が俺に向けて発射されたとしても、無駄に終わる。
それにこれを手放せば、俺は銃撃に耐えうる瞬間的な防御能力を失うことになる。
「落とすのは嫌だ、置くでいいか?」
ただ、ここで動くのは得策ではないと思う。
逃亡してもいいが、それでは白州の事も、サオリのことも分からない。
「.....そうか、ならアズサに渡せ。」
冷たく、低い声で指示が来る。
白州に視線を送ると、頷いたので、そのままゆっくりシッテムの箱を渡した。
「これでいいか?」
白州は渡された端末をサオリに渡し、彼女はそれを目で確認しているようだった。
「......起動してみないことには分からないが、ただの端末のようだな。
いいだろう、続いて頭を手の後ろに回して膝を着け。」
....盗み聞きしていた俺が悪いとはいえ、いくらなんでもそこまでする事か?
そう思いながらも指示通りに動く。
その間、白州はずっと申し訳なさそうにしている。
「.....シロウ。」
大丈夫だ、と言ってやりたいが、口を開こうとすれば、頭に硬い何かがあたった。
視線しか動かせないが、恐らく銃口だろう。
「.....尋問を開始する。
まず一つ、お前は連邦捜査部「シャーレ」の衛宮士郎であっているな?」
「あぁ。」
「何を、聞いた。」
「何って.....何も、遠くてよく聞こえなかった、
ただでさえ夜だからお前の顔も見えないし、2人の口元も見えなかった。」
サオリが答えを聞いてアズサを見る。
「アズサ、こいつはこんな奴か?
聞いていた噂と随分違う。」
「いや、これかシロウの素だ。」
「....シロウ、か。」
彼女はいいだろうと言って、次の質問へ移った。
「ここに来た理由は。」
「....白州が心配だっただけだ。
さっきも言ったが門限は過ぎてるんだ。
だから何をしに何処へ行ったのかも重要だけど叱りに来た。」
俺は聞かれたまま答える。
「....門限?
門限とは、何だ?」
「いや、門限は門限だぞ?」
しかし、俺の答えが不満だったのか、それとも正しく理解するためか、彼女は聞き直す。
「もう一度聞く、門限とはなんだ?」
再度、その銃口を頭に密着させて。
「門限ってのは、文字通り門を開いていられる限度。
つまり外出できる時間の事だ。
それ以上を過ぎたら寮や家から締め出される。
..........お前の知りたいのは、これであってるか?」
門限に裏の意味なんてない。
勘ぐられたってそんな望まれた何かを答えれる訳じゃないんだから、この子が聞きたいのは本当に「門限の意味」なのだろう。
「....そうか。
作戦終了時刻のようなものか。
それをアズサは過ぎたと。」
「そうそう。
だから─────。」
納得した様子で─────銃口は白州に向けられた。
「───は?
お、おい!なんでさ!」
「アズサ。
目立ち過ぎだ。
そのような物があるのなら尚更気づかれないように─────」
慌てて立ち上がり、銃を取り上げる。
奪われた本人は、しまった、と言わんばかりの顔で数歩後ろに飛び退く。
俺はといえば、弾倉を外した、装填された弾丸をチャージングハンドルを引いて排出し、持ち主に弾倉こと返却した。
彼女はまたも目を見開いて、驚愕している。
「待った待った!
気づかれるとかそういう以前の問題だろ!
あのなあ、いいか?
門限とか関係なく、もう子供は寝てる時間だ。
ったく.....どこぞの遊び屋モモイ達とか、オーバーワークのヒナとかじゃないんだから。」
何だろう....この既視感は。
つい最近何か、どこかで似たような顔を見たことがある気がする。
「ば、馬鹿な.....この状況を、理解していないのか?」
困惑してるサオリを他所に思考を巡らせる。
そうだ、思い出した。
この雰囲気は、俺がアビドスでマコ達を勧誘したときと、似ているんだ。
生きる為に、戦う知識や知恵だけを磨き、そのほかを全て蔑ろにせざるを得なかった、あの子達と。
となると白州の纏う雰囲気も何となく、納得が言った。
「あぁ─────そうか。」
サオリに対して手を伸ばす。
一方何をされるか、と様子見していた彼女はずっと腰を落としたまま俺の顔から目を離さない。
そして────
その頭に、そっと手を置いた。
「な、なんだと?」
「お前、アズサの元いた学校の友人か、「仲間」だろ?」
彼女は転校してきた、とヒフミが言った。
恐らく、マコにとっての後輩が、サオリにとってのアズサなのだろう。
どんなところで生きてきたのか、それは分からない。
だが、サオリの瞳は、あの日のマコ達の表情より、酷かった。
「お前が......お前が、アズサを護るだと......?
大人の貴様が─────!」
「待ってくれ、サオリ!」
何か逆鱗に触れてしまったのか、怒りを露わにして俺に掴みかかる。
それを、アズサが止めてくれた。
「今この人を殺してしまうのは、ダメだ。」
「今」と言うの単語がついたのは、言葉の綾だろう。
「...そうか....。
そうだったな.....。
こんなバカは初めて見た.....。」
初対面の生徒からバカよばわりされて、俺も文句がない訳では無い。
が、今はその言葉を飲み込んだ。
「........」
「........。」
こちらを見ながらヒソヒソ話する2人。
何を話してるか、当然分からない。
終わったと思えば─────
「アズサ今日はここまでだ、そいつを連れて帰れ。」
なんて吐き捨てやがった。
アズサは暗い顔をして、「わかった」と一言。
「シロウ、帰ろう。」
アズサに押されるような形になる。
「ま、待てって!」
「衛宮先生....。」
サオリに呼び止められ、振り返る。
「忘れ物だ....。
それがなくては困るだろう。
それに─────」
言いたいことは、分かる。
「あぁ、トリニティは厳しいもんな。
分かってるよみんなには内緒、だろ?」
そのくらい、俺にだってわかる。
「だけど、アズサ、次から一声かけるんだぞ。
いくら親友と会うためとは言え、こんな時間に出かけるもんじゃないんだから。」
これも想像だが、アズサにとってサオリはとても大切な「家族」なのだろう。
「....わかった。」
そうして再び前を向く。
「.....先生。」
サオリの冷えた声に呼び止められた。
「ん?」
「.....アズサをよろしく頼む....守ってやってくれ。」
そう言われ俺は、「任せとけ」とそう言って、その小屋を去ったのだった。
「やぁ、君も初めましてだね。」
誰だろう....。
こんな時にこんな時間に....。
語りかけるのは、やめて欲しい。
声を返すなど、そんな気力は一切ない。
「申し訳ないが残された時間は、余りなくてね。
あぁ、もちろん私ではなく君の命の話だ」
そう言われて顔を上げると、私は椅子に座っていた。
桐藤ナギサと最初に会話したあのテラス。
「大丈夫かい?
あの子も、あの子の部下も随分と酷い仕打ちをしたものだ。」
今度は声がはっきりと聞こえた。
「あなたは一体....?」
「あぁ、挨拶が遅れてしまったね。
私は百合園セイア。
トリニティの....そうだな、元ホストだ。
今は理由があってその席を外している。」
「百合園.....セイア?」
困惑していると、彼女は「
なんて口にする。
「な、何さその別の人はあんたの声が聞き取れなかった、見たいな。」
なんだか体が軽い。
おかしい...私は。
「あぁ、あまり無理しない方がいい。
もう水も食料も抜いて、1週間経つのだから。
あと数日もすれば、君のヘイローは────」
改めて語られる事実。
私、藤河マコは、瀕死の状況である、という客観的事実。
「.....そうだよね....あれからずっと私は。」
隔離され、拘束され投獄され続けている。
当然何も口にしていない。
「あぁ、そうだ、君はナギサのせいで死にかけている。
だが、勘違いしないで欲しいのは、拘束してからの指示はナギサのものではない。
部下が勝手にやっていることだ。
君の嫌悪するとおり、トリニティ総合学園というのは、そういう所だ。
私がこんな事を言う義理も、権利もないが、ナギサを恨まないでやってくれないか?」
彼女は、友人の身を気遣っている。
「......わかった。」
士郎ならこう言うだろう。
と私は思った。
あの人のことだ、銃を向けられようが、敵になろうが許すに違いない。
「そうか....ありがとう。
本題に移ろう。
君を助けたい。
だが、私は訳あって動けないんだ。
故に最初は君に粘ってもらわなければならない。」
「粘るって何を?」
「あぁ、君は間違いなく助かる、そういう運命にあるからね。
簡単な話さ、君がいるのは桐藤ナギサが使用している隠れ家、いわゆるセーフハウスの1つ。
それも林の中のだ。
さらに言うと案外私がいる場所から近くてね。
そのセーフハウスにある牢獄はだいぶ古いものでね、ひび割れている箇所を叩くと崩れてしまうんだよ。
それで壁ごと破壊して脱出して欲しい。
いいかい?
その後は追われることになるだろうが全力で走るんだ。
ある者達が助けてくれる。
私から言うことは、これで全てだ。」
者達. ..?
このセイアという生徒にも当然部下がいる。
しかし、その者たちを指揮しては当然ナギサとの武力戦争になってしまうのは明白だ。
「だ、だれ?
特徴は?」
そう聞くと彼女は「水色の髪をした盾を持つ生徒」「ピンク色の髪、左腕にはシュシュを付けた少しお馬鹿なやんちゃ者」と言った。
「ぜ、全然わかんないんだけど。」
「今はいいさ。
さぁ、戻って君の使命を果たすといい。」
「.........」
これが、トリニティでことが起こるまでの間、百合園セイアと会話した最後のものになる。
朝、起きる。
夢で見た通り、壁には複数ヒビが入っていた。
少し叩いてみる。
「あら、この子、まだこんな気力があるのね。」
「でも壁を叩くなんて、いい加減耐えられなくなったのかしら。」
フィリウス分派の見張り2人が、私を檻の外側から見ている。
朝早くから忙しいことで。
そうして、叩く、叩く、叩く。
して、埃が舞い、少しずつ光が差して、そして────
(ガタガタ.......ズドォォーン!!)
壁が、外れるようにして、崩れ倒れた。
「う...嘘。」
「衰弱してるのに壁を叩き壊すなんて....どんな怪力よ!
この娘、与えられた食事、全て拒否していたのよね!?」
困惑している中、草むらの獣道を走り出す。
「ハァ.....ウッ....ハ、ハハハハハ....」
まだ生きている。
空気は美味しい。
それに風が気持ちいい。
しかし、体はこのまま倒れてしまいたいと、弱音をあげる。
ダメだ、倒れる訳には─────ここで倒れたらもう二度と立ち上がることは出来ないだろうという最悪の予感がする。
「距離を離したと思ったけれど....」
後ろからはティーパーティーの生徒達が追ってきていた。
「ま、待ちなさい!」
「あんたに逃げられたら私たちは────」
この期に及んで自らの保身しか考えていない生徒たちは、撃ってくる。
意識が遠のく中その内の1発が、肩を貫通した
「ア────」
消える....痛みにかき消されて意識が─────
「あ、ここに居たんだ!
そっか、そっか道理で見当たらないよね!」
「あ、ミカ様!」
「お手間をおかけしまし─────」
倒れ込んだ私を抱き留めたのは、これまたティーパーティーの、生徒。
「私も....ここまでか。
ごめんね....士郎。」
私は、生まれて初めて、死を覚悟した。
「ううん、あなたは死なないよ。」
(ダダダダダダダダダダダッッ!!)
そのサブマシンガンは火をふいた。
「痛っ!ミカ様────何を!」
「いくらなんでもこれはやり過ぎかなぁって。
あなた藤河マコだよね?
このまま走って逃げて。
ここの道は私が守るから。
でも、あの子達はちょっとお仕置しなきゃね。」
そういって、私を立たせて走り出した。
「ありがとう .....。」
後ろで戦闘が始まる中、私は駆け抜ける。
時間の感覚が、ない。
30分は走り抜いただろうか?
それとも一時間.....?
しかし、もう何日もまともに栄養を取っていない私が、そう長く走れるわけもない上に、負傷している。
当然倒れた。
「うっ.....動いて....」
そんな私を見下ろすように立っている人物が1人。
「救助対象を発見しました。」
これまた、夢で言われた内容と同じ容姿の生徒が立っている。
「あ、貴女は....。」
「失礼しました。
私はトリニティ総合学園。
救護騎士団団長、蒼森ミネと申します。」
彼女は真顔のまま、私に手を差し伸べた。
色んな方の先生作品で「桜花絢爛お祭り騒ぎ」を見かけます。いかがでしょう。読みたいですか?
-
要る。
-
後回し、本編に進んで