衛宮士郎 "先生概念"【GRADATION ARCHIVE】 作:神宮寺志狼
それは、夕方になって突然始まった。
「コハル、質問がある。」
もう日の暮れかけた、夜も言っても差し支えない時間だった。
「うん!?私?私に?! 」
「そう、コハルに。
今同じところを勉強しているはずだ。
この問題の解き方が分からない。」
ヒフミは資料を集めに、浦和は手洗いへ出かけていた。
よって、今ここには俺とワカモ、そしてアズサと下江の2人しか居ない。
「うん....いいけど....。
あ、これなら知ってる。
これはこうして....」
どうなる事やらと見守るが案外下江はしっかり教えられていた。
「助かった、これは確かに正義実現委員会のエリートというのも頷ける。」
「!?
そ、そうよ!私はエリートだもの。
このくらいなんて事ないわ!
もしまた何かわからない事があったら私に聞いても良いから!
アズサはその....特別に...。」
「ありがとう、助かる。」
どうやら上手いこと二人でやっているらしい。
下江が変に調子に乗ってやらかさなければ大丈夫だろう。
となれば俺も少し雑務を片付けて─────
「コハル、これが参考書なのか?」
「うん、この参考─────
うわぁぁぁっっ!?な、なんでっ!?」
大声を聞いて振り返れば下江がトンデモナイものをもっていた。
大丈夫だ。
ノートに名前を書かれると死ぬとかいうあのジャポニカなんたらではない。
ではないのだが──────
「あら?エッチな本ですねぇ.....♡
まぁ、ある意味参考書かもしれませんが。
間違いなく「R18」って書かれていますね?」
そして最悪なタイミングで浦和が戻ってきた。
下江が持っていたのは間違いなく思春期男子が持っていそうなお宝本だった。
かくいう俺も学生の時にはそういうものは────じゃなくて!
「お前合宿になんてもん持ってきてんだ!」
俺も下江の席へ近寄っていく。
振り返ると、ワカモは嫌味を言うのかと思えば真っ赤になった顔を手で覆っている。
案外純情でこう言うのには奥手らしい。
「ち、違うの!見間違い!あんたらの見間違いなんだから!
絶対違う!!」
「私の目は誤魔化せませんよ!
確実に
それも結構ハードな...。
トリニティでも、いえ、キヴォトスでもなかなかお目にかかれないレベルの内容とお見受けしました!
きっと肌と肌とが擦れ合い、敏感な部分を擦り合わせ、強制が飛び交い、理性が飛び去るような....!!」
..........浦和が、どんどんと火種にガソリンをかけるように口を開いていく。
あんな表紙みただけで内容までわかるもんか。
そこまでにしておけよ浦和。
「どうしてその様な本を持ってるのですか?
確か校則でも禁止されていたと思いますが.....?」
「い、いや、そのっ.....
しかし、心の中の声が届くこともなく浦和は次から次へと推測をけしかける。
「ですが、それはコハルちゃんが、コハルちゃんの鞄から取り出したものですよね?
それを合宿所にまで持ってくるなんて.....さぞかしお気に入りなのでしょう.....
ま、まさか私たちの知らないところでコハルちゃんは─────
いえ、ですが考えてみれば、そんなに変なことでもありませんね。
何しろ「参考書」なのですから。
つまり合宿の為に必要なものなんですよね、コハルちゃん。」
あー......うん。
「流石にそこまでにしておけよ浦────」
そうして仲裁に入ったが、当然遅く─────
「こっ、これは違うんだってばぁぁぁぁぁっっ!!!!」
下江は、目尻に涙を溜めて泣き始めた。
『うわぁ、ハナコってば大人気なーい。
コハル泣いちゃったじゃない。
歳頃の女の子なんだから一つや二つ隠し事があるものよ。』
ここでイリヤが物申す。
しかしだな、それはフォローになってるのか?
「あらら....そうですね。
すこしやり過ぎてしまいましたね.....。」
校則違反か....たしかにマズイだろう。
しかし正義実現委員会所属の下江がそう簡単に校則違反をするだろうか?
「.......下江、とにかく理由を話してくれ。
言い訳でもいいから、俺はしっかり聞くぞ。」
しゃがんで目線を合わせる。
彼女はいつもの反抗的な態度は取らず素直に話してくれた。
「 ....私、補習授業部に入るまでは違反物の押収品の管理とか....しててて、これは本当にその時の.....」
「
「ワカモ命令だ。
浦和を抑えて別室行ってろ、後で説教する。」
「は、はいっ、直ちに.....///!」
また余計なことを言いそうになった浦和を、ワカモに連行させる。
「あら、もしかしてワカモちゃんが私の情熱に付き合ってくれるのですか....?」
「......士郎さん、暴力を振るうのは────」
「許可できない。
ただ浦和の口にマスクつけて、バツ印書くくらいならいいぞ。」
そういって、2人は部屋から出て言った。
もはやここまで来ると浦和もよく分からない。
自ら「やりすぎた」と言っているのにもかかわらず余計な一言。
むしろここまで来ると、こう現場から離れる理由を作ったというか、俺がそうするだろうと言う根拠があって行動したようにすら思える。
「ってなると問題だな。
よし、俺が返してくるよ。」
「えっ!?なんであんたが.....もしかして....。」
「ち、違う変なことするつもりなんてない。
どっちかって言うと興味対象外だ!」
俺はこう....なんだ、ブロンドプラチナのスラリとした体型とか─────
「絶対今変な妄想したでしょ!
エッチなのはダメ、死刑!!」
「なんでさ!!」
そんなやり取りをして少しは調子が戻った下江。
俺たち2人は本館の押収品差押え室へと向かうことになった。
「.....その、言っておくけど、こればっかりは本当に間違いだから!」
歩いている最中、またも猛抗議してくる。
「......あのなぁ、下江。
浦和じゃないけどな?
本当にお前がそういう本を持ってるんだって勘違いされるから気をつけろよ?」
揚げ足をとると、むしろ脛を蹴られた。
「ヴッ!?」
「当たり前じゃん!
皆だってきっと.....そうきっと持ってるもん!!
私は興味本位で持ってるだけだし、いつもはちゃんと隠し───じゃなくて....」
「はいはい....わかったわかった。
でも浦和には見つからないようにしとけよ?
次見つかったら下江の事も庇いきれないからな。」
そう、アドバイスをする。
「違う..... 。」
「は?」
なんか急に否定されたんだが。
なにか気に食わないところがあったんだろうか。
「.....ルでいい.....。」
「なんだって?」
「あーー!ーっ!!
もう!
「コハル」でいいって言ってるの!
あんたにも特別に名前で呼ぶことを許してあげる!!
行くわよ!馬鹿士郎!」
......なんなんだよ。
「お、おい!まてよ───コハル!」
駆けていく下江────コハルを全力疾走で追いかけた。
「....でも、ありがとう。
必死に庇ってくれて....ちょっと、かっこよかった。」
「───────。」
なんと、キヴォトスに来てやっと「カッコイイ」なんて言われた。
「いや、そのだな.....。」
「お返しに、一つ、私の秘密、教えてあげる!」
秘密.....?
「例えば実はそういう本を集めるのが趣味と──────」
(パシュン!!)
あの流れで大真面目に考えてしまった俺が馬鹿だった。
コハルは俺に向かって発砲したのだ。
ド近距離でそのライフルを。
『危なぁ....シロウ、ほんとデリカシーにかけるわね....。』
『....衛宮先生はロクデナシ先生だったんですね.....。』
イリヤとアロナからどやされる。
「待て待て!あの流れからしたらそんな話になるだろ!
ってかなんだよ秘密って。」
視線だけで殺されそうな表情のコハルだったが、呆れて溜息をついた。
「私、実は.....
補習授業部が上手く回ってるかを監視するためのスパイなの!」
「.....スパイ?
正義実現委員会の?」
果たしてそんな事が有りえるのだろうか?
ハスミだったんなら間違いなくそんな回りくどい方法は使わない。
して、やはり分からない。
トリニティのトップはティーパーティーで。
補習授業部はティーパーティーが設立してるんだったよな?
となると、そこでどうして正義実現委員会が絡んでくるんだ?
「つまり、秘密のミッションを遂行中の身なの!
だから今は私がバカみたいに見えてるかもしれないけど、これも全部
俺は─────
「自分を偽るのは良くないぞ、コハル。」
そっと彼女の肩に手を置いた。
「し、信じてないわね!
あんたなんてツルギ委員長と対面したらコテンパンなんだから!!」
ツルギ.....?
なんと言うか....凄い親近感を感じる名前だな。
そういえば、散々っぱらハスミに世話になっていると言うのに正義実現委員会の委員長とは会ってすらいないし、感謝も伝えられていない。
ハスミはかなり強い部類に入る生徒だ。
だって言うのに随分とシャーレに長くいてくれる。
それに彼女は副委員長、常時抜けていたら大変な立場だ。
「私はスパイとして大事な任務を任されているエリートなんだから!」
今度、ハスミにでもかけ合ってもらって話をしてみよう。
「....けどさ、コハル。」
「ん?」
「そんな大事な秘密なら俺にこそ隠しておくべきもんだろ。
教えていいことじゃないぞそれ。」
そう告げると、彼女は顔を真っ赤にしてスタコラとかけ歩きしていった。
そして、差押え品保管室へ到着。
コハルは無事所定の位置へ物品を戻した。
「これでよし、
とりあえず一安心.....」
と彼女が呟いた瞬間、部屋の扉が開いた。
「ヒッ!?」
「......そこにいるのは...コハルですか?」
扉から入ってきたのはハスミだった。
「は、ハスミ先輩.....!?」
ハスミの瞳がこちらを捉える。
「それに衛宮先生まで.....。
確か合宿で別館にいると聞いたのですが ....?
特にコハル。
貴女は補習授業部を卒業するまで、ここへの出入りは禁止になっていたはずです。」
彼女の刺さるような視線に、コハルも少々怯え気味。
「......そ、その違うんです、えっと....。」
「悪い、実を言うとハスミを探してたんだ。」
「私を....?一体何故。」
庇い立てする。
それに丁度良かったと思う。
「実はだな....」
俺は少し前に考えていたことをハスミに告げた。
「 ....なるほど、衛宮先生はツルギとコンタクトを取りたくて、副委員長の私を探そうとしていて....。
そこにトリニティに不慣れな先生の為、コハルがエスコートを名乗り出た、というわけですか。」
「あぁ、悪いんだけど、そのツルギって生徒に礼が言いたくて。
今どこにいるか分かるか?」
そう聞くと彼女は少し困ったような顔をする。
「.....なんかマズイのか?
俺嫌われてるとか ......。」
有り得ない話ではない。
ずっと有能な部下を引き抜いていたようなもんだ。
癇癪を起こされても仕方ない。
しかし、するとだ。
俺は尚更謝らなくてはいけなくなる。
されど、今回の悪い予感は外れたらしい。
「いいえ違います。
むしろその逆なのです.....。
仕方ありません、いつかはこうなるとは思っていたので。
今、ツルギをお呼びしますね。」
「逆?
って言うと、俺に会いたがってる....ってことか?」
「えぇ......。」
そう言うと彼女は携帯で電話をかける。
「ツルギ?こちらハスミです。
件の衛宮先生がツルギに「会いたい」と言っているのですが....。」
『─────────────────』
相手の声は聞こえてこない。
そりゃスピーカーモードにでもしない限り──────
『(ギギギギッ!ボガァァン!ズガァァァァァァァァン!!!ズズズズドォォォォォォン.......)』
「「!!?」」
これには俺だけでなく、コハルも驚いたらしい。
電話をかけてる当人に至っては最初から携帯をできうる限り体から離していた。
それにしてもなんだあの家が崩れてるんじゃないかと誤認するレベルの騒音は.....
「.....ツルギ、大丈夫ですか?」
『......あぁ。
すぐ行く。
場所は?』
「差押え品保管室です。」
『......分かった。』
ん?後半、かなりまともだった。
「もしかして鎮圧とか仕事の真っ最中だったか?
全然後でいいんだぞ!?
俺は待つから!」
「.....いいえ、今日のツルギは待機任務でした。
あれは衛宮先生に会えると聞いて、感情が有頂天に達しただけだと思います.. ...。 」
「えぇ.....?」
なんでさ。
「おそらく自室の壁に頭を打ち付けようとして体諸共吹き飛んでまったのでしょう。
寮全体の柱と壁をいくつか破壊、と言った所でしょうか......。
先に言っておきますが、衛宮先生。
この被害は、アビドス砂漠における生中継の時より随分マシですからね?
あの時はまさかティーパーティーのテラスから帰ってきたら委員会の部屋が丸々全てなくなってるとは思いませんでしたから.....。
簡単に言ってしまうと、ツルギは衛宮先生のファンの様なものです。」
........ファン?
「好き勝手に喋りすぎだ、ハスミ...。」
して、後ろを振り向くと。
「──────────────。」
黒く乱れた長髪で顔を覆い隠した女子が、立っていた。
「うわぁぁぁっっ!?」
俺はその場で腰が引け、後ろに倒れ込む。
「..............。ア?」
表情が読めないその少女は、固まった。
「紹介します。衛宮先生。
彼女は剣崎ツルギ、正義実現委員会の委員長です。」
「.........。」
「........お前が、ツルギ ....いや、剣崎って呼んだ方がいいのか?」
彼女はずっと押し黙っている。
やはり、嫌われて──────
「お好きな様に、呼んでもらって構いません ......。」
「え?」
その容姿からはイメージ出来ない可愛い声で返事が返ってきた。
「そっか、じゃあ呼びやすくツルギで────」
(ドガッ.....バコンッ!)
そう呼ぶと、彼女はなんと、扉に頭をうちつけた。
して、扉が砕け散る。
嫌がっているのか.....?
「あ、そう....。
じゃあ剣崎─────」
「キェェェエエエエエエエエエ!!!」
今度は発狂!?
「....お、おいハスミ!
どうしたらいいんだよ!」
こんなバーサーカーみたいな話通じなそうな生徒とどうやってコミュニケーション取ればいいんだよ!
会話以前の問題じゃあないか!
「ではどうぞお2人でごゆっくり。
コハルに少し話がありまして、ご心配なさらず別館までは私が送り届けますので。」
「は、はい....。」
後ろ髪を引かれるようにコハルは俺を見ながらハスミと部屋に残り、俺とツルギは締め出された。
.......嘘だろ。
「......とりあえず場所を移すか...。」
「.........」
なんか、顔が真っ赤なんだが........。
話が通じているのか居ないのか、彼女は黙って俺についてくる。
「.....って、どこ行きゃいいんだか...。」
「....。」
闇雲に歩いていると、彼女は俺の前へと躍り出た。
どうやら案内をしてくれるようだ。
話さなくてもある程度は意思疎通出来るのが、それこそイリヤとバーサーカーの関係のように思えてきてならない。
で、たどり着いた先は談話スペース。
「こんな所もあったのか....。」
「........。」
相変わらず、黙ったまま。
とりあえず俺から切り出そう。
「で、そのだな、ツルギ.....」
名前を呼んで反応を見る。
緊張はしているみたいだが大丈夫らしい。
「.....な、なんでしょう....先生。」
ちゃんと返事が返ってきた。
もしかして、想像を絶するほどの極度のあがり症や、照れ屋って事か....?
「お前を呼んだのは他でもないんだ。
随分前からシャーレは手伝いとしてハスミを貸してもらってるだろ?
それの礼が言いたかったんだ。
副委員長が抜けてたんだから、相当な苦労を
だからありがとな。」
「.......滅相も、ありません.........。」
遠慮するように彼女は問題ないと言った。
「代わりと言ってはなんだけど。
俺でよければ何時でも呼んでくれ、相談事でも雑務でも出来る時にするから。
....って言ったけど、今は補習授業部のことで手一杯だし、それだと別館まで来てもらうことになるんだよな.....」
「......ア....あのっ...........!」
彼女は裏声みたいな声で俺へ話しかける。
「ん?なんだ?」
「き.......」
「き?」
「キィィァアアアアア!」
またも奇声....というか言葉にならない声を上げている。
声だけではない、かなり表情もコロコロ変わったり、というか女の子がしちゃいけない顔をしたりする。
「お、おい落ち着けって。
深呼吸しろツルギ。」
「......ハッ......」
その辺の自販機でジュースを購入しツルギに手渡した。
「あ、ありがとうございます.....。」
「いいよ、別に。
それでさっき何か言いかけてたろ?
何が言いたかったんだ?」
「そ....その...アビドスでの戦闘で.....
先生が戦う姿を見て.....なんと言いますか....。
わ、私も二丁、使って戦うので....」
言われて彼女の手元を見れば銀と赤のレバー式ショットガンを持っていた。
なるほどな。
それで干将と莫耶を使っていた俺に親近感が湧いたと。
まぁでも言わんとすることは分からなくもない。
「......カッコイイよな。
両手に武器持って戦うの。
その気持ちは俺もわかるぞ。
俺もこいつは気に入ってる。」
考え無しの俺はそう呟いて手元に夫婦剣を作り上げる。
ツルギへ視線を向けると、一歩離れ、両目と口をあんぐりと開いている。
そりゃ突然目の前でなんの前触れもなく魔術なんて使えばそうもなるか....。
「わ、悪かった、いきなりで驚いたよな。」
「い、いえ。
その....『魔術師』と言うのは聞いていたので....。」
思ったより怖がられてはいないらしい。
むしろ興味津々に刀を見ている。
「持ってみるか?」
そう聞くと頷いて慎重に柄を掴んだ。
俺の作る干将・莫耶はそこまで強力な武器じゃない。
でも、使いやすく、魔力の消費も少ないというメリットがある。
何しろデザインがいい。
「.......」
かなりご執心だ。
「.....良かったら、これはお前にやるぞ...?」
「!!?」
「ただし、生徒に向けて使うのは禁止だ。
せいぜい部屋に置いて観賞用にするとか、お守りにするくらいにしてくれ。」
首と手を横に振って貰えないと主張するツルギに干将、莫耶を押し付ける。
「いいんだって、別にいくらでも作れるし。
こんなんじゃ足りないかもしれないけど、一応礼の品物ってことにしてくれ。」
そう言って、俺はもう二対ほど、投影してみせた。
「.......では....お言葉に甘えて....。」
我ながら変なチョイスだと思う。
彼女が気に入るように見ていたから提案しただけ、心から込めた贈り物ではない。
けれど彼女は言葉とは裏腹に大事そうに、それを抱え込んだ。
「キヒッ....」
口元が歪んでいるが.....まぁ大丈夫だろ。
「あ、それと一応なんかあった時のために連絡先を交換しておかないか?」
「..........了解。」
こうして、俺とツルギの会話は終わった。
もう完全に日が落ち、別館へと戻る旨をツルギに伝える。
「.....ご一緒しても.....いいですか?」
「あぁ。ありがとう。
でも俺は大丈夫だ。
あぁ....でも少し寄っていきたいところがあるんだけど.....。」
「......」
見れば白目を向いて、完全に困り果てている。
折角心配して着いてきてくれようとしているのをわざわざ断ったのだ。
このまま帰ろう。
「.....けど、いいや。
また今度にしよう。
確かにもう暗いしな。
俺は真っ直ぐ帰ることにするよ。」
「.....そう....ですか。」
一応納得したらしい。
少し項垂れているような気もするが.....別館に送って貰ったとして、その後はツルギを一人で帰すことになる。
それは良くない。
「......大丈夫か?」
「.....はい。」
一応本人も「気にするな」と言っているので良しとしよう。
「またな、ツルギ。」
「はい。
衛宮先生.....お気をつけて。」
色んな方の先生作品で「桜花絢爛お祭り騒ぎ」を見かけます。いかがでしょう。読みたいですか?
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要る。
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後回し、本編に進んで