背中を晒す3流ドリフターはアンドロイドと一獲千金の夢を見るか?   作:ばばばばば

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背中を晒す3流ドリフターはアンドロイドと一獲千金の夢を見るか?

 

 

 

 作り上げられた白銀のクレイドル。

 

 今までバードウォッチャーにさえ片手の数で足りる程しか乗っていなかった俺の目の前にある上位(レア)クレイドル。

 

 本来ならば、その内部に秘められた極限までに研ぎ澄まされた構造の機能美を見ているだけで、俺は発情したかのように1週間は機体の周りをグルグルと駆け回っていただろう。

 

 

「とうとうできたな、これで最終試験に挑める」

 

「……あぁ、そうだなユナイター」

 

 

 だが俺達の間に流れるぎこちない空気。

 

 A級ライセンス最終試験を目前とした状態で、俺達はどこか噛み合わないでいた。

 

 

 普段は問題ないのだ。

 

 

 機体が出来るまでの間、俺達は何度か地上へ探索に出てはいた。

 

 連携は十全、変わらず彼女は俺に必要なサポートをしてくれている。

 

 俺だって変わらない、ネズミのようにコソコソと地上を這って戻ってきていた。

 

 

 だがどうにもどこかで歯車がズレたかのように、俺達の間に前とは違う重苦しい空気を感じてしまう。

 

 

「ユナイター……、最終試験には……?」

 

「次の出撃で行くぞ、必要な撃破対象の場所はピックアップしてる。最低限目的のみをこなす」

 

「次……、そうか……」

 

 

 出撃場所は北方、当日はどのエレベーターから出撃しても迷わないように彼女と計画は立てていた。

 

 今回は慎重に慎重を重ね、普通のバードウォッチャーでの慣らし走行を行い、ルートの下見だってやった。

 

 

 準備は万全のはずである。

 

 

 だがここまで念入りに下準備を重ねても、彼女の不安は晴れていない。

 

 

 どこかズレて、噛み合わない空気。

 

 

 そうは言ったが、その原因は俺であろう。

 

 

 ――――私じゃ君について行けないのかもしれないな――――

 

 

 彼女にそこまで言わせた俺の情けなさ。

 

 いつだって俺を信じ続けてくれた彼女、その信頼を裏切り続けた末に突き付けられた言葉。

 

 まぁ、そう言われても当然だ。

 

 そりゃ彼女はメイガスだ。きっと俺の隣にはいてくれるだろうさ。

 

 だからって彼女自身が俺を本当の意味で認めてくれることはないだろう。

 

 

「……本当に行くのか?」

 

 

 彼女の口からこぼれる言葉。

 

 俺程度の人間がA級に行って何になる?

 

 まるでそう問われているように感じた俺は押し黙る。

 

 

「……明日に備えて寝る」

 

 

 もはや言葉では彼女に何も響きはしないだろう。

 

 行動で示すことすら今更過ぎる言い訳かもしれない。

 

 

 今日も拠点はやけに静かだ。

 

 俺は機械達の低音の唸りを聞きながら寝床に潜った。

 

 

 

 

 

 

 出撃の日、その日は丁度北方全域に雨雲が掛かっていた。

 

 

「ユナイター、現在位置は取水施設の東、ここからならチェイサー・バロンの生息地点が近い」

 

「運がよかったな」

 

 

 ここから北の地点と取水施設の中央に多く見かけるチェイサー・バロン。

 

 今日俺に割り振られたエレベーターは目標達成の理想に近い地点であった。

 

 

「雨が降っている。エンダーズもその凶暴性を増すだろう、注意しろユナイター」

 

「了解」

 

 

 どうやら天候の方まで理想的とはいかなかったようである。

 

 だが、今乗っているバードウォッチャーの上位機体、そのクレイドルの計器類を見るとそんな不安も吹き飛ぶ。

 

 青い雨を弾く高い耐候性、そもそもの強靭な耐久、そしてさらに増加したエンジン出力。

 

 まるで無敵と思い違いをしてしまいそうな高性能な機体は、俺の低い技量で切羽詰まった心に僅かばかりの安心をもたらしてくれる。

 

 

「……北の方から行くぞ、ここから行けばトンネルで雨を防げる」

 

 

 俺は北へ向けてクレイドルを進める。

 

 

「クロウラーを発見」

 

「処理する」

 

 

 トンネルに入ればクレイドルの駆動音が反響する。

 

 持ってきたバーストアサルトの発砲音は何重にも広がり、敵のクレイドルに穴を開けていった。

 

 慎重に、速やかに。

 

 俺は道を進んでいくとトンネルを抜けたようとした先、その遠方でAO結晶を守るように立つチェイサーバロンの姿を目視する。

 

 

「いたぞ」

 

「あぁ、トンネルを出てトラックの陰から仕留める」

 

 

 雨足はまだ変わらず、クレイドルの足音を隠してくれるだろう。

 

 

 しかし、トンネルの出口、そこから一歩足を踏み出した瞬間、俺は脊柱に氷柱をぶち込まれたかのような怖気を感じる。

 

 

「右だ!!」

 

 

 彼女の叫びと俺のバックステップはほぼ同時。

 

 

 機体越しに直接殴られるかのようなこの衝撃には身に覚えがあった。

 

 

「ショットガンだ!! 距離を取れユナイター!!」

 

 

 敵の識別などする必要もない。

 

 狙いも滅茶苦茶に引き金を引く俺の目線の端で捉えたのは青みがかった装甲、トンネル出口の右から襲い掛かるジャックボックスが見えた。

 

 

「クソッ! 逃げるぞ!!」

 

 

 戦力分析をする時間すらない。

 

 直ぐに反転、俺はジグザグにトンネル内を疾走する。

 

 背中を見せるなという基本も忘れての全力走行。

 

 

「体力はそこまで削れてねぇ! JB相手なら逃げきれる!!」

 

 

 走る俺の背中に弾丸による衝撃を感じた。

 

 俺は青ざめながら背後にいる彼女の安否を確かめる。

 

 

「大丈夫か!」

 

「距離の減衰で威力はそこまでじゃない! 装甲は十分だ!」

 

 

 幸運にも俺達は逃げることに成功する。

 

 

 以前に同じような襲撃をされたこともあったおかげで、直撃は避けれた。

 

 追撃のショットガンから続く衝撃はない、どうやら敵に遠距離の武器は無かったようだ。

 

 相手はJB、この長い道を駆ければこの機体なら十二分に逃げ切れる。

 

 

 様々な要素が味方し、俺達は辛くも帰還エレベータ―から帰還する。

 

 

「こっちは高級バードウォッチャー、あっちはJBでこのざまか……」

 

 

 エレベーターが下降する中、俺はそう呟く。

 

 

 俺のA級ドリフター最終試験の一度目の出撃。

 

 そんな無様な姿を見られて、俺は彼女の目が見れなかった。 

 

 

 

 

 

 

 

 拠点での振り返り、気持ちが沈んだ俺と厳しい顔をする彼女は、それでも今回の出撃の反省を行う。

 

 目標に狙いを定めて隙を晒した俺に、彼女はいつもより厳しくそれを咎める。

 

 

「良いクレイドルに乗るということは、その分賞金首の狙いになりやすいということだ……! 少しの油断が命取りになるんだぞ、分かっているのかユナイター!」

 

「すまねぇ……」

 

「逃走への切り替えは早かった。だがもし相手が遠距離武器を持っていたらどうなっていたと思うんだ……! いくら相手がJBとはいえ、もしかしてあのまま後ろから……!」

 

「……アンタの言う通りだ」

 

 

 背中を向けて俺は逃げた。

 

 後になって状況を考えればそう悪い手ではなかったと言えども、あの瞬間、闘争と言う選択肢が瞬時に出ない時点で俺は三流だった。

 

 

「背中にはアンタがいた。……もしあのままスナイパーライフルで打ち抜かれていたら、アンタを失ってたかの知れない……、本当に申し訳なかった。謝るよ」

 

「だから、そうではなくて……!」

 

「情けないが、命がいくつあっても足りねぇ、いっそのことアンタを……」

 

 

 ――――いっそのことアンタを載せないで俺だけで出撃すれば

 

 

 そんな馬鹿なことを口に出そうとするが、彼女の怒りを湛え、体を震わす様子を見て、その言葉をなんとか言わないで済んだ。

 

 

「冗談……、じゃすまねぇよな、悪かった」

 

 

 今日で何度目か分からない謝罪。

 

 それは言えばいう程に重みが軽くなり、俺の心の滓は積み重なっていく。

 

 

「……明日も、試験を受けるつもりか?」

 

 

 彼女の揺れる声。

 

 

「あぁ夢だからな」

 

「……そうか」

 

 

 いや、本当のところはどうなのだろうか。

 

 本当は一獲千金も一流ドリフターも張りぼての夢、ただアンタの隣にいたいからついた強がり。

 

 ならなんで俺はA級に拘ってるんだ?

 

 俺の情けなさなんてとうに彼女にバレている。

 

 この先、A級に上がろうが俺の弱さは変わらない。

 

 だったら俺はなぜここに立っている?

 

 

 俺はいつの間にかドックタグにぶら下げた小さなプラスチックの塊を握っていた。

 

 まるで子供の手弄りだ。

 

 俺は手を無理やり開いて、腕を両脇に置く。

 

 

「機体のチェックをしてくる」

 

 

 逃げるように立ち上がる俺、それを追うように見ているだろう彼女の視線を俺は振り切った。

 

 

 

 

 

 プロダクトスペースにて全自動で修理されてゆくクレイドルを俺は眺める。

 

 チェックなんて言っても、この過程で俺がどうこうできる余地などない。

 

 

「何がしてぇんだろうな、俺は」

 

 

 クレイドルが好きで、メイガスが好き。

 

 ロボットが好きで、それを未だにガキみたいに憧れてる。

 

 だからただ単純にそれに憧れて俺はドリフターになった。

 

 危険だがロマンに溢れるなによりも自由な存在。

 

 

 ドリフターになる前の俺は夢想していた。

 

 

 誰にも、何にも囚われず、自由に地上を駆ける自分を

 

 生き死になど関係ない、ただのドリフターとして好きなように生き、好きなように死ぬ

 

 ドリフターの生き方に正解はないのだと、思うがままにクレイドルで駆け抜ける。

 

 

 まさに夢想だ。

 

 

 だが現実は事実しか存在しない。

 

 弱者は生きることも死ぬことも他者に決められる。

 

 ドリフターだからではない、それは俺がアメイジアで生きてきた時からそうだった。

 

 死にたいと思おうが社会の部品としての生を強制され、生きたいと願おうが消耗品として死地へ捨てられ、そして守りたいと願う大事な人達を抱きしめようと俺の貧弱な腕から簡単に奪われる。

 

 

 自由には力が必要だった。

 

 だから俺は心の底から欲しかった。この世の全てに抗うだけの力が

 

 

 だが、俺にそんな力はなかった。

 

 

 ならばせめて、俺の小さな手の大きさで握りしめられる何かを守るため、覚悟を持たなければいけない。

 

 どの様な手段を用いても、自身の一番大事なモノを守り通すという信念。

 

 

 だが、それすらも俺にはなかった。

 

 俺に力はなかったのだ。

 

 

 ならば答えは簡単だ。

 

 身の程を知った弱者は己の分を弁え、慎ましく暮らせばいい。

 

 最低限、自分の食い扶持と彼女とクレイドルの面倒を見れるような安全な仕事。

 

 

 ドリフター稼業でクレイドルの操作には慣れている。

 

 整備だって機械任せじゃなくて実機に触れて組み上げられる。

 

 クラフトライン頼りではあるがエンジニアの真似事だって多少はできる。

 

 昔じゃ小便をちびっていたエンダーズ共の相手だって、今ならビビりなんてしない。

 

 

 この世界は今、アメイジアの遺産を使いながら急速に広がろうとしている。

 

 元ドリフター上がりなんて、どこも引く手数多で仕事には困らないはずだ。

 

 

「なんで、だろうな……」

 

 

 それでも俺はドリフターとして地上へ向かおうとしている自分を止められない。

 

 確実な死地へ、自分から向かおうとしている。

 

 縄を首にかけて崖から飛び降りようとしている愚物と言い表す以外に自分にかける言葉が見つからない。

 

 

 そんな阿呆の自殺でそいつが死ぬだけなら良い、だが俺は幸か不幸か一人ではないのだから始末に負えない。

 

 ハッキリ言って彼女の命は自分の命よりも上等だ。

 

 なのに俺はなんでこんな馬鹿な真似をやろうとしているんだ?

 

 

 何故だ? 本当にどうしてだ? この馬鹿は一体全体何を考えているんだ?

 

 

「つよくなりてぇよ……」

 

 

 いつの間にか俺は胸を搔き毟るように親父の形見を握りしめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 A級ライセンス最終試験。

 

 その進捗は芳しくなかった。

 

 まるでお前にその資格はないと言われているかのように依頼の進行は遅々として進まない。

 

 

 

 まず割り振られたエレベーターは目的地から遠い場合が多く。

 

 

「くそ、外れだな」

 

「ユナイター、帰還エレベーターは近い、安全を取って今日は帰還してもいいかもしれん」

 

 

 目標地点に近いエレベーターを引いても障害が立ちはだかり。

 

 

「目的地点で賞金首が出ている……、撤退を提案、ここまで来たが引き返した方がいいだろう」

 

「……しゃあねぇか」

 

 

 ようやく、問題なく目的地に到達しても肝心の撃破目標がいない。

 

 

「ちっ、目標は撃破済みかよ」

 

「他のドリフターに狩られたようだな……」

 

 

 せめてベストではなくても、目標がいる場所以外を探索しようにも、素人丸出しのミスをする。

 

 

「クソッ! 機体がスタック*1した! 復帰できねぇ!!」

 

「落ち着け! 腕部を伸ばしてシリンダーを高圧モードに切り替えろ!」

 

「わ、わかった……! 上半身での姿勢保持は確認した! 圧力を上昇させてくれ!」

 

 

 

 地上でのリスクを減らしているつもりで行ったことは全て裏目に、出撃の回数はかさみ、リスクは高まっていく。

 

 もしもこの上位のバードウォッチャーを撃破されたのなら、拠点の資金繰りは一気に傾く。

 

 次にこの試験に挑めるのはいったいどれだけ先になるのか俺には予想がつかない。

 

 

 もしも出撃して賞金首の襲撃にあってしまったら?

 

 今度も逃げれるのか? いや、そんな高望みはできない。

 

 

 俺が情けなくうだうだ悩んでいる間で試験に合格することをまるで阻むように、今回の出撃も僅かばかりの成果で俺は帰還することとなる。

 

 

 拠点の空気は悪い。

 

 

 俺と彼女は事務的に振り返りを行い、交わされる会話は少ない。

 

 片や何か言いたげに目線を彷徨わせる彼女と、口を開けたと思えばそのまま飲み込むように黙り込む俺。

 

 

 ここ最近じゃ、このまま俺は機体の整備状況を確認しにガレージへ、彼女はコンソールに、お決まりの場所へ分かれるだろう。

 

 

 このままではダメだ。

 

 そう思った俺は意を決して口を開く。

 

 

「わりぃとは思ってる」

 

 

 俺の言葉に彼女は立ち上がろうとした腰を下ろし、俺の方を向く。

 

 

「今日も俺のミスでアンタを危険に晒した」

 

「いや、振り返りでそれはもう話し終えた。次から気を付ければそれでいい」

 

 

 なんとか吐き出した言葉、それに対して彼女は端的な言葉で返す。

 

 何とか話をと考えて結局口から出る言葉は謝罪。

 

 そんな言葉を彼女が求めているわけではないのは分かっている。

 

 だというのにそんな言葉を懲りずに言い出す自分に嫌気が差し、俺は口を噤んだ。

 

 

 続かない言葉、静まる俺と彼女だけの空間。

 

 

 彼女はそれでもいくつかの時間が過ぎた後に口を開いた。

 

 

「なぁ、どうして君はそこまでA級にこだわるんだ?」

 

 

 俺は乾いた笑いを出しそうになる。

 

 彼女の当たり前の疑問に俺は答えられないのだから、意志薄弱というしかない。

 

 

「身の丈に合わないと思うか?」

 

 

 誤魔化しのように出たのは質問を質問で返すという卑劣な手段。

 

 いっそ彼女が己の全てを否定してくれたらというせせこましい自己防衛。

 

 

「そうは思わない、君はやるべき――、やるべきことをやってここにいる。地道に依頼を受け、AO結晶の採掘も慣れて、エンダーズとの戦闘だってそうだ。君はいつも前進していた」

 

 

 やるべきこと

 

 彼女が言い淀んだその部分に俺の欺瞞が集約されているように思えてしまう。

 

 

「ハハッ、それは……」 

 

 

 一瞬、俺は彼女の言葉を否定したくなった。

 

 

「いや、そうだな……」

 

 

 ……だが、自分で弱みを見せながらそれを気遣った彼女に噛みつくような下衆な真似をするなら、今度こそ俺は救いようのない屑野郎になってしまう。

 

 

「正直言うとな、自分でもよく分かんねぇんだよ」

 

 

 彼女は俺の言葉を必死に理解しようとしているのだろう、俺にさえ分からない理由をだ。

 

 

「バカな話だけどよ、その理由が知りたいからA級に行きたいのかもしれねぇな」

 

 

 何も考えずに出てきた思い付きのような言葉は支離滅裂で、俺の言葉に悩む彼女は俺の罪悪感を掻き立てる。

 

 

「明日も地上に出る。次はリスクは承知だが、もう少し探索範囲を広げるぞ」

 

 

 とうとう、その姿を見ていられなくなってしまった俺は、会話を打ち切るとその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここまでくると予感があった。

 

 

 良い悪い、正しいか正しくないかは別として、俺という存在が試されるという予感。

 

 

「よし……! 依頼の進捗は順調だ。 依頼は達成直前まで進められたなユナイター」

 

 

 今までのまるで見えない何かに阻まれていたかのような依頼の進み、それが嘘のように順調に進む。

 

 理想的な出撃位置、予想した場所にいる撃破目標、波乱なく進む道行。

 

 

「……ユナイター? なにか気づいたことでもあるのか?」

 

「いや、なんでもない」

 

「そうか、……依頼達成は目前だが、今日はここまででいいだろう、直ぐ近くの帰還エレベーターに向かおう」

 

「……ここからだと、農耕プラント南のエレベーターか」

 

 

 万事うまくいっているこの状況。

 

 歪んだ認知かもしれないが、俺の勘が猛烈な警鐘を鳴らす。

 

 

 ここのエレベーターは北には高地で狙撃してくる賞金首、南は複雑な地形が広がる沼地で身をひそめる場所が多い。

 

 俺は身を障害物に隠しながらゆっくりとエレベーターへと近づく。

 

 

「帰還エレベーター到着……、周囲に敵影なし、帰還申請を送るぞユナイター」

 

「了解」

 

 

 申請を送り、油断なく遮蔽物に隠れる俺達。

 

 

 あたりを見回し、全周に神経を尖らせる俺は遠くから小さな機動音を聞き分けた。

 

 

「……クレイドルの機動音を確認、エレベーター出現まで後15秒」

 

 

 駆動音を響かせるクレイドル。

 

 無警戒に直進する音は協会員、あるいは俺の帰還申請を聞きつけ猛進する賞金首にも聞こえた。

 

 

 音が次第に大きくなる。南側の沼地から現れたクレイドルはジャックボックス。

 

 識別は――

 

 

「識別は協会員、……荷物はAO結晶と物資、見かけに不審な点は無い」

 

 

 そのJBはエレベーター近くまで来てからこちらに気づいたようだ。

 

 俺の存在に少しだけ動きを制止させた後、片手をあげて識別を明らかにした。

 

 それに対して俺は岩場の陰で識別を返した後、ゆっくりとエレベーターへと歩を進める。

 

 

 クレイドルは俺をしばらく眺めた後、武器を構えずにまだ到着していないエレベーターの真上に堂々と陣取り、こちらに背中を見せながら周囲をぐるりと見まわす。

 

 

「どうする……? このエレベーターは見送るか?」

 

「……襲撃が多い場所だ。できればすぐにでも帰りたい、多分アイツは大丈夫だ」

 

 

 俺のドリフター生活、ちっぽけな経験ではあるが、それでも何となく同族の匂いというものが分かるようになっていた。

 

 不安げに探るような相手との微妙な距離の取り方、遭遇した時の驚きにも似た硬直と反応、こちらが敵対するクレイドルではないと感じた時の緊張の弛緩。

 

 

 あぁ、それは全く俺に身に覚えがあり過ぎる動きだったのだ。

 

 

「エレベーターが到着した」

 

 

 エレベーターごと上に上昇していくクレイドルは、くるくると周りを見回している。

 

 

「俺達も乗り込むか」

 

 

 

 素早く壁に囲まれたエレベーターの中へ入る俺達。

 

 

 俺は切れかける緊張の糸を最後の意地で繋ごうとするが、相手の動きを見れば見る程、俺の警戒度は下がっていく。

 

 直ぐに降りてきた相手のジャックボックスは、エレベーターの反対側に陣取るとこちらに体を向けてジッと動かない。

 

 互いを刺激しない最低限の動き。

 

 

 俺はその様子を見て、さらに向こうの協会員に己と近しいモノを感じてしまう。

 

 

 俺にも見覚えのある。相手のクレイドルやメイガスをこっそり眺めながら帰還のブザーが鳴るのを待つ時間だ。

 

 

「なんか妙に親近感がわくな」

 

「警戒を解くな」

 

「わかってる」

 

 

 だからこそ相手のJBが不意にエレベーターの外へと歩きだした時、俺は困惑した。

 

 

「……なにかあったのか?」

 

 

 エレベーターの内部は六角形の構造になっており、間を開けて3辺が壁、残りの3辺から出入りする構造となっている。

 

 

 壁を背にする俺に対し、相手の協会員がこちらから見て右手の乗り込み口から出ていき、そのすぐ右の壁に隠れて見えなくなる。

 

 

「外になにか――――」

 

 

 完全に見えなくなった死角、そこを視線で追った俺にブーストダッシュの音が響き渡った。

 

 一瞬で俺の目前に現れたジャックボックス。

 

 

 次に見たそいつは左手の鋸刃を振りかぶっていた。

 

 

「ユナイター!!」

 

「クソッ! グァッ……!!」

 

 

 避けるなどという思考の余裕はない、俺は振り下ろされる一撃を身に受ける。

 

 

 機体越しに殴られる衝撃。

 

 俺と同じ類の協会員だと判じた己の愚かさ。

 

 

「……テメェもかよ!」

 

 

 裏切りではない、俺達協会員は仲間ではない。

 

 そんなことは分かりながらも腹の中に湧き上がる怒りと、頭の奥を痺れさせる悲しみ。

 

 俺は接敵した状態で敵の体を抜き去るようにブーストダッシュを行う。

 

 なんとか免れる二撃目。

 

 俺は振り返りながら敵に鋸刃を振りかぶった。

 

 

 意図したものではないが二撃目を振るい終えたJBは俺に背部を晒していた。

 

 

「クソッたれがぁァァァァ!!!!」

 

 

 背中に叩き込む攻撃、ジャックボックスはそれに対して回避を選ばず、こちらと同じように格闘戦を繰り出す。

 

 

 全く戦術性もない足を止めた殴り合い。

 

 

 悪い意味で同レベルの戦闘。

 

 

 その明暗を分けたのは、疑いようもなくクレイドルの性能のみであった。

 

 

「ダラァッ!!」

 

 

 同時に振るわれた腕、先に動かなくなったのはジャックボックス。

 

 拉げたフレームは前傾に崩れ落ちながら倒れていく。

 

 同時にいつの間にか鳴っていた帰還エレベーターのブザー音。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

 

 エレベーターの扉が閉まり、俺達は敵の残骸ごと地下へと吸い込まれていく。

 

 

「敵撃破……! やったぞユナイター!! やはり君は違う。やれる。君は――」

 

 

 俺の姿を見て、彼女は興奮したように声をあげるが、俺はまだ目の前のクレイドルから目が離せないでいた。

 

 

「君はいつだって壁にぶつかっても生きてきた! やはり君はやれば出来――――」

 

「……まだ動いてる」

 

 

 俺の言葉に彼女はハッとする。

 

 

 ひしゃげたクレイドル

 

 

 その背面、そのコフィンからメイガスが飛び出してきた。

 

 

「……すまん、油断したユナイター、構えろ」

 

 

 先ほどまでの喜色を含んだ声を恥じるように、彼女は俺にライフルを構えるように促すが、俺は首を振った。

 

 

「いや」

 

 

 向こうのメイガス、明るい少女の様な性格のGR-α-01、通称Grau(グラウ)はコフィンから飛び出すと俺達を無視し、俯せになり開かなくなったコクピットの出入り口に向かって必死に手を伸ばす。

 

 

 それを見た俺はジャックボックスに一歩踏み出した。

 

 

〈近づかないで!!〉

 

「アンタが離れろ、今からコクピットが開くようにJBを起こす」

 

 

 張り裂けそうなメイガスの叫びを聞きながら、俺はジャックボックスを慎重に抱え起こした。

 

 

「……甘すぎるぞユナイター、向こうのメイガスが隙をついてこちらに何かするやもしれん」

 

「脇目もふらずコクピットを開こうとしてる。あんたらメイガスはそういう奴等さ」

 

 

 衝撃で歪んだコクピットに手と足を突き入れ、無理やり隙間を開くと向こうのメイガスはパイロットを何とか抱き込むように地面へと引きずりだしていく。

 

 そして背後に隠すように俺を襲った協会員の男を守ると、最後にこちらの方を見て手をあげる。

 

 

〈全面降伏します。命だけは助けてください〉

 

 

 クレイドルの集音マイク越しに聞こえる助命の嘆願。

 

 

「協会には報告させてもらう、もちろんアンタらが稼いだ荷物はいただくぜ、悪く思うなよ」

 

「……厳めしい声を作って、言ってる内容は甘すぎるぞユナイター」

 

 

 俺は彼女の声を聞き流しながら向こう方を刺激しないようにJBのコンテナへと手を伸ばした。

 

 

 その時、俺のクレイドルに聞きなれた硬質な破裂音が響き渡る。

 

 

〈ユナイター!?〉

 

「おい、テメェ何しやがる」

 

 

 拳銃をこちらに向け、目覚めたばかりで覚束ない手つきで銃口を向ける男。

 

 

「……貴様ら、慈悲を乞いながらこうされては、心穏やかにはいられないな」

 

「落ち着け、JBの装甲にゃかすり傷もつかねぇよ」

 

〈い、いまのは違います! ユナイターは今意識が混濁して……!!〉

 

 

 拳銃程度じゃクレイドルの装甲にダメージなど与えることはできない。

 

 哀れなほど動揺しているメイガスを見れば、ほんの少しの不快感を俺は飲み込めた。

 

 

 

〈どけ、俺は寝ぼけてなんかねぇよ〉

 

 

 だが、目の前の男は前にいるメイガスを押しのけるとこちらを睨みながら銃を向ける。

 

 

「……おい、アンタのメイガスの頼みに免じて見逃してやってんだ。相棒の言うことは聞くもんだぜ」

 

 

 押しのけられたメイガスを見て眉を顰める俺に対して帰ってきたのは言葉ではなく銃弾だった。

 

 

〈ユナイター!?〉

 

〈俺はまだ生きてるぜ? 何ボーとしてやがるウスノロ!〉

 

 

 余りに無鉄砲な行動に俺は呆気にとられる。

 

 

「……付き合うなユナイター、所詮は不意打ちをしておきながら負けた卑劣漢、放っておけ」

 

 

 あえて、スピーカーに声を載せて話す彼女に目の前の男は口角をあげる。

 

 

「負けた? あんだけの機体に乗っていい勝負だったじゃねぇか、お前も俺と変わらないド三流だろ? 動きを見て分かったぜ! お前らなんて次に会ったらぶっ殺してやる!!」

 

 

 男の言葉を慌てて制しようとするメイガス、それを無視して男は下卑た口調で声を張り上げた。

 

 

「貴様とユナイターが同じ……? おい横のメイガス今すぐにソイツ黙らせろ、さもなくば私達が黙らせてやってもいいんだぞ?」

 

〈なにを馬鹿な事いってるんですか!? ユナイター! どうしちゃったんですか! 止めてください!!〉

 

 

 青ざめたメイガスは、まるで縋るように男を止めようとするが、俺への罵声は止まらない、大声でこちらを罵倒し続けていく。

 

 

「馬鹿みたいに隙を晒してきやがって! どうせA級になったらお陀仏だ! 死ねよ雑魚!! 今度見かけたらタダじゃおかねぇ!!」

 

〈なんでそんなこと! いきなり不意打ちなんて!! おかしいですよこんなの!!〉

 

 

 脇に控える彼女の怒気がどんどん膨れ上がっていくのを感じる。

 

 もうあと一押しすれば爆発しかねない程に彼女は怒っていた。

 

 

「ユナイター、慈悲にも限度があるとは思わんか?」

 

「……そうだな」

 

 

 俺は彼女の怒りを刺激しないように男に問いかける。

 

 

「おいアンタ、なんで俺を狙いやがったんだ?」

 

〈ハァ? そんなの決まってんだろ、ルーキー丸出しのアホが高級機体に乗って間抜け面晒してんだ。奪ってくれとでも言ってるようなもんだろうが〉

 

「そうか、そりゃ当然だな、そんな奴いたら襲う奴もいるだろうさ」

 

〈あぁそうさ! だからお前を――〉

 

「でもアンタ、他のドリフター襲うのに慣れてないだろ?」

 

 

 男の顔が固まる。

 

 

 これは死線を潜り抜けた者の洞察ではない、俺も向こうと同じ類のドリフターだから気づいた事実。

 

 単に同じ弱者だから分かった。

 

 ただそれだけの話である。

 

 

「多分、本気で殺しあったのも初めてなんじゃねぇのか? 」

 

 

〈なにを……〉

 

「いや、さっきは必死だったけどよ、お互い足止めて殴り合いとか馬鹿丸出しだったよなぁ……」

 

 

 奇襲をかけるならもっとマシなやりようがあっただろう。

 

 正面から殴りかかるなんて俺ぐらいにすぐ動揺するような三流じゃなきゃやろうと思っても出来ない。

 

 

「なぁ……、俺が思うにアンタ、初めは俺を襲う気なんて無かっただろ? なんとなく分かるんだ。エレベーターの中でお互い顔を突き合わせていた時までアンタは俺と同じ、ただの底辺協会員だった」

 

 

 だからこそ俺は覚悟してこの男に話を聞かねばならない。

 

 

 

「なぁ、なんであの時、俺を殺そうと思えたんだ?」

 

 

 俺とコイツの差はそれだけ、そしてそれは俺が望んでも手に入れられなかった覚悟でもある。

 

 

「ユナイター、何を言ってる?」

 

「すこし話させてくれ、大事なことなんだ」

 

 

 あれだけ叫んでいた男は項垂れたままピクリとも動かない、しばらくしてようやくゆるゆると顔をあげた。

 

 

〈……襲うつもりなんてなかった。知ってるだろ? そんな度胸なんてねぇんだよ、俺達みたいな養分協会員には〉

 

「今更都合のいいことを……!」

 

「……それで?」

 

〈ハハ……、ただお前の連れたメイガスの顔を見て思い出した……〉

 

「ふん、急に何を言って……」

 

 

 困惑する彼女を見透かすように男はこちらのクレイドルを眺め透かす。

 

 

 

〈俺の相棒に似てたんだ〉

 

 

 その一言に男の横に控えるメイガスは肩を揺らした。

 

 

〈俺もA級試験を受けててよ、アンタの持ってるような上位のクレイドルに乗ってた……。それで、もう少しってとこで、……やられた〉 

 

 

 男は無表情でぽつぽつと話し始める。

 

 

〈同じ協会員だった。いきなり背中からバッサリ、一瞬だった。俺の相棒は顔を潰されて殺された〉

 

 

 ただ淡々と、目の前の記録を読み上げるように男は話し続ける。

 

 

〈でも外に弾き飛ばされた俺だけ何故か生きて……、いやあいつらは俺のことなんてどうでもよかったんだろうな、だからほっとかれた〉

 

 

 男の目にはどす黒い泥がつまっていた、光ない目で虚空を見つめる。

 

 

〈だから俺は全部動けないまま見せつけられたんだ。愛機はバラされて、頭が潰れた相棒も奪われた。きっとパーツごとバラバラにして売るつもりだったんだろうな〉

 

 

 暗い殺意、顔の表面は波をたてず、その皮の下に煮詰めた負の感情。

 

 

〈いい女だったぜ、俺にはもったいないくらいの……、メイガスラボで1か月悩んだ最高の相棒だった〉

 

 

 熱病に置かされたようなうわ言、正気を失った男は俺を、いやそこにいるだろう彼女を見た。

 

 

〈それにしても似てるなぁ……、いや、初恋の上官にも似てるかもな、あの人もいい女だった……〉

 

 

 その言葉を聞いて、俺は思わず息をのむ。

 

 

「アンタ、まさか元アメイジア軍か……?」

 

〈……まさか? お前も、ははまさかそういうことか? ヒッ、ヒハハハハハ!〉

 

 

 笑い出した男は一通り笑った後にピタリと真顔に戻る。

 

 

〈なぁ、あんたと俺、何が違う……、どうして俺はこんなに弱いんだ?〉

 

「……ちがわねぇよ、どっちも雑魚だ」

 

 

 “そりゃそうか”と

 

 男は音にならない言葉を呟いた。

 

 

〈あんだけ煽ったんだ。本当はそのバカでかい銃で殺してくれれば楽でよかった。けどアンタはきっと俺を殺せないよな〉

 

 

 男は持っていた拳銃を自分の顎下に当てる。

 

 

〈本当は、もっと早くこうしてればよかった……、俺はもう疲れたよ〉

 

 

 男の脇にいたメイガスが叫び、手を伸ばす。

 

 だがそれよりも男の指先の方が僅かに早かった。

 

 

〈じゃあな、俺は先にこの世界からベイルアウトさせてもらうぜ〉

 

 

 ボッと音が鳴る。

 

 中身がつまった水袋を破裂させたかのような鈍い音。

 

 顎下から密着して撃たれたその頭部は内部の圧力で骨を割り、顔をグロテスクに押し上げて、その無残な顔の穴という穴から血を吹き出した。

 

 

〈キャアアアアア!! ユナイター!! そんな! うそです!! ユナイタァァァァァ!!!!〉

 

 

 半狂乱で男の遺体に縋りつくメイガスを見て、俺は肩が崩れる程の大きなため息をついて肺の空気、全てを出しきる。

 

 

「結局、二回目の殺しも協会員か」

 

「……君が撃ったわけじゃない」

 

「アイツは俺と同じだった。死ぬのは分かってて話したんだ。殺したようなもんさ」

 

 

 確かに別に撃ち殺したわけじゃない。

 

 ただ俺はあの男が俺に罵倒を繰り返している時に分かっていた。

 

 あの男の言葉は全て、自分に向かって言っていたことを。

 

 だから俺はあの男と話すと相手が死ぬことがなんとなく分かっていたんだ。

 

 

「君はあんな奴とは違う……!!」

 

「違わねぇさ」

 

 

 俺は眼下に広がる光景を指さす。

 

 半狂乱になりながら自分の主人に縋りつくメイガス。

 

 倒れ込んだ男の胸元のドッグタグには頭がⅤ字の小さなプラスチック製ロボットが付けられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの日、俺は初めて自分の意志で人を殺した。

 

 だが、殺意ではない。

 

 正確には死にたがっている男へ自決用の銃を手渡したようなものである。

 

 

 

 

「よし、撃破任務完了、帰還するか」

 

 

 

 あの出来事の後の出撃で、あれだけの苦労が嘘のように試験を突破し、俺達は何事もなく拠点へ帰還する。

 

 

 

 俺はドリフターA級ライセンス最終試験に合格した。

 

 

「これで俺もA級か」

 

「……あぁ、だがA級は今までと違って申請に時間がかかる*2。すこし羽を伸ばすといい」

 

「貧乏暇なし、それに体もなまっちまう。まぁ普通に地上に出るとするかね」

 

 

 あれから、拠点での俺達の雰囲気は表面上は元に戻った。

 

 互いに変に相手を避けるようなことはせず、拠点で何気ない会話をしながら日を潰す。

 

 

「……だったら、今の内に拠点の整備をしても良いんじゃないのか?」

 

「おー、そうするか」

 

「いい加減キッチンをつくってくれユナイター」

 

「もっといい貯金箱を作ったらな」

 

「……仕方がない奴だな」

 

 

 

 そうして俺はいつも通りに出撃を繰り返す。

 

 その間は実にいつも通りの地上だ。

 

 AO結晶を掘って、素材を集めて、エンダーズを駆除する。

 

 時々、盗賊団や賞金首に襲われながら、首の皮一枚で何とか命からがら帰還する。

 

 

 毎日が命がけであるが、この生活に穏やかさの様な心地すら感じてしまう。

 

 

「なぁ、ドリフターライセンスの話なんだがよ」

 

「まだ、申請に時間がかかってる。 まぁ今の内にやれることはしておけ」

 

「そうか、いい加減リビングルームに取り掛かるか……」

 

 

 

 俺は出撃を繰り返す。

 

 

 拠点の設備も最初に比べればずいぶんと見違えた。

 

 プロダクトスペースやガレージは機能的になったし、生活スペースもいるだけで埃で咽こむような当初に比べれば落ち着いて午睡を貪るぐらいには過ごしやすい場所になった。

 

 

「貯金もそこそこ……、かと思えば改築で出費がかさんじまう。いつか心穏やかに資金額を眺める日がくるのかねぇ……」

 

「資金と物資はいくらあっても足りん、しっかりと稼ぐんだな」

 

「そうだな、あー、そういえばドリフターライセンスの件なんだが――」

 

「最近はAO結晶の買い取り額も見直された。しばらくはドリフターらしく結晶掘りに集中するのはどうだ」

 

「……そうだな」

 

 

 さらに出撃を繰り返すと、AO結晶の買い取り額の見直しが行われたこともあった。

 

 最近は協会側もドリフターの減少に焦りを覚えているのか、ショップの売値の調整や結晶の買い取り額の増加など、まぁ昔に比べれば随分と甘い顔を見せるようになった。

 

 まぁ、相変わらずクソな所はクソなんだが、ずいぶん協会員ドリフターとしては生きやすいようになってきてはいる。

 

 

 

「なぁ、アレからどんくらいたった?」

 

「……クラフトの製作か? あれならもうすぐ完了するぞ」

 

「いや、そうじゃなくて……」

 

「ユナイター、今度は南方の雪山や密林などを探索しないか? あそこのデータはまだ不十分だ」

 

「それもいいかもな」

 

 

 俺達は出撃を繰り返す。

 

 この地上はまだ見たことのない美しい景色が山ほどある。

 

 それを彼女と旅して見ることはとても楽しかった。

 

 

 

「なぁ……」

 

「今度はジャンクヤードで盗賊団の資材を盗んでこないか? いや、パーツが足りてなくてクラフトラインを最新までアップデートで来てないから素材を集めるのもいいな、そうだ! 今度検問所でゲイザーの帯電組織を……」

 

「……そうかい」

 

 

 捲し立てる様な彼女を見て、俺はふと思いつきを言ってみた。

 

 

「なぁ、一度何もせず。ただ地上をブラついてみねぇか?」

 

 

 普段なら大目玉を喰らいそうな提案、しかし彼女はホッとしたような顔をした後に、笑顔を見せる。

 

 

「あぁ、それもいいな」

 

 

 

 こうして俺と彼女は地上へ向かった。

 

 別に結晶を掘るでも敵を倒すだけでもなく、ただ北方の地域をぐるりと回っていく。

 

 

「地上を動いて回るならバードウォッチャーでもよかったんじゃないのか?」

 

「いいや折角だ。この北方を回るならジャックボックスだ」

 

 

 俺達は演習場東のエレベーターから、反時計回りで様々な場所を周った。

 

 

「演習場を突っ切るぞ。エンダーズ共は無視だ無視」

 

「君もずいぶん手慣れたな」

 

「この演習場にもインキュベイターの分泌液目当てで馬鹿みたいに通ったからな」

 

「そしてかき集めた素材を狙う賞金首共に狙われた」

 

「くっそ、思い出したら腹が立ってきやがった」

 

 

 赤茶けた地面を抜けると次第に景色に緑が増える。

 

 

「都市遺跡は景色が一番好きかもしれねぇな、めちゃくちゃ死角に賞金首がいることを除けばだが」

 

「君は動揺してよくコンテナをパージしてたな」

 

「バカすか撃たれてボロボロなのに、回復ごと落として途方に暮れたなぁ」

 

「だが、相手には命乞いと思われて命拾いをした」

 

「おい、まじでその話は思い出したくないから止めてくれ……」

 

 

 朽ちかけた道路を進んでいくとビルはまばらに、そして次第に耳に水音が聞こえてくる。

 

 

「取水施設も結構AO結晶が多くてお世話になったな、特に高台の奴、必死になって登って大きなクズ結晶だった時の脱力感よ」

 

「素直に環境型のシステムタイプにすればよかっただろうに、 ……そういえばなんでユナイターは私を防衛型にしたんだ?」

 

「あー、それはまぁ、なんだ? あの時はそれがカッコいいと思ってたんだよ」

 

「カッコいい?」

 

「いいから次いくぞ次」

 

 

 取水施設からつながるパイプに沿って走るとそこは農耕プラントであった。

 

 

「おっとここは……、盗賊団の根城だから外周から眺めるか」

 

「盗賊団に紛れて賞金首も多い、観光向きではないな」

 

「プラント越しの植物とかじっくり見たい場所は色々あるんだけどな」

 

「どうせなら拠点で畑でも作ってみたらどうだ?」

 

「あー、そういうのって家で作ったら愛着がわいて食えなくなっちまわねぇか?」

 

「フフ、何を馬鹿なこと言ってるんだ君は」

 

 

 農耕プラントから南下し、低い位置に流れるブルーシストに汚染された沼地を進みながら、群青湖とターミナル、その間を通り抜ける。

 

 

「引かれるから黙ってたが、案外よ、ブルーシストはヤベェがこの目が冴えるぐらいの青い景色は割と好きだぜ」

 

「君、変わり者って言われてただろ」

 

「なんだよ、いいじゃねぇかブルーシストで変性した捻くれた樹木も味があって面白いだろ」

 

 

 そんな危険地帯を抜け、急な坂道を登れば、レーダーサイト特有の大きなアンテナの頭が見えてくる。

 

 

「まさに軍事拠点だな、遠目で盗賊団のトムガーディアンがうろついてるのが見えるぜ」

 

「レーダーは稼働していないが外敵に備えた作りになっている。盗賊団の根城としては理想的だろうな」

 

「それにしても盗賊団のトムガーディアン*3、あれ俺もどっかで買えねぇのか? 滅茶苦茶丈夫で同じクレイドルとは思えないんだが」

 

「装甲を強化してるのかもしれんな……」

 

「いやでもそれにしたっておかしくねぇか? そもそも青い雨の中でアイツらずっと棒立ちじゃ……」

 

「まぁ、そういうこともあるだろう、所詮は外道、人の道からも踏み外した輩さ」

 

「そういう問題か……?」

 

 

 

 気づけばここは丘陵地帯、どうやらこの北方をもう一周していたようである。

 

 

 

「覚えてるか? 初めてここに来た時の出撃地点はここだったよな?」

 

 

 俺が覚えているのに彼女が忘れることなどありえないが、懐かしさを覚えた俺は思わずそう呟く。

 

 

「案外あっという間だったな」

 

「クレイドルの残り活動時間はギリギリだ。早くエレベーターに向かった方がいい」

 

 

 俺は丘の上の帰還エレベーターからあたりを見回す。

 

 

「いやぁ、天気もいいし、賞金首にも出会わない、散歩日和ってやつじゃねぇのか?」

 

「たまにはこんな日も悪くはない」

 

「そうだな、ちょうどよかったよ」

 

 

 なだらかな緑の丘、カメラ越しに揺れる葉を見れば、クレイドルにそよぐ風すら感じる。

 

 この危険に満ち溢れた地上で、こうもリラックスしたのは今日が初めてかもしれない。

 

 俺達の間に流れる穏やかな時間。

 

 そんな雰囲気で俺は彼女に何げないように問いかけた。

 

 

 

「なぁ、そろそろやらねぇか?」

 

 

 何をとは言わなかったが、その言葉を聞いて彼女は表情を硬くする。

 

 

「……何をする? 資金を稼ぐか? それとも改築……、あぁ、そうだなクラフトで強いクレイドルや装備を作るのも……!」

 

 

 俺は彼女の言葉を遮らずに聞いた後、ゆっくりと首を振る。

 

 

「俺はA級に行きたい、もう申請はとっくにできるんだろ?」

 

 

 その言葉を聞いた後、彼女は表情を歪める。

 

 

「あぁ……そうだな、いつもキミはそう言っていた。メイガスは契約者の隣人だ。もちろん……、答えは決まっている。あぁそうだ。君の成長を妨げることなどメイガスとして許されない」

 

 

 苦しそうにしながらも、なんとか笑みを張り付けた彼女は酸欠に喘ぐように口を開く。 

 

 

「だから、おかしいんだ。壊れてるんだよ私は。わ、私は君のメイガスだ。君の……、君の成長を助け、隣に居続ける。そう在るべき、そう在るように私は作られてるはずなのに……」

 

 

 彼女の声が震えだす。

 

 自身の存在理由(レーゾンデートル)と彼女の願い、その矛盾が彼女の思考に重度の負荷をかけ続ける。

 

 そしてその処理が決壊した時、彼女は崩れ落ちてしまった。

 

 

「やめてくれ……、A級に行かないでくれ……」

 

 

 彼女はメイガスとして矛盾した提案を俺にする。

 

 

「君は死ぬ、絶対に、ドリフターを続けていればいつか必ず死んでしまう……!」

 

 

 まぁ、それは事実だ。よくて1年、持って2年か、俺はいつか死ぬだろう。

 

 

「自分の仇すら殺さない! なんでそんなに甘いんだ!! 無理だ! 君みたいな男がこの先で生き残るなんて出来ない世界なんだぞ!!」

 

 

 今まで殺した二人は協会員、賞金首なんて一人も殺したことはない、彼女の言うことは正しい。

 

 

「ほ、他のことでもいいだろう……、そうだネストの防衛隊でもエンダーズ駆除人(モンスターハンター)、荷運び屋や建築でもいい……! 私も稼ぐから……」

 

「そりゃ悪くねぇかもなぁ……」

 

「だったら……!」

 

「でも、そこじゃあアンタの隣に立てない」

 

 

 俺の言葉に彼女は触れられない俺の胸倉に掴みかかる。

 

 

「違うッ!! 君の想像している私など虚像だ!!」

 

 

 今までの理知的な彼女はそこにはいなかった。

 

 

「逆なんだよ……、本当は逆なんだ……、君が想像する私なんていない、わ、私は愚かだった……。君が何でもできる最高の契約者だと思ってた。壁を与えるような真似をしてそれを乗り越える君を見て舞い上がって、根拠もなく君は全てをやり遂げると少女じみた夢想をしていた……!!」

 

 

 俺も彼女を特別視していた。

 

 どんな時でも完璧な彼女、それに比べて何もできない俺というお荷物。

 

 

「あ、あ、あの時も。エンダーズに初めて戦った時も、盗賊団に襲われた時も、賞金首……、協会員に……、あの時も! あの時も!! あの時も全部……!! 一歩間違えば君を失うところだった……!」

 

 

 感情をむき出しにして、胸元に縋りつく彼女は取り乱しながら言葉を吐き出し続ける。

 

 

「耐えられないんだ……、それでも前に進む君に弱い私はついて行けないんだ……」

 

 

 少し前の俺が聞いていたら、理解できなかったであろう彼女の懊悩、俺はそれを黙って聞いた。

 

 

「お、お願いだ……、メイガスとして狂ってることは分かる……、だが、それでも……」

 

 

 俺は彼女の目に抑えきれない震えと濡れた何かを見た。

 

 

 

「わ、私を置いていかないでくれ……」

 

 

 

 俺は、ひどい思い違いをしていた。

 

 いや、それは互いになのだろう。

 

 お互いを理想化する歪な関係。

 

 

 なんてことはない、俺も彼女も結局は似た者同士。

 

 

 二人ぼっちの弱虫二人。

 

 

「ずっと考えてみたんだけどよ……」

 

 

 彼女の言葉を聞いて、俺は自分の心のわだかまりを今ようやく理解する。

 

 

「なんで俺はA級に行きてぇか分からなかった。ただでさえ冗談みてぇな理不尽がまかり通るこの地上でよ、弱者は何もできないまま奪われるしかない、煮詰めた地獄みたいな場所にだ。そんなギロチンの穴になんで俺はわざわざ頭突っ込んでケツ振ってんだって」

 

 

 俺は胸にぶら下げたお守りを片手で持ち上げる。

 

 

「初めはな、守りたかったんだ。俺の大事なモノを奪ってくる奴らから全てを守れるぐらい強い奴になりたかった。思えばアンタを防衛型にした時、大して迷わなかったのもそれが理由かもな」

 

 

 ガキみたいに甘い理想、だがそんなものは現実という強固な壁の前では簡単に砕け散った。

 

 

「でも、結局俺は弱いままで、ボコボコに嬲られて奪われるだけ、俺は世界の理不尽に対してに何かを為すことなんてできなかった」

 

 

 結局、この世界で自由を謳歌するにはどうしようもなく力が必要で、それを俺は持っていない。

 

 

 なら、弱者はどうすればいいのか、理不尽に逆らえず流れに身を任せて媚びるか、それとも奪う側に回るか……

 

 

 それでも力を求めるなら、選択は限られる。

 

 それも一つの生き方で、間違いではない、だが俺はどうも我慢が出来なかった。

 

 

「それでも俺はこの世界の理不尽に抗いたいんだよ」

 

 

 俺はどうしてもそういう風に生きてしまうらしい。

 

 だから俺に必要な覚悟は、殺しの手段を選ばないことでも、死を覚悟することでもなかった。

 

 

 

「俺はこの先もきっと背中を晒したまま、それでも一獲千金だの一流だの馬鹿な夢を見て生きてやる。だから俺の背中を任せられるのはアンタしかいねぇ」

 

 

 

 アンタとこの世界を生きる覚悟、それが俺には必要なんだ。

 

 

 

「頼む、俺の隣に並んでくれねぇか?」

 

 

 

 断られたら、クソだせぇだろうな……、そう思い彼女を見る俺。

 

 彼女は目を拭い。触れ合えないその手を俺に重ねた。

 

 

 

「……つまり隣にいればいいのか、後ろにいればいいのか分からんな」

 

「娯楽ドラマならタイトル回収シーンぐらい熱いとこなのに止めてくれ……」

 

「いつも肝心な話を冗談で誤魔化される私の気持ちが分かったか?」

 

 

 そう言うと、彼女は俺の横に並び、目線を揃える。

 

 

「……さぁ、ユナイター、拠点に帰ろう」

 

「えっ、マジで答えてくんねぇのかよ……!?」

 

 

 俺の動揺を横目に、彼女は目元を擦った後に微笑む。

 

 

「……私は君の隣にいる。君はどうだ?」

 

「へっ、言うまでもねぇよ」

 

 

 俺達は拠点を目指し歩き出す。

 

 隣で歩幅を揃えながら背中合わせで前に進む。

 

 

 

「アンタの隣に俺はいる」

 

「……君の隣に私はいる」

 

 

 

 この世界でどう生きるかに正解は無い。

 

 きっとその物語はドリフターとメイガスの数だけ存在する。

 

 

 俺の話はそんな底辺にいるドリフターの話、つまらない話だろうが、それでも俺はこの意地を張り続ける。

 

 

 『背中を晒す3流ドリフターはアンドロイドと一獲千金の夢を見るか?』と問われたら俺は堂々と答えてやる。

 

 

 

 俺はそれでも彼女とこの世界に抗い続けてやるよ。

 

 

 

*1
本作は非常に雄大で美麗なマップをクレイドルで駆け抜けることが出来るが、リリース当初はこのマップの地形に粗が多く見られ、僅かな地形の窪みにスタックしてしまうプレイヤーが多発した。一応のリカバリーとしてオプションから強制移動というコマンドを使うと60秒(アップデートで後に45秒となる)で復帰できるが、その間クレイドルは一切操作できない。もしもこの間に賞金首に見つかれば撃破は免れない、それがレア装備なら同じ協会員でさえ信用はできず、生存確率は減少するだろう

*2
ゲームではA級に行くことによりこれまで選択してきた北方と南方は統合され、東部中央の新地形が追加されたアメイジア東地方への出撃が強制される。もちろん今までの場所と区別されるためA級に行く前に素材や改築の準備をするのが賢い選択だ、もちろんそのまま飛び出してもいい。A級はミッションを最新まで進めたドリフター達の先頭ランナー、その戦いは激しさを増すだろう。だが安心して欲しい北方南方にも上に行かず居座り初心者を狩る賞金首がいるので等しく激戦区だ!君が来るのを我々ドリフターは待ち望んでいるぞ!!

*3
敵NPCである盗賊団、彼らの駆るクレイドルは設定上はプレイヤー側と同じものであるはずである。だが硬い、明らかにクレイドルの耐久の限界を超えた装甲、そして青い雨の中で雨ざらしのまま立っている姿。我々ドリフターを蝕む青い雨などないように悠然と動き回る盗賊団に一部プレイヤーは奴等はブルーシストにより進化した超人か人外ではないかと噂した




背中を晒す3流ドリフターはアンドロイドと一獲千金の夢を見るか? 完

せめてこのゲームを多くの人に知って欲しい、よろしければ評価のほどを御願い致します。


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