宝太郎と生簀一郎の料理対決が始まった。2人は麻婆豆腐を作り上げ、生簀一郎が宝太郎に完成した麻婆豆腐を差し出した。
宝太郎「え!?」
生簀一郎「まずは俺のから食ってみろ…審査はお前に任せる」
従業員「ハッ!!聞いたか?敵に審判を委ねるなんてな…」
従業員2「宝太郎さん容赦なく酷評しちゃってくださ…」
宝太郎「おおおおおっ!?何だこれぇぇぇ!!」
従業員「「宝太郎さん!?」」
生簀一郎「フッ…」
宝太郎「違う…俺が作った麻婆豆腐とは全然違う…俺がいるのは…そう、天国だぁぁぁぁっ!!」
宝太郎の頭に天使の輪が出現して宝太郎は宙に浮かび上がり、他の従業員は驚いてワームの麻婆豆腐を口にした。
従業員「あぁ…大豆の旨味が染み渡る…ここはどこ…?俺は…誰…?」
生簀一郎「お前は豆腐を包丁で切った…それが最大の過ちだ…」
宝太郎「なっ…どう言う事だ…?」
生簀一郎「豆腐は手でちぎった方がいい。そうすれば大豆の旨味が残るからな…包丁で切る事で、お前はその旨味も一緒に切ってしまっているのだ!!
宝太郎「オーマイ…ガッチャ…」
宝太郎は膝を突いてしまうがその時、店の扉が勢いよく開いて、りんね達が姿を現した。
りんね「一ノ瀬!!」
蓮華「まさか…お宝ちゃんが負けた…?」
宝太郎「みんな…」
生簀一郎「さてと戦利品を頂いていくぞ」
宝太郎「戦利品!?」
蓮華「そいつはいろんなお店に挑んでは勝利した店の看板や暖簾などを奪っていってるんや!!」
りんね「キッチンいちのせの暖簾もそいつに奪われたの!!」
宝太郎「そんな!?父さんから引き継いだ大切なお店を…!!」
生簀一郎「あの店の店主は大したこともなかったな。俺に無様に敗北したからな…」
宝太郎「お前…母さんをよくも!!」
生簀一郎「お前も同じように俺に負けた…家族共々ご苦労な事だ。」
宝太郎「そんなぁ…」
宝太郎はショックで膝を突いてしまい、それを見たワームがニヤリと笑みを浮かべると玄関へと歩き出して、りんね達は慌ててその後を追いかけた。
宝太郎「何をするつもりだ!?」
生簀一郎「この幟旗を貰っていくぞ!!」
宝太郎「そんな!?店長が喜ぶと思って作ったのに!!」
生簀一郎「お前に料理人を語る資格は無い…さらばだ!!」
ワームは宝太郎の幟旗を奪い取るとそのまま持ち去ろうとしたが、宝太郎は地面に拳を叩きつけた。
宝太郎「何でだよ…何でこんな酷い事をするんだ!!」
生簀一郎「全ての料理人のプライドをズタズタに切り裂いて、奈落の底に突き落とす。そして、この俺が世界で唯一無二の料理人となるのだ!!」
りんね「そんな…」
生簀一郎「感情を操るこの俺の料理で、世界中の人々共を支配するためにな!!」
宝太郎「くっ…ごめん…母さん…店長…もう…俺は…」
蓮華「何を諦めとるんや!!」
宝太郎「蓮華お姉さん!?」
蓮華「一回負けたからなんや?次勝てばええやろ!?」
りんね「そうだよ一ノ瀬…リベンジしよう!!店長さんからお店を任されたお店でしょ!?私達はこれまでだって諦めたことはなかったでしょ!?」
アイザック「感情を操るだと!?ふざけんな!!宝太郎はまだ全力じゃない!!」
宝太郎「みんな…ありがとう!!俺ともう一度勝負しろ!!」
生簀一郎「いいだろう…お前にとどめを刺してやる!!二度と立ち上がれないようにな!!」
ワームはそのまま立ち去ってしまい、その後ろ姿を宝太郎は悔しげな表情で見つめていたが、りんねがその肩を掴んだ。
りんね「一ノ瀬…姉さんなら力を貸してくれるかも!!」
宝太郎「葉月さんが!?」
りんね「姉さんも料理を極めるために料理人の元で修行したことがあるんだって…きっと一ノ瀬の力になってくれるかも!!」
-葉月の自宅-
葉月「なるほど…事情は理解しました。私は貴方の店長のように料理人ではないですが、私に教えられることがあれば…」
宝太郎「よろしくお願いします!!俺に料理の真髄を教えてください!!」
葉月「昔、ある人が言ってました。この世の全てのものには物としての本質があると…それを見極めるのが大事だと。あの人はいつも言っていました…」
宝太郎「物の本質を知るためにはどうすれば?」
葉月「自然を知り、己を知ることが大事である…との事です」
宝太郎「???自然を知る…?」
ホッパー1「ホッパホッパ!!」
葉月「大丈夫。君は君らしい料理を…作ればいいんです。」
宝太郎「俺らしい料理?」
葉月「貴方なら食材の良さをさらに引き出せることが出来ると思います。」
宝太郎「何だかよくわからないけど…よーし…やるぞ!!」
-数日後-
-中華料理店(早苗月)-
城之内「これより生簀一郎と一ノ瀬宝太郎の料理対決を開始する。」
蓮華「あの人に料理の審査を任せて大丈夫なんか?」
葉月「城之内さんなら信頼出来ます。パティシエなので確かな舌を持っています」
生簀一郎「バカめ…また俺に倒されに来たのか?」
宝太郎「見てろ!!俺の料理でお前を倒す!!」
生簀一郎「いいだろう…とどめを刺してやる!!」
城之内「テーマは茄子!!負けた者は料理人と地位と名誉を剥奪される!!では…スタート!!」
2人は同時に調理に取り掛かるが、宝太郎は用意された茄子と他の食材をじっと見つめると、動きを止めてしまった。
りんね「一ノ瀬!?」
蓮華「何で止まっとるんや!?」
葉月「用意された食材で料理を考えないといけないので難しいですよ。」
りんね「頑張れ…一ノ瀬!!」
宝太郎「食材の良さを引き出す組み合わせは…これだ!!」
宝太郎が材料を選び取り調理に入ると、ワームは余裕そうな表情を浮かべた。
生簀一郎(バカめ…そんなもので俺に勝つつもりか?)
-1時間後-
その後2人は調理を終えると静かに目を瞑り、審査員である城之内は生簀一郎の料理へ視線を向けた。
城之内「ではまずは生簀一郎の料理から…」
生簀一郎が作ったのは油多めの鶏むね肉と茄子の生姜焼きであり、城之内は料理を口にすると頭に天使の輪が生えて昇天していた。
城之内「あぁ…天国だ… 鶏肉と茄子それぞれに旨味が溢れている…素晴らしい!!」
生簀一郎「フッ…」
蓮華「くっ…中々に手強いでこれは…」
りんね「大丈夫…一ノ瀬なら食材の良さを引き出せる筈!!」
宝太郎「俺のをお願いします!!」
宝太郎の言葉に城之内は宝太郎が作った麻婆茄子を口にすると目を瞑ってしまった。
城之内「……」
生簀一郎「コメントもしようもない不味さか…」
蓮華「そんな…お宝ちゃん…」
りんね「一ノ瀬…」
城之内「いや違う…表現のしようがない!!この麻婆茄子の味は天国の上に位置している!!」
蓮華「天国の上!?」
りんね「じゃ、じゃあ…」
城之内「俺が言えるのはただひとつ…この味に比べたらお前の料理は…」
宝太郎「……」
城之内「豚の餌ぁぁぁっ!!」
城之内の頭にも天使の輪が出現しており、そのまま天へと昇って行ってしまった。
生簀一郎「豚の…餌…そんなわけがない…油を大量に使う水気の多い料理など…なっ…何だ…この茄子は…」
ワームは宝太郎の麻婆茄子を口に含むと城之内同様、天使の輪が出現した。
葉月「油はそんなに使っていませんよ」
生簀一郎「何だと?油を入れないと茄子も膨らまない筈だ!!」
葉月「茄子は油を吸いやすいんです。そして片栗粉はまぶすことで、茄子からの水分の流出を防いでくれる上に、茄子の表面をカリッと仕上げてくれるんです」
蓮華「ほぇ〜凄いなぁ…」
葉月「彼は自分で本来の食材の良さを最大限に活かす材料とレシピを選択した…貴方は勝ちにこだわるあまり、周りの食材同士の組み合わせに気づく事が出来なかった…ただそれだけです。」
生簀一郎「くっ…」
城之内「この勝負は一ノ瀬宝太郎の勝ちだ!!」
宝太郎「ガッチャーーーッ!!」
蓮華「うちにも食べさせて…うん!?美味しい!!」
宝太郎「ほらほら九堂も!!」
りんね「美味しいよ…成長したね一ノ瀬…」
宝太郎「おおおおお…ガッチャー!!」
全員が宝太郎の麻婆茄子に夢中になっていると、ワームは調理道具を床に叩きつけた。
宝太郎「!?」
生簀一郎「2度も…負けるとは…いいだろう。お前にも褒美をやろう!!」
宝太郎「怪物!?」
葉月「ワーム!?」
生簀一郎の姿がワームの姿へと変わった。驚いた宝太郎はガッチャードライバーを装着するが、ワームは宝太郎の首を締め始めた。
宝太郎「お前…怪物だったのか…」
生簀一郎「お前のような料理人はここで消す!!」
葉月「ハアッ!!」
首を絞めるワームの背後から葉月が蹴りを浴びせると、ワームは蹴り飛ばされて地面に転がった。
葉月「宝太郎君!!戦えますか!?」
宝太郎「うん!!行こうホッパー1!!スチームライナー!!」
ホッパー1「ホッパー!!」
スチームライナー「スチーム!!」
(アルケミスリンク!)
(HOPPER1!)
(STEAMLINER!)
(GINGRFFON!)
(KINKIRAVINA!)
宝太郎・葉月「「変身!!」」
(ガッチャーンコ!)
(ガガガガッチャーンコ!)
(スチームホッパー!!)
(シャイニングフェザー!)
(ヴィーナスグリフォン!)
仮面ライダーガッチャードと仮面ライダーヴィーナス・真が降臨して2人は同時に駆け出すと、交互にパンチとキックでワームに攻撃を仕掛けた。
生簀一郎「くっ…」
アイザック「良しっ!!今度こそ…!!」
蓮華「待って…あいつ確か…」
りんね「一ノ瀬!!姉さん!!そいつの動きに気をつけて…」
宝太郎「え…何ーっ!?」
宝太郎と葉月は思わず動きを止めてしまった。ワームは突如クロックアップで体当たりを仕掛けて来て、宝太郎と葉月は吹き飛ばされてしまった。
宝太郎「ぐわっ…な、何だ!?今のは…」
葉月「クロックアップ…高速で動いてるんですよ!!」
アイザック「あの動きをどうにかしないと勝てねぇぞ!!」
(ガッチャーイグナイター!)
宝太郎「それなら…これで!!」
(ターボオン!)
(ガッチャーンコ!ファイヤー!)
(スチームホッパー!アチーッ!)
宝太郎「ダァーッ!!」
宝太郎はファイヤーガッチャードへ変身すると、炎の力を身に纏いながら高速で動き、ワームに拳を叩きつけた。
宝太郎「くっ…駄目だ…ぐはっ…」
葉月「宝太郎君!!」
軌道が直線的すぎるためかワームに攻撃を回避されてしまった。再び加速をしようと力を込めるが、ワームのクロックアップに跳ね飛ばされてしまった。
りんね「そんな…」
葉月「早い…」
蓮華「あんな早いやつにどうやったら勝てるんや!?」
ワームが再びクロックアップしようと構えるが、突如ワームはどこからか放たれた銃撃によりダメージを負って動きを止めた。
蓮華「誰っ!?」
皐月「そいつは私の獲物だよ…全員手を出さないで!!」
葉月「皐月!?」
りんね「皐月さん!?」
宝太郎「店長…!?」
「「「店長!?」」」
葉月「店長!?皐月…ここって貴方の店だったんですか!?」
宝太郎「店長…俺…店をあいつに…」
皐月「こいつが電話で言ってたやつね?こいつは私が倒す!!」
宝太郎「でも、店長!!」
皐月「宝太郎…貴方は十分に頑張ったわ。後は任せなさい!!」
皐月は宝太郎を後ろに下がらせるとベルトを取り出して腰に巻きつけた。
宝太郎「ベルト…まさか…店長!?」
こちらに迫って来たワームだが、突如として飛来したガタックゼクターに何度も攻撃されて吹き飛んだ。皐月はガタックゼクターを掴むとベルトに装着した。
皐月「データを収集する…変身!!」
(HEN-SHIN)
皐月は腰のライダーベルトにガタックゼクターを装着するとスーツやアーマーを形成し、最後に頭部がアーマーに覆われるとマスクドフォームと呼ばれる第1形態に変身した。
宝太郎「店長さんが仮面ライダー!!」
皐月「ウラアアッ!!オリャアッ!!」
皐月は素早く駆け出すと拳を連続で叩きつけた。たった数発のパンチでワームは吹き飛び地面に転がった。
皐月「はあっ!!」
ガタックバルカンを発射するが、ワームはクロックアップで回避し、皐月を跳ね飛ばしてしまった。
蓮華「やっぱりあの動きをどうにかしなきゃ…」
宝太郎「店長!!やっぱり俺も戦いま…」
皐月「黙って見ていなさい!!こいつは私が倒すと言った筈よ!!」
皐月はゼクターホーンを弾くと装甲が順番に浮き上がり、エネルギーが溢れ始めた。
葉月「はっ…みんな伏せて!!」
りんね「っ!?」
皐月「キャストオフ!!」
(CAST OFF)
(CHANGE STAG BEETLE)
ゼクターホーンを倒してバックルを展開すると、キャストオフによってマスクドフォームのアーマーを全て弾き飛ばして2本の角が自動的に起き上がった。
宝太郎「姿が変わった!?」
皐月「クロックアップ!!」
(Clock Up)
皐月はクロックアップを発動させると、肩のガタックダブルカリバーを掴み、ワームに連続で斬撃を浴びせてダメージを与えた。やがてクロックアップが終了すると、ワームは地面に転がった。
蓮華「見て!!あのワーム?がボコボコや!!」
宝太郎「店長さん強い…」
(One, Two, Three.)
ワームが叫びながら皐月へと駆け出すが、皐月はガタックゼクターのボタンを押して蹴りの構えに入ると、ゼクターを再び展開した。
皐月「ライダーキック!!」
(Rider Kick!)
皐月「ハアーッ!!」
皐月の跳び回し蹴りがワームを粉砕する。ワームは緑色の煙を上げながら消滅し、宝太郎は皐月のもとへと駆け寄っていた。
宝太郎「店長…俺…」
皐月「その様子だと店をしばらく任せても大丈夫ね。」
宝太郎「え?」
皐月「頑張ってね。私もやるべき事を終わらせて必ず戻るから…」
宝太郎「待ってますから…店長のお店は俺が守るから!!」
皐月「任せたよ宝太郎…それと…葉月。」
葉月「皐月…貴方…」
皐月「メッセージ見たよ。必ず戻るからもう少し待ってて!!」
葉月「待ってますから…私も…ベロバさんも…」
皐月「またね…」
(Clock Up)
皐月はそのままクロックアップで高速で走り出して姿を消してしまい、葉月達は皐月が消え去った辺りをじっと見つめていた。
葉月「待ってるから…皐月…」
-研究所-
素早く研究所へと帰還した皐月は机の上にガタックゼクターを置くと機械に繋いで、ガタックゼクターのデータをパソコンへと打ち込んでいたが、瑛磨が居ないことに気づいて思わず周りを見渡すと、皐月からメールが入っていた。
瑛磨(逃げるなら今だよ姉さん…先に待ってる!!)
皐月「そう…それでいいのよ瑛磨…貴方は巻き込みたくなかったからさ…」
皐月の机のパソコンの画面と資料の紙を交互にじっと見つめた。
皐月「けど…今、私が逃げるわけにはいかないんだ!!」
パソコンの画面には数人の家族らしき人達が縄で縛られて、男性隊員に銃を向けられている場面であった。
皐月「もう…仲間を失うのは嫌…必ず助けるから!!そのためには…」
皐月がパソコンに入力している様子を謎の男性がじっと見つめており、ニヤリと怪しげな笑みを浮かべていた。