(注意)
仮面ライダーカブト天を継ぐもののネタバレを含みます
全ての始まりは数ヶ月前にまで遡る。
皐月Side
それは突然のことであった。料理の腕を磨きながら、親友のベロちゃんと遊びに行くために待ち合わせをしていたのだが、突如私は怪しげな男性達に囲まれて銃を向けられた。
皐月「ふぅん…随分と物騒な物を向けて来るんですね」
???「やはり銃程度では怯まないか…流石はワームだな…」
黒いスーツの男性が銃を向ける男性達の間から姿を現して、私はその顔を見て驚いてしまった。
皐月「ワーム?って言うか、何であんたが生きてるの?」
???「それは貴様も同じだろ?」
皐月「そうね…お互いにね…けど私が生きてるってよくわかったわね」
???「貴様も最後までZECTの一員だっただろ?部下に調べさせたらお前が生きているという目撃情報があってな…」
皐月「ちっ…監視されてたんだ…それで今更私に何の用?」
???「我々に協力してもらおう。貴様に拒否権は無い!!」
皐月「断る…もうあんた達の思い通りにはならない…これ以上巻き込まれるのはごめんだよ…」
???「いや…お前は断る事が出来ない…なぜなら貴様は我々と同じだからな」
男性はスマホの画面を私に見せるとそこに映っていたのはと生き残りのネイティブの家族の写真であった。
皐月「なっ…何でこの人達が!?この人達は関係ないでしょ?」
???「お前が断れば裏切り者のこいつらを始末する!!」
皐月「くっ…人質って事!?お前ぇぇ…私の仲間によくも!!」
???「そうだ。貴様は昔からそうだ…同族の危機には怒りを露わにする…」
皐月「くっ…」
私はその男に頬を撫でられると顎をクイと上げられてしまい私は男性をキッと睨みつけた。
皐月「私を…どうする気?」
???「ZECTを再始動させて、新たなマスクドライダーを誕生させる」
皐月「新たなゼクターを作れって事!?そんなこと…」
???「君なら…出来るよ…」
皐月「仲間を人質に取るなんて…本当、昔から変わってないね…あんた…」
???「貴様は変わったな。ZECTにいた時は田所の元でスーツを着て真面目キャラを演じていたつもりだろうが、その服装から随分とぬるま湯に浸かっているようだな?」
男は私のゴスロリファッションを不快感のある目で見つめて来た。
皐月「これが今の私…昔とは違うよ。だからあんたの協力なんか…」
???「いや…貴様は我々の元へ来る…準備が出来たらここまで来るといい。」
男は私のジャケットのポケットに宛先を書いた紙をねじ込むと部下を引き連れて車に乗り込んで走り去ってしまった。
皐月「あんたの思い通りにはさせない!!三島正人!!」
私は準備を整えるために一度その場を離れるとベロちゃんとの約束の場所へとやって来た。
皐月「時間通り…偉いなぁ…」
物陰からベロちゃんを見つめていると、もう二度ととベロちゃんの元へは戻れないという可能性があり、第一にベロちゃんを巻き込みたくない思いがあり、私はベロちゃんとお別れをしようと思った。
皐月「毒を喰らわば皿まで…これから私がやる事は人類に対する裏切り行為…やるなら最後まで徹底して悪に徹しよう…」
私はネイティブの力によりベロちゃんの顔を読み取ると自身の顔を変化させて葉月とベロちゃんの顔が混ざり合ったような特徴の顔に擬態をし直してしまった。
皐月「お別れだね…ベロちゃん…ごめん…」
何も知らないベロちゃんは私の顔をみるなりいつもの笑みを浮かべるが私がゲネシスドライバーを掲げるのを見て顔が凍りついていた。
ベロバ「サッキー!?」
皐月「ごめんね…変身!!」
(チェリーエナジーアームズ)
ベロちゃんを倒した私はベロちゃんのレーザーレイズライザーを奪い取り、指定の場所へ歩き始めた。
皐月「私は…また誰かを助けるために誰かを犠牲にして…」
???「情けないな…皐月…」
私は突如背後から声を掛けられて振り向くと、そこにはかつての料理の師匠が立っていた。
皐月「貴方は…何で…」
???「久し振りだな…お前が生きていると知った時は驚いたが…」
皐月「私は…死ぬことが出来なかった…私はあの爆発で死ぬべきだったのかも…」
???「そう悲観するお前にひとつお使いを頼みたい…」
皐月「お使い?」
???「こいつをお前が信じられる相手に渡してくれ…」
皐月「貴方…まさか…誰かに天の道を継がせる気?」
???「違う…天の道ではない…未来だ。」
皐月「未来?」
???「頼んだぞ…皐月…」
皐月「任せて…天道さん…」
私の胸に押し付けられたのはライダーベルトであり、顔を上げると天道さんはその場から立ち去っていた。
皐月「……天を継ぐ者か…」
私は渋谷跡地の研究所に戻ると寝る間を惜しんで新たなマスクドライダーシステムの開発に勤しんでいたが、理想の形を作るにはデータが足りなかった。
皐月「新たなゼクターだなんて…データを収集しないと…」
三島「新たなゼクターの開発は進んでいるか?」
クロックアップで三島が私の前に現れて私のパソコンを覗き込んで来た。
皐月「まだデータが足りない…まだ時間が掛かるわ…」
三島「追加注文だ…既存のゼクターをチューンアップしろ」
皐月「フン…人間のためではなくワームのため?」
三島「そうだ…」
三島はキャリケースに収められたサソードゼクターとザビーゼクターを私に手渡すと数枚の資料を手渡してきた。
皐月「資格者リスト…矢車さん…ZECTに復帰したの?」
仮面ライダーザビーの資格者として矢車さんが選定されており、そしてサソードゼクターの資格者の名前を見て、私は首を傾げていた。
皐月「これは結と書いてユウって呼ぶの?」
三島「驚いたか?加賀美新の息子だ。」
皐月「加賀美さんに息子さんが…って言うかなんで息子さんが資格者なの!?」
三島「決まっている…彼はワームだ!!」
皐月「なっ…」
三島「こいつの母親がワーム…つまり、息子にもワームの血が流れていると言うことだ…」
皐月「ワーム…まさか…加賀美さんの奥さんはもしかして…」
ふと以前、料理の修行に海外で旅をしていた人物とのやりとりを思い出していた。
-回想-
-バンコク-
???「ハァ…ハァ…ごめん…」
皐月「1人で飛び出すからだよ…こんな場所まで来るなんて…」
???「僕は今だにどうやって生きて行けばわからないんだ…ただ目的もなく世界を彷徨っている…」
皐月「貴方が私と同じネイティブだからでしょう?気持ちは分かりますよ。」
???「お前はなんでここに来た?」
皐月「私は料理の修行に…けど、体調崩しちゃって…偶然宿を見つけたら貴方が居たってだけですよ」
???「お前もあいつと同じでバカだよな…」
皐月「かもね…うふふ…」
私はベッドで横になると横にいた女性は私の方へと笑みを浮かべると荷物を纏め始めた。
???「この旅で僕の求めている答えは手に入るだろうか?」
皐月「どうやって生きて行くかって事?人間だろうがネイティブだろうがこの世に生まれた以上は必ず何かしらの大きな意味がある筈…」
???「大きな意味?」
皐月「それを見つけるために私達は今を生きているのかもしれませんね?」
???「なんだそれ…お前…ネイティブの癖に面白い奴だな」
皐月「見つかると良いですね…自分の進むべき道…自分の生き方について…」
???「旅を続けるよ…僕が生きる意味を見つけるためにも…」
三島「この世界はワームが支配するべきだ…人類には消えてもらう!!」
皐月「人間にも生きる権利はある!!」
三島「いいのか?私に逆らうと…お前の仲間は…」
皐月「くっ…」
三島「安心しろ…もう1人お前の仲間がZECTに復帰する…共に新生ZECTを支えるのだ!!」
三島はそのまま立ち去ってしまい私はゼクターのチューンアップ作業をしながら、同時にとある人物へとメッセージを送った。
(渋谷跡地にて新たなマスクドライダー計画始動…候補者…加賀美結)
-数日後-
瑛磨「姉さんの事情はわかった…俺も開発に力を貸す!!」
渋谷跡地にて私は弟である水瀬瑛磨と再会を果たしており思わず瑛磨と2人で話していた。
皐月「それで…?なんで貴方が生きてるの?」
瑛磨「俺はデザイアグランプリで勝ち続けた。死んだ時に俺の願いが叶ったのさ」
(永遠にデザイヤグランプリに参加できる権利)
皐月「願いの力で甦ったって言うの?心配掛けさせてくれるね…」
瑛磨「それで…新たなゼクターを作ってるんだったか?」
皐月「間違いなくワームが使用するための新型ゼクターを開発してる…」
瑛磨「そんな物を完成させたら人間は…」
皐月「えぇ…人類に勝ち目はないわね…」
瑛磨「姉さんはそれでいいのか!?」
皐月「いいわけないでしょ!!」
私はパソコンに拳を叩きつけると机の上の資料を乱暴にはたき落とした。
皐月「けど…私のネイティブが人質になってる。あの子達を救うには奴らね言う通りにするしかない!!」
瑛磨「なら…人質は俺が必ず助ける!!だから…姉さんは自分のやるべき事をやれるんだ!!」
皐月「瑛磨…」
その後、瑛磨は私の前から姿を消してしまい、一方で私はダークカブトゼクターとガタックゼクターを使用してデータを収集を行いながら、最新のマスクドライダーシステムを完成させた。
皐月「ギラファゼクター…旧システムを遥かに超える性能…」
おそらくワーム側の最強の切り札になるだろうと思った私はギラファゼクターをケースに収納するが、一瞬だけその手が止まった。
皐月「これを三島に渡せば人質は解放してもらえる…けど…加賀美さんは…」
ふと資料で見た加賀美さんの息子さんの資料をじっと見つめた。
皐月「いや…もう私は今までの私とは違う!!誰かを助けるために他の人を犠牲にするわけにはいかない!!」
私は自身のパソコンの中に極秘に開発していた新たなゼクターの設計図をじっと見つめた。
皐月「三島…あんたの思い通りにはさせないよ!!」
私はギラファゼクターの最終調整を行う傍らで、極秘にもうひとつの最新のマスクドライダーシステムの制作に取り掛かった。
-数日後-
三島「ご苦労だった…」
三島はチューンアップしたザビーゼクターとサソードゼクターと完成した最新のギラファゼクターを三島に手渡すと三島はニヤリと笑みを浮かべた。
皐月「さぁ…私の仲間を解放して!!」
三島「それは…今後のお前の働き方次第だ!!ZECTの一員として行動しろ…そうすれば人質は返してやる!!」
皐月「そんな…約束が違う!!」
三島「褒美が欲しければ…それなりの働きを見せることだな…」
皐月「……」
三島は部下を引き連れてゼクターを手にどこかへ去ってしまい私は隠していたキャリーケースを取り出すと中の物へと視線を向けた。
皐月「どうかみんなの力になってあげて…」
私が極秘に開発していたのはギラファゼクターに対抗するための切り札であり、名前はアトラスゼクターと命名した。
皐月「さて…とギラファはおそらく三島が使うと想定して…アトラスゼクターは…」
ふと机の上の資料に視線を向けると加賀美さんの息子の結君の情報が目に入った。
皐月「加賀美結君…彼にアトラスを託すべきか…けど、他に託せる人なんて…」
アトラスゼクターの入ったケースを手に街へと繰り出すと近くに東京タワーが見えて思わず視線を向けた。
皐月「天道さん…私はどうしたら…」
???「ほぅ…ZECTの人間か…」
私は突如黒髪の女性に話しかけられて、視線を向けるとその顔に驚愕してしまった。
皐月「天道さん!?顔が似てる!!」
???「お前…なぜ私の名前を知っている!?」
皐月「その名前ってもしかして貴方…」
???「ひいおばあちゃんは言っていた…天の道を行き全てを司る天の光!!天道ヒカル!!」
皐月「天道…ヒカル…!?やっぱり天道総司の…」
キャリーケースの中にあるアトラスゼクターが静かに起動しており、まるで資格者を見つけたような反応を示していた。