(注意)
仮面ライダーカブト天を継ぐもののネタバレを含みます
ギラファゼクターを完成させたことにより、三島が結君に接触を果たす様子を私は物陰からじっと見守っていた。
皐月「乱暴だなぁ…大丈夫?」
三島と結君との会話に天道ヒカルさんが割り込んで、足元のサソードゼクターを蹴り飛ばして、サソードゼクターが物陰に隠れている私の元まで転がって来て、私はサソードゼクターを受け止めた。
皐月「やっぱり只者じゃない…ヒカルちゃん…いや、さん付けがいいかしら…」
三島はヒカルさんへと高速で動き、拳を繰り出すがヒカルさんは冷静に攻撃を回避しており、その動きにかつての天道さんの戦い方を思い出させた。
皐月「この動き…やっぱりこの三島は擬態…」
三島が結君へと迫るが、どこからか銃撃が放たれて三島は吹き飛び、田所さんと私服姿の加賀美さんが姿を現した。
皐月(加賀美さん!!)
加賀美「結に近づくな!!」
三島「田所…ワームの貴様が裏切るのか!?」
田所「魂まで売ったつもりはない!!」
皐月(この三島…ネイティブの事を知らないの?)
加賀美「こいつ…カブトに殺されたんじゃ!?」
田所「そいつはオリジナルの方だ。こいつは三島の擬態…現在のZECTのリーダー!!」
三島はニヤリと笑みを浮かべると、ギラファゼクターが飛来して三島がギラファゼクターを手で弾くとライダーベルトに装着されてゼクターホーンを展開した、
(HEN-SHIN)
三島「変身」
(CHANGE GIRAFFA STAG BEETLE)
三島はマスクドライダーギラファへと変身を完了させて両手を大きく掲げた。
加賀美「結達の未来は俺が守る!!変身!!」
(HEN-SHIN)
加賀美さんもガタックゼクターを掴み取りライダーベルトへと装着すると、ゼクターホーンを展開した。
(CHANGE STAG BEETLE)
ライダーフォームの装甲とスーツが加賀美さんの前身を覆い、最後にホーンがせり上がってマスクドライダーガタックへの変身を完了させた。
ヒカル「ほぅ…これがガタックか…」
加賀美「うおおおおおっ!!」
加賀美さんは三島へと駆け出すと飛び膝蹴りからのパンチを連続で繰り出して三島を一方的に攻め立てており私はその様子をデータ収集も兼ねて見守った。
皐月(旧システムとはいえ、ガタックはマスクドライダーの中でも最強の存在…新システム相手にどこまでやれるか…)
加賀美「ライダーキック!!」
三島は加賀美さんの攻撃に防戦一方であり加賀美さんはライダーキックの体勢に入った。
(Rider Kick!)
加賀美さんがライダーキックを浴びせるがギラファは空中で一回転すると着地を決めて高笑いを上げた。
三島「20年前の旧式が新たなマスクドライダーシステムに勝てると思ったか?」
皐月(駄目か…)
(Rider Kick!)
加賀美「うわあああああっ!!」
結「父さん!!」
加賀美さんは三島のライダーキックを受けて蹴り飛ばされて一撃で変身が解除されて地面を転がり呻き声を上げた。
私は思わず身を乗り出そうとしたが突如、私の肩にダークカブトゼクターがとまり、今は動くなと言わんばかりに私の首を角で突いて来た。
皐月「危なくなったら手を出すよ」
私は再び三島へと視線を向けると田所さんが三島へと必死に銃撃を浴びせており、吐血しながらも必死に三島の動きを止めようとしていた。
田所「振り返るな!!行けーっ!!」
加賀美さんが結君とヒカルさんの2人を連れてその場から離脱するが三島は田所さんを背後から掴み動きを封じに掛かった。
田所「ぐあっ…」
三島「人より優れたワームが殺し合う必要はない。もう一度チャンスをやるよ…シャドウの隊長にでもなれ!!」
田所「いいだろう…ただし、お前が死んだらなぁ!!」
皐月「いけない!!変身!!」
田所さんの腰には自爆用の爆弾があり、三島を巻き添えに起動させようとしたので私はダークカブトゼクターを装着して、ゼクターホーンを倒した。
(CHANGE BEETLE)
皐月「クロックアップ!!」
(Clock Up)
私はクロックアップで素早く動くと爆弾を田所さんから引き剥がして、三島のジャケットの中に押し込むと、三島の目が緑色に光を放っていた。
皐月(こいつ…クロックアップ中にも私が見えているの!?)
私は田所さんを抱えると高く高台へと飛び上がると。数秒後に爆発音が響いて私は振り返らずにそのまま逃走した。
三島「小娘が…」
-病院-
田所「がはっ…はぁ…はぁ…俺は…」
皐月「何、勝手に死のうとしてるんですか?」
田所「お前…まさか皐月か?」
皐月「お久しぶりです。田所さん…」
病室にて田所さんは私の顔を見て驚いた表情を浮かべており、私は昔のように上司である田所さんに頭を下げた。
田所「お前は…死んだと聞いていたが…生きていたのか?」
皐月「えぇ…私は死に損ねた…モルフォゼクターが私を救ったんです。」
田所「そうだったか…俺に新たなマスクドライダーシステムと資格者についてメッセージをくれたのはまさかお前か?」
皐月「私です。加賀美さんの息子の結君が狙われていると知ってすぐに情報を貴方の端末に送信しました。」
田所「なぜお前はそこまで今のZECTに詳しい?」
皐月「私は今、ZRCTに所属しています。」
田所「なっ…」
皐月「私の仲間が奴らに人質にされているんです…人質を救う代わりに協力しろと三島が…」
田所「まさか…あの新たなマスクドライダーシステムは…」
皐月「えぇ…ギラファゼクターは私が作りました。」
田所「やはりか…お前以外にゼクターを作れるやつはもう居ない筈だからな…」
皐月「三島は私が倒します。この命に掛けて!!」
田所「待ってくれ!!」
病室を立ち去ろうとした私だが、田所さんは私の黒のひらひらの衣装を掴み、引き止めようとした。
田所「お前の捕らわれている仲間はどうするつもりだ?」
皐月「そ、それは…」
田所「またお前は1人で背負い込もうとしてるのか?」
皐月「私がやらなきゃ…以前だって、私は多くの仲間を失いました…これ以上、未来ある子供達の未来が失われるのは見たくない!!」
田所「お前…死に損ねたって言ったな…正直、俺はお前が生きていてくれて凄く嬉しい。」
皐月「えっ…」
田所「岬も社長として平和な日々を送っている…そして加賀美も父親として立派な姿を見せてくれた。かつて共に戦っていた仲間がそれぞれ、明るい未来へと進んでいるのを見て俺はとても嬉しいし、かつての戦いが無駄じゃなかっと感じている。」
皐月「田所さん…」
田所「俺はお前が生きていて嬉しい…だからこそお前1人に犠牲になって欲しくない…」
皐月「田所さんだってさっき三島と自爆しようとしてたじゃないですか…」
田所「そうだったな…」
皐月「やっぱり考えることは一緒ですね…」
田所「皐月…加賀美を助けてやってくれないか?」
皐月「加賀美さんを?」
田所「あいつは奥さんを失って1人で息子の結君を育てている…そんなあいつを再び戦いに駆り立てたのは俺だ…頼む…加賀美を助けてやってくれ…」
皐月「わかっています…」
私は病院を出ると加賀美さんに会うために走り出すがその様子を何者かがじっと見つめているのに気がつかなかった。
-歩道橋-
ZECT隊員「見つけたぞ!!水瀬皐月!!」
皐月「ZECTか…私を追って…?」
大賀「お前は今は、ZECT所属の筈だ…戻って来い!!」
皐月「私がどうしようと私の勝手!!」
大賀「いいのか?お前の仲間は預かっている…消されたくなければ従う事だな…」
皐月「くっ…お前達…」
???「大人しく拘束されろ!!水瀬皐月!!」
皐月「貴方は…矢車さん…」
私の背後にはザビーブレスを装着した矢車さんが立っておりザビーブレスをこちらに見せつけるように掲げた。
皐月「今のZECTは間違ってる…三島の好きにしたら…人類が…」
矢車「パーフェクトハーモニーを乱すな!!」
皐月「なっ…」
矢車「大人しく捕まればお前の仲間の安全は保障する…さぁ…来るんだ!!」
皐月「お断りします…私にはやるべき事がある!!」
矢車「仕方ない…完全調和を乱す奴は…始末する!!」
矢車さんの手にザビーゼクターが飛来して手に収まると、ザビーゼクターを装着すると羽を展開して回転させた。
矢車「変身!!」
(HEN-SHIN)
(CHANGE WASP)
矢車さんはザビーへと変身すると、私の周りをZECT隊員達がリングのように囲み、私はついに逃げられなくなった。
皐月「仕方ない…」
私はダークカブトゼクターを掴み取るとライダーベルトに装着して、ゼクターホーンを倒した。
皐月「変身!!」
(HEN-SHIN)
(CHANGE BEETLE)
矢車「パーフェクトハーモニーで身柄を拘束しろ!!」
皐月「ただパーフェクトハーモニーって言いたいだけでしょ!!」
矢車さんのパンチを受け流しながら必死に攻撃を回避するが、背後や左右からZECT隊員達に狙い撃ちにされて私はダメージを受けて体がぐらついた。
皐月「くっ…」
大賀「諦めろ…今頃、お前の仲間は三島さんの手によって処刑されている筈だ!!」
皐月「なっ…」
大賀「ワームの癖に人間側に着くとは…裏切り者には死を!!」
皐月「貴様ぁぁぁっ!!お前ら全員ぶっ殺してやる!!」
大賀「おぉ…怖い怖い…ハハハハハ!!」
皐月「うおおおおっ!!」
1人のZECT隊員の言葉に殺意が沸いて私は怒りのあまり、隊員へと駆け出して拳を振り上げるが私の首根っこを矢車さんに掴まれてしまった。
矢車「どうした?冷静じゃないな!!」
皐月「ぐっ…がはっ…うぅ…」
私は顔を殴打されて地面に転がると矢車さんがザビーゼクターに触れて技を発動させようとした。
(RIDER STING)
皐月「やられるわけには…」
(One, Two, Three.)
私は順番にスイッチを押すとゼクターホーンを操作しようとしたが突如私は両腕をZECT隊員に掴まれてしまった。
皐月「なっ…離して!!くっ…」
大賀「パーフェクトハーモニーのために死んでくれよ」
ZECT隊員「終わりだ!!」
矢車「ライダースティング!!ハアッ!!」
皐月「きゃああああああっ!!」
動きを封じられたまま私はザビーの針の一撃を浴びて吹き飛ばされてしまい前身から火花を散らすと、ついに膝を突いてしまった。
皐月「かっ…うぅ…」
私のライダーベルトからダークカブトゼクターが離れてしまい私は強制的に変身が解除されて、飛び去ろうとしたダークカブトゼクターをZECT隊員のひとりがキャッチして捕まえてしまった。
矢車「よくやった。これでパーフェクトハーモニーは保たれた!!しかしよくゼクターをキャッチ出来たな?」
ZECT隊員「…いえ…」
皐月「ぐっ…今の動き…貴方はワーム…」
大賀「フン!!」
皐月「かっ…」
私を挑発したZECT隊員に首を掴まれて歩道橋の手すりに押し付けられてしまった。
大賀「おしゃべりが過ぎるな…」
皐月「矢車さん…こいつらはワームです!!貴方は利用されてるんです!!」
矢車「はっ…面白い冗談だ…」
皐月「信じてください!!こいつらは…」
大賀「黙っていてもらおうか…フン!!」
皐月「かっ…はっ…」
私は腹部に拳をねじ込まれてしまい、体がくの字に曲がり息が止まりかけていた。
大賀「やれ!!」
私を挑発したZECT隊員が、大柄のZECT隊員に合図を出すと、私の腰のライダーベルトを掴み、私の腰から無理やり取り外してしまい、銀色のライダーベルトは憎きワームの手に渡ってしまった。
大賀「お前が使え…」
ZECT隊員「しかし貴方が…あっ…」
大賀「フッ…」
ZECT隊員がベルトとダークカブトゼクターを皐月を挑発したZECT隊員へと渡そうとしたが、矢車の方へと一瞬だけ視線を送りながらアイコンタクトを送った。
ZECT隊員(貴方が隊長からザビーを奪う気ですか)
大賀(あぁ…うちの隊長もそろそろ用済みだからな…)
矢車「さぁ…これ以上は手荒な真似はしたくない…俺達と来るんだ!!」
皐月「貴方達の味方になるぐらいだったら…死んだほうがマシ!!」
矢車「お前…ならば…」
皐月「うっ…!?」
矢車が皐月の手を掴もうとしたが突如、皐月はZECT隊員に撃ち抜かれて皐月は横断歩道から落ちて植え込みに落下して姿が見えなくなった。
矢車「なっ…なぜ撃った!?」
大賀「見たでしょ隊長?こいつは所詮裏切り者…生かしていたら面倒です!!」
矢車「…くっ…行くぞ…次は加賀美の身柄を抑える!!」
矢車は変身を解除すると歩き出してしまい大賀と呼ばれるZECT隊員とタカイワと呼ばれるZECT隊員と顔を見合わせてニヤリと笑みを浮かべた。
タカイワ「このゼクターは俺の物だ…」
手の中のダークカブトゼクターが抵抗するように電子音を響かせるがタカイワが緑色の目を光らせると音が鳴り止んで大人しくなってしまった。
-その夜-
結「父さん…どうして1人で背負い込もうとするんだ…」
1人で戦いに行くと言う父、加賀美の後ろ姿を結は追いかける事が出来ずに、無理やり押し付けられたグローブを強く握り締めながら帰路に着いていた。
-回想-
結「帰って来ないつもり?仲間は集まったの?」
加賀美「いや…でも、たとえ…たとえひとりでもやるべき事がある!!」
結「命に変えても?」
結「父さん…」
グローブと母が書いた結と書かれた紙を握り締めながら歩道橋の下を歩いていたが結は途中で何かを踏んづけてしまい、思わず顔を向けるとそれは人の手であった。
結「人の手!?だ、誰か!!」
周りを見渡すが辺りには助けになりそうな人が誰もおらず、結は植え込みに倒れている女性らしき人物を植え込みから救出した。
結「僕より背が低い?学生か?でもゴスロリ?って言うのかこの服…」
気を失っている女性はこの辺りでは見かけない黒のゴスロリ衣装を身に纏っており、手首からは緑色の血が流れていた。
結「緑色の血!?…とにかく手当を!!」
結がハンカチを女性の手首に押し当てようとしたが、結の手から緑色の光が集まり、女性の手首の傷が塞がって出血も完全に収まっていた。
結「傷が治って出血も止まった…?これは僕の力なのか!?」
皐月「その通りだよ。結君…」
意識を取り戻した皐月は笑みを浮かべると結は驚いた表情になった。
結「これがワームの力なのか…ワームの力で人を助けられた?」
皐月「貴方は人間とワームのハーフ…その力はお母さんから受け継いでいるの」
結「母さんを知ってるの?それに…僕の名前…」
皐月「私は皐月。貴方のお父さん加賀美新さんと一緒に人を襲うワームと戦っていた戦士です…お母さんとはバイト先で出会ったんだ。」
結「俺、自分がワームだって事知らなかった…父さんは何も教えてくれなかった…」
皐月「貴方を戦いに巻き込みたくなかったからだよ…貴方を育てるのに彼は彼なりに一生懸命だったみたいだから」
結「僕はどうすればいいかわからないんだ…人間でもありワームでもある僕はどっちの側に立って生きて行けばいいんだ!!」
皐月「そっか…お父さんはなんて言ってた?」
結「僕の名前…お母さんが僕の名前を考えた時にその由来を教えてくれたんだ」
皐月「名前…?」
結「人とワームを結ぶって意味が込められているんだって…けど僕にはそんなこと…」
皐月「ううん…君なら人とワーム…共に歩んで行ける道を見つけられると思うよ」
結「どうしてそう思うんだ!?」
皐月「それは…私も…そして君のお母さんも同じ夢を抱いていたからだよ!!」
結「君も…?」
皐月は笑みを浮かべると緑色のネイティブの姿へと変身すると結君は驚いて私から離れた。
結「君も…ワームなのか!?」
皐月「私も君のお母さんと同じなんだ…君のお母さんと同じようにどうやって生きて行けばいいか迷ったりもしたよ…けどね…」
皐月は人間体へと姿を変えると、スマホを取り出して1枚の写真を見せた。
結「これは…」
そこに写っていたのは、ダブルピースをしている皐月のオリジナルこと、呉島葉月と隣で遠慮がちにピースしている皐月であった。
皐月「私が擬態したオリジナル…私は彼女に出会って擬態して、彼女の生き方を学んだの…彼女は私のような存在とも親友になってくれた。彼女に出会ってから私は変わった…人間だろうがワームだろうが関係ない。お互いに歩める道があるって信じたいんだ!!」
結「互いに…歩める道…」
皐月はゴスロリ衣装についた砂を払いながら立ち上がると結へと手を差し伸べた。
皐月「見つけに行こう。君のお母さんが望んだ、人間とワームが共に進める未来を…」
結「僕に見つけられるのかな?」
皐月「君ならきっと見つけられるよ…だってあの人の息子だもん…」
結「うん!!」
結は皐月の手を取り、2人は正面から向き合うと結は何かを思い出したような表情になった。
結「父さんが1人でZECTの元へ!!」
皐月「結君。」
皐月は天道から託されたライダーベルトを取り出すと結へと差し出した。
皐月「これを腰に巻いて…その力があればきっと大切な人を助けられる!!君が強く望めば、相棒がきっと君の元へ飛んでくるから…」
結「…わかった…よし…父さんを助けに行こう!!」
皐月「そう来なくっちゃ!!」
結はライダーベルトを腰に巻いて、皐月と目を見合わると渋谷跡地目指して走り出した。