ユーディス  ~回転国家の吉凶サイクル~   作:智二香苓

26 / 44
第26話 地下迷宮

 なにかが頬に当たる感触で目を覚ますと、アラインはここがどこなのかよりも先に、反射的に寝ぼけながら頬を拭い、それが水滴であることに気づいた。いったいどこから雫が落ちてきたのだろうかと、その先を探ろうと視線を上方へと彷徨わせる。

 暗い岸壁の天井に見覚えのある、手足の歪んだ奇形の巨大蜘蛛のようなものを見つけたのはそのときだった。驚いたアラインが大きく身動ぎすると、自分の寝ている横に転がっていた石が床に落ちて音が響く。

 その音に向こうも気がつくと、こちらに振り返った。

 

「お前――!」

 

 違和感を覚えたのはそのときだった。口元が上手く動かず、思わず「グッ」とくぐもった声が漏れてしまい喋りにくい。だがそんな違和感を覚えるよりも先に、口を糸の塊で封じられたのは同時だった。

 アラインが声を荒げると天井で巣を作っていたパリィは即座に糸の塊を飛ばし、アラインの口を封じたのだ。

 鼻まで一緒に塞ぎかけた糸の塊にアラインはギョッとすると、慌てて剥がそうと口元に両手を持っていく。だが粘着力が強くてなかなか剥がれない。その間にパリィは天井に糸を張って宙吊り状態で下まで降りて来ると、小声で非難がましくアラインを咎めた。

 

「バカ野郎、大声を出すやつがあるか! 奴らに気づかれたらどうする!?」

 

 ひそひそ声で叱咤するとパリィは顔を近づけた。ただでさえ醜い顔がドアップになると、これ以上近づかれたくなかったアラインは両手を上げてコクコクと頷く。その様子を見たあとパリィは静かに耳元で話した。

 

「お前がダースロウに連れ去られたあと、こっそりとあとを追ったのさ。どうやらここはダースロウの住処らしい。奴らがここに出入りしたのはお前を連れて来たときだけだったが、いつまたここに戻ってくるかわからない。お前が静かにすると約束するならその口元の糸を外してやる。約束できるか?」

 

 パリィに言われ、再びコクリと正直にアラインは頷く。

 パリィは相変わらず子どもが落書きしたような歪んだ顔で、そんなアラインをしばらく目を細めてジッと見つめていたが、やがて信用に足ると確信すると「よし」と言い、二本の脚を駆使して口元の糸の塊を剥がしてくれた。

 ようやく声が出せるようになるとアラインは自分で口元を確認した。触った感じ剥がし残しはない。次いで冷静を装いながら周囲を確認する。

 

 そこはゴツゴツの岩壁に覆われた洞窟内、いわゆる地下迷宮だった。

 光源がどこにあるのかはわからないが、取り敢えず天井の先や足元が見える程度には明かりが確保されている。耳を済ますと水滴が落ちる音が遠くから響き、肌寒いとまではいかないが、空間は地下特有の冷え切った空気で満たされていた。

 そんな地下迷宮の内部はとても広く、喉を鳴らすだけでも音が反響しそうなほど静まり返っていた。目をやればそこかしこに通路があり、どこかへと繋がっている。同時にそれはどこに続いているかわからないということであり、ある意味逃げ場がないとも言えた。

 

「気は済んだか?」

 

 アラインが周囲を確認しているとパリィが聞いてきた。アラインは返事をする前に、時間にして3秒ほど天井から吊り下がって逆様になったパリィを見つめた。

 その形相や全身から醸し出している雰囲気からして、先ほど戦闘していたときのような敵意は感じなかった。それどころか薄っすらと共闘したそうな意思を感じ取る。

 おぼろげではあったが、確かパリィはダースロウに今の姿に変えさせられて、怨念を抱いている的なことを言っていたことを思い出す。

 そんな考えがわずかの間に頭を過ぎると、アラインはようやく返事をした。

 

「ああ、だいたい状況はわかった。……俺はどのくらい寝てた?」

「さあな。だいたい丸1日くらいは寝てたと思うぜ」

 

 問うとパリィはざっくりと答えた。なんて適当な奴だと思ったが、それでもないよりはあった方がありがたい情報だった。

 丸1日……そこから導き出される日数としては、聖儀祭5日目くらいだろうか。時刻を確認できるものが無いため、暫定的ではあるがアラインはそう決めた。

 

「それでお前はなにをしてたんだ?」

「なに、ちょっとした隠れ家を作ってたのさ。奴らを観察するためにな。それよりも……」

 

 動向を話したあと、パリィは懐疑の目でこちらの全身を舐め回すように見てくる。それに対してアラインも訝しみの視線を向けていると、パリィが口を割った。

 

「その体……お前、いったい何者なんだ?」

 

 体、と言われてアラインはすぐに相手がなにを差してそう言っているのかを悟った。途端に全身を汚されたような怖気を覚えたアラインは、急いで自身の体を見下ろす。

 予感は当たっていた。今やアラインの全身は呪印で満たされていた。

 肩から突き出た異形の骨、鱗に覆われた腕の皮膚、尖った指先から生えた歪な爪。

 服の上からだったから見えるのはその程度だった。きっと衣服の下はもっと酷い有様になっていることだろう。アラインは他に変わったところはないかと、水かきの発達した手で首から上を触った。それから首にエラを、頭部に角になりたての二つの瘤を確認する。

 今にも叫びだしそうな舌先で口内を触ると、八重歯の本数が増えていることに気がついた。そして交互に動く舌から、舌先が二股に別れていることも察する。

 

「な……っ⁉ あぁ!」

 

 腹の底から出かけた絶叫は、しかしここまで著しく変化してしまったことに愕然とし、己の因果がこれほどまでに身体に影響を及ぼすということにショックを覚えて、皮肉にも喉元で留まり抑えられる。

 それでも醜く変態してしまったことが我慢ならないのか、アラインは血走った眼を見開くと、力んでわずかに握りかけた震える掌を――水かきの発達した異形の手中を見て、その手で自身の顔に爪を立てる。その指先から伝わる硬化した皮膚の感覚を覚えると、力任せに顔を引っ掻いた。しかしガリガリと振動が伝わるだけで傷がつく様子はない。

 アラインはそのまま土下座する形で体を前に折ると、食いしばったギザギザの歯の隙間から「フーッ、フーッ!」と力強く息を吐き出し、平常心を意識した。

 

「お、おい。大丈夫かお前? 変に叫ぶようなことはするなよ」

 

 尋常でないアラインの様子を見たパリィは、万が一の可能性を考慮すると、いつでもアラインの口を塞げるように脚で糸を捏ねていた。けれどそれは杞憂に終わる。

 弾かれるようにしてアラインは上半身を起こした。それからしばらくの間、天を仰ぐ。全身には大量の冷や汗が浮かんでおり、水滴の一つが首を伝って流れる。

 その態勢のままアラインは深く息を吸い込んだ。それから何度も短く、しゃくり上げるように「フッフ」と息を吐き出すと、やがて肩を落として首を垂れる。

 

「……平気だ。問題ない」

 

 明らかに不調な容態でアラインは返事をする。それから違和感を覚えた。

 

(あれだけ大きな事故に巻き込まれたのに、どこも怪我していない・・・・・・? いや、それともこの姿に変化したから、治癒が早まったのか?)

 

 外見は相変わらず化け物じみていて嫌悪感を覚えるアラインだったが、皮肉にもそのお陰でどこにも傷がついていないことに気がつくと、そう解釈した。

 その一方で依然としてパリィは懐疑的な目でアラインを観察していたが、問題ないと結論するともう一度同じ質問を繰り返す。

 

「俺が見ていた限り、短時間で変化してたぞ。お前もダースロウにやられた口か?」

「……っ。お前には……関係ないことだ」

 

 当たらずとも遠からずなところを突かれると、アライン顔を引きつらせてあしらう。

 この言い方では遠回しに肯定しているも同然だったが、今のアラインの精神状態からして、そう答えるのが限界だった。

 遠くから足音が聞えたのはそのときだった。それも複数。

 異変に気づくとパリィは素早く宙吊り状態のまま無音で上昇していく。間もなくして洞窟の向こうから人影が見える。今さら寝たふりをするのも遅かったアラインは、パリィを恨めしく思いつつも、仕方なくこちらに向かって来る人影に身構えた。

 現れたのは案の定、複数体のダースロウだった。その顔面には相変わらず不気味なお面が付けられており、すでに起床していたアラインに気づくと、「おお」と肩を揺らす。

 

「なんということだ。この短時間でここまで肉体が変化するとは」

「やはり忌子。その上まだ儀式を行っていない身。変化が速い」

 

 こちらに向けられた誹謗の呼び名と不穏な単語に、アラインは眉をひそめる。だがダースロウから忌み嫌われているのは今さらだったので、そこは聞き流した。

 それよりも自分がここに連れて来られたことの方が重要だ。

 

「お前たちの目的はなんだ? どうしてお前たちが忌み嫌う俺をここに連れてきた?」

 

 なるべく早くこの場を去りたかったアラインは単刀直入に聞いた。しかし返ってきたのは謎の単語だった。

 

「ユーディスの開放だ」

「ユーディス?」

 

 聞き慣れない言葉にアラインは目を細める。一方でダースロウは先を続ける。

 

「ユーディスは我らの故郷。そしてお前をここに連れてきた理由は『(こう)神巫(いちこ)』を連れていたからだ」

「!?」

(こう)神巫(いちこ)』と言われてアラインは肩を揺らした。その意味を差すのは、すなわちユウ。だがどうしてダースロウがそのことを知っているのか謎だった。

 一瞬アラインはそのことを聞くべきかどうか迷った。だがそれよりも先に、ダースロウ側から一つ提案が提示される。

 

「アラインよ」

 

 名前を呼ばれ、アラインはビクリと体を揺らす。

 

「!? なんで俺の名前を……! お前と会ったのは初めてのはずだが……?」

「……まだお前が幼かったころ。我が一族の一人が、お前の母親がお前のことをそう呼んでいたのを耳にした。我ら一族は、そのうちの一体が一つのことを知れば、その他の仲間にも情報がテレパシーを通じて共有される。だから知っていたのだ」

 

「そんな能力が……」

 

 初めて知るダースロウの特殊能力にアラインは目を見張る。

 

「お前は我らダースロウと人間との間に生まれた忌子だ。すなわちそれは、生まれるべきではなかった存在ということだ。わかるか」

 

 対面で改めて言われて、アラインはなにを今さらと思った。散々自分のことなど無視し続けてきたくせに、そんなことを言われる筋合いはないと。

 そう考える一方で、それこそなぜ今さらになって忌子のことを持ち出したのかも疑問だった。アラインは相手の考えていることがわからなくて質問をする。

 

「つまりなんだ? 俺に死ねってことが言いたいのか?」

「いいや違う。取引をしようではないかと言っているのだ」

「取引だって?」

 

 予想外の提案にアラインは聞き返した。まさかそんなことを言われるとは思っておらず困惑する。だがダースロウ側ではすでに話す内容は決まっているようで一方的に進める。

 

「忌子――もとい、アライン。聖儀祭の終わりまで『(こう)神巫(いちこ)』を連れて逃げるのだ」

 

 言われるまでもない内容に、そしてこちらの背中を後押しする厳粛にアラインはギョッとした。その傍らで、なぜそんなことを言うのかという疑問も湧く。

 

「なんでそれをお前たちに言われなきゃならないんだ? 関係ないだろ」

 

 アラインが厳しく突き放すと、それまで話していたダースロウは不意に仰いだ。それから慎重に言葉を選ぶように、アラインに次のことを言い聞かせる。

 

「我々の任が最終段階に入ったからだ。これから大きく動かねばならない。だが我々はそれを帝王に悟られたくないのだ。そのためにお前には帝王の目を逸らさせてほしい」

「帝王……? それは……この国のか? ていうか、そもそもそんな奴いたのか?」

 

 初めて聞く情報にアラインは混乱した。今まで聞いたこともない名称に動揺する。そんなふうにアラインが困惑していると、ダースロウは被りを振った。

 

「どうやらお前には説明しておかねばならないようだ。――着いて来い」

 

 ダースロウはそう言うと、そのまま仲間を引き連れて迷宮の奥へと歩き出した。

 アラインはどうするべきか迷い、思わず天井を見上げる。その先では話を聞いていたパリィがおり、口パクで「行け」と催促していた。

 どうやら他に選択肢はないらしい。それにここにいても仕方がないのも本当だった。

 仕方なくアラインは立ち上がって歩き出す。そして天井でパリィも一緒に移動している気配を感じながら、ダースロウのあとを着いて行くのだった。

 

       ◇

 

「それで? お前たちと『(こう)神巫(いちこ)』――ユウにどんな関係があるんだ?」

 

 どこかへと向かう道すがら、アラインは早速ユウのことについて聞き出した。しかしダースロウは被りを振ると、半身で振り返って制止をかける。

 

「慌てるな。話には順序というものがある。お前にはまず、帝王のことについて知ってもらう必要がある」

「悪いが俺はそうはいかなくてね。そっちに都合があるのは承知だが、こっちにも都合があるんだ。ユウの居場所がわからない以上、早く探し出さないといけない」

「そのことか。案ずるな、『(こう)神巫(いちこ)』の居場所は我々が把握している」

「なんだって?」

「ここのすぐ近くだ。『(こう)神巫(いちこ)』にとっては少々生き辛いところかもしれぬが、あの幸運体質をもってすれば問題なかろう。今ごろは悠々自適に安穏と過ごしているに違いない」

 

 咄嗟に叫びかけて、すんでのところで口を閉じた。ユウは今、小型『因果歪曲計(ウェザー)』――ペンデュラムで幸運体質を抑えられているため、その恩恵にはあずかれないことを伝えようとして、急いで口を噤んだのだ。

 というのも、この情報を果たしてダースロウに伝えていいものか信用に値しなかったからだ。この怪しい集団におめおめ事実を告げるわけにはいかない。

 

「月桂秤は知っているな? 我らが帝王がおわすのは、その最上階だ」

 

 アラインが胸中で葛藤している間に話が始まった。どうして存在するかどうかもわからない帝王のことなど聞く必要があるのかと文句を言いたいアラインだったが、ユウと関係するとわかった以上、話の腰を折ることも憚られた。

 

「あの一族は少々特殊でな。いわゆる一般的な出時とはかけ離れている。時間も場所も巧妙に決められて生まれ出た、大いなる一族なのだ」

 

 こちらに背を向けながらなにやら壮大に話し始めたダースロウに、アラインは怪訝な顔を向ける。それでもアラインは一応聞いておくことにした。

 

「一般的じゃないって、どういうことだ?」

「運命というものは生まれる年や日時や時間によって決まる。帝王の一族はその地位を確保するため、代々そのやり方が受け継がれ、これまで誕生してきた」

 

「……つまり、生まれてくる赤ん坊が未熟児だろうが、その日が生まれてくるのに適した日であれば強引に取り上げてたということか?」

「帝王切開という出産の仕方を知っているか。母親の腹を切り、子を取り上げるという出産の方法の一つだ。我らがこの日に生まれた者は帝王の器にふさわしいという出生日を予見し、運命をコントロールすることで、理論上は運命の子の君臨を可能としていたわけだ」

「要するに運気のいい日の、運気のいいタイミングで誕生したのがその帝王ってことか」

「然り。だがその調整のためには、母親となる者はときに陣痛に苦しみに堪えながら何度も出産を強引に阻止され、我慢を強いられることもある。それこそ様々な薬で眠らされたり、無理に陣痛を押さえられたりもする」

「母親も大変だな。そんな変な一族に生まれるなんて」

「否。母親が必ずしも王族とは限らない。我らダースロウが選んでさらってきた一般人ということも何度かあった」

 

 平然と人さらいを告白したダースロウに、アラインはこれまで以上に彼らに不快感を覚えた。それでもグッと堪えて彼の話を聞く。

 

「この国には王が2人いる。月経秤には王族や関係者たちが住んでおり、ダースロウの技術によって作られた、我らの故郷ユーディスのエネルギーを吸い出す吸引装置が置かれている。一般人は中に入ることは愚か、近づくことすらできない」

「! もしかして、月経秤に近づけないのも、お前らの仕業だったのか!?」

「その通り。あそこには帝王に認められた者と、技術力の高い、崇高にしてお互いに均一を図れる再考者のダースロウ数人だけが月桂秤の審査を潜り抜けられる。そう作ったのもまた我々だ」

 

 なぜ今まで月経秤に侵入できないのかわかりアラインは腑に落ちた。基本的に自分よりも能力の高いダースロウが関わっているのなら、突破できなくて当然だ。

 

「月桂秤の双方の皿には『(こう)神巫(いちこ)』と『(くわ)神子(しんし)』がおり、国の回転で場所が動かぬよう空中で位置を固定されて吉凶の均衡を保っている。片方は『(こう)神巫(いちこ)』の住居で、もう一方には『禍の神子』が隔離されている。そしてその二人を中心に、次の12年後のための候補者の入った皿が周囲に無数に配置されている。これが大まかな月桂秤の作りだ――着いたぞ」

 

 到着と言われ、いったいどんな禍々しい光景が待ち受けているのかとアラインは構える。しかしその先を目にした瞬間、脳裏で想像していた不吉なイメージは吹き飛ばされた。

 そこは先が見えないほどの、一面花畑の群生地だった。

 薄暗い洞窟内にはダースロウがそれぞれの花についており、辺り一帯にある地面の裂け目から差す光に照らされて、花びらが舞いながら大小様々な花が咲き乱れている。中にはアラインの背丈の数倍は大きなものまであり、こんな植物は、種類はもちろんのこと、これまで一度も見たこともなかった。

 ダースロウのイメージとはかけ離れた可憐な光景にアラインは一瞬呼吸を忘れた。そんなアラインを置いてダースロウたちが先を行くと、遅れてアラインも群生地に入る。

 

「地下にこんな花畑が……」

「ラシルの花の群生地だ」

 

 どこもかしこも花に覆われた一帯にアラインは思わず舌を巻いた。まさかダースロウに花を愛でる習慣があるとは知らなかったので、仰天したのだ。

 しかし、すぐに違和感に気づく。目を引いたのは、花弁が完全に落ち切って一房の実がなっている一輪のラシルの花だった。注目したのはその赤く透明な実の内部。

 その内部には小さな胎芽が丸まって、生まれる時を今か今かと待ち侘びていた。

 

「それが我らダースロウの胎芽だ。地面から漏れ出ている光は、ユーディスから放たれている光の一部。あれらの実に安易に触れてくれるなよ」

 

 アラインが奇妙な実に目を奪われていると、一体のダースロウが忠告した。言われずともこんな不気味な実に近づきたくなかったアラインは、自ら距離を取る。

 

「見ろ」

 

 アラインが慎重に足場を確保していると、ダースロウが指を差した。そちらに目を向けると、ちょうど他のダースロウたちがラシルの実を収穫しているところだった。

 その様子を横目にアラインたちが先に進んでいくと、岸壁と一体になった小屋が見えてきた。どうやら行き先はそこらしい。やがて辿り着くと一同は中に入る。

 そこでは10数人のダースロウたちが、なにやら細かな作業をしていた。

一列に並べられたいくつもの長机の上に、先ほどラシルの実になっていた房を籠に入れ、一つ一つ丁寧に取り扱っている。

 

 中でも刮目したのは、その小さな房から、アラインが普段『因果歪曲計(ウェザー)』を製造するときと同様に、指先から因果の糸を伸ばして作業していたことだ。

 指先から放った10本の糸を、まるで鍵盤を引くような、あやとりをするかのような手つきで滑らかな動作で動かしている。他の房から取り出した内容物を縫い合わせ、ときには切り離し、アラインが作業するときよりも複雑な工程でもって作業をしていた。

 

「あれはなにをやってるんだ?」

 

 謎の作業をしているダースロウたちを、眉をひそめながらアラインは問うた。

 

「次の『(こう)神巫(いちこ)』となる者の創造作業だ」

「造る……だって!? 『(こう)神巫(いちこ)』を!」

 

 ダースロウの口から告げられた衝撃の事実にアラインは息を呑んだ。そんなアラインに対し、ダースロウは温情のない平坦な声音で頷く。

 

「さよう。あの小さな房の中から綿となる細胞や神経、肉や内臓となる部分を少しずつ集めている。実や筋からは神経となる材料をな」

 

(こう)神巫(いちこ)』が作られている過程をよく観察する。房の中には胎芽の他に、腕や足のパーツ、それ以外にも脳や目やその他の臓器器官がそれぞれの中に入っており、ダースロウたちはそれらをより集めて一つの人形を作っていた。その様子を見てアラインは悟る。

 

「ということは……ユウは、人形なのか?」

 

 ショックを受けて叫ぶアラインに、ダースロウは相変わらず平坦な態度を貫いた。

 そして、アラインの問いには言わずもがなというように鷹揚に頷いて、これでもう一通り説明は済んだというようにダースロウはユウの話は終わらせて顔を上げる。

 

「この地下迷宮は『帝冠クラウン』全域と繋がっている。もちろんここには『生贄の門(スケープゲート)』もなく、タームも簡単に超えることができる」

 ダースロウは再び作業台に視線を戻すと、机に置かれている一輪の花を手に取った。

 

「ここでは幸福の子を吉の地帯に沿いながら、その環境下で育てる必要がある。そのため我々は常に移動しながらこの群生を栽培している。吉凶地帯の一番影響力のある場所の因果から紐説いた選りすぐりの因果と運命の糸と全神経を結び合わせ、誘拐した成長期前の人間の子どもの成長エキスと皮膚の裏側にある生まれたての新鮮な皮膚組織を少しずつこそぎ集めて生地を作るのだ」

「人間の子どもを……材料にしているのか!?」

 

 ダースロウが人をさらうという噂を聞いたのは今回が初めてではなかった。ただその事実を本人の口から直接聞いたことで、想像以上にショックを受けたのだ。

 だがアラインは一旦落ち着く。ここで取り乱しても仕方がない。それよりも他に聞き漏らしたことはないかと頭を回転させ、疑問に思ったことを口に出す。

 

「帝王が二人いるって言うのはどういうことだ? それも『(こう)神巫(いちこ)』と関係あるのか」

「『(くわ)神子(しんし)』のことだな?」

 

 新たな名詞の出現にアラインは身構える。問わずともダースロウは語り出した。

 

「デイス――それが『(くわ)神子(しんし)』の名だ。『(くわ)神子(しんし)』は言わば帝王の半身。帝王が幼少期のころ、我らの儀式によって帝王から取り除かれた片割れであり、皮膚に我らお手製の綿などを詰められた人形。『(こう)神巫(いちこ)』があらゆる恩恵に預かれる存在とするなら、『(くわ)神子(しんし)』はあらゆる不幸を押しつけられる存在だ」

「そいつは今どこにいる?」

「無論、帝王のもとだ。今もなお月桂秤の片方の皿の中に閉じ込められている」

 

 ある程度想像はしていたが、やはりそうかとアラインは息を吐いた。元々ユウも月桂秤から逃げ出して来たという話を聞いたときから、そのくらいは想像できた。

 と、ここまで人知を超えた話を聞いて、アラインはあることにピンとくる。もしかしてと思うと、アラインは正面からダースロウに問うた。

 

「まさかとは思うが……スチュワードもお前らが作ったんじゃないだろうな」

「ククク……あれとの戦闘は壮絶だったと聞いたぞ。よくぞ逃げ切ったものだ」

 

 不敵に笑うダースロウ。それはもはや肯定しているのと一緒だった。

 それを聞かされて、今さら怒る気にもなれなかった。どの道、スチュワードは撃退したのだ。それを今になってどうこう言ったところで後の祭りだろう。

 

「さて、それでは取引の話に戻ろうか」

 

 アラインの様子を見てもう聞き出したいことはないと悟ったのだろう。アラインから言わずとも、ダースロウの方から切り出した。

 

「過去、我らが帝王、もとい王族と我々は契約を交した。その内容は、我々がこの惑星のエネルギー源を提供する代わりに、時期が来たらユーディスを解放するというものだ。それ以来、我らの故郷を取り戻すために200億年もの間繰り返し続けてきた気の遠くなるような作業だ。我らはこのためだけにすべての命運を捧げてきたのだ」

 

 過去に母親を追放し、アラインを忌子と言って拒絶したダースロウから聞かされるには信じられないほど極秘な内容だった。

 忌子と言ってアラインを忌避していた存在にここまで詳細に語るほど、追い詰められている状況ということなのだろうか。

 

「だが今の帝王はその契約を違えようとしている。しかし我らとて一度交わした約束を反故するわけにはいかない。我々はすべてを知った上で契約を続行するのだ」

「帝王に騙されているとわかっていてわざと言いなりになるってことか。なんでそんな奴との約束を守る必要がある? 今すぐ文句の一つでも言えばいいじゃないか」

「まだ青いな、忌子よ。事はそう単純なことではないのだよ」

 

 嘆息するように言うと、ダースロウは子どもに接するような失笑を漏らした。

 それはダースロウが生まれて初めてこちらに慈しみを向けた瞬間だった。その反応が意外でアラインは気味の悪いものを覚えたが、同時に同類として初めて認められたようにも感じた。同類にされたところで、嬉しくもなんともなかったのだが。

 失笑のあとダースロウは近くの机に寄った。そこにはこの世界『帝冠クラウン』を模倣した小さなレプリカが置かれており、匠の技と言えるほど細部まで繊細に作られていた。

 

 驚いたのは、そのレプリカが実際にこの国の軸に沿って回転して動いていることだ。ここまで綿密に作り上げることができるのは、恐らくダースロウのように特異な技術力を持つ者だけだろう。

 そしてアラインは違和感に気づく。そのレプリカは確かにこの世界『帝冠クラウン』を完璧に模っていたのだが、一つだけ奇妙な細工が仕掛けられていた。

 今自分たちのいる表面の地盤だけが左向きに回転しており、そこから下の岩盤はまったく動いていなかったのだ。その様はまるで瓶の蓋を開けるようにクルクルと回転しており、地盤の方も開店するに従って実際に蓋が空けられるように上方に盛り上がっていた。

 

「なんだ、これは?」

「『帝冠クラウン』のレプリカだ」

「それはわかってる。俺が言ってるのは、どうして地盤と岩盤で動きが別々なのかってことだ。これじゃあこの惑星の動きと合ってなくておかしいだろ」

「……なんだアラインよ、お前は知らなかったのか?」

「知らないって……なんのことだよ?」

 

 落胆するように肩を上下させるダースロウに、アラインはムッとした。だがそれも束の間、次の瞬間に告げられた事実にアラインの今までの概念は覆されることになる。

 

「これこそ真の『帝冠クラウン』の姿だ。この惑星は全体が回っているわけではない。上の地盤だけが回転しており、今まさに蓋が開こうとしているのだ」

「なん……だって?」

 

 惑星が絡むほどの規模の大きさに、アラインは衝撃を受けて混乱した。自分の中では処理しきれないほどの情報量に、アラインの中での常識がひっくり返る。

 そんなアラインを横目に、ダースロウはレプリカに手を添えた。

 

「そして今宵、我らの詭謀は最終段階に入る」

 

 ダースロウが『帝冠クラウン』のレプリカを持ち上げた瞬間、洞窟内に激震が走った。

 凄まじい揺れが洞窟全体を襲う中、なにが起きたのかとアラインはダースロウの手元を見る。そこにはレプリカの地盤部分を引っ張ったダースロウがおり、あたかもその衝撃で地震が発生したかのようにアラインの目に映った。そしてダースロウが告げる。

 

「たった今、このタームは完全に不幸地帯の領域に入った」

 

 まともに立っていられないほどの凄まじい揺れに、小屋全体が揺れて置物が落ちる。窓ガラスがカタカタと音を立て、今にも割れそうに唸る。他のダースロウたちは何事が起ころうとしていたのかすでにわかったように落ち着き払っており、しかし激しい揺れに手元が狂い、作業しにくそうに一緒に揺れていた。

 

「お前……いったいなにをした!?」

「なにも戸惑う必要はない。すべては定められていたことだ――そしてお前も」

 

 背後に複数の気配を感じたときには遅かった。アラインは咄嗟に振り返って因果の糸を伸ばす。だがその糸は後ろから詰め寄っていた複数隊のダースロウの長い爪によってバッサリと断ち切られると、たちまち全方向からダースロウの糸がこちらに伸ばされる。

 今なお激しい揺れが続く中、アラインはあっという間にグルグル巻きにされると、その場に磔になって身動きが取れなくなった。いくつにも連なって太くなった糸は、アラインの胴体を始め、首や両足にも絡まり、一切の動きを封じてしまう。

 

「なんのつもりだ!?」

「恐れることは何もない。お前には特別に慈悲をかけてやるだけだ」

「慈悲だって!」

「これより皮剥ぎの儀式を行う」

 

 ダースロウはアラインを拘束すると大々的に宣言した。

 一度耳にしただけでもゾッとするような儀式の名称に、アラインはその儀式が実際にどんな内容なのかを聞かずとも激しい胸騒ぎがした。

 

「よせ、やめろ! 誰がそんな気味悪い儀式……」

「いいや、お前には是が非でもこの通過儀礼を受けてもらう。本来なら裏切り者や忌子は恩恵に預かれない特別な行事だ。その呪いのかかった体ではいずれ『(こう)神巫(いちこ)』も守れなくなることだろう。その前に我々が儀式を済ませてやる」

 その鶴の一声を合図に、首や足首の締め付けが強まったのを感じた。その締めつけは徐々に強くなると、やがて皮膚を切り、肉にまで食い込む。

 周囲のダースロウたちが身動ぎした直後だった。肉にまで食い込んだ糸は皮膚を巻き込んで引っ張られると、まるで腕まくりをするように皮膚もクルクルと巻かれていった。

 

「ぐぁあああああああああ!?」

 

 腕まくりの要領で皮膚が巻かれると、皮膚と肉の間からブチブチと繊維が千切れる音が響く。その生々しい音は途端に激痛に代わると、アラインは不気味な痛みに絶叫を上げた。

 

「元来、我らダースロウの全身には、生まれつきその身を汚す呪いがまとわれていると言われている」

「その汚れを浄化せねば、いずれ呪いが呪印となって現れ、その身を邪悪な化身へと変えると言い伝えられているのだ」

「その物証がお前の肉体の変化だ。お前も自身で呪印に蝕まれて実感しただろう」

 

 それまで黙っていた他のダースロウたちは口々にそう説明すると、メリメリとアラインの皮を剥いでいった。

 想像を絶する痛み、そしてこれまで経験したことのない拷問紛いの扱いに、アラインは全力で暴れて藻掻こうとする。しかし本家であるダースロウによって伸ばされた屈強な糸は決して緩まず、それどころかどんどん締めつけを強めると、確実にアラインの皮膚を剥いでいった。

 到底頭では理解が追いつかない痛みに、アラインは目の前が真っ暗になる。このまま身ぐるみを剥がすように全身の皮を剥がされてしまうのかと、半ば諦めたときだった。

 

 小屋の窓ガラスが一斉に割れ、破片が雨のように降り注いだ。突然の襲撃に何事かとアラインとダースロウたちが振り返ると、窓の外から放たれた複数の糸の塊が、ダースロウ目がけて飛んで行った。

 儀式に集中していたダースロウたちは襲撃に備えられず、一人、また一人と糸の塊の直撃を受けると、床に倒れたり壁にぶつかったりして、そのまま粘着質のある糸の塊に覆われて身動きが取れなくなった。

 途端にアラインを拘束していた糸が緩む。アラインは逃げるなら今だと自身の体を見下ろし、そしてギョッとする。

 無数の小さな蜘蛛たちがアラインを拘束していた糸に集り、噛み切っていた。

 

「この蜘蛛。まさか――」

「一つ貸しだぜ、アライン!」

 

 叫びと同時にまたもや窓が割られる。アラインが顔を向けると、何百匹もの小さな蜘蛛を従えたパリィが、糸の塊を吐いてたちまちダースロウの身動きを封じながら現れた。

 

「パリィ!? なんでお前……」

「さっきから盗み聞きしてりゃあ、なぁんかヤバそうな話ばっか続けてんじゃん? そんで、このままじゃ俺の身も危険だと思ってね。それに――!」

 

 パリィはそのまま大きくジャンプすると、それまでダースロウが作業していた机の上に乗り、八本の脚をダカダカ動かして房や人形をめちゃくちゃに蹴散らした。

 

「こいつらの陰謀も出生もアジトもわかったんだ! こんな襲撃のチャンスは滅多にないってもんだろうがよぉ! オラァ子分ども、外の花もめちゃくちゃに食い荒らしちまえ!」

 

 机という机を立て続けに蹴散らしながら叫ぶと、パリィは再び糸の塊を外に向かって吐き出す。吐き出されたいくつもの糸の塊は途中で破裂すると、中から何十匹もの蜘蛛が飛び散り、群生地一帯に飛びかかって花や房を食べ始めた。

 

「あの化物を捕えろ! 我ら『軸の番人(ダースロウ)』の配剤に則り――ぐぅっ」

 

 すぐにダースロウが祝詞を唱えてパリィの処罰を命じようとする。しかし全身に集った何匹もの蜘蛛に噛みつかれたり邪魔をされると、その指示も途中で途切れた。

 と、パリィがひと暴れしている間に、蜘蛛たちがアラインを拘束していた糸を完全に切る。アラインはようやく自由の身になると、自らも加勢して因果の糸を伸ばした。

 ターゲットにしたのは加勢してきたダースロウ。狙うは素顔を隠した仮面。

 アラインの因果の糸が仮面を取っ払うや、ダースロウは即座に動きを止めて、黒装束を持ち上げて素顔を隠した。その間にダースロウたちを拘束するとアラインはパリィに叫ぶ。

 

「パリィ、出口はわかるか!?」

「風が吹いてくる方向に進みな、そうすれば地上に辿り着ける」

 

 風と聞くと、アラインはすぐさま小屋の外に走り出た。

 扉を開けると、あらゆる場所でラシルの花の群生は上から落ちてきた瓦礫に押し潰されていた。それ以外にも、蜘蛛たちによって噛み千切られたいくつもの花弁が舞い散っていた。

 花びらは風のなびく方に吹かれていくと、アラインに出口の方向を示してくれる。

 

「――あっちか!」

 

 即座に風の動きを読むと、アラインは吹いてくる風に逆らって群生地を走った。

 首や足首で剥がされた皮膚はもう肉にくっついていた。未だに血は流れていたが、驚異の回復力でもう治りつつある。今だけはこの呪われた身に感謝した。

 背後ではパリィが暴れていてくれているため、追手の心配はなかった。

 前から来る他のダースロウたちも、技術面ではアラインの遥か上を行っていたが、体力面や体術面ではアラインの方が勝っていた。

 

 アラインが今なお瓦礫が転がり落ちる崖沿いを走ると、予想通り正面から来たダースロウが糸を伸ばしてくる。アラインはそれを、崖を上りながら斜めの壁面を走ることで交わすと、そのまま上方から因果の糸を伸ばして数体の動きを封じた。

 次いでアラインは崖から跳躍すると、動きを封じたダースロウの顔面に着地し、再び跳躍しながら前方にいるダースロウたちの仮面を吹き飛ばしていく。

 そのまま着地すると、今度は今なお全身に付着していた蜘蛛を掴んで宙に放った。すると宙に放たれた蜘蛛たちは一斉に糸を伸ばし、立て続けにダースロウたちの足元を掬う。

 

 そこで突如風向きが変わった。宙に舞った花弁が斜め下向きに吹き乱れ、アラインに出口を示してくれる。その先は崖の上だった。しかし問題はない。これまで数多の危険を乗り越えてきたアラインに、崖のぼりなど容易いことだった。

 アラインは両手を伸ばすと、その勢いで因果の糸を飛び出ている岩の柱に絡めた。そのまま勢いよく身を引くと、腕力を使って一気に上まで飛んでいく。

 呪印により半分獣化していたアラインの身体能力は、通常時に比べて格段に高まっていた。そのお陰で難なく腕力だけで登ることができる。

 また、上方から落ちてくる岩を避けることも容易だった。

 目指すは、上から漏れ出ている光の先。

 

 瓦礫が落ちてくる量が増えると、風の通り道である唯一の出口でも動きがあった。激しい揺れに、元々狭かった穴はひび割れると、その周囲に亀裂が走りガラガラと音を立てて崩れる。ひび割れに沿って差してくる光が増えると、途端に洞窟を照らす光量も増した。

 アラインはある程度上の方まで来ると、今度は獣化により長く鋭くなった爪で岸壁を掴んだ。そして能力の向上した脚力で岸壁を蹴り、再び糸を伸ばして腕力で持ち上げる。

 何度も何度も何度もそれを繰り返し――やがてアラインは光の先へと消えて行った。




感想・評価お願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。