定期的な運気の変動と、その影響による栄枯盛衰によって、12年の歳月をかけて幸福地帯と不幸地帯が頻繁に入れ替わる、円柱型の惑星『帝冠クラウン』。

 まるで瓶の蓋を回すように、クルクルと吉凶がサイクルするその様子から、アラインたちは『帝冠クラウン』を回転国家の俗称で呼んでいた。

 『帝冠クラウン』には国旗がなく、代わりに各地に風見鶏が設置されている。

 そこに目をつけたアラインは、因果の流れを読む能力『(ホルス)』を駆使し、日々国中を駆けずり回っては各地の風見鶏を、運気の流れをコントロールする機械『因果歪曲計(ウェザー)』搭載型の風見鶏とすり替え、吉凶の影響を受けないセーフポイントを国家全土に張り巡らせていた。

 12年に一度、12日間に渡って国全体で行われる、終幕と新たな門出を同時に祝う式典、聖儀祭を数日後に控えた、ある日のこと。

 恒例の『因果歪曲計(ウェザー)』設置に勤しんでいたアラインは、警備隊に見つかりそうになった仲間を庇い、囮となって逃亡する。

 やがてアラインは、いつものように『(ホルス)』を発動させて運気の流れを読み、視認した因果の奔流から最適な逃走ルートを導こうとするが――
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