刻限の管理者は罰としてプリセプトたちの故郷であるユーディスを惑星の中に閉じ込めてしまいました。そしてプリセプトたち自身にも獣化の呪いをかけたのです。その呪いは長い時間をかけて子孫にも影響していくというものでした。プリセプトたちは刻限の管理者に許しを請いました。
「お願いです刻限の管理者。我々からユーディスを取り上げないでください」
すると刻限の管理者は言いました。
「ならばお前たちの罪の重さに匹敵する数の自分たちの分身を作れ。その分身の重さが罪の重さと均等になれば、そのときユーディスは返却しよう。その任は王族たちに委ねる」
プリセプトたちは刻限の管理者と約束を交わしました。それからプリセプトたちは自分たちの分身として自分たちの罪の姿を生き写した人形を作りました。そして同じ過ちを繰り返さぬよう新たに12の約束を定めたのです。
・姿の真実を晒してはならない
・月の裏側を暴いてはならない
・陽光の深淵を覗いてはならない
・光冠の呈色を閉ざしてはならない
・天球の環状を乱してはならない
・数機の定めを拒んではならない
・天秤の傾きに関与してはならない
・原色の導きを歩まねばならない
・忌子の末裔は育まねばならない
・物語の終止符を打ってはならない
・戒律をときに破らねばならない
・ユーディスを解放せねばならない
回転しない星には栄盛と衰枯の因果が混ざり合い、炎の塊がなくなった国は紫色の空に覆い尽くされました。こうして回転国家が生まれたのです。
そしてプリセプトたちは今でも人形を作り続けているのです。
◇
そしてついに約束が果たされるときが来ました。プリセプトたちが長い年月をかけて作り続けてきた人形が、ついに罪の重さと均衡になったのです。ユーディスはプリセプトたちに返還されました。しかし刻限の管理者は再び炎の塊を見せることはありませんでした。
そのため地上はいつまでも暗闇に閉ざされたままになってしまいました。
そしてプリセプト――もといダースロウたちとユーディスが去ったあとに残されたのは光を失った暗闇の世界でした。そこには12の約束を守れなかった咎人たちだけが取り残されていました。やがてすべての世界が闇に包まれ、たったひとつ残された宙の天球からわずかな光りが照らされるのみとなりました。
そうして数千年の時が過ぎたころ。天空から咎人たちの上に、たった一つ残された宙の天球――星が舞い下りて来ました。とうとうこの静止遊星に因果を合わせ持つ子どもたちが現れたのです。
子どもたちはどんどん分裂を繰り替えして地上に黒い命の雨を降らせました。やがてこの静止遊星に因果が巡りだし新しい世界が作られました。それによってダースロウたちの呪いも解かれていきました。
元々光帝ユーディスの子孫であるダースロウたちが地上をぐるぐる回り始めました。やがて黒い点は帯となりそれが光りへと変わって、4つの燃える炎の球となって上空へと昇っていきました。地上に再び新たな炎の塊――4つの太陽が生まれて、いつまでも世界を照らし続けました。
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