ちなみに知らいない人向けに説明するとハイドリヒは__
ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒの最初の3つは名前で『ハイドリヒ』だけが名字なんです。
実は下の名前が3つあるのは珍しくないらしく、それぞれ意味も異なるとのことです。
「…さて、彼女らからゲームのコードを拝借したが……解析は可能だろうね?」
何故か薄暗い部屋の中、セイアはデスクにもたれ掛かっているリオにゲームコードを手渡す
「ゲーム…ねぇ。データコードを拝見する前に私も一回プレイしてみようかしら」
「先に言っておくがこのゲームをプレイした者は例外無く怒りを覚えていたようだったぞ。危険では?それとも__」
「ええ、感情の制御は得意なの」
「……リオ様」
「どうしたのかしら?トキ」
リオ専属メイドの飛鳥馬トキが無表情で話しかける
__すると、彼女は何故か割れているスクリーンに視線を合わせる
「……あのヒビ割れ、なぜ割れてるのか記憶に無いだなんて言わないでください」
「…………」
リオはバツが悪そうにそっぽ向く
「何かあったのかい?確かに画面が割れているが」
「気にしないでちょうだい。ちょっと機械が暴れただけで___」
「その機械とやらを投げたのは誰でもなくリオ様では?」
「」ビクッ!
「?」
リオは徐ろに顔を逸らす
「以前『テイルズ・サガ・クロニクル2』をプレイなさった時に出来た
「っ!!!!!」
「覚えてますからね。私にコントローラーとカセットを買わせに行かせたあげくそれを当日に壊したのですから」
「__リオ………」
「さて解析を始めるわ」
「ゲームに怒った挙げ句、コントローラーを投げるだなんて」
「この解析には時間が掛かるでしょうから違う部屋でくつろいでいて頂戴」
「しかもそれはパシリに行かせた物だなんて」
「くつろいでて頂戴」
「…そうさせてもらおうかな」
それだけ言い残すと彼女はそそくさと部屋から退出したのであった
「ったく……アイツもあいつだがお前もお前だな」
「__それは、どういう意味かしら?ネル」
どこからとも無く現れたのは少女はネル。彼女も任務を遂行してきたようだ
「いや?アイツの顔…激しいんだよ」
「殆ど無表情にも見えるのに何処が激しいのかしら?」
「…任務中は、我を忘れるほどにこやかな笑顔になりやがるのに___今の表情見たか?曇ってんだよ」
「………」
「トリニティのお嬢様が実は戦闘狂軍団だったっつうなら話は別だ。だが_護衛が付いてたほどの奴だぞ?そんな事あるか?」
「___だからこそ。よ」
「あぁん?」
ネルは首を傾げる
「人は非現実出来な事や、自分とは違う境遇に憧れを抱くもの。そして彼女の場合それがこのEXPOだっただけの話……絵本の中身を憧れる少女と同じ原理だわ」
「…なるほどねぇ……いや、アイツには一貫性がある」
「__私は任務中の彼女を見ていないから何も言えないのだけど、教えてちょうだい」
ネルは小さく「あぁ」と少しだけ返答すると続けざまにこう言い出す
「焦ってんだ」
「………」
「あたしにアイツが何に追われて、何を抱えて、そして何に焦ってんだかは検討も付かねぇ。
勉強かも知んねぇし友人の話かもしれん__それに興味も沸かねぇ……だがな」
「何かをしなければと焦っている目つきだったぜ」
「………」
リオは静かにネルの話を聞いたあと、そっと頷く
「___ひとまず、ご苦労さま。次の任務はまだだから適当にくつろいでいて頂戴」
「おう。腹減ったし冷蔵庫のモン勝手にもらっていいか?_____って、ポン酢とマヨネーズとうどんしかねぇじゃねぇか」
「それがどうしたのかしら?マヨポン酢うどんを食べればいいじゃない」
「想像しただけで腹が痛えよ」
「………」
「それでねそれでね!凄い人が騒動を無くしてくれたんだよ!」
「…なるほど」
「さっすがシーフ王です!こう、パンパカパーンと、民を治めたんですよ!」
「…それで?そのシーフ王とやらは何処へ消えたんですか?」
「方角はあっちです!」
アリスは玄関口を指差す
「……もう一つ。その人は何処かへ行くとか、行ってました?」
「う〜〜〜ん…………あ、秘密基地がなんとかって言ってたなぁ」
「秘密基地…場所覚えてないんですよね」
「それとそれと___『ハイドリヒには内緒にして』って言ってたよ」
「………」
「誰だったの?あの人__教えてほしいんだけど!」
「アリス。興味が湧きました!」
「ははっ、ちょっと用事を思い出したので今日は失礼します」
「えぇ?行っちゃうんですか?」
「すみません…何しろ大事な用事なもので」
「そっか…じゃ!また来てねぇ〜〜〜!」
「では」
そうしてハイドリヒは、力強く歩を進め再びセイアを探しに回るのであった
「あ、そう言えばあの人からハイドリヒのスマホ預かってたんだけど___ま、いいか!」
否、あんまよくない
場所は変わってトリニティ総合学園内
そして武装親衛隊の本拠地である褐色館である
「……はぁ」
その中で誰でもなく、一人の恋する乙女がため息を付いていた
「まったく…なんで私がこんな事を……プンスカプンスカ!」
「怖いです止めてください」
「だーって!」
「だってもヘチマもありませんから」
どうやら武装親衛隊の航空部隊(別名、航空師団)のようだ
彼女らは飛行機は勿論のこと、ヘリコプター¹にミサイル、はたまたオスプレイでさえ保有している部隊だ
正義実現委員会は空の戦力を殆ど保有していないため、事実上トリニティの空を守っているのは彼女らだけだ
そんな彼女らは誇れるものも多かろう
___しかし
「書類仕事は嫌だよぉ〜〜〜〜〜」
キヴォトスという学園都市の関係上、殆ど戦闘機が使われることは無いのだ!ヘリコプターは良く使われる
そのため書類仕事は結構回される彼女らは、不憫であるという言葉以外のもの思いつかない
「なんで私達が戦車とかの尻拭いさせられなきゃいけないのさ!しかも本人はミレニアムに…」
「文句ばっか言ってないで、手を動かしてください」
「ぶー!そんな事言わなくていいじゃん!今休憩中なの!」
「さっきから私しか働いてないじゃないですか」
その部屋の中では2つの話し声と一つのタイピング音だけが反響している
「私は…目の保養係?」
「働いてください」
「ケチ!」
はぁ…というため息の音も反響する
「……黙っていれば美人なんですよ」
「ん?私のこと?」
「それ以外に誰がいるっていうんですか」
彼女自身もそれは自覚している
始業式の時よりも、確実に垢が抜けているということを
「やっぱ眼鏡からコンタクトに変えたのが大っきかったのかなーーー」
「眼鏡を馬鹿にするなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「えぇ__(困惑)」
「…あ。失礼しました」
急に叫びだす部下に驚きを隠せないと同時に、とうとうここまで来てしまったのかと不安感が募る
「ですから、美人なのは放っておいて早く仕事始めてください」
「はいは〜〜〜い」
「ったく………」
「はぁ……いつになったら出撃出来るんだろうね」
「さぁ?でも考えられる中では_________
長官から緊急出動命令が下った時くらいじゃないですかね?」
皆も、熱中症には気をつけなよ。
炎天下の中でなくても、熱中症には気をつけなよ。
自分は大丈夫だと思ってても、熱中症には気をつけなよ。
BBQ中でも、熱中症には気をつけなよ。