頭が痛くなる系の風邪ひきました。
「はぁ…はぁ……ここは何処だ?」
(いつまで走り回っていたのかは検討もつかない……しかし今私が置かれている状況を鑑みるに、とても良いものとは言えないだろう)
「………」
セイアは息を整えると、体を左右にくねらせ状況を確認する
「……何も…ない」
辺りは一面薄暗く視認性がとても悪い_それに加えて見知らぬ場所ときた
(うぅむ__このミレニアムは入り組んでいる学園だと聞く。こうも知らない場所だと、私自身が迷子になってしまったと捉えるのが一般的だろうか___いや)
「私が帰れる可能性はあるのか?」
ヒュウっと冷たい風がセイアの背中をくすぐる
ビクッとした感覚に襲われたのはきっと風だけの仕業ではないだろう
「……とにかく動こう」
セイアが取った手段はあまりにも単純だった
グォォォォッ!!!
「__ん?今なんか聞こえたか?」
キョロキョロとあたりを見渡すが、自分以外誰もいないのを確認する
(ふむ…ミレニアムだし自動で動く機械が多いのだろう)
ドガァァァァン!!!
「なにぃぃぃぃぃ!!!」
(こいつは……この前の機械ワニ!)
横の壁から突如として、かつて戦ったことのある機械で出来たワニが飛び出す
「グォォォ………___」
ギロッ
「……くっ!」
(こいつ…確実に私をロックオンしている__再び逃げなければならないのか!!!)
「お兄様!ですからアリスはゲヘナに遊びに行きたいです!」
「却下です。あんな糞みたいな学園に行ったとて学べることは何も無いですよ」
「学べるもの…た、沢山あります!」
「御託を並べることほど咄嗟に出来ることはありません」
「むぅぅぅぅ……!」
「珍しくハイドリヒとアリス、喧嘩してるね〜〜〜」
「これだからクソボケは___」
「関係なくない?」
場所はミレニアムのとある展示場にて、兄と妹は可愛く言い合いをしていた
「例えば…色んな人と出会うことが出来ます!これならお兄様も反論できないはずです」
「なるほど、確かに色々な価値観や人脈に触れることで培うことの出来る能力というのは計り知れないでしょう」
「や、やっと分かってくれましたか?______」
「ただし、それが奴らみたいに悪人だらけの場所であるのなら話は別です。環境とは恐ろしいもので、人を正反対の性格に豹変させることも出来ます。あんな環境にいたらアリスはヤンキーになっちゃいますから」
「い、いえ……ヒナさん達は決してモンスターなんかでは………」
(そこまで言ってなくない?)
「モンスター?フリークス?関係ありません。駄目です、教育に悪い人間がいますからね」
「だったら___
「………っ」
瞬間、二人の間で固まる空気
「お、珍しくアリスが皮肉言った……そんな事も出来るんだ」
「当たり前でしょう?王女は全てに勝る生物なのですから」
(ハイドリヒさんの血筋?)
「……アリスさん、今なんて?」
静かな_しかし、確かにその一言には確実に怒気に似た何かが含まれてた
「あ、あぅぅ……アリスだって、遊びに行きたいです!」
「健全な場所なら大丈夫ですよ。ゲヘナは健全な場所に入りますか?
横を見てもクズ、後ろを見てもバカ、そして前を向いたら暴力の嵐___アリスさん、これは警告です」
「むぅっ!じゃぁこれもアリスからの警告です!アリスはゲヘナに行きたいです!」
「はぁ……アリスさん、いい加減分かってください、私はアリスさんを心配してるのですよ」
「それは違います!これは束縛って言うんです!この前のケイと同じです!!!」
「ぐふっ!」
「ケイ!?」
「束縛?これを束縛だと言うのなら_この世に存在する法律もルールも約束事も全て束縛です。よってこれはただの愛情であり___」
「要らないです!!!」
「………………っ」
再び冷える空気、特にハイドリヒの目は凍てつている
「アリス_そんな愛情なんかいりません!!!」
「ちょっ、アリスっ。言っちゃいけないことが___」
「そうだよ!一旦落ち着いて___」
「アリス…アリスは………」
「お兄様なんかだいっきらいです!!!」
「…………………………………」
「………」
「………」
今度固まったのは空気なんかじゃない、全員だ
誰一人もその場から動けはしない___
「アリスさん____」
「な、なんですかっ!言っておきますけどアリスの考えは変わりませんっ!」
「………」
ポタッ
「_____?」
冷たい冷たい地面に滴り落ちる一つの雫
「__なんで……なんでそんな事言うんですがぁ_!!!」
「!?」
「わだじはただ…アリズに幸せになっでぼじがだっだだけですっ!!!」
「ちょっ、お兄様!?」
上を見上げると、確実にハイドリヒは泣いていた
そう、泣いていた
目から溢れんばかりの涙を放出させて__泣いていた¹
ドサッ!
「!?」
地面に力なく両手から倒れ込むハイドリヒ…その間にも生まれ続ける涙の池
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!アリズに嫌われだぁぁぁ!!!」
「落ち着きなさいクソボケ兄様!泣くんじゃぁありません!」
バシッ!と音がおもいっきり出るくらいにぶん殴るケイ…しかし、兄は泣き止まない
「アリズに嫌われて__泣かない人間がいまずがぁぁぁぁぁぁ!!!!この世の中を___がえだいっっっっ!!!!!!!!!!」
「それは…それもそうですね」
「ちょっとケイ!納得しないで!」
「あ、アリスは____」
「くぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ギュッ
「!?!?!?!?!?!??!?!?」
ハイドリヒを包み込むような優しさ_包容感、小さい体を精一杯使って抱きつくアリス
「お兄様__アリスはお兄様が大好きですから…心配しないでくださいっ!!!」
「あ、あ、あ__アリスぅぅぅぅぅぅぅぅっっぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
「お兄様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「えぇ話や__」
「泣いちゃった……グスン」
「長官殿……うっうっぅ___(泣)」
ちなみにハイドリヒが泣いた場所はミレニアムの展示場である
公然の前で、泣きじゃくったのである
「あ、ハイドリヒさん。そう言えばメール来てますよ」
「メール?誰からですか?」
「そうですね__」ガサゴソガサゴソ
「__あ、えっと……『ミカ様』?って人からです」
「うえぇ…私が何したっていうんですか」
ハイドリヒは涙を拭き取って、怪訝な表情でスマホを受け取りモモトークに移る
「……うぅん……『セイアちゃんが危ない!』__ですか」
面倒くさいなぁ_でも
一応連絡しとくか
「うぉぉぉぉぉぉ!」
ガッシャーン!!!
「くぅっ!?」
(すぐ後ろで何か爆発した__確実に殺られるっ!)
一方セイアは何処か暗い道で逃げ回っていた
「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ…」
(私の体力ももう限界__いつこの機械に追いつかれるかも……時間の問題__か)
タッタッタッタッタッ
長時間_とはいかないが、たった数分走っただけだが日頃から運動をしてこなかった彼女にとって数十秒でも走るのは苦痛の何事でもなかった
「はぁ…はぁ……くっ!!!」
(何か打開できる方法は………)
辺りを見渡す
「………くそっ!!!」
何もなかった
「あっ」
ゴロン
疲れも溜まっていたのだろう、とうとう何も無い所で転んでしまった___
「くぅっ…………もはやここまで………」
眼の前に迫りくるワニは、なぜだか今だけは恐ろしい恐竜のように見えてしまう
__果たして、セイアはこの後どうなってしまうのであろうか?
「くそ…………」
セイアはこの後のミライを予想したかのように目をつむり、流れに身を任せるのであった
「探しましたよ!!!!!」
ドゴォ!
「グァッ!?」
「!?」
瞬間、横に吹き飛ぶワニ
ニッコリ笑顔でワニの横っ腹をぶん殴るトレーニング部
何が何だか理解でいないセイア
現場はカオス
「ふむ……なるほど。とゆうことはセイア様が今危機的状況だと?」
『そーゆーこと!』
電話の向こうではミカ様が元気いっぱいな声で返答している
「セイア様は今何処に?」
『えと…今座標送るね!最近GPS?機能が追加されて追加されたじゃんね』
はいはい……うぉ、地下にいるじゃん
___まてよ?これって____
「私の真下ですね」
『えぇ!?そんな事ある!?』
めちゃ驚くやん___でもな
「じゃぁ…最短ルートで行きますね」
『ガンバじゃんね!✨️』
「………」
「ふんふふ〜ん♪」
「__なぁ、離す気は__」
「無いです!頑張りましょう!」
「………」
(私は今、彼女に身動きを封じられ、担がれ__何処か苦しい場所に向かっているのであろう)
「………っ」
(はぁ、もっとハイドリヒの言葉を聞いておけば良かった_____)
ドゴォォォォン!!!
「なにぃ!?」
「っ!?」
突如、空が崩壊し光が舞い込んでくる
なぜだ?爆薬でも置かれていたのだろうか?
__そんなセイアの想像も、この一言で簡単に打ち拉がれた
「お久しぶりですね。セイア様」
「ハイドリヒ!!!」
そう、ハイドリヒだ!
「やれやれ、なんだか今日は壁やら天井やらが壊れる事が多いね」
「ったく…お迎えに上がりましたよ」
「___新しいトレーニング希望者?」
「……貴方は」
「ふふっ、名乗るほどでもありません…しかし、この天井を破壊できるほどのパワー……きっと一緒にトレーニングしたら楽しいんでしょうねぇ」
にやりと、彼女は微笑む
「…セイア様を離しなさい」
「それは無理な願いですよ。もうトレーニングは決まってるのですから」
「へぇ?__では、実力行使しかありませんか」
「ほぉ?それもまたトレーニングですね」
「え?ちょっ、待ちたまえ!私を担ぎながら戦おうとするんじゃない!」
向かい合う二人___その眼は確実に敵を仕留めてやろうという気持ちを感じる
「………」
「あ!あそこに野生のダンベルが!」
「なにぃ!?」クルッ
後ろを振り向くが、そこには段ボール以外何もなかった
「………?」
その瞬間
ピンッ
「!?」
パァァァン!!!
「ぐぉぉぉぉぉ!!!」
「おらぁ!」
バギッ!
「っ!!!!!」
フラッシュバンを眼の前で炸裂させ腹に思いっきり蹴りを入れる
その姿はなんとも容赦のない姿だった
「逃げますよっ!」
「わ、分かった!」
セイアはハイドリヒに手を引かれ、すぐにその場からさっていった
「ふぅ……ここまでくれば追ってこないはずです」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
俺の眼の前ではセイア様が息を切らしている
そりゃあそうか、こんな貧弱お嬢様だし
___ところで
「セイア様?」
「っ」ビクッ
セイアはブルッと背筋を震わせる
「私が、どれだけ苦労したか知ってますか?いや、知ってないでしょうが」
「す、すまない___まさかこんなことになるとは_」
「だから止めたじゃありませんか。予想できるミライでしたよ?」
「うぐぅ………」
ぐうの音も出ないようだ
___まぁ
「セイア様、楽しかったですか」
「う、うん……それなりに…いや、結構楽しかった___いや違うんだ!それは別に変な意味があって言ったわけじゃ____」
「なら良かったです」
「_____へ?」
「セイア様も良い気分転換になったでしょう。なら、これまで私がした努力は全て無駄では無かったってことですよね」
「…君は………ふふっ、ほんとにいい人間だね」
「身に余る光栄です__てか帰りますよ!ティーパーティーのミカ様にナギサ様はめちゃ心配してるんですからね!」
「___ふふっ、帰るか」
「そうですね。すぐに帰宅しますよ___もっとも家ではありませんが」
「__ハイドリヒ」
「はい?」
「おんぶしてくれ」
「はぁ?」
「いや、ずっと走り続けて私の足はもう限界だ___だから…ね?」
「はぁ…分かりましたよ」
「ありがとうね」
よいしょっと
「こんなのまるで父娘みたいじゃないか」
「そうですか?__そうですか?」
ハイドリヒはセイアを背中に乗せ、帰路を闊歩する
夕焼けの空を進むその姿は、まさしく家族のように見えよう
「好きだ」
セイアの一言が、暁色の空に染み込む
「__ありがとうございます」
「_____このクソボケ」
「なんで最後私が侮辱されるんですか!?!?!?」
否、彼は最後の最後までクソボケであった
果たして彼が彼女の気持ちを気づける日が来るのであろうか?
それは1ヶ月後か、1年後か、もしくはそれ以上_____いや
案外近いかもしれない
ちなみにアズサに突き飛ばされた時は本気で自◯を考えました。
この小説の目標であったこれが終わりました!!!
いやー結構ありましたね___
次からはガルパのグの兎に行く前に__ちょっと蛇足に行きます!!!!
これからもお願いします!!!!!