忠誠こそ我が名誉inトリニティ   作:もりもりバナナ

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うおおおおおおおお!!!!!!!
今日はアズサの誕生日の90日前前夜祭だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!

これは深夜テンション混じりで作ってるのでそんな感じっす。
あ、前回の続きみたいな感じなので短めっす、あとまた持ち越しっす。



先生、お時間貰えますか?

 

「…先生、お時間貰えますか?」

 

「………」

 

まるで先生は、『人を呼んでおいてその態度はなんだ?』とでも言いたいだろう

 

俺だったらそう言う__なにせ、このトリニティのテラスに呼んだのは俺だからだ

 

「うん。生徒のお願いならね」

 

先生は屈託もない笑顔でそう俺に返す

 

 

 

 

 

 

 

場所はトリニティ総合学園のとあるテラス

 

そこには、椅子に腰掛けている二人と扉で警備している二人の武装親衛隊員が立っている

 

 

「何故先生はラビット小隊を解放したのですか?」

 

「………」

 

ハイドリヒの質問がただ、空中を舞う

 

「…逃したのか、檻の扉を開けたのか……恐らく先生であれば後者の方でしょう?分かりきってますよ」

 

視線だけで先生を射止めながら、ハイドリヒは離し続ける

 

「彼女らは立派な犯罪者、牢屋で反省すべきだということは周知の事実です。

にも関わらず放出させるということは…なにか納得のできる理由があるのですね?」

 

それに対して先生は___

 

 

 

 

 

「ハイドリヒも大人になったら分かるよ」

 

だった

 

「………」

 

「私は曲がりなりにも一応君より7歳も年上だからね。これでも人生経験は豊富なほうだよ」

 

「………論点を変えましょう。

先生にとってこれは『正義』でしたか?」

 

ハイドリヒは足を組み替え、先生に問い出す

 

「正義…ねぇ。これって難しい質問だよね、私って先生だけど難しい事を考えるのって苦手でさ…でも、正義は考え続けてた。私は胸を張って頷けるよ」

 

「……正義というのは普遍的な理想ではなく、その時代や社会の利害、力関係によって変わるものです。

正義を掲げる側』が必ずしも純粋な善意で動いているわけではなく、しばしば政治的・経済的な都合に正義という言葉を利用しているだけです__」

 

「でもさ、どんな悪い人が上に立ってても正義を信じる人は生まれるもんだよ。それが少ない人数が唱えてた言葉でもさ、いつ何処だって正義は生き続けるんじゃない?」

 

「たった少人数の弱々しい正義論が正しいと言うのですか?先生、我々は一人じゃありません、大多数です。もし一人で生活しているんだったらそれは言えるでしょうが、この社会において少人数だけの正義は圧倒的な力で押しつぶされます」

 

「いいや押しつぶされたりなんかしない。人の為を思って行動しようとする意思とか考えはいつまで経っても消えないはずだよ……現にほら、私だってそうだし」

 

「潰されなくても這い上がれなかったら意味が無いでしょ。世の中に出ない理論なんて無いのと同然ですからね。

理想は自分の身体の中だけに留めておいてください」

 

「………」

 

「それに先生、大人になれば分かると申しましたがそれは間違いです。訂正してください」

 

ハイドリヒの容赦のない言葉が先生に向かって突き進む

 

彼の正確無比な言葉は、頭よりも心で動く先生にはかなり効果的だった

 

___しかし

 

 

「私は、それでも生徒を信じたい」

 

 

先生は何処までも、理想的で、幻想的で、そして善人だったのだ

 

「ハイドリヒ、君が言ってる事は多分正解なんだろうね、頭がいいハイドリヒだからこそ現実的は話が出来るんだと思ってる。先生として鼻が高いよ」

 

「………」

 

「…でもさ、人には心がある、感情がある、幸せに不幸だってあるんだ。合理的にやるのは確かに良いかもしれないけど_皆の事を考えてあげて?」

 

「ハイドリヒはまだ子供なんだからさ、これから苦しいことも楽しいこともいっぱい経験してみて…そしたらもっと考え方が変わるはずだよ」

 

 

脳内で、先生の言葉が反芻する

 

それと同時に以前までの先生の輝かしい姿が、頭の中でフラッシュバックされた

 

 

「………」

 

俺は生きてる

 

今もなお生き続けてる

 

多分死んでも俺の意思は生き続けるだろう____

 

「………先生」

 

死人に口は無い

 

心臓の鼓動が消えてしまえば、それ以上動かない

 

「ハイドリヒ?」

 

眼の前で奪われた命はいくら集めようが復活しない

 

死んだ後に増援が来ようが何の意味を成さない

 

死ぬ前にいくら正義を物語ろうと、意味がない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___そう、それは年にして13歳程の時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後の日差しが少し傾きかけた頃、広い野原に吹く風は心地よく、草の香りを運んでいた

 

母はシンプルなワンピースに麦わら帽子の姿で、俺のまだ小さかった手をしっかりと握っている

 

仕事で多労なはずなのに、その時だけは全て忘れているかのようにいつもより穏やかな顔をしていた

 

 

『お母様、こっちです!』

 

 

俺は母の手を引いて丘の上に走る

 

母の弱々しい手をその両手で感じ取りながらも、段々と上がっていった

 

 

『ふふっ、早いですよ』

 

 

付いてきてくれる母の笑い声は澄んでいて、夏の空に響き渡るような透き通るような、そんな感じがした

 

振り返ると、母のヘイローに照らされた髪が揺れていて、その姿は眩しいほどだった

 

 

『ふっふふ〜〜〜ん!』

 

 

俺が疲れて草原に転がると、母も隣にそっと腰を下ろして空を一緒に見上げてくれる

 

雲の形を指して、『あれ、ウサギさんに見えるね』だの『あっちはロケットかな?』なんて他愛もなく話す

 

俺が一際大きな雲を見つけて『あれ、すっごい大きい!』なんて言うと、母は隣で静かに笑ってくれてた

 

その笑顔が、何にも変えられないほど眩しかった

 

 

 

 

 

野原での一時は、時間が止まったみたいに穏やかだった

 

母が草を編んで小さな冠を作り、そっと俺の頭に乗せてくれる

 

 

『ほら、王子様みたいですよ』

 

 

そう言って笑う顔は、少しだけ日焼けしていて_ちょっと病弱で、どこか儚げでもあった

 

俺は照れながら、『じゃぁ、お母様はお姫様ですね!』なんて言って、母にも草で出来た冠を被せる

 

母はそれを両手で抑えながら、『即位式だね』なんて冗談を返してくれた

 

 

 

 

 

その後、母はシートの上にお弁当を広げてくれた

 

サンドイッチにおにぎり、どれも形は崩れていて母が作ったんだと一目で分かる

 

どれも食べ慣れた味では無かったが、それを食べるといつものシェフが作る料理よりも何倍も美味しく感じられた

 

母は一番大きなおにぎりを俺に渡し、自分は小さいのを食べようとする

 

 

『お母様も食べてください』

 

 

__と差し出すと

 

 

『いいえ、大丈夫ですよ。私はラインハルトが元気に食べてくれるのが、一番嬉しいんですもの』

 

 

___と、優しく断られた

 

その時の母の表情をずっと覚えている

 

 

 

 

 

風が吹き、白いワンピースが触れて、野原の草がざわざわと鳴る。その音さえも、どこか子守唄のように感じられた

 

やがて日が沈みかけてるころ、母は俺を抱き上げて背中におぶってくれた

 

決して大きな背中ではないが、俺にとっては何よりも広く頼りのある背中だった

 

草の匂いと母の優しい匂いに包まれて安心感に包まれていたのを覚えている

 

 

『いつか……ラインハルトが大きくなったら、ちゃんと愛する者を幸せにしてくださいね?

それは大人だから分かるとかではありません。今からしっかりと、学んでいきましょう』

 

 

幼い俺は力強く___

 

 

『はい!』

 

 

と答えた

 

 

 

 

『ゴホッ…ゴホッ……』

 

『お母様…大丈夫?』

 

 

咳き込む母に俺は心配の眼差しを向けると、それを察知したかのように

 

 

『ええ、もちろん』

 

 

__と、すぐに柔らかく微笑んだ

 

 

『私、大きくなったらお母様を絶対に楽にさせます!』

 

 

なんて幼い声で言うと、母は一瞬驚いたように目を丸くして、ふっと優しく笑みを見せたのが、背中越しでも分かった

 

 

『ふふっ…それだけで十分ですよ。今こうして一緒にいられるのが、一番幸せなんですから』

 

 

その言葉が胸に刻まれた

 

野原の風景も、光の粒のような笑顔も、全てが宝物のように鮮明に残っている

 

 

『ずっと、一緒にいましょうね!』

 

 

俺は無邪気な笑みを見せて、母に顔を傾ける

 

そこには、いつまでも_ずっと幸せそうな表情の母がいて、そっと話しかけてくれる

 

 

『はい、もちろんです___約束しましょう』

 

 

そっと母は俺を地面に下ろし、小指を差し出す

 

俺もそれに応えるように、小指を母の指に絡ませ、永遠に誓った

 

ただの子供だましの誓かもしれないが、それが何よりも、どんな契約書よりも硬い絆になったと想っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

想っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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