ガチャすり抜けふざけんなよ。
「〜〜〜とゆうわけなんですよ」
「……なるほど。先生がデカタルトに誘拐されて大変だと」
「デカルトです」
アズサは頷いている。どうやら話を理解してくれたようだ
「それで、ヘイローのない人間が人質にされるのは初めてだから私にアドバイスが欲しいって理由ね…理解した」
「さすがアズサさんですね……」
特にこれと言った理由は無いが、アズサさんに話すだけで安心できるのは信頼の証だろう。アズサさんは俺には無い物を持っているぅっ!
それは強強メンタルだっ!__はい
「まぁ任せて。私にだって秘策くらいある」
そう言うとアズサは部屋に備え付けられているクローゼットをそっと開ける
ザザッ
「これを使って」
「___ふむ」
見間違いかもしれない
今俺の前に、確かにロケットランチャーがクローゼットに収納されてる気が……
「…っアズサさん、それはいったい…」
「これ?これは無反動砲だけど_」
「なるほど……って、無反動砲だけどじゃありませんが!?
なに人が貸してる部屋に無反動砲¹は置きませんよ……」
「あぁ、ごめん。きっとハイドリヒは名前が知りたいんだな」
「違いますね」
「最近拾ったんだ。これはSPG-9²ちゃん」
「”ちゃん”!?」
「いい?ハイドリヒ。拾い物にしては随分と状態が良い…確かめたら使えたんだ」
「た、確かめる……ナルホド…」
「多少改良した砲弾もなんとか使えた。ライフリング構造が無いおかげだな」ウンウン
「え、えと……なるほど!アズサさんはこれを相手にぶち込むって事ですね……ですがアズサさん。相手は先生という生身の人質が……」
「もーまんたい、気にしないでハイドリヒ」
アズサはすかさずハイドリヒの言葉を遮断する。
どうやらよほど自身があるようだ
「では行きましょう!行きは車でかっ飛ばしますから___」
「待って」ガシッ
「はい?時は一刻も争う事態ですよアズサさん_」
「これ使うんだよ」
サッ
「?」
アズサは先程紹介してたSPG-9ちゃんを指差す
その見た目はなんとも無骨であり、美しい___だが
なぜか話がいまいち噛み合わない………
「あ、アズサさん?えっと…」
「移動手段」
「車です」
「これだよ?」
__は?
はぇ?
「こ、ここっこの無反動砲…をっ?」
「大丈夫。ちょっと改良して人をくくりつけて飛ばせるようにしたんだ」
「な、なんの答えにもなっていない……ま、まさか…ねぇ」
ハイドリヒの脳裏に嫌な予想が思い浮かぶが、あいにくそれは的中してしまう
ガチャンコンッ
「方角は…こっちだな」
「ちょっアズサさん!?もしかして…もしかしなくても飛ばす気ですか!?」
「敵の不意をつく、これは戦術において当たり前でしょ?」
「そうですけどそうじゃなくて〜っ!」
「男は泣き言を吐かない。黙って」
ジェンダーもクソも無いな……問題そこじゃねぇけどっ!!!
「むぅ…動くとうまく巻けない」
「巻かないでくれませんっ!?」
そう言いながらアズサさんは俺の体に手際よく縄を巻き付けていく。あかんやつや
「後方確認っ!」
「ちょ、無反動砲特有の後方確認しなくていいですかr「発射ッ!」えちょま…」
カチッ
ドゴォ〜〜〜ンッ!!!!!
「ぐえっ!」
ボキッ
砲弾に結びつけられたハイドリヒは、抵抗虚しく空に打ち上げられた
角度、風速、どれをとっても満点だし恐らく着弾は狙った場所に着くだろう
だが問題がある。それは着弾予想地点にいる先生でも、砲弾にくくりつけられたハイドリヒでもない
_その問題は_____
ヒュ〜〜〜〜〜〜〜ッ
「よし、よく飛んでいったね」
恋人をいとも容易く打ち上げれる、アズサの倫理観かもしれない_いや、きっとそうだ
廃倉庫にて
「ふ〜っふっふっふ!やってやりましたよ!聞いた話によると、彼はご令息との事ですね〜?」ニヤニヤ
「………っ」
「もう、たっくさぁん食べ物を貰いますからね!肉に野菜に米!__おっといけません。私としたことが、よだれが止まりませんよぉ……ふふっ!」
「…………」
(___またか)
廃倉庫の壁にもたれかかりながら、自責の念にかられる女性が一人
「…………」
よかった、って想ってしまった自分がいる。最低だ
でもそれでいい……今は生きるほうが大事…いやっ、それでも……っ!
怖い
死ぬのがずっと怖い
昔読んでた漫画では、正義のヒーローが現れて悪をなぎ倒す展開の物ばかりを読んでいた
『悪さはやめろ!』
ヒーローが言う
『けっ、知ったこっちゃねぇぜ!』
悪が言い放つ
雨の日も、風の日も、親がいない日も、雪の日も、泣かされた日も、怪我をした日も、ご飯が無い日も
ずーっと、この世の中にはヒーローがいて私を助けてくれるんだと…
その考えが、都市とともに徐々に変わっていくのに嫌悪感が芽生えた
『「正義を掲げる側」が必ずしも純粋な善意で動いているわけではなく、しばしば政治的・経済的な都合に正義という言葉を利用しているだけです』
__うん、分かってた
『ねぇ。あんたの正義って、正しいことってなに?お母さんに教えてよ______ねぇ!』
__っ___ごめんなさい
『他人に関わることが、単に正義だとは限りませんよ?先生』
__そうかもね
ずっと、分かってた
正義は無い
誰かの正義が前に出ると、他の人の正義が無くなっちゃう。私はそれを見て見ぬふりしてきてたんだよ
それも終わりにしちゃおっか
こうして皆の前で、”正義”を貫いてきた結果がこれなんだから
ヒュゥ〜〜〜ッ
昔話の正義のヒーローなんて現れない
昔も、今も、たぶんこれからm______
ズゴオォォォンッ!!!
「ぬぁぁぁんですかっ!?」
「砲撃ですか!?それとも隕石が……!?」
「落ち着け!い、いいいったん整理を……」
突如として崩壊する廃倉庫の屋根
慌てふためくデカルト達……中には物陰に隠れてしまう者もいる
「____へ?」
そして、その爆心地の中央には…………
「い、いつつつ……痛いですね…」
やべ、背骨折れてる♡
「_____っ!?」
ハ、はは………
「ハイドリヒィ!?!?!?」
「も、もちろんです…っ」
そこにはなんと、倒れた状態のラインハルト・ハイドリヒがいたのだった!
「な、なんですか貴方!?砲弾……いえ、人間ん!?!?!?」
彼はデカルトの存在に気がついたのか、よろよろと体を起き上がらせ__
「お初にお目にかかります……私、先程お電話頂いたラインハルト・ハイドリヒ本人ですっ!」
「「「ええええぇぇぇ!!!!????」」」
うわっ、うるせぇなぁ
折れた背骨に響くぜぇ……治ってる!?(n回目)
「は、ハイドリヒ…どうして……」
「ふふっ、先生が誘拐されて助けない男がいますか?
__________それより」クルッ
「!?」
ハイドリヒはデカルトの方に向き直し
「そこで首を並べてるのは、殺しても良いんですよね?」
「「「ひ、ひぃぃぃぃぃぃっ」」」
ピーポーピーポー
「逮捕にご協力いただき感謝します。先生に_ハイドリヒさん」
「いえいえ」
「………」
尾形カンナは目元に隈を蓄えながら、必死に接しようとしてくる。それがなんとも幼気で微笑ましい
「しかし…なんですかあれ?全員揃いも揃って背骨が折られて__」
「気にしなくて結構です」
連行されてゆく所確幸のメンバーは全員、真っ二つに背骨を折られてタンカーで運ばれていた。
中には泡を噴き出す者さえいたのだ
「では、後始末はまかせました」
彼女は「了解です」と答え、パトカーに乗り現場を後にするのだった……
「………」
カーッカーッ
夕方、教師と生徒の二人が廃倉庫の前にて肩を並べている
遠くではカラスの鳴き声が響き渡り、場をただ自然な夕暮れに作り上げていた
「…………ありがとね」
最初に口を開いた先生は、どこかやるせない気持ちで俯いている
「いえ、お気になさらず」
「ハイドリヒに助けてもらってばっかだ…ははっ_」
「………」
「__ハイドリヒ、なんでハイドリヒは私を助けてくれたの?」
意味のない質問に聞こえる
なぜなら、答えはもう決まっているからだ
「それは………」
「先生が私の正義の一部だからです」
「____へ?」
間抜けな顔をする先生。いつも通りな感じだ
「え、ちょっ、それってどうゆう意味?」
「そのまんまの意味です。私にとって、先生は道しるべです。いなくなっては進む方向を見失い、信じなければハッピーエンドにはたどり着けない__違います?」
「えぇ〜………そうかな…」
「それに___先生の正義は理想論でしょ?」
「…っ……理想論だね……だかr「だからこそ!追い求めるんですよ先生」…っ!」
夕日を見つめていたハイドリヒは、再び振り向いて………
「だって先生が教えてくれたでしょう?『理想論だからこそ追い求めなきゃいけない』って」
「…………ははっ……うん……そうだね……!」
先生の顔には、再び生命が宿ったかのように明るくなる
「ま、どういう意味かは大人になるまで分かりませんけど〜」
「ちょっと〜それも私が言ったこと?」
夕日を背に、再び並んだ肩
いったいどこの誰が崩せるというのか?__いや
もう考えるのはやめにしよう
それが正義に繋がるかもしれないから__
筒状になっているのは反動を後ろに受け流したりなんとかしたりするためです。戦車の大砲は後ろにガッツリ機械があって反動を受け流せないのであんなにキツくなってるんです。
遅れてすみません。毎回2000文字くらい書いてから執筆が止まるんです………。