しゃぶしゃぶ用の豚肉を焼いて食べたら。
「あれ?これ天才じゃね?たくさん食べれるし、すぐ焼ける!」
って思ったけど、焼きすぎるとすぐ焦げるし、油がキツイ………。
「すみませんでしたぁっ!!!」
ドゲザッ!
「………」
「な、何をしてるんだこの男は……!?」
「ひゅ〜っ!」
土下座
それは日本において日本の伝統的な謝罪・懇願・服従の姿勢のひとつ
恐らく今この小説を読んでる大半の読者様はやったことなどないだろう……
それもそのはず。土下座はこれ以上無い謝罪を意味し、最終手段なのだから
「は、ハイドリヒ……」
___ではなぜ、この男は土下座しているのだろうか?
時は遡る
『……な、なんでハイドリヒがいるの?』
『………』
彼は先程よりも落ち着いた雨の中、傘さえ差さずに立っていた
身長、おおよそ180cmの大男が何もせず立っているのは、それだけで威圧感が大きいだろう
『……協力…しませんか』
『協力ぅ?なんだよ今さらっ!』
サキがスコップを止め、叫ぶ
『協力……いえ、一時的な同盟関係と呼ぶべきでしょうか__まぁ貴方がたにも悪くない話です』
『……さっきから話の中身が見えません』
ミヤコは冷たく指摘する
『SRTを復活させてあげましょうか?』
『っ!?』
その場の全員が表情を固まらせる
雨は段々と勢いを失い、声が更に届くようになる
『その代わりに貴方がたにはお願いしたいことがあるんs________
ドゴォッ!
『っ!?』
『え!?』
『……ふざけないでください』
ミヤコの拳が、いつの間にか彼のみぞおちに打ち込まれる
その反動だろう。ハイドリヒは半歩後ろにのけぞる
『っ……な、なんで…』
理解できない目をしたハイドリヒに、ミヤコは反論する
『確かに、私達は貴方の目から見たら哀れな貧乏人でしょう__弾薬も枯渇し、人も少ない…もちろん十分なお金だってありません………ですが__』
『尊厳まで捨てたわけじゃありませんっ!』
『………っ』
『ミヤコ……』
『放っておきましょう。私達がすべき事はこんな金持ちに協力することじゃありませんからね』
『そ、そうだな…さ、雨も止んできたから頑張ろうか』
『そーそー、金持ちボンボン金髪野獣は無視無視』
『ひゃぅ………』
『………』
去っていくラビット小隊を目に、唖然とするハイドリヒ
ぽかんと口を開け、目は去りゆくラビット小隊を見つめてる
『…ハイドリヒ_言わなきゃいけないことが、あるんじゃない?』
『せ、先生……』
そばに寄り添う先生__そして、彼は決心する
『あ、あの!ラビット小隊の皆さん!』
『あぁん?』
『なに、今になって許しを請おうってこと〜?』
「ひゃぅ………」
『言っておきますが、私は決して貴方を許しませんから____』
ザッ
『?』
ハイドリヒは両の手を地面につき、膝を地面に落とし………
「すみませんでしたぁっ!!!」
今に至る
彼は頭をこれでもかと地面に押し付け…てか半分埋まらせて
「うわぁ………」
↑
まさか土下座をするとは思わなかった先生
「…悪口言って…すみません……っ!」
「………」
「え、えと…そこまでしろとは言ってなくて…とりあえず顔上げません?」
「うっうぅ……ずびばぜん…!」
「それとSRT復興の話なんですが、校舎に45口径46cm三連装砲を要求します」
「あとずっと補給されてるアイスクリームの冷蔵庫も頼む」
「それに大陸間弾道ミサイル…最高だねっ!」
「あの…その……倍率400倍のスコープ___」
「私はシャーレに無限に湧き出るお酒の噴水が欲しいかな」
「は、はい……検討します__先生は駄目です」
「え」
「承知しました。皆様にはご迷惑をおかけしたのでなんとか用意します……」
「やった!」
さすが金持ちハイドリヒ、彼女らの要望を全部飲み込めるようだ
__それはさておき
「でもさ…一番欲しいのは」
「あぁ、あれだよね」
「ひゃぅ……」
「ええもちろん。分かってます」
「___へ?これ以外に欲しいものがあるのですか?」
「ハイドリヒさん、私達はまず____」
「「「思いっきりお風呂に入りたい」です」んだけど」
「………は、はぁ___」
ミレニアムにて
「……はぁ」
膝から力が抜ける。どうにか、ひとつは越えたらしい
シャァァァァッ
へ?なんでミレニアムにいるのかって?
そりゃ最寄りで風呂入れる所ミレニアムしか知らんかったし。金もかからんし。何かと便利だからなミレニアムって
俺だって日頃から金を無心に使ってるってわけじゃないんだぞ?金持ちなのは否定しないが
「しっかし……先生まで一目散に入るとは。アレって一応大人でしょう?」
__なんて苦言を漏らすが、彼女も一人の乙女だ。雨に打ちひしがれたら風呂にでも入りたくなるだろう
俺?風呂の数が足りんから入れんかった。
このまま乙女たちの入ってるお風呂場にお邪魔しちゃおっかな〜?
なんちって!ぐえっへっへっへっへ!
__さっむ
ファサッ
「?」
突如、頭に何やら布のような感触が襲う___いや
タオル?一体誰が……
「ハイドリヒさん♡」
「貴方は…おや、ミドリさんじゃありませんか」
彼女の名前は才羽ミドリ。バカモモイの妹だ
___いや、待てよ?俺ってミドリにミレニアムに来るって連絡したか?してないよな
「えと…ミドリさん。なぜ私がここに来たと分かったんですか?教えてないはずでしたが__」
「嫌ですねぇ、私今日はそんな予感がしたんですよ。今日このミレニアムサイエンススクールにハイドリヒさんが来るって」
「すっごーい」
すげー予知能力じゃん
___いや、ストーカーっ!?
「ですがこんなに濡れて…心配ですよ。ちゃんと体を温めなきゃ風邪ひきますよ?」
あぁなんだ、ただ単に心配してくれたんだ__。
ストーカーかと疑った俺を殺してやりたい…すまねぇ。ミドリすまねぇっ!
「ほら、熱出して寝込む前にお風呂入りましょ?背中くらい流せますから…」
「そんなの悪いですよ。それに今は風呂使用中ですし」
「なら待ってますよ……ふふっ♡」
「っ!?」
な、なんて健気でいい子なんだっ!?
関心だなぁ…俺がミドリの立場だったら絶対に入らないのに
こんな汚い男の背中を流したいだなんて…慈悲深いなぁ
____すると
ガチャッ
「ふぃー、さっぱりした!____あれ?ミドリじゃーん」
「あ、先生」
どうやら彼女らは風呂から上がったようだ
勿論タオルは巻いてある
「では私は先に会議室にいますからね。これだけ伝えたかったです」
「おっけーん。皆にもそう伝えとくよ」
「ありがとうございます。では」
サッ
「あちょっ、何処に行くんですか?」
立ち上がるハイドリヒを見つめるミドリ
なんとも悲しげで愛おしそうな目つきだ
「少し話し合いです。タオルありがとうございました」
「あっ…………」
さっそうと歩いていくハイドリヒ
タオルを1枚残して
「じゃ、私も行ってるからね…あ、皆ぁ!会議室にいるからー」
「分かりました」
風呂場からミヤコの声が聞こえてくる
「ばいばーい」
いつの間にか着替え終わっていた先生も、その場を後にする
その場に残されたミドリ
「……ハイドリヒさんのタオル……」
手に残っているのは、先程までハイドリヒの汗と雨をふんだんに吸ったタオル
「………んっ♡」
数分後、会議室にて
「では、これから作戦要領を説明します」
「どんとこーい」
一人の男と、先生と、四人の乙女が会議室の椅子に座っている
「まず目標を言います。これから貴方がたにはヴァルキューレ警察学校に侵入し、とある資料を盗んでもらいます」
「なるほどね……はいっ!?」
目を丸くする先生…そりゃそうか
「私達にヴァルキューレを?出来るだろうけど…リスクが大きすぎる」
「そうです、サキの言うとおりですよ」
「これにはちゃんと理由がありますからね?まず私とヴァルキューレ警察学校の関係から話さねばなりません」
「な、なるほど……」
「我々、つまるところ
「ならその友好な友達からなんで盗まなきゃいけないの?」
モエから当たり前の返しが来る
「そうです、つい先程手を切られました」
「ぶっほwwwそりゃドンマイwww」
「新たに手を組んだのはカイザーです」
「やばいやん」
表情が忙しいなお前………
「え?とゆうか私企業と公機関が手を結んではいけないのでは?」
「それはラインハルトパワーでどうにかしてました」
「どうにかなるもんなんだ……」
今そんな話してないでしょっ!黙ってね!
「さて、それまで素晴らしい武器や弾薬を安価で回していたのですが、それが出来なくなり__」
「ほんとは?」
「一世代ほど前の武器と廃棄予定だった弾薬を売りつけてました」
「でしょうね」
話せば話すほど俺のボロが出るな…気にせんといて
「それでですね、カイザーの武器で更にパワーアップされた
「えー?それでもこの子ならなんとか打ち返せるでしょ」
先生の言ってることは正しい
ラビット小隊はとってもつおい、つおい、めちゃつおい。
この前負けたが…ヴァルキューレ警察学校単体だとするとなんとか持ちこたえられるだろう
___だが
「先程の大雨で装備のほとんどは使えなくなってしまったのでは?」
「っ」ギクッ
「そ、そうだな……ははっ」
「でもあんたから弾薬と武器貰えばよくなーい?」
「だとしても何日も攻め続けられるのは精神的にもくるでしょ。もっともそれに青春を全部かけたいのなら文句は言いませんが…そうでもないでしょうし」
「そうれもそうだけど…」
「待って」
「はい?」
先生が話にストップをかける
「おかしくない?カイザーが無償でこんな事するわけが無い…腐ってもカイザー、何か企んでるに違いないよ」
「__ふむ」
「私が思うに、子ウサギタウンの浮浪者とか危ない人を一斉に検挙させる気じゃない?そんで土地を買い取る。
いくつか激しい抗争でもしたら住人がいなくなるかもしれない、それも狙ってるんだろうね」
「………御名答」
「えぇ!?それって本当なんですか!?」
ミヤコが大声を出す
「ヴァルキューレはそれに使われてる操り人形って事です」
「で、でも警察と企業が手を結んで罪なき市民を攻撃するなんて…違法でしょ!」
「その通りですよ」
↑
警察学校と裏で手を結んでた男
「…ですが、止める方法はあります」
「__とゆうと?」
「ええ、先に我々が___」
「侵入して、カイザーと繋がってる物理的証拠を盗み、公表します」
「………」
「………」
「……まじ?」
「マジです」
どうやら理解できていないようだ
「ヴァルキューレ警察学校はネットワークで情報を保管していないので、必然的に侵入することになりました」
「そんな泥棒だめだよ!ここは警察に通報…」
「警察はヴァルキューレですよ」
「あ__じゃぁヴァルキューレじゃない警察組織は……」
「それが我々SRTです、先生」
「そ、そうなんだ……」
「でもさ、流石にあんな要塞に攻め込むのは…」
「そ、そうだよ__実際に今の私達はSRTだとは呼びにくいんだしさ」
「そこをどうにか……アイツラをぶっ潰してやりたいんですっ!」
「行ってきなよ」
「っ!?」
「せ、先生…?」
突如、優しい声が会議室に響き渡る
「行ってきな、いざという時は私が責任取るからさ…頑張ってね」
先生の一言に唖然とする生徒_が
「ふふっ、先生が責任取ってくれるなら…行かない道はありませんよね」
「…変な人」
「はぁー?先生、自分の言ってる意味分かる?」
「……ふへへっ……」
「ほれみろ、やっぱアホだ」
だが
彼女らの決意は、どうやら固まったようだ
「ハイドリヒさん」
「なんでしょう」
ミヤコが振り向いて、ハイドリヒに言葉を投げる
「私は決して貴方を信用していませんが…今回は手を組みます」
「…感謝します」
「ふん……それで皆さん。これより、ヴァルキューレ警察学校とカイザーの不正行為を正すため、ヴァルキューレから物的証拠を確保するため」
「クローバー作戦を開始します」
なんかユウカのヘイローを見た時既視感あったんだよなぁ……。
なんでだと思う?龍田。