ハイドリヒの忠誠心が下がった
ハイドリヒの反抗心が上がった
筆者の視力が下がった
とある夜の教室にて、補習授業部は黙々とペンを走らせていた
するとヒフミが終わりを告げる
「皆さん今日もお疲れ様でした!とうとう明日が二次試験ですので今日は明日のためにも早く休みましょう!」
「そうね」
「ああ」
「はい」
「それもそうですね、明日の二次試験で自他共に認めさせられるような結果を出せることを願います」
「きっとできるよ、こんなに頑張ったんだしさ」
そうだよな、この一週間皆が寝る間を惜しんで勉強してたし先生も先生なりにサポートしてたからな……たぶん合格点の60点は取れるだろ
やっぱ努力は裏切らない!(諸説あり)
「そういえばさ、受験会場ってこの前と同じでいいの?」
「おっと確認してませんでした………トリニティ掲示板では……」
いつの間にかそんな提示版あったんだ、知らんかったわ
「受験会場は………え?」
「?」
「ヒフミちゃんどうかしました?」
「え!?う、嘘ですよね…!?」
気が動転しているヒフミのスマホをハナコが覗く
「すみません……『次の試験内容は既存の3倍』…!?」
「____は?」
「『また合格点を60点から90点に引き上げとする』………」
「う、嘘でしょ!?それってあまりにも…ひどいじゃない!!」
コハルの悲痛な叫びが響き渡る
「…なるほど、ナギサさんはどうしても私達を退学させたいようですね……」
……まじかよあの女
「__退学?」
「えっ!た、たた退学ぅ!?どうゆうことよ!」
「ああ、伝えてませんでしたね」
「…その話も気になりますが、他にも変更されたところがあるようです」
「まだあるんですか?」
「あ、ほんとだ……『試験会場はゲヘナ自治区第16エリア77番街、廃墟の一階』……え?」
「そ、それって本当ですか!?」
「……ええ、そのようです」
「なぜ次の試験場がゲヘナなんですか!?」
「し、知らないわよそんなの……」
ゲヘナ、言わずもがな治安がやばい場所でありトリニティの仮想敵でもある
そんな場所にトリニティの生徒が行けば絶対に良くないことが起きることは予想するほどでもないだろう
「なるほど、試験会場が違う学園なんてことがあるんだな」
「普通無いです」
「ど、どうしましょう……恐らく試験会場にさえたどり着けませんよぉ」
「一つ提案があるんだけど武装親衛隊に護衛してもらうってのは……」
「無理です、他の学園に無許可で軍隊を侵攻させるなんて宣戦布告と同義です」
ハイドリヒが断ち切る
「……てことはハイドリヒさんは一緒に来れないのでは?」
お、なかなか鋭いところに気がつくな
「てかもし行かなければ未受験で不合格だよね……予想以上にやばいね……」
「それもそうなんだけど、退学ってどうゆうことよ!!まったくの初耳なんだけど!?」
「………それに関しては先生が説明してくれるそうです」
「え?私?___ま、まあ説明すると……」
「なるほど、3回不合格だったら退学になると………」
「隠してごめんなさい……まさかこんな事になるとは思ってなくて…」
「ど、どうするの!?退学になんてなったら正義実現委員会に復帰どころか……あうぅ」
「………」
「ひとまず出発しよう」
「!?」
「試験の開始時間は『深夜の3時』ってなってる。もう出発しないと間に合わないぞ」
「あ、ほんとだ」
「驚くのも絶望するのも怒るのも、今は時間がない。
大事なのは悲観しないで最後まで足掻き続ける事だ」
「あ、アズサ……」
「……ふふっ」
「そうですね、アズサちゃんの言う通りです」
「さて、装備を確認してくれ」
「……できるだけ衝突は避けてくださいね」
「大丈夫大丈夫!私がなんとかするから!」
気楽そうにカラカラと笑う先生、心配そうに見つめる
「じゃあ、行こうか」
__________
「……はぁ」
何処にもいねぇあの女………いっつもあの椅子に座ってるくせしてなんでいねぇんだよ
何も無い無人の廊下で、ハイドリヒは嘆く
「くそっ私に話もせずに……そんなに私は信用できませんか!?」
そんな事言ってもどうしようもねえな……今はできることを優先しよう
ゲヘナに行ったんだよね……ゲヘナかぁ
クソどもの巣窟だよなぁ
「ゲヘナ……あ」
アイツに会おう
__________
とあるトリニティ郊外の喫茶店
中は嫌と言うほど静まり返っている。
まるでお通夜のようだ
その店にはこれと言って特徴がない。
美味しいケーキも絵になるジュースもありはしない
店内はがらんとして空席だらけである
しかし、ここに一人の少女が座っていた
………いや、一人の少女というのは少し違うだろう。
一人の少女と一人の男が並んで座っていた
男が話しかける
「……まずはこのような貴重な時間をとっていただき誠に感謝申し上げます、
「…私も貴方が接触してくるとは夢にも思っていなかったわ」
ここにゲヘナ風紀委員会の委員長とトリニティ武装親衛隊の長官が並んで座っているのであった
「すみませんね、急にこんな時間をいただいちゃって」
「……聞いた話によると、貴方そうとうゲヘナが嫌いらしいじゃない」
「ええ、同じ空間にいるのでさえ嫌ですし心底憎んでいます」
「………」
「……しかし、今回はお話しておきたい事がございまして」
「話たいこと?」
「単刀直入に言います」
「貴方は敵ですか?」
「……言っている意味が理解できないわ」
「失礼、まず我が学園内にとある反学園グループがあります、名を『崇高なるゲヘナ』…まぁ、この時点でやばい奴らって分かりますね」
「聞いたことはあるわね。
段々と勢力を伸ばしているって聞くわ」
ヒナがあいづちを打つ
「流石です………さて、この団体は最初こそ力は全くなかったんです。それこそ一つのヘルメット団のように。
しかし、ここ最近急速的に勢力を増強しています」
「そのようね」
「………なぜでしょうか」
「………」
「なぜ二桁にも満たない雑兵達が我々が危惧するまで強くなれたのでしょうか」
「……先に言っておく、私達は何もしてない」
ヒナは何も隠し事は無いかのようにキッパリと言い放つ
「少し話は変わりますが、貴方の上司に羽沼マコトとか言うクソ野郎がいますよね」
「いるわね。確かにクソ野郎だわ」
「ゲヘナと言う腐った納屋のてっぺんで陣取っているクズです」
「………」
「そいつに言ってください、『援助はやめろ』…と」
「!?」
ヒナはハイドリヒが放った言葉に驚きを隠せない
「おや、驚いているとは……もしかしてご存知無かったのですか?」
急に困った顔になるハイドリヒ、視線の先には驚いた様子のヒナがいる
「……もしかしてあの狸が援助してたの?」
「そのようです、もしこの情報が世に知られたらゲヘナもトリニティも大変危険な事態に陥りますからね」
「なるほど、その情報は信頼できるの?」
「…まぁこっちの
おっと、この話は聞かなかったことにしてください」
「もし破ったら?」
「きっと破りません、それに貴方にもそうゆう組織があるでしょう」
「……それもそうね。ところで、なにか証拠でもあるの?」
「これを」スッ
内ポケットから写真を数枚取り出す
「これは………はぁ、いつになったら私の前に休暇が出てくるのかしら」
「お互い様ですね。一応この写真は渡しておきます」
「あら、ありがとう」
「貴方も苦労してるようですね。目の下の隈が目立っていますよ」
「そうかしら」
「ええ、ゲヘナは不良共が多いとお聞きします
___エデン条約がどのように作用するかですね……」
話題は自然とエデン条約に移ってゆく
「そうね、私としては無事終わってくれればどうだっていいわ」
「ふふふ、治安維持組織の長が言う事ではありませんね」
「__長…ね………ねぇハイドリヒ」
「なんでしょうか?」
「もし、もし……長官の職を辞したいって思ったら、そう思えたら貴方はどうする?」
質問の意図が見えない
「…そう思ったことが無いので想像もできませんが…」
「そう、変なことを聞いたわね」
…あやしい。
てか普通なんかきっかけがない限りこんな事聞かねぇだろ
う〜ん、失恋か?(不正解)
恋煩いか?(不正解)
仕事のストレスか?(ほぼ正解)
「失礼ですが……もしかして委員長を辞めようとしてます?」
「………」
ビンゴ、当たったな
「なぜですか?風紀委員の委員長とゆう名誉なことはあまりありませんよ」
「名誉…ね。
貴方だって名誉のために働いてるわけじゃないでしょ?」
「……」
「その沈黙、正解と取っていいわね」
「なにが、なにがあったんですか?」
ハイドリヒは心配そうにヒナの顔を覗く
「………疲れた」
「はい?」
「疲れちゃった。
毎日毎日仕事仕事仕事仕事しごとしごとしごとしごとしごと__それなのに……」
シナシナッ
「!?」
「……はぁ」
ヒナの口からまるで生気のない幽霊の吐息のような物が溢れだす
「……」
「…ごめんなさいね、こんな姿見せちゃって」
「………」
「委員長として強くいなきゃなのに……」
「……子供は弱いです」
「___え?」
ヒナは俯いていた顔をハッと彼に向き直す
「何にも一人では動けません、考えれません、もし出来ていると感じているのならそれは大見当違いです」
「……そうかしら」
「はい、そのくせプライドが高くなんで一人で抱え込んでしまいます。それが貴方の弱みです」
「わたしの?」
「今まで貴方は仕事や色々な事で仲間に頼ったことがありますか?」
「………」
「その沈黙、正解と取りますね」
「…そうね」
「いっかい信用できる人に相談してみるといいですよ」
「…ふふっ。ゲヘナには厳しいって聞いたけどそれは嘘だったようね。
意外と優しくて驚いたわ」
「私はゲヘナのクソ共が大嫌いなだけです」
(やっぱり噂は噂なのね……)
しかし、ハイドリヒの心情はこうだ
うお〜〜〜!!!あんたがいなくなったらゲヘナの治安が終わるだろ!今でも結構な頻度でゲヘナの不良が漏れ出てトリニティに来るんだから困るんだよぉ〜〜〜!!!
もうこれ以上武装親衛隊の苦労を増やさないでくれぇ!てかもうマコトの代わりに議長になれよ!どうせ
でもこのゲヘナ野郎がぁ!死ぬまで働けや!!文句言うなぁ!!!泣き言を言うなぁ!!!!(鬼)
こんな感じである
「今日はありがとう、少し気持ちが軽くなったわ……ここにお代置いとくわね」
「いえいえ、ここは私が払いますよ。ゲヘナの汚い人間が触った通貨など店側も受け取りたくは無いでしょう」
「うふふ、ありがとね」
そう言ってヒナは椅子から立ち上がり、玄関口に向かおうと体を傾ける
「あと、最後に一つ言わせてもらいます」
「?」
ヒナは帰路に向かおうとしていた体を戻す
「貴方は絶対に部長を辞めません」
「その考察、外れてると期待するわ」
少しニヤけたような、それでどこか微笑ましいような笑みが彼女の去りゆく姿に消えていった
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「部長、本気ですか?」
「ええ、そうよ」
「い、一応万魔殿の許可を「必要ないわ」は、はぃぃ」
「そもそもあの狸共のせいだから、自分の物は自分で拭い去らなきゃ」
「了解しました」
「…アコ、全実働部隊に伝えて」
「____これより、私達はトリニティへ進行する」
ヒナのメンタル………どないなっとんねん