こら!アコの事を「変態横乳」って呼ぶのやめなさい!
アコは人間の次に賢い生き物なんだぞ!!
「ヒナイインチョウッ!ヒナイインチョウッ!」
こら!アコも発情するのはやめなさい!
「先生!…よかった……目を覚ましたんですね!」
病室のドアから何やら派手な格好の救護騎士団が現れた
「………」
「あ、失礼しました……少しうるさすぎましたね」
「でもさっきハイドリヒさんは勢いよく抱きついていましたよね」
「は、ハスミさん?」
ばか!それ言うなよ!?
「へ、へぇ……」ニヤニヤ
こいつ……!
「ひ、ひとまずご無事で良かったです…これから救急医学部の方が来ます。それで診断してもらいますからね」
「オッケー」
何がオッケーだよ………こっちは大変だったんだぞ!?
______ん?
「救急医学部?それって確かゲヘナ……」
「はい!ここはゲヘナの方とトリニティの方のどちらも入院しています!」
………は?
「そのカーテンの向こうにも」
シャッ
「ご覧の通り」
「こ、こんにちは………」
カーテンの向こう側にはなにやらメガネをかけたエルフ耳の女性がいた
「…………」
「こっちにもいますよ!」
シャッ!
もうお腹いっぱいだよ___
「…………なんですか」
「ちょ、アコちゃん……初対面の人じゃん。私は違うけど」
もい一方のカーテンの向こう側には見覚えのある褐色肌と、ジョジョで出てきそうな奇抜な服装を着ているデカチチがいた
「チナツにアコにイオリだね……元気そうで良かった」
「どこが元気そうですか!傷だらけですよ!!!」
「うっさいです黙ってください」
「な!?」
うっせぇなこの横乳……黙れよ
「お久しぶりですね、イオリさん……ご無事で何よりです」
「あ、ああ………」
「では私は御暇させていただきますね。仕事もありますし」ガチャッ
「あ、ちょ」
そう言ってハイドリヒはさっそうと病室から出ていくのであった
「何なんですかあの男は………非常識すぎます」
「アコちゃんの服装に比べたらそんな事ないよ」
__________
ひとまずは良かった。久しぶりに先生の体温を感じることが出来たし___あんま柔らかくなかったけど
「では帰りましょうか、例の部隊ももうそろそろ出来てきているはずです」
「了解です…………随分と嬉しそうですね」
「そ、そうですか?」
「はい、さっきとは比べ物にならないほど笑顔です」
「…………!」
部下に言われて初めて自分がニヤニヤとした顔つきだった事を自覚する
「……………ふふふ」
「あ、笑った」
もう笑わずにはいられんだろ
__________
「うへぇ……疲れましたね、スズミさん」
「なんかいっつも元気なレイサさんがこんな感じなのは珍しいですね」
場所は第五校舎、一度レジスタンスに奪われたが武装親衛隊と自警団が中心となって奪還に成功した場所だ
「それにしても………まさかこんな日が来るなんて思いもしませんでしたよ。でも親衛隊の方々は立派ですねぇ…ずっと仕事していて」
「さっきも数名が呼び出されていましたよね…何でしたっけ?あい…っぺん……?」
「アインザッツグルッペンの事です」
話題は自然と武装親衛隊に傾く
「どんな部隊なんでしょうね……やっぱ呼び出されるくらいだから精鋭なんでしょうか?」
「……………」
「す、スズミさん?」
「____噂ですが、あまり関わらない方がいいです」
「へぇ?スズミさんが噂だけで関わらない事を勧めるって珍しいですね。いつもならそうゆうのあんま言わないのに」
「………噂ですけど、あの部隊の正式名称って知ってますか?」
「え、えっと……あ、愛のザッツのグルッペンですか?」
「違います、
「ぎゃ、虐殺!?」
「………あんまり人には言わないでほしい情報ですが…これは各部隊のある条件を満たした一部を選抜して、行動する部隊です___でも虐殺って名前には入っていますが別に殺すわけじゃありません」
「そ、そうなんですか………」
「半殺しです」
「は、半殺しぃ!?」
「………はい、でも隊員の多くは自分は選ばれることが無いって思ってます。だって自分が条件に当てはまってるなんて思えませんでしたからね」
「じょ、条件ってなんですか?」
「…………いえ、もうこの話はやめにしましょう。聞かれてたら私達もアインザッツグルッペンに狙われちゃいます」
「えええ!?」
その時
「スズミさん、お電話です」
「……了解しました。レイサさん、ここで待っててくださいね」
「了解しました!」
そしてスズミはレイサの元から離れて武装親衛隊の通信機の方に向かうのであった
__________
「………どうも」
『お久しぶりですね、元気してましたか?』
「はい、可愛い後輩と共に頑張ってます」
『それは良かった。ちゃんと後輩のことは良くしてくれてるんですね』
「はい、それが私の仕事なので」
『相変わらず凄い正義感ですねぇ…あれで三年生の自警団はいないので、実質的なリーダーは貴方ですからね』
「はい、重々承知してます………それで、どのようなご要件で?」
『そうですね、本題に入らせてもらいます……明日我々は総攻撃を開始します、それまで褐色館前の防衛線で守ってほしいんです』
「…………了解しました」
『頼みますよ…ただでさえ人員が足りない状況なので』
「はい、すぐに連絡します」
『ありがとうございます………では』
プツッ
「………」
電話が切れる
「………はぁ、長官は人使いが荒いんだから」
__________
「………はぁ」
「あれ?長官ってスズミさんとお友達だったんですか?」
一人の純粋無垢な隊員がハイドリヒ対してそう問いかける
「お友達ってゆうか…そもそも武装親衛隊と自警団の関係って知ってます?」
「え?知ってる?」
「いや、知らない」
「右に同じく」
俺の前にいる三人はどうやら知っていないようだ
「武装親衛隊と自警団は元々同じ組織だったんですよ」
「えぇぇ!?そうだったんですか!?…じゃ、じゃあなんで分裂したんですか?」
お、いい反応するねぇ
「何十年も前、武装親衛隊ではいられない生徒が出ました」
「?」
「その時の長官がその生徒達の為に武装親衛隊の傘下として独立させました…それが自警団です」
「な、なるほど?」
「しかし独立とは名ばかりで最終的な決定権は武装親衛隊の物です、一応自警団にもリーダーがいますけど……まぁ今はいませんけどね。
長いナイフの夜事件って知ってますか?」
「聞いたことはあります……」
「武装親衛隊ならびに正義実現委員会、シスターフッド、ティーパーティーの護衛隊、救護騎士団、図書委員会、そして自警団で大規模な粛清を始めました。その時は三年生で大量の反学園思想が蔓延してましたのでそれを無くそうとした感じです」
「はへぇぇそんな事があったんですね」
「特に当時の自警団の三年生は酷く、ティーパーティーの殺害計画までありました」
「えぇぇ!そんな計画まで!?」
「これを重く受け止めた当時の武装親衛隊長官は自警団は正義心があると認められない場合、即退部させるように命じました……今の自警団に三年生がいないのはそれが理由です」
「なるほど…自警団で三年生がいない理由は良く分かりましたが、なんでリーダーが不在なんですか?二年生にやらせたっていいでしょうに」
確かにこいつの言ってる意味も分かる、事実俺は一年生なのにこの武装親衛隊のリーダーだ
「残念ながら、リーダーだった三年生を退部させた直後にこんな第二次トリニティ内戦が起こっちゃいましたからね…実質的なリーダーはいますがまだ正式には決まっておりません…まぁもう確定なもんですが」
「そのほぼ確定なリーダーがスズミさんってことですね」
「その通りです」
…………
こいつらはスズミが元武装親衛隊員だなんて知らないんだろうな
「それと例の部隊はいつ運用するんですか?」
「……ひとまずは防衛任務を」
__________
「……………」
この世界の何処かにて、赤い女と黒い男が対面していた
窓と呼べる物は無く、長方形の形をした部屋の真ん中にテーブルが一つ、そこに二つの紅茶が注がれている
対面するように置かれたアンティークな椅子
特に面白みも協調性もない部屋である
………唯一優れているのは防音性能くらいであろうか
「__それで、どうしたんですか?黒服…何かお願いごとでも?」
「ええ、貴方に折り言ってお願いがあるんですよ。ベアトリーチェ」
「ほう?珍しいですねぇ……普段から契約契約とうるさいのに」
そう言いながら彼女はニタニタと変形した口を扇子で隠す
「何でしょうか?条件次第で叶えてあげないこともありませんよ」
「……まず、トリニティにアリウス分校を使って侵攻してますよね」
「それは止める気はありません」
「いえ、そのトリニティ総合学園の武装親衛隊の長官のことは知っていますよね?」
「…ああ、ラインハルト・ハイドリヒですよね。あの男の息子だと以前聞きました」
「………その男子生徒には危害を加えないでほしいんです」
「……これも、あの男との契約ですか」
「はい」
「………」
(そうですね…最初から危害は加える予定はありませんでしたが、これはいいチャンスです。せいぜい利用させてもらいましょう)
「……それは困りましたね、予定では全員なぎ倒すのでしたが……分かりました。じゃあ契約ですよね?こちらからも要求させてもらいます」
どうやらベアトリーチェは黒服を利用するようだ
「………何でしょうか?」
「貴方、すっごい便利なものを持ってますよねぇ……例えば瞬時にまったく違う所に転送する機械……とか」
「………あれは消耗品です、瞬間移動装置にある化合物を入れ、設定するとそこに転送ができます」
「そうですか、では3回分だけで構いません」
(ここで大量に要求して断られても困りますからね…黒服はそれだけのことができる男だとは百も承知です)
まるで商談と言うには程遠い、心理戦のようだ
「………分かりました、契約成立です」スッ
黒服は契約成立を祝い、握手をしようとベアトリーチェに手を伸ばす
「…………では、帰らせてもらいます。
例の代物については郵送してください」
しかし、彼女はその手を取ろうとなんてしなかった
__________
深夜…時刻は午前1時
ハイドリヒは執務室にて一人考え事をしていた
「…………」
手はじゃっかん震えていて、目の焦点も定まっていない
「………はぁ」
ひとつ大きなため息をこぼす
……不安
不安だ、ひとまず今日はなんとかしのげた。しかし、事態はやはり最悪だ
まず物資が少ない。保存庫がいくつか爆破された
それに負傷者だらけだ。慣れない大規模な戦闘だったり今回はほぼ総力戦みたいな感じだったからなぁ……幸い死者の報告は来ていないが、時間の問題かもしれない
__一刻もはやくこの事態を安静させる事が望まれる……はぁ
しかも相手には手慣れがいる……アリウス分校って奴らはやばい、それに例の幽霊部隊も
そして極めつけには戦闘員が相手に比べて少ない。やばい
戦闘員数は戦力につながる、もちろん質も大事だが多ければ多いほどその組織は強大だ
その点についてあの幽霊の数が………くっそ
がちでシュタイナーくらいの頭がないとどうにもならん気がする……正実のツルギさんなら……
…………
…………本当にツルギさんは信用できるのか?
こうして会場を爆発されたのは…まあ百歩譲って良しとする
だが
弾丸一発で致命傷になる先生を安全な場所に護送することが出来なかったのは誰でもないツルギさんの責任だ。あんな人にトリニティの命運は任せられない
シスターフッドは信用できない
救護騎士団は論外だ
この時、ハイドリヒの心にはかつてのナギサのように疑心暗鬼が占領していた
だから…他の組織には頼れられない
唯一頼れるのは………
……いや、だめだ
また先生に傷つけさせようとしていたのか俺は
最低だな
なんとか先生が傷つかないような__痛い目に遭わないような作戦を………
「………とりあえずアインザッツグルッペンをここに向かわせて…。
次に砲撃から一斉攻撃……いや、防衛線のほうが……」
「悩んでますね」
「はい、やはりどの時代も指揮官という立場の人間は苦悩を持つものですね」
「確かに…貴方とは話が通じます」
「ふふふ……そうですね………」
てことはこの人も…………?
ん?
ここであるおかしな事にやっと気づく
「………貴方、誰?」
「はじめまして…ですね、私の名前はベアトリーチェと言います。
貴方の自己紹介はいりませんよ、知ってますからね」
隣にさも当たり前かのように赤色の女性が立っていた
もちろん執務室の扉は開いていない、それにここは明らかに窓からは入れないような場所にある
つまり_____
「部外者ってことですね」
「そうかもしれませんね」