焼き芋って美味しいですよね
カリカリ
お茶会があった次の日
特に人と会う予定のないハイドリヒは自室で勉強をしていた
「……」
カリカリ
教科は社会、このキヴォトスやトリニティについての勉強をしてるのだ
う〜〜ん……意外とこの世界の歴史もおもろいなぁ
前世ではまったく勉強をしなかったが、この家のお坊ちゃまになるとそうはいかない
トリニティの名家であるから勉学のみならずスポーツに社会のマナー、ダンスに様々な楽器を心得ないといけないのだ
ぶっちゃけバイオリンとかは憧れてたけど……マナーって厳しいんだな
トウモロコシは素手で食べるのがマナーなのは初めて知ったわ
その時
コンコンコン
「はい」
ガチャ
「失礼します、お坊ちゃまのお気に召しそうな物を持ってきました」
俺の気に入りそうな物?
「まさか銃ですか?」
「さようです」
ビンゴ
とゆうのもここ数日、未だに愛銃を決めようとしない俺に婆やが危機感を持ったらしい
だって気に入るような銃が無いんだもん…一生を共にするならそりゃあ心と心が通じ合えるような銃じゃなきゃやだ!!
「これでございます」スッ
「これは……木箱ですか?」
ハイドリヒの目の前に何やら古めかしい木でできた箱が出される
「はい、先ほどメイドの一人が偶然発見しました」
「なるほど……大きさからして拳銃のようですね」
「そうです、きっとお気に召すと思いますよ」
な〜にぃ〜〜!
生まれてこのかた愛銃を決めたことがない俺が気に入る銃だとぉ!
「では、失礼します」
パカッ
そう言って婆やが箱の蓋を開ける
そこにはなんと……
「ワルサーP38!?」
「はい、ハイドリヒ家の初代当主が使われていた物です
途中の代から使われなくなっていたと思われます」
はぇ~よくそんなもの引っ張り出せたな
カチャ
お!凄い質感だ……
「これは……素晴らしい」
持ってみるとなんか古い匂いはするけどとってもしっくり来やがる……
「婆や、さっそく試射に行きましょう!」
「はい、了解しました」
_____移動中_____
さて、この屋敷の敷地に建てられてる射撃場に来ましたよっと
「弾は」
「は、ここにございます
くれぐれも怪我にはお気をつけくださいませ」
「分かってますよ」
そう言ってハイドリヒは片手で拳銃を持ち、的に向かって照準を合わせる
よーく狙って……
ズドン!
拳銃から放たれた弾丸は吸い込まれるかのように的の真ん中に吸い寄せられる
ドスン
「……」
「流石です、ど真ん中に命中です」
「……婆や」
「はい、いかがでしょうか」
「パーフェクトです」
「感謝の極み」
こうして本日、ハイドリヒの愛銃が決まったのであった
「あと、名前は決められてくださいね」
「はい?分かりました……」
もうワルサーP38って名前があるよな……
とうとうボケたか?
__________
よーし、
今日は明日の学校のためにも寝るか
明日は特にテストもないし、さっそく友達に銃を自慢するぞ!
ぐへへ……楽しみだなぁ
じゃあ、寝るか
カチッ
ハイドリヒは自室の電気を消し、寝床につくのであった
明日は……お肉が………食べたいなぁ…………
zzzzzzzzz………
__________
ピピピピピッ!
カチャン
ん……もう朝か
ガバッ
ハイドリヒは眠い目を擦りながらベッドから出る
さーって、朝ご飯を食べるか……
今日は朝からお肉が食べたいなぁ
__________
ご飯を食べ終え、ハイドリヒは学校へ向かうのである
さーて、行くか
「いってらっしゃいませ」
「はい、行ってきます」
何度目か分からないこのやり取りを終え、門から歩みを進める
門の前には自分専用のリムジンが停められていた
てか毎日リムジンとか楽すぎだろ、反省しろ!
俺だったwww
ふぅ
ガチャ
「おはようございます、今日もよろしくお願いします」
「おはようございます、本日も運転手を務めさせてもらいます」
このやり取りも何回もやったなぁ
そう思いながら俺は車の中に入るのであった
……?
そして、俺はこの日の事を忘れないであろう
__________
学校にて
「ハイドリヒ君、やっとお気に入りの銃を見つけたの!?」
「まじ!あのハイドリヒがか!」
……
今まで銃を所持せずに登校してきたから、この日はとても驚かれた
「はい、気にいる銃を見つけ出せたので」
「はぇーーこいつはなんて名前なんだ?」
「ワルサーP38と言いますよ」
「いや、そうじゃなくて」
なに?なんか変なこと言ったか?
「何かおかしなこと言いました?」
「いや、ラインハルト君さぁ……普通自分の愛銃にはそれぞれ名前を付けてあげるもんだよ?」
………あぁ
ここで昨日の婆やの言葉を思い出す
『あと、名前は決められてくださいね』
そういうことか!
やっと理解したわ
「なるほど、まだ決めていませんでした」
「おいおいまじかよ、ふつー決めとくもんだぜ?」
うーん……名前かぁ
「あ、閃きました」
「お、何にするの?」
「こいつの名前は…ラストバタリオンに決めました」
よし、この名前は俺が日本にいた時に読んでた漫画に出てくるある部隊名だ!
「へぇ、いい名前じゃん」
……
「うん、ありだと思うよ」
「はい、ありがとうございます」
その時
ガラッ
「おはようございまーす!」
先生が教室内に入ってきた
もう授業の時間か
さて、今日も頑張りますかねぇ
「今日は抜き打ちテストです」
クソが
__________
ふぅ、なんとかテストは越えれたな
てか普通に抜き打ちテストなのに定期テストレベルの量と質の問題を出すなよ
てか普通に丸付けとか面倒だろ
……チッ
「お待たせしました、どうぞお入りください」
「あー、それなんですが……今日は歩いて帰ります」
「……はい?」
そりゃあそんな反応するよね
「ですから、今日は徒歩で家に帰ろうと思います」
「い、いえ!そのようなことは「大丈夫です、絶対に帰ってきますよ」……」
「この前だってゲヘナ共を一人で蹴散らせたんですよ、ご心配なさらず」
「……了解しました、では」
ブロロロロ
そう言ってリムジンはハイドリヒから離れてゆく
「……」
はぁ
ずっとずっと気持ち悪いんだよ………
「いい加減出てきたらどうですか」
虚空に向かってそう言い放つ
「クックック、バレてしまいましたね」
電柱の裏から全身黒ずくめのスーツを着て、顔は右目を中心に亀裂が入っているニタニタと笑ったような口の男が出てくる
「はい、登校の最初らへんからずっと監視をし続けましたよね、迷惑なのでやめていただきたい」
「おや、恐れもせず凄い勇気ですね……そこはお父さん譲りです」
俺の……父!?
「……貴方は何者ですか」
「私は……『黒服』とでも呼んでください
けっこう気に入ってるんですよ」
けっ知らねぇよ
「そんなに警戒されないでください」
だめだ、相手の手のひらの上で踊らされている気がしてやまない……
そうだ!
「さて、一人で帰るには少し道のりが長いので暇なんですよ」
「……はい?」
「道を眺めながら帰宅するのもいいですが……そうですね
話し相手がほしいですねぇ」
「……クックック!なるほど!お供していいと?」
「はい、色々と聞きたいことがありますので」
そう言って二人は帰路につくのであった
__________
「まず聞かせてもらいます、貴方は一体?」
「先ほど名乗らせてもらった通り、私の名前は黒服です
ゲマトリアと呼ばれているグループに所属しています」
ゲマトリア?聞いたことねぇけどかっけぇな
「なんとも美しい名称ですね」
「クックック、ありがとうございます」
「では、私の名前はラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒです
株式会社フロリアンガイエルンの会長を務めさせてもらっているハイドリヒ家の家長です」
「ご親切にどうも」
まずは自己紹介を済ませる
「では単刀直入に聞きます、何が目的ですか?」
「いえいえ、たまたま目に止まっただけd「嘘はつかなくて大丈夫です」……そうですね、最初から監視していたのがバレていたんですね」
気味の悪い野郎だなぁ
「私は探求者です」
……は?
「そこで、貴方の”神秘”の強大さに興味が惹かれました」
「すみません、まずその”神秘”とは?」
まじで言っている意味が分からん
一般人に特定のアニメについて事細かくアニメの用語で説明してるようなもんだぞ!?
「貴方がたの頭には”ヘイロー”が存在するのはご存知でしょう?」
「ええ、もちろんです」
「その力に”神秘”とゆうものが含まれています」
なる…ほど?
「その”神秘”があったらどうなるんですか?」
「コツがいりますが、弾丸を加速させたり、肉体を強化させたり、何かといろいろな特殊能力が使えます」
はえーーーすげぇ
ん?待てよ
「なるほど、その”神秘”があるからたとえ弾丸を食らっても大丈夫なわけですね」
「クックック、理解が早くて助かります」
「ではなぜ私に接近したのでしょうか?他にもたくさん”神秘”を持っている人はいますよ」
これが疑問
ただ適当に選んだのか、それとも理由があるのか
「理由は単純です、貴方の保有する”神秘”の量が格段に多いのです
この量はあの『暁のホルス』に勝らずとも……ですね」
「なるほど、その『暁のホルス』は知りませんが……私にも何か特殊能力が?」
「まだ確認できていませんが「先に言っておきますが実験台にしたいだなんて言わないでくださいよ?探求者さん」……読まれていましたか」
ふんっお前の考えてることなんか丸わかりだ
「貴方は自称探求者ですからね、私のような類稀な物には実験をしたくてたまらないんでしょう?」
「クックック、まさにその通りです」
「ここまで読まれてしまったら作戦は失敗ですね
できれば貴方で実験をしたかったのですが……」
「まぁ、『暁のホルス』がいますので問題ありません」
そのホルスとやらには申し訳ないが…
てか俺関係ないやん
「なるほど、つまり私は自分を実験台にして色々しようとしてきた変質者と出くわしてしまったと」
「ひどい言いようですね」
「でも貴方とのお話は楽しめましたよ、
お茶でもいかがですか?」
「いえ、けっこうです……それより」
「はい?」
「私はこんなにも有益な情報を渡しました、なので貴方もなにかすべきじゃないですか?
これじゃ対等ではありません」
なんだコイツ、いきなり話しかけてきただろ
「そうですね……家の射撃場に寄ってください、神秘の力を使ってみたいと思います」
「なるほど?もう使えるのですか!?」
「いえ、でもそんなに量が多いのなら直感で使えるはずです」
「クックック、何の根拠もありませんね」
「駄目ですか?」
「いえ、見させてもらいましょう」
なんだコイツ、ツンデレかよ
こうして二人してハイドリヒの家に向かうのであった
__________
「屋敷だけでなく、射撃場も素晴らしいですね」
「はい、トリニティの昔からの美しい感性が使われた素晴らしい自慢の場所です」
(クックック、思想が強めですね)
「では」スッ
ハイドリヒは的に向かって銃を構える
えーっと、とは言ってもどうすりゃいいんだ
とりあえず…力を込めるような、銃に”神秘”を流すようなイメージで……
ズドン!!!
弾丸は美しい曲線を描きながら突き進んでいき………
ドガアアァァァァン!!!
「おお!これは素晴らしい!」
す、すげぇ……本当に出来た
ワルサーP38から放たれた弾丸は、着弾するとともに大きな音とともに爆発する
「クックック、いいものを見せてもらいましたね」
「これで契約終了ですか?」
「はい、今までで爆発する弾は初めて見させてもらいました
とても有意義な時間でしたよ」
「そうですか」
「では、私はこれで」
黒服は射撃場から出ようとする
「はい、また何時でもお越しになってください」
「クックック、ええそうさせてもらいましょう」ブォン
そう言って黒服は謎の黒い渦を出し、その中に消えるように入っていく
「神秘……ですか」
こいつはいいものを聞いたなぁ
やっぱお芋って美味しいよね