忠誠こそ我が名誉inトリニティ   作:もりもりバナナ

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曇らせたいかどうかの結果を貼っときます


一位 いいえ     40票
二位 ミカは魔女だよ 38票
三位 はい      30票

けっこう魔女狩り先生が多くてビビった



君の瞳に、乾杯

 

辺り一面はとても暗く、店から零れ出る光や街灯がなければとてもじゃないが歩くことさえ出来ないだろう

 

__今、時刻は午後7時を回っている。

完全に夜だ

 

………夜、それは人類が一般的に休息する時間である

 

言うまでもないが夜は暗く、明るい日中に活動するのが人間の基本だし誰だってそうする

 

勿論、俺だってそうする

 

しかし、今夜は違う

 

予定があるんだ

 

そのために俺は準備もしてきた

 

黒を基調としたスーツで身を整え、腰には愛銃(ラストバタリオン)の付いたホルスターが備え付けられている

 

「………」

 

ザザッ

 

このあたりで、俺がなぜこんなにかしこまった服装なのか気になりはじめただろう?

 

それは____俺の向かいにある店に関係している

 

スッ

 

俺はその他とは一線をかくすような神々しい店の玄関ドアに向かって歩み寄り

 

ガチャッ

 

「いらっしゃいませ」

 

自分の手は使わずに、慣れた手つきで内部に入る

 

ここで感の良い人なら気づいているんじゃないだろうか?

 

「黒服さんに呼ばれました」

 

「___了解しました。こちらへどうぞ」

 

俺が”黒服”とゆう単語を出すと、明らかに店員の表情がこわばりだし、俺は奥の部屋へと案内される

 

 

 

 

ただ、誰が描いたのかもよく分からない絵画やよく分からない陶器を横目に。長い長い廊下を闊歩する

 

とてもオシャレだとは思いつつも、どこか趣味の悪さに嫌気が差す

 

 

「着きました」

 

案内の人が一つのドアの目の前で立ち止まる。しかし、開けてはくれない

 

「人の目が気になさるようなので私は戻らせてもらいます。

何かありましたら何時でもご連絡ください」

 

案内人が礼儀正しくお辞儀をして、さっそうとこの場を去ってゆく

 

 

 

「………はぁ」

 

俺は息を吐いて、扉に手をかける

 

金色の取手で握りやすい形になっていた

 

「……………」

 

ガチャッ

 

それを、思いっきり引っ張るようにして。勢いよく開ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クックック、お待ちしておりましたよ」

 

中には親の顔よりも見たことのある人物が、テーブルを挟んで奥側に座っていた

 

「………」チラッ

 

右を見る

 

何処かに続くであろう通路が見える

 

「…………」チラッ

 

左を見る

 

黒服の横に一つの椅子があり、それらを大理石のテーブルを挟んでこっち側にはもう一つ椅子がある

 

つまり椅子は合計3つ………俺意外誰か来るのだろうか?

 

「さっ、どうぞ座ってください」

 

「………そうさせてもらいます」

 

今の俺の姿を見たらどっかかしらの人は「緊張してる?」とでも思うのかもしれない

 

___いや、実際緊張しているのだろうか。

それは俺には分からない

 

ガタッ

 

わざとらしく椅子の鳴らし、俺は席につく

 

そして

 

相手をじっとりと見つめる

 

「……そんなに警戒なさらないでください。ほら、最初に出会ったように」

 

その時もけっこう警戒してた気が?

 

「やはり先生に言われましたか……」

 

やれやれ、と言いたそうな素振りをしながら黒服はため息をつく

 

___俺としてはそっちじゃないんだがな

 

「確かに先生には……いや、生徒には残酷なことをしたのかもしれまs「違います」………はい?」

 

黒服は鳩が豆鉄砲を食らったかのような表情になる

 

「私が言いたいのはそんな事じゃありません」

 

「__お聞かせくださいませんか?」

 

「………はぁ」

 

俺の苦労を何も分かっていないこの黒服に今まで何が有ったのかを話す

 

 

 

 

_____

 

 

 

 

『とゆうわけなんです』

 

『やだ!!!』

 

私は貴方(黒服)からメールを貰った後。アズサさんの家で一緒にいました

 

『ですから__絶対に一人で行かないと駄目なんです』

 

『それでも絶対に駄目だ!また怪我をされたら__!』

 

この時、アズサさんに今夜の予定について話している真っ最中でした

 

___そう、貴方とディナーをする約束のね

 

『これは私にとって大事な約束なんです!絶対に行かせてもらいますよ!』

 

『駄目だ!行くのなら私も一緒じゃなきゃ駄目!!』

 

___そう、絶対に一人で来てほしいとゆう貴方の約束を守るためにね

 

『そもそもアズサさんとは全く関係のない話しをするんですよ!?来なくても大丈夫です!』

 

『ふんっ、なんて言ったって聞かない!もし一人で行くのなら先生に連絡する!』

 

___そう、先生には内密にしてほしいとゆう事も守るためにね

 

 

 

 

_____

 

 

 

 

「……とゆうわけです」

 

「いやどうゆうことですか!?」

 

黒服の声が部屋の中で鳴り響く

 

なぜこの男は理解できていないんだ?この俺の苦労を!!!

 

「アズサさんを傷つけたくない一心で私は説得をかれこれ4時間頑張ったんですよ!?そんな私を褒めてもらいたいもんですね!」

 

「な、なるほど…結局その後落ち着いたんでしょ?」

 

「はい。睡眠薬入りの紅茶を飲ませたので今はグッスリです」

 

「なんでぇ!?!?!?」

 

再び黒服の声が響く

 

「なぜ!?なぜなぜなぜなぜなぜなぜ!?!?」

 

「ほら、よく漫画とかで『当身』って言いながら気絶させて落ち着かせるシーンあるじゃないですか?……それです」

 

「いや意味わかりませんが!?普通傷つけたくないはずの人間に睡眠薬なんて盛りませんよ!?!?!?」

 

うるさいな__なんだ?最近は大声で叫ぶのが流行ってるのか?

 

なんてやかましい事を考えては、少しの間だけこの目の前の現状から逃避する

 

「……ふぅ、今日は大事なお話をするんですから。少しぐらい緊張感とゆうものを持ってください」

 

そんな事言っているが_ミサイル自爆特攻作戦を立案するような黄金の精神を持ったハイドリヒにとってはへでもない

 

そうハイドリヒは思っていた

 

「それにしても遅いですねぇ……」

 

黒服が自身の腕時計で時刻を確認する。恐らくだがもう一つの席の人間が来るのを待っているのであろう

 

ここでハイドリヒがふと、疑問に思ったことを口にする

 

 

 

「そういえば黒服さん、椅子がもう一つありますが他に誰が来るんでs「ひぃん!」…?」

 

ハイドリヒが言い終わらす前に、何やらどでかい声が乱入してくる。

音をたどると入ってきた時に右にあった謎の通路から聞こえてきたようだった

 

そういえばこの通路は何処へ繋がっているんだ?

 

ハイドリヒがそんな今はどうでもいい考えをしていると、黒服がまるで話を聞く気が無かったかのように席から立つ。その姿にハイドリヒは少しばかり動揺してみせた

 

「………ちょっと行ってきますので、少々お待ち下さい」

 

「は、はぁ___」

 

 

 

 

 

黒服が通路に消えて、ほんの少しの時間が流れた

 

するとなんだか二人の声が聞こえてくるのが分かる

 

 

 

「ひぃん!黒服さぁん!!」

 

「どうしたんですか?また胸のボタンが弾け飛びましたか?__だからこんな服じゃなくていつもので大丈夫だと言ったでしょうに」

 

「そ、それは…!相手が貴族のような凛々しい人だって言われたから_わ、私だってそうすべきだと思ったからだもん!」

 

「はいはい」

 

「じゃなくて!もっと大事なことなの!」

 

「そうなんですか?」

 

「そう!何をしてもこの髪の毛が治らないの!」

 

「………行きますよ」

 

「えぇ!?まだピンピンしてるよ!?!?」

 

「アホ毛はアホな人ほど治りませんからね」

 

「ひぃん………!!!」

 

 

 

___なんかコントみたいな話が聞こえてきた気がするが、聞き間違えだと思うことにする

 

 

「ほら、行きますよ」

 

「ひぃん!ひぃん!」

 

 

どうやら観念したのか「ズルズル」という何か重たいものを引きずる音まで聞こえてきた

 

 

__その音が段々と大きくなる

 

 

そして________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました」

 

「………そうですね」

 

「……ひぃん」

 

黒服が何やらどでかい女を引きずって俺の前に現れた

 

「ほら、座ってください」

 

「はぁい!」

 

そう元気に反応して、ドカッと勢いよく椅子に座る。この姿は決して褒められたものではないだろう_マナー違反ってやつだ

 

黒服も「やれやれ」とでも言いたそうな顔でゆっくりと椅子に座る

 

何だこの父親と娘みたいなコンビは……てか誰だ?こいつ

 

そんな考えをしていると、黒服も察してくれたのか説明してくれた

 

「紹介します。貴方の姉です」

 

「なるほど」

 

なるほど

 

 

……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

なんだなんだなんだなんだ!?!?!?

今この男はなんて言ったんだ!?!?この俺になんて言った!?

 

脳内でミニハイドリヒABCDがわちゃわちゃと走り回りながらパニックを起こしているのが容易に想像できる___はぁ!?

 

おいお前!!なんでお前もまんまるな目して「そうなの?」って言ってんだ!!お前も説明されてなかったのかよ!!!

 

ハイドリヒはいつの間にかヒートアップしすぎて席から立っていることを知らないでいた

 

すると

 

「そっか!君が私の弟くんだったんだね!よろしく!」

 

そう女は話しかけてくる

 

順応能力が高すぎる…新手のスタンド使いか?と、疑うほどだ

 

「私の名前は梔子ユメ!ユメお姉ちゃんでいいよ!」

 

えらく元気だな__じゃなくて!

 

ハイドリヒは席に座りながら黒服を睨む

 

「クックック。直接合わせたほうが早いと思ったまでです」

 

白々しいなこいつは

 

「ではっ、私は少しタバコを吸ってくるのでお二人でお話しててください」

 

ササッ!

 

そう言い残すと黒服は目にも止まらぬ速さで部屋の外へ退散する__こいつ、先生との鬼ごっこ¹で相当鍛えられたようだな

 

 

 

 

はい、そうして姉とふ二人きりになりました

 

「ねえねえ!君の名前は何ていうの?」

 

まるで大型犬のように人懐っこく目を輝かせながら俺にそう問い出す

 

「………少々長くなりますが。

私の名前はラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒです。皆さんからはハイドリヒと呼ばれているのでそれで大丈夫ですよ」

 

「うん、ハイドリヒ君だね!」

 

「………はい」

 

俺と姉の名字が違うことに気づいたが、そういえば母がそれぞれ違うことを思い出す

 

「それにしても…姉弟なのに顔がまったく違うね」

 

「母がそれぞれ違いますからね。どちらも父親ではなく母親似なのでしょう」

 

「えぇ!?お母さんが違うの!?!?」

 

嘘だろ?

__いや、俺は姉に対して驚愕したのではない。何も知らせなかった黒服に心底驚いているんだ

 

「あ、そういえば黒服さんが言ってた気が……」

 

前言撤回。こいつアホだ

 

__いや、それにしても………

 

「デケェ」

 

「?」

 

思わず声に出てしまうほどのデカさ……なんておっ○いだ!!!”L”くらいはあるんじゃないか?ってほどのデカさに驚きを隠すことが出来ない

 

よくよく容姿を見てみると…全くと言っていいほど俺と似ている場所が無い。あれ?同じ父親だよね?そんなに母親に似ることある?

 

「いやぁ…それにしても聞いたよ?ハイドリヒ君って、えっと……ぶっそ親衛隊?の長官なんでしょ?」

 

「武装親衛隊です」

 

「そうそれ!凄いね!お姉ちゃんとして鼻が高いよ!」

 

「えっへん!」と言いながら、とてつもないデカさの胸を張る。先生とは大違いだ

 

「まぁ家筋ですけどね」

 

「それでも凄いよ!!!」

 

まるで太陽かのように笑う姉

 

「__ん?そういえばユメ姉さんはどこの高校なんですか?」

 

トリニティではない、見たこと無いからだ。

ゲヘナ……ではないだろう。

ミレニアム?…一番ありそうだな

 

しかし、彼女から出た答えは予想もしていなかった

 

「えっとね……アビドスだけど………知ってる?」

 

「アビドス?」

 

勿論知っている。砂漠が広がっていて、昔はどデカい高校が存在していたが今はもう過疎化してる可哀想な高校だ………と、記憶している

 

そんな砂漠の高校でこんなメロンが育つのか?

 

「………失礼ですが、年齢は?」

 

「あぅ…敬語じゃなくていいよ?血の繋がってるお姉ちゃんだし」

 

「いえ、これは私のアイデンティティ(ハイドリヒのとゆうかトリニティの)なので」

 

「………そう。

えっとね?今は20歳」

 

20!?意外と若いんだな

 

「へぇ……てことは今は大学生?それとも就職されてますか?」

 

「え、えっと………」

 

ユメはどこかばつの悪そうな、アホそうな顔をしながらそう答えると。今度は「ははっ」と笑い、淡々と話していく

 

「私、今は黒服さんと一緒に生活してるんだ。そこで色々なことしてるの!」

 

「具体的には?」

 

「えっとね…どんな荒れ地からも生やせる植物の開発とか?そんなことしてるの」

 

___俺はこの言葉で疑問が生まれた

 

一つはなぜそんな事をしているのか?だ。

普通見ず知らずの人間と一緒に生活なんてしない。しかもこんな少女と黒服が同棲なんてするだろうか?答えはノーだ。なにか裏がある

 

二つは………反応だ。

明らかに出身校の話をしてから明るさが無くなってきた。今は分からないが、一つ目の疑問と何か関係しているのかもしれない__いや、きっとそうだ

 

俺の心がそうだと言っている

 

そう考えてると…………いや、そう考えていなくても興味が湧いた。彼女に何があったのか、どんな厄災が降り注いだのかを知りたい

 

もっとも厄災に正義は無い、悪との区別もない。それに関してはどうしようもできない__

 

だが

 

もしそれ以外だったら?

 

悪がいて、そいつのせいでユメ姉さんが傷ついているのなら?

 

俺は確実にそいつを殺す

 

俺にはそれをするだけの力がある。

そんな力も持ちあわせていない姉さんを救わなければならないという使命もある

 

例え、それが黒服であろうともだ

 

 

「…………」

 

何かドス黒い感情が俺の中で渦巻くのを感じる

 

 

 

 

「………ユメ姉さん」

 

「ん?どうしたの?」

 

姉さんは必死に明るく振る舞おうとする。その姿はどこか先生と似ているような気がする

 

 

「何があったのか、教えてください」

 

「………」

 

まただ、姉さんはどこか見覚えがあるような……いや、いつかの先生のような顔で苦笑いする

 

「知りたいんです。私の……私の唯一無二の家族が、傷ついたままでいてほしくないんです」

 

俺はできる限り力強く説得する

 

「私には、もう家族を失わないとゆう『(ユメ)』があるんです」

 

「…………」

 

 

 

 

ユメが重たい口を開く

 

 

 

 

「長くなるけど。いい?」

 

 

勿論、俺は頭を縦に振る

 

¹
直接的な表現は控えております





次回に続く!
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