忠誠こそ我が名誉inトリニティ   作:もりもりバナナ

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そういえば、『激しい友達』の時の回想に出てくる、あのハイドリヒの友達って誰なんでしょうね………?(意味深)



告白

 

俺は今、窮地に立たされている

 

見るからに高級な椅子に座り、忙しなく動く使用人の中心でただ俯いて黙っているしか俺にはなすすべが無い

 

別に俺は悪いことをしたってわけじゃない。断じてそう言えるだろう。しかし

 

運命は時に非情だ

 

この俺に厄災が降り注ぐことは誰にも止められない

 

「」ゴクッ

 

無意識に、溜まりに溜まった唾液で喉を鳴らす

 

忙しく笑顔で業務に取り組んでいる使用人たちは楽だ、この後の事を想像さえしなくてよいのだから

 

___いや。逆に想像したからこそそんな笑みを浮かべられるのか?

 

いずれにせよ、危機的状況なことに変わりはない

 

「到着10分前でございまーっす!」

 

「はやくお菓子を焼き上げて、それが一番美味しいからっ!」

 

「紅茶お注ぎしますね」

 

何人もの使用人が通り過ぎるが、皆揃って笑顔だ

 

果たして何が面白いんだ?俺にはまったく分からない

 

ただ、俺は絶対に悪いことはしていないという事だけは胸をはって言えるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブォォォン!

 

「…………」

 

(凄い所に来てしまったな)

 

アズサを乗せたリムジンは、高級住宅街を高速で進んでいく。その光景を見るに通り慣れているベテランが運転手を務めているのであろう

 

(何処をみても高級そうな家に、なんだかよく分からないキラキラした建物……こんな光景は初めてだな)

 

アズサは車の中から見える今までに見たことのない建物たちに興奮を隠すことが出来ない

 

すると

 

「いやはや、アズサ様はなんとも無邪気で可愛らしいですねぇ」

 

「……?ありがとう」

 

前方の運転席でハンドルを握っている柴犬のおじいさん。いわゆる運転手が話しかけてくる。他愛のない世間話だ

 

「以前車を動かしたのは女性用の物を運んだ時でしょうか?それから少しばかり開けて今度は女性を運ぶことになるとは…人生、生きていて何が起こるか分かりませんね」

 

「ああ、おじいさんもこんなのは初めてなのか?」

 

「いえ、たまに私の嫁を乗せてドライブに出ることもあります。昨日も二人で」

 

「ドライブ?聞いたことはあるな」

 

「___ドライブとは、車で好きな人と好きな場所までお出かけする事ですよ。それを楽しむのです」

 

「なるほど、仲が良いんだな」

 

「そう言われたら嬉しい限りですね。

___アズサ様も、ぜひドライブに連れて行ってもらうといいですよ。きっとお坊ちゃまもアズサ様も楽しめるでしょうし」

 

「………そうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お坊ちゃま、紅茶お注ぎしますね!」

 

「はやくお菓子を焼けぇ!あとケーキも持って来い!

ワイン?そんなの未成年に出せるかぁ!!!」

 

「空き部屋の掃除が完了しました!…………え?一緒の部屋で!?」

 

「ただいま大至急生きの良い食材を調達してきます!拳で!」

 

「…………」

 

相変わらず休む暇もなく動いている中、俺だけは優雅に紅茶を飲む

 

 

ガチャッガチャガチャッ!

 

 

___うむ、美味い

 

やはり紅茶といえばダージリンティーだよな。午後の紅茶とかいう奴は殺す

 

「お坊ちゃま!盛大に溢してます!」

 

この俺が?

そんなわけないだろ

 

 

ガチャガチャッッガクガチャガチャッ!!

 

 

「お坊ちゃま〜〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 

 

 

物陰から、その様子を静観している二人がいた

 

 

「あわわっ、ハイドリヒ君、すっごい緊張してるよ!?」

 

「これは……」

 

「せ、先生、何か分かったの!?」

 

「緊張してる!」

 

「ひぃん______」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほうほう、それがきっかけだったのですね」

 

「うん。もし私が勉強をちゃんとしていたらハイドリヒとこんな仲にはなれなかっただろう」

 

「でもそれは勉強をしない理由にはなりませんぞ。これからも、勉学に勤しんでください」

 

「____別に学力だけが全てじゃない」

 

アズサはまるで中学生のような言い訳をするが、運転手はそれを優しくいなす

 

「そう思う方もいらっしゃいますが。会社としてはより優秀な、より優れた人間を欲するものです。それに選ばれるために勉学やその他のものに一生懸命努力して周りと差別化するのはなんらおかしいことではございません」

 

「___っ」

 

一瞬で論破される

 

「…………ですが、一概に全部そうとは言えません」

 

「そうなのか?」

 

「ええ___例えば画家であれば、いくら生物の遺伝の仕組みを学んでも仕方がありませんよね」

 

「確かに……そうだな」

 

「アズサ様も、そのような進路を目指してみてはどうでしょうか」

 

「うぅん…例えばどんな物があるんだ?」

 

「そうですね。アズサ様には新婦様がお似合いかと」

 

「なるほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅茶!足りません!」

 

「至急メーメルに連絡してください!魚がありませんよ!!」

 

「Gott ist tot」

 

「神父様に連絡を、いつでもできるよう用意させてください」

 

「くそ!冷蔵庫の中にはジュースが一滴もありませんよ!?」

 

「お、お菓子が無いっ!さっき焼き上げたのは何処に!?」

 

ガタッ

 

「お、お坊ちゃま……!」

 

ハイドリヒはいても立ってもおられず、席から勢いよく立ち声を荒げる

 

 

「アズサさんはいつ到着する予定ですか!?」

 

「えっと……あと2分弱とのことです!」

 

「…………」

 

 

 

ガタッガタガタガタッガタッッ!!!

 

「お坊ちゃま〜〜〜〜〜〜!!!」

 

その報を聞いたハイドリヒは体全体をまるで地震が起きているのかと見間違えるほどの大きさで震えだす

 

彼だって死にたくないのだ

 

 

 

 

 

 

 

「うん、焼きたては美味しいね」

 

「は、初めて食べた………これがスコーンっていうんだ」

 

「焼き立てですよっ!」

 

「うまうま」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえぇ、そんな事があったのですか。なんとも__歯痒い気持ちですな」

 

「うん、いっつも友達からは可愛いって言ってもらえるんだが_ハイドリヒのは………///」

 

「恋、ですな」

 

「やはり恋なのか」

 

「ですが、お坊ちゃまもまた罪深い者だと………アズサ様」

 

「?」

 

「もし、お坊ちゃまが謝罪されないようであれば」

 

「あれば?」

 

 

 

 

「思いっきりぶん殴るに限ります」

 

「なるほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お坊ちゃま!覚悟を決めてください!」

 

「だ、大丈夫です。今日は何だか貧乏ゆすりが強くて………」

 

「それは貧乏ゆすりではございません!」

 

「お坊ちゃま!覚悟とは!暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことです!」

ズキュゥゥゥン!!!

 

「貴方は覚悟されてる人でしょう!ですからアズサ様をこちらにお呼びになられたのではっ!?」

 

「そ、それはまた違う……」

 

 

 

 

「アズサ様が到着なさいました!!!!」

 

「「「「「っ!」」」」」

 

「!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィ!

 

リムジンがとある門の前に止まる

 

その中から羽に沢山の装飾をし、キョロキョロと周りを見渡す可愛らしい少女が降りてきた

 

「ではアズサ様、案内につきましてはそちらの方に」

 

「ああ、ありがとう。おじいさん」

 

感謝の意を込められた運転手は、さっと一礼をしてから優雅に何処かへ消えてしまった

 

 

「ようこそアズサ様、お坊ちゃまがお待ちになられています」

 

屈強な機械のオートマタが礼儀正しくアズサを向かい入れる

 

「……ここは沢山の種族が働いているんだな」

 

「ええ、適材適所というものでございましょう。ではこちらに」

 

「」コクッ

 

 

 

 

 

 

アズサは案内人の後ろをピッタリとついて回り、その途中の綺麗で整備が行き届いた花々を見て心を安らげる

 

「………きれい」

 

あまりの美しさに思わず感銘の意が零れ出ると、すかさず案内人のが説明に入る

 

これが職業魂

 

「さようでございましょう。ここは毎日専属の整備士や庭師の方々が手入れなさっている場所ですからね」

 

「なるほど、だからこんなにも花の一つ一つが輝いているんだな」

 

アズサは途中に咲いていた、真っ赤な色のバラに近寄る

 

「………」

 

まじまじと観察すると、その茎の部分にはトゲが無数にあるのが確認できる

 

「”きれいな薔薇には棘がある”とはよく言ったものです」

 

「でも綺麗だ」

 

「ええ、それもここを手入れされている方々の賜物です___アズサ様」

 

「……あぁすまない、待たせてしまったな」

 

アズサは急かされていると思い、急いで道に戻る

 

しかし

 

「どうでしょうか?もし起きに召されたのであればいくつか花を摘む事も出来ますが?」

 

それは、アズサにとって魅力的な提案だった

 

勿論断る理由もない

 

___だが

 

「いいや、この薔薇はここだからこそ輝く。適材適所ってやつだな」

 

「さようでございますか………」

 

二人は再び歩みを再開する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着きました」

 

「………おぉ」

 

立ち止まった先には、見上げるほど大きい豪邸が凛々しく存在感を醸し出していた

 

その姿を見るだけでも、この家の敷居の高さが分かるだろう

 

「ではっ」

 

ギィィィ

 

ゆっくりと、しかし着実に重々しい扉が開かれていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アズサ様が正面玄関に入られたそうです__うふふっ!」

 

なんなんだお前はよぉぉぉ!なに笑っていやがるぅ!!!

 

いや、落ち着け。落ち着くんだハイドリヒ……そうだ、素数を数えよう

 

 

 

2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29,31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71,73, 79, 83, 89, 97,101, 103, 107, 109, 113,127, 131, 137, 139, 149, 151, 157, 163, 167, 173,179, 181, 191, 193, 197, 199, 211, 223, 227, 229,233, 239, 241, 251, 257, 263, 269, 271, 277, 281,283, 293, 307, 311, 313, 317, 331, 337, 347, 349,353, 359, 367, 373, 379, 383, 389, 397, 401, 409,419, 421, 431, 433, 439, 443, 449, 457, 461, 463,467, 479, 487, 491, 499, 503, 509, 521, 523, 541,547, 557, 563, 569, 571, 577, 587, 593, 599, 601,607, 613, 617, 619, 631, 641, 643, 647, 653, 659,661, 673, 677, 683, 691, 701, 709, 719, 727, 733,739, 743, 751, 757, 761, 769, 773, 787, 797, 809,811, 821, 823, 827, 829, 839, 853, 857, 859, 863,877, 881, 883, 887, 907, 911, 919, 929, 937, 941,947, 953, 967, 971, 977, 983, 991, 997__

 

 

___ふぅ、落ち着いてきた

 

 

その時

 

ガチャッ

 

「!?!?!?!?」

 

「アズサ様がご入室されますっ!」

 

え、ちょっ待ってくれ…いや俺は別に何も悪いことをやったわけではない。ただ紅茶に催眠薬を入れて眠らせただけだからそこまで犯罪かって言うと…うん、犯罪だ。じゃなくて!俺が言いたいのはそんなちゃちなもんじゃなくて!

 

しかし

 

 

運命は非情だ

 

扉はゆっくりと開けられ、そこからはアズサが銃を携えながらさっそうと入ってきた

 

 

 

「っ!」

 

 

「おはよう、ハイドリヒ」

 

この言葉を聞いた瞬間、ハイドリヒはやっと覚悟を決めた

 

「今日はハイドリヒと話したいことがあって___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大変申し訳ございませんでした!!」

 

「っ!」

 

ハイドリヒは一瞬でアズサの足元に瞬間移動をし、額をその地面に押し付けて謝罪をする

 

俗に言う『土下座』だ

 

なんとも美しく気迫に満ちた土下座に、アズサは一歩後ろに下がる

 

周りを見渡せば使用人全員が引いているのが分かる

 

だが、彼にとってそんな事どうだっていい

 

今はただ殺されないために土下座をするだけだ

 

「なんでお坊ちゃまは婚約者様に土下座を………?」

 

「もしかして不倫がバレたんじゃっ!?」

 

「うそっ!そんな事が!?」

 

おい聞こえてるぞ、俺は不倫なんて絶対にしないからな(確信)

 

「ハイドリヒ」

 

「ひゃいいっ!!!」ビクッ!

 

アズサの言葉に怖気付いた彼は変な声を発する

 

「……何処か誰も居ない部屋に行きたい」

 

「で、では私の自室に移動しましょう!!!」

 

「うん」

 

「…………」

 

 

そう言って二人は部屋に消えていった

 

 

 

 

「………ヤル気ね」

 

「ええ、絶対にそうだと思うわ」

 

「ご、ゴムはないですよ、本気ですかっ!?」

 

「貴方も見たでしょ?あのアズサ様の目。確実に獲物を狩る目をしていたわ。私の長年の経験から言わせてもらうと絶対にそうと断言できるわ」

 

「ひぇぇぇ___」

 

彼女達は、ただ二人を見守ることしか出来なかった

 

 

 

「私、ゴム買ってきますね」

 

「大至急お願いするわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタン

 

部屋の扉が閉ざされる

 

「…………」

 

「…………」ダラダラダラダラ

 

不覚!唯一の脱出口が閉ざされてしまった!

 

こうなったら窓を突き破って逃げるしかねぇ……いや、追いつかれるか

 

「ど、どうですか…?私の部屋は………!!!!」

 

「おお、広い部屋だな」

 

「か、感謝の極み____」

 

「…………」

 

「…………」

 

二人の間で、気まずい空気が流れる

 

それを断ち切ったのはアズサだった

 

「なんでそんなに緊張してるんだ?」

 

「え、えっと………」

 

シドロモドロ

 

ハイドリヒはただ目線をそらして慌てるしか出来ていない

 

まるでヒヨコちゃんだ

 

___すると

 

 

「…………」

 

ダッ!

 

「……ふぇ?」

 

 

 

ドゴォ!

 

「ぎゃふん!」

 

俺はアズサからもろにタックルを土手っ腹に喰らい、ベッドに抑え込まれる状態で倒れる。ベッドが衝撃を吸収してくれたのが唯一の救いだろうか

 

「!!」

 

ギュ〜〜

 

アズサはまるで狙った獲物は離さない蛇かのように、俺の胴体に絡みつく

 

「ハイドリヒ」

 

「は、はいっ!」

 

え?この状態で話すの?

 

「ハイドリヒは多分、私がこの前の紅茶に睡眠薬を入られて眠った事を怒ってるんだと思ってるんじゃないか?」

 

「そ、そうじゃないんですか!?」

 

俺は必死に身を捩らせながらも返答する

 

「違う」

 

「へ?」

 

アズサから出た答えは、俺には想像もできなかったことだった

 

 

「__覚えてるか?あの時のこと」

 

「えっと___」

 

「ほら、私が夜に外出していて、その後クレープ買ってもらった時だ」

 

「____あぁ、思い出しました」

 

思えばあの時から結構経つな

 

「ハイドリヒはなんで私があそこにいたか分からないだろうけど………実は「アリウスの人間とやり取りをしていたから、でしょう?」……知っていたのか」

 

「えぇ勿論です」

 

アズサは少しだけ驚いた表情をしながらも、話を続ける

 

「……その時、命令を受け取ったんだ。

『ハイドリヒを殺せ』__と。それも知っていたか?」

 

「はい」

 

「………そうか」

 

アズサは更に困惑した表情になるが、理解したのかスッと元に戻る

 

 

 

「自分を殺そうとする人間に、優しくしたのか」

 

「…………」

 

「一体なぜなんだ?ハイドリヒは武装親衛隊の長官だ。様々な権限を持っているだろう?その中に生徒を逮捕する特権さえあるはずだ」

 

___正解だね

 

「なのに……なのになぜ!?私をそうしなかった!?私が殺す前に制圧しなかったんだ!?!?」

 

段々と声を荒げながら、アズサはそう問いだす

 

その表情には、どこか怒りとさえ感じ取れるような物が浮かび上がる

 

「普通死ぬのは怖いだろ?じゃあこんな、こんな私のことなんかさっさと牢屋にぶち込むほうが良かったんじゃないのか!?!?」

 

 

___アズサの言いたいことは分かる

 

もちろん、その表情の内側も

 

 

きっとアズサは心配してくれてるんだ、自身を差し置いて

 

………だが、俺の答えは一つだ

 

「いったいなぜ___「アズサさん」

 

「答えは単純です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当たり前、だからです」

 

 

ハイドリヒは長々と理由を説明するでもなく、小難しい事を話すわけでもなく

 

ただ一言、当たり前_と、言う

 

「あたりまえ………?ハイドリヒにとって殺人鬼でさえ助けるのは当たり前なのか!?」

 

「いえ、いくら殺人鬼なら私としても助けれません」

 

「な、ならどうして___

 

 

「アズサさんは殺人鬼ではないからです」

 

(……………あぁ)

 

「私にとってアズサさんは、チームメイトであり、親友であり、戦友であり」

 

「そして大切な唯一無二の人なんです」

 

「………」

 

「だから、そんな悲しいことは言わないでください。私が悲しみます」

 

「…………」

 

ボフッ

 

「っ」

 

アズサは少しだけ目尻に熱いものを溜め込んでいる

 

それを隠したいがためハイドリヒの腹部に再度顔をうずくめる

 

 

「___ハイドリヒ」

 

「はい。私はここに居ますよ」

 

「今なら、あの時言った『当たり前』の意味が分かる気がする」

 

「ほら、言ったとおりでしょう?」

 

「_____ハイドリヒ」スッ

 

「はい」

 

アズサはうずくめるのをやめ、じっとハイドリヒの目を見つめる

 

そして、重たい口を開く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「好きだ」

 

 

 

 

 

 

自然と、アズサの口から言いたかったことが飛び出る

 

その言葉にはなんの裏もない。ただたんに愛を伝えたいだけの少女からのメッセージだ

 

 

それに対してハイドリヒは____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私もですよ」

 

 

____と、返した

 

 

 

窓の外からは、綺麗な夕日が二人を祝福するかのように、優しく包みこんでいる

 

 

 

その姿は、なんとも神秘的で…美しかった

 

 

 

 

 

 





甘酢っぺぇ
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