忠誠こそ我が名誉inトリニティ   作:もりもりバナナ

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今回ちょっと短めです。



よわよわメンタル

 

ドサッ

 

「うっ!」

 

「すまない。我慢してくれ」

 

「__また無茶したんだね」

 

すみませんと、禄に相手の顔も見ずに返す。まぁ先生にとってこんなの日常茶飯事だろ

 

俺は近くの壁に勢いよく置かれると共に激痛が足を支配する

 

ふと横を見てみると、サオリが険しい顔つきで俺の左足を凝視していた__その視線の先には変な方向に曲がっている俺の足が動くことさえ出来ず静止している

 

「___これは」

 

「か、完全に折れましたね……慢心は我が身を滅ぼすとはよく言ったものです」

 

あの糞女を倒せたと思って調子に乗っていた俺をぶん殴ってやりたい……

 

あーっあ、カッコわる

 

「ちょっと待ってろ、すぐに補助具を作る」

 

そう言うとサオリは近くにあった木に手を伸ばすが__

 

「大丈夫です」

 

俺はそれを阻止する

 

それは俺のただの強がりかもしれないし、プライドかもしれない

 

「__なぜだ」

 

「私は自分の意志でここに来ました、それに覚悟だってしてきてます。もちろんこうやって傷を負うくらいの」

 

「それは私が今からすることになんの関係もない」

 

「……いえ、こうしてる間にもヤツが………」

 

「たがらこそ、早く済ませるぞ」

 

「……………」

 

何も言い返せない

 

本音を言うと、カッコ悪いからだ

 

「…………」

 

あまりにも調子に乗っていた

 

この前の反省点を活かしたつもりだったが…結局こうだ

 

その己の肉体のみで立ち上がり、敵を殲滅する。

そんな姿に憧れている自分が居たのかもしれない

 

だからこそ慢心してしまった

 

……一人だけ戦力外になってしまうのが怖い__いや、悔しかった

 

意気揚々とついて来た自分がとてつもなく恥ずかしかった

 

 

「これで………よし、終わったぞ」

 

足を見てみるとさっきまでただの木の板だったものが、しっかりと俺を支えられる補助具に変化していた

 

木の板と一緒に布が巻きつけられているだけだが案外しっかりと機能するもんだな_と、関心する

 

「__この姿ではなんともカッコつきませんね」

 

「しょうがないだろ、今後ハイドリヒは先生と一緒に行動してくれ」

 

「__お荷物ですか」

 

「え?」

 

すまないが先生の事を馬鹿にしているわけじゃない

 

こんなに強靭な肉体を持ち、そして自信満々について来た俺が憎い

 

「あ〜あ。こんな姿をアズサさんに見られたらどう思われちゃうでしょうね?__ヒヨリさん」

 

「え!あ、アズサちゃんにですか………えっと、その__」

 

「勿論失望するでしょ。こんななんの役にも立たない男なんて____

 

 

 

 

 

 

パァン!!

 

「!」

 

「リーダー………」

 

__え?

 

あまりの一瞬の出来事に思考が止まる……が、段々と溢れてくる頬の痛みが俺を正気の戻してくれた

 

前にはサオリの荒い鼻息混じりの顔が鮮明に浮かび上がっている

 

 

__そう、俺はサオリにビンタされたのだ

 

「さ、サオリさん………?」

 

「なんでそんな事言うんだ」

 

その言葉には明らかに怒気が含まれていた

 

 

「なんでそんな事を言うんだ!!!」

 

「!」

 

「いいか!?ハイドリヒが居てくれたおかげでヒヨリを捕まえることが出来た、ミサキの説得も出来た……なのに、なのになんだ!お荷物って!!!」

 

「え、えっと__」

 

「ハイドリヒはお荷物なんかじゃない!!確かに左足が不自由な分戦闘には不向きかもしれない…だからなんだ?戦いが出来なかったらお荷物なのか!?」

 

「それは_____」

 

「違う!お前はあの手この手を使って私達と共闘してくれたのは確かにありがたい。でもそれ以上に!お前から勇気をもらった!このまま生き続けてもいいと考えさせてくれた!だってこのあとちゃんと罪を償えって言ったのは他の誰でもないお前じゃないかっ!!!」

 

「…………」

 

「はぁっ、はぁっ!」

 

 

そうか

 

いつからだろう。いつから俺は勘違いをしていたんだ

 

 

俺には頼れる仲間が居たんだった

 

 

トリニティにも、ゲヘナにも、それ以外にも

 

 

そう思うと同時に、俺の肩が軽くなったような気がする

 

 

「__ふふっ、すみませんでした」

 

「まったく。ハイドリヒはもう仲間なんだからな」

 

「それもそうですね_では時間がありませんしもう生きましょう」サッ

 

気持ちを切り替えた俺は勢いよくその場から立つ

 

「よっこらしょっと」

 

しかし、その時俺は変な所に気がついてしまった

 

 

 

 

「あれ?立ててる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそったれが!あのくそメスゴリラ逃げやがった!絶対に探し出すんだ!!!」

 

「り、了解!」

 

 

真夜中のトリニティで、とある少女がそう嘆いている

 

「し、師団長…落ち着いてください__」

 

「この状況が落ち着いてられるか!?あんな危険分子さっさと退学処分にすべきだったんだ!」

 

「それはなかなか難しいかと……仮にもあの人はパテル分派の首領です。ヘタに手出しが出来ませんよ」

 

後輩生徒が優しく落ち着かせようとなだめるが、そんなのこの女(第一SS装甲師団長)の前では通用しない

 

「てかもうパテル分派全員逮捕でいいだろ」

 

「師団長!?」

 

「それから長官にこのトリニティを統治してもらおう」

 

「師団長!?!?」

 

彼女達の周りでは他の隊員たちが忙しなく急いでいる

 

「くそ。戒厳令は敷いたがどこで情報が漏れた!?この学園の情報統制はほんっとに使えねぇな!」

 

「どうやらミカさんが脱走したところをモモッター¹で拡散されたようです。トリニティだけではなくゲヘナでもトリニティでも知られてます」

 

(え?ゲヘナ人がモモッターを使えるわけないだろ?何言ってんだこいつ)

 

相変わらずの反ゲヘナ思想である

 

 

「てかそれはマズイぞ。それで勢いづいたパテル分派が反乱でもされたら面倒だ」

 

「まっさか〜〜〜___

 

 

「報告です!パテル分派の暴動が各地で起こってます!至急正実とともに鎮圧せよとのことです!!!」

 

 

「「………」」

 

夜はまだ続く

 

¹
キヴォトス版tw○tter





ハイドリヒのメンタルよっわ!!!!!!
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