今回は、アコのファンの方々には申し訳ない話しになってしまいました
今回の話とは全く関係ないゲヘナにて
「急げ急げ急げいそげ!」
「問題児共に構ってる暇なんかないぞ!休暇を貰っている者も含めて総動員だ!」
いつも騒がしいゲヘナの一室で、いつにも増して風紀委員が騒いでいる
その中でも特に異質な服装の生徒が指示しているのが伺えた
「速やかに全風紀委員は所定の位置に移動してください。くれぐれもこちら側から攻撃を仕掛けないこと」
馬鹿みたいな服装から出る言葉とは到底思えないような真面目な命令が繰り出される
「まったく……運よく昨日中に問題児を全員逮捕出来てて良かったですよ……」
「行政官、本当にいいんですか?」
「__なにがですか」
一人の風紀委員が間抜けな格好をした女に問いかける
「いくら事態が事態だとしても風紀委員会の全員を招集してトリニティ方面に配備させるだなんて…
ゲヘナはなんにも関与していませんし大丈夫ですよ……だから私も休暇を___
「万魔殿の戦車に動きが見られました」
「………は?」
急に脈絡もない事を言いはじめるこのドぐされ横乳ファッション雌豚を見て、とうとう頭がイカれたのかと思ってしまう風紀委員
頭がイカれてるのは元々である
「めったに動かないタヌキ共が一見我々とは関係のなさそうな事件で戦車まで動員させる……おかしいとは思いませんか?」
「た、たしかに………」
「事態はそれほど危険だってことです、きっとこれが正義実現委員会やシスターフッドであれば話は変わっていたでしょう」
「………あれ?私の休日は?」
「無くなりました」
「……………すみません。退職って出来ますか…」
「逃がしませんよ?」
「…………」
ガクッ
「あ!ちょ、チナツ!負傷者です!」
まるでアスファルトの上にこびりついている鳥の糞みたいなクソッタレ横乳仮面の一言により、純粋無垢な風紀委員の一人が意識を失ってしまった
あーあ、ダイナマイト鼻ったれ糞間抜け変態横乳ヒナ委員長大好き変態趣味が悪い変態モスコーヴィエン国家弁務官区のタコスケぼんず野郎のせいです
__________
「ふぅ、なんとかトリニティから抜け出せれましたね」
至るところにはびこっている親衛隊の目を掻い潜りながら、なんとか車に乗り学園から抜け出したハイドリヒと愉快な仲間たち
「ここまで迎えに来てくれてありがとね!運転手さん」
「いやはや…大変な
「ほんとですよ。以前はトリニティ外の人物が敵でしたが今度は逆になるなんて……」
「今度も随分と厄介な敵さんのようで」
まったく…前回はアリウス分校が敵だった。しかし今度は違う
まさかトリニティの生徒同士で戦うなんて誰が想像しただろうか?トリニティ内戦の再来かよ
「今日はこのまま帰りますか?」
「いえ、急用が出来ましたのでミレニアムに」
ミレニアムという単語を話した瞬間、運転手の表情がこわばる
「ミレニアム……ですか。どうでしょう」
「え?なんかあるの?ガソリンが足りないとか__」
「いえ、燃料は足りるんですが…行ってどうするおつもりで?」
「妹に会いに行きます」
「……すみません。嫌な予感がするのは私だけでしょうか?」
「まさか、ここにいる全員が思ってますよ」
「幸運を祈ります」
はははっと力なく笑う俺に、慰めの言葉をくれる
「ところで私の会社はどうなってますか?」
「今日も好景気です」
そいつはよかった__じゃなくて!
「その理由を知りたいんですが」
「おっと失礼。それはお坊ちゃまが退院されてからお話になるとお聞きしましたが_まさかこんなに早く退院なさるとは思いもしませんでしたので」
「………了解しました」
たしかに腹に穴が空いて翌日に塞がってるだなんて思わねぇだろうな
「妹……えへへっ」
車は速度を上げ、どんどんミレニアムに向けて進んでゆくのであった
__________
着いた先にいたのは見慣れたゲーム開発部のメンバーだった
__一人を除いて、だが
「ハイドリヒっ!怪我は大丈夫?」
「完全にふさがりましたよ。安心してください」
「…………」
モモイはそれでも俺の腹をまじまじと見つめてくる
「もし自分のせいだと認識されてるのであれば、それは誤解です」
「だ、だって……」
「被弾したのも自分の体を鍛え上げきれていなかった私の責任ですからね、モモイさんが自責の念に駆られる必要はありません」
「…………」
うーん、慰めるってめちゃくちゃムズいんだね
「みんな貴方は優しい人間だと理解してます」
「そ、そうかな………」
「はい。私がゲームに負けたら恐ろしいほど煽ってくるし、大人げない行動を何度もされますが…その心の内側には誰にも負けない優しさが隠れてます。
__ですからそうやって苛まれてしまうのです」
「…………」
「大事なのは今です、未来はもっと大事ですよ」
「ですから前を向きましょう。モモイさん」
「………いいの?」
モモイは恐る恐るその若干震えている顔を俺に向け、そう問いかけてきた
「勿論です、だからここに来たんですよ」
「途中親衛隊の手から逃れようと建物の上を走ったのは心臓に悪かったよ……」
はははっ、そういやそんなのあったなぁ
_____
『___見つかりました。飛ばしますよ』
『へっ?』
『見つかったって……まさか!』
『親衛隊ですか』
『御名答』
俺達が乗っているリムジンの後ろには、まるで獲物を見つけた肉食動物を連想とさせる装甲車が意気揚々と向かってきていた
『………あの装甲車、速くない?』
『そりゃあ特注のものですからね。そこらの物とは馬力が違いますよ』
『………あの装甲車、近くない?』
『そりゃあこの車はそんなに早く走ることを目的としてませんからね。すぐに追いつかれますよ』
先程までずっと向こう側にあった装甲車が、今はなんと3m後方くらいで走っている
『や、やばいやばいやばいやばい!ヘイローが無い私は潰されてスクラップにされるぅ!』
『仕方がありませんね……飛びますよ』
『うん!もっと速く__へ?飛ぶ?』
『スイッチオン☆』カチッ
ドガアァァン!!!
『『きゃぁぁぁぁ!!!』』
ドシン
『………』
いきなり車の下が爆発したかと思ったら、いつの間にか車はビルの上を器用に突っ走っていた
『…い、今のは………』
『上昇装置です。ミレニアム製です』
『ミレニアムやばくない?』
先生が冷静にツッコミを入れる
__うんまてよ?
『上がったってことは下がらねばなりませんよね?』
『御名答。次のビルの上を通り過ぎたら下に降りましょう』
『え?ちょっとまっt……きゃあああ!!!』
_____
「ハイドリヒさんに先生…よく来れましたね__それと……」
「こんにちは!私の名前は梔子ユメ!よろしくね」
「よ、よろしくお願いします……」
(大きい…)
(大きい………)
(でっか)
ユメは何とは言わないけど揺らしながら元気良く自己紹介する
「……アリスはどこに?」
さっきから気になっていた事を聞いてみる
「アリスは………」
「…………」
二人の姉妹はまるで精神が入っていない人形かのようにゆっくりと向かいにある扉に視線を移す
__そう、そこは紛れもなくゲーム開発部の部室だった
「……アリスちゃんが部屋から出てきません」
ミドリがポツリとそう話す
「その…アリスちゃんが……部屋から出てきてくれないんです」
「何度呼んでも…なんにも言い返してくれなくて」
どうやら彼女達は色々とやってくれたらしい
やっさしいなぁ
「だいじょうぶ、モモイ達は頑張ってくれたよ」
「こらからは私に任せてっ!」
二人の大人が胸を張って答える
コンコンコン
「アリスさーん、いますよね?知ってますからね。早く出たほうが身のためですよ」
「そ、そうだよ!早く出てこないと……え、えっと…おばけが出ちゃうかも!ほらっ!早く出なくちゃ!」
(可愛いなぁ)
「……アリス?中に入れてほしいな」
間抜け姉弟とは対照的に、先生は優しく諭す
流石は先生だ
「………」
しかし、中からは返事どころか物音さえ聞こえない
「……入りましょう」
「そうだね」
意を決した先生たちはドアノブを捻り部屋の中に入ろうとする
ガチャッ
しかし
「…ご丁寧に鍵までかけられてますね」
案の定扉が開くことはない
「ちょっとそこどいてね」
「?」
スッ
ユメは腰に携えているどデカい銃を一つ抜き出し___
ドンッ!!!
「!?」
「これでだいじょーぶ!」
ドアノブを正確に打ち抜き……それどころか弾丸の衝撃でドアそのものさえぶち抜いてしまう
「ぶ、部室の扉が………」
「あとで建て替えてあげますから気にしなくて大丈夫ですよ」
「具体的にどこがですか!?」
「じゃっ、入るねーーー」
スッ
まず最初に部屋に侵入したのはユメだった
中に入ると電気もついていない薄暗い部屋の中、たった一人ポツンと部屋の片隅に佇んでいる
「……貴方がアリスちゃん?」
「………」コクッ
「やっと会えたね!私梔子ユメっていうの!よろしくね!」
まるで光と影のようだ
「……アリス?大丈夫?」
「………」
しかし、それでも何も発しようとはしなかった
「ご飯食べれてないでしょ、ほらっ私達と一緒に食べに行こ?」
「そのあとゲームセンターにでも行きましょう、絶対に楽しいですよ」
「……ありがとうございます」
おっ、初めて話してくれたね
「皆心配してますよ。行きましょう」
「………で、でも____」
「私は心配いりませんよ。この通りピンピンしてます。
だから一緒に外に出ませんか?」
「………アリスには出来ません」
返ってきた言葉は、まさかの否定だった
「……どうして?」
「…アリスはハイドリヒを傷つけました……」
なーんだ、それくらいどうってことないぞ
「大丈夫ですy_____
「怖いんです」
……………
「時々夢を見ます。アリスじゃない誰かが話しかけてくるんです_『王女よ』って………アリスは勿論王女なんかじゃありません」
「アリスはアリスです……でも、でも怖いんです。アリスがアリスじゃない別の誰かになってしまうかもしれません」
「そうしたら……また友達を傷つけるかもしれません」
「それはたまらなく怖いです」
まるで懺悔をするかのように話すアリスに、どこか息が詰まる思いをする
「……人には一つくらい欠点があるものです。それを補うのが我々です」
「そうだよ!だからなにも気にしなくていいから……」
「違います……で、でも。確かなのは……かっ確実なのは__アリスがハイドリヒを……っ!」
「い、一旦落ち着いて!」
「そうよ、貴方が怪我をさせた__それは覆せない事実」
急に、扉の方から妙に大人びた声が聞こえた
「今度はちゃんと会えましたね。リオさん」
「__そうね」
リオはしらを切るようだ…そりゃあ犯罪だからな、不法侵入って
「貴方は事情を知ってるでしょ、ならアリスは私が貰うわ__」
そう言ってリオは、俺達の方に近づいてきて………
「いいわけねぇだろ」
「………以前した説明をもう一度したほうがいいかしら。
そもそも貴方は昨日攻撃を受けたときにこう考えたでしょう」
「…………」
「今まで家族だった彼女が見せたあの姿、姿勢。そして同時に生じた破壊と混乱…。
その中でこう考えたはずよ」
「『今まで家族と思っていた者は、実は家族ではなくて敵対者だったかもしれない』……ってね」
決して的を射ているとは言えない言葉…しかし反論が出来なかった
それでもなおリオは追撃してくる
「あなた達がアリスと名付けたそれは……未知から侵入してくる『不可解な軍団』の指揮官であり、『名もなき神』を信仰する者や奇妙な人物が作り上げたオーパーツであり……
「いずれ世界を終焉に向かわせる『王女』ですか?」
「し、知ってたの!?」
「以前お聞きしました」
「……それでも渡す気は無いのね…………いいわ」スッ
「?」
「あまり無駄話はしたくなかったのだけど___」
お前はっ!
「ネルさん!?」
「よぉ久しぶりだな」
俺の眼の前に現れたのは高校生とは思えないほど低身長の少女、美甘ネルだった
「あまり悪く思わないでちょうだい、そもそもの話C&Cはセミナー直属の組織なのだから__ミレニアム版の武装親衛隊だと言えば理解してくれるかしら?」
「……ご親切にどうも」
クソッタレが、ネルが敵だったら勝てねぇじゃねえか
「__まさかネルだけだと思ってないかしら」
「………へ?」
その瞬間、リオの後ろには大量のAMASが乱入してきた
__事態はとても芳しくない
「さあネル、アリスを捕まえてちょうだい」
「………」
「……本気ですか」
「勿論よ」
……………
「いいぜ」
「かかってきな!」
そして戦いの火蓋は切られた___
はずだった
ダダダダ!
先陣を切るように火を吹いたのはネルの重火器だった__しかし、誰一人として傷つかない
それどころか
俺達に弾幕が降り注ぐことは無かったのだ
「…………ふふっ」
「__正気かしら」
「テメェこそ正気かよ!こんなことやってられっか!」
さいっこうだなお前は!
「ケッ、お前の命令は今まで糞みてぇだったが…今回はゲスだな!
同じ学園の、それも私の可愛い後輩を誘拐しろだぁ!?ふざけんのも大概にしろや!!」
いいぞー言ってやれ!
「……裏切るのね」
「テメェに付き合う義理はもうねえ。消えな」
「……貴方の行動は目に余る_今も、これまでも……ネル、私がこんな状況を予想できなかったとでも?」
「……何言ってやがる」
「トキ、出番よ」
ドゴオオオン!!!
「!?」
突如として破られる壁
そこから一人の少女が舞い降りてきた
ガシッ!
「グフッ!」
「ネルさん!」スッ
ズドンズドン!!
俺は咄嗟に銃を乱射するが全て機械のAMASに弾かれる
「……くそっ」
「どいて」
ドンドンドンドン!!!!
今度は姉さんがAMASを撃ち抜く、まるで発泡スチロールかのように綺麗に風穴が開くAMAS
「ガッ!だでだでめえ!!!」
「申し遅れました、私はC&C所属、コールサインゼロフォー、
以後お見知り置きを____
「邪魔」
ドン!
「っ」サッ
「へっ!?」
難なく躱される_狙いを定めて引き金を引くがそれが当たることは無かった
「テメェ!あたしの背後を取るだなんていい度胸してんじゃねえか!!!」
「威勢だけはいいようで」
「あんだと!!」
「……さぁ、もういいでしょう。帰るわよ、アリス」
「…………」
サッ
「な、なんであいつについて行くんですか?アリスさん……」
「………もういいんです」
「ほら。可愛い妹の頼みよ、聞き入れてあげるのが兄としての責務ね」
「………」
このリオの言葉に、一瞬場が冷えくりかえる
「い、いもうと?」
「………」
「は、ハイドリヒてめぇ…アリスの兄なのか……?」
「言ってませんでしたね」
「………行きましょうか」
「………はい」
「待て!!!」
この狭い部屋の中、俺の声が反響する
「な、なぜですか?……そっちに行ってはいけません」
「__もういいんです」
「アリスが消えます」
「なっ!」
「だめ!アリスちゃん!」
「そんな事をする必要はない、帰っておいで」
皆が引き留めようと叫ぶが、どれもアリスには届かない
「いいえ、アリスがこのまま魔王でいると、みんなが傷つきます。アリス、そんな姿見たくありません__」
「そんな事はありません、我々が互いに助け合うからこそ家族なのです」
「だ、だって……ハイドr、兄さんの怪我も…!運が良かっただけかもしれません」
「……つ、次は頭を貫くかもしれません__それは辛いです。家族が、傷つくのは見たくありません」
「…………」
「会長の話を聞いてアリスは理解しました。きっとアリスが消えれば全てが良くなります」
「アリス、奴の話を鵜呑みにしてはいけません。
一旦皆で話し合う必要が____」
「___さぁAMAS、アリスを回収しなさい」
命令を受けたいくつかの機械がアリスめがけて動く
させるかっ!
ドゴォ!!
「………それが貴方の回答なのね」
「そりゃあそu「知ってた」___」
ピカッ!
「っ」
急に目の前のAMASが破裂しそうになるほど膨らみ、その裂け目から光が溢れ出してきた
「先生危ないっ!」
「へっ?」
ドガアアアァァァァァン!!!!
狭い室内が瞬時の爆炎で包まれる
「ゴホッゴホッ…大丈夫ですか?先生___」
「な、なんとか………」
俺が覆いかぶさったおかげで、なんとか先生は軽症で済んだ
____しかし
そこには大量のAMASをはじめとして、リオと
復讐劇がはじまるぜ!!