忠誠こそ我が名誉inトリニティ   作:もりもりバナナ

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今回ちょっと短めです



ゲーム開発部とハイドリヒ

 

ハイドリヒが目覚めて2日後のゲーム開発部の部室にて

 

時刻は21時をまわっていた

 

「アリス、お兄様をボコボコにします!」

 

「兄の強さを思い知らせてやりますよ!」

 

二人の兄妹が仲睦まじく対戦ゲームに花を咲かせている

 

「喰らえっスティッキーフィンガース!」

 

「横B」

 

「なっ!ちょっと……あぁぁぁぁぁああぁぁ!!!」

 

開始5秒後、ハイドリヒの攻撃を綺麗に回避したアリスは、ハイドリヒを場外に押し出し見事に勝利を掴む

 

「あはは!また負けてるーーー!」

 

「ハイドリヒさん……グッジョブです」

 

それを後ろから眺めている才羽姉妹

 

「ふんす!アリスの勝利です!」

 

「ま、まだ負けたわけじゃないですから………」

 

「めちゃ画面に『K.O!』って書かれてるじゃん」

 

「こ、これは…『()れからは()前のターンだ』って事です」

 

「無理があるよ!?」

 

うるっせ!口みたいな栗しやがって!

 

ワイワイ

 

ガヤガヤ

 

「まだまだやりましょうよ、まだ午後9時ですからね」

 

「お、ハイドリヒ分かってんじゃーん___夜食でも買いに行く?」

 

「アリス、ホットスナックが食べたいです!」

 

「いいね!私も食べたーい!」

 

「ちょっ、お姉ちゃんにアリスちゃん……ハイドリヒさんが来てからお金使わせ過ぎじゃない?_ちょっとは遠慮したほうが___」

 

「大丈夫です。私自身も貴方がたと一緒に食べる物は特別ですから」

 

「で、でも………」

 

「金なら腐る程あります」

 

「すっげ」

 

ミドリは今まで聞いたことない言葉に感銘を受ける

 

「ミドリさんは?」

 

「え、私?__じゃぁポテトチップスをひとつ……」

 

「あー結局ミドリも買ってもらおうとしてるじゃん!」

 

「う、うるさいお姉ちゃん!」

 

「ははっ____ユズさんは?」

 

「!?」ガタン!

 

奥のロッカーが勢いよく揺れる

 

「ユズさんもなんか欲しいものあったら買ってきますよ」

 

「____」

 

ロッカーから返事はない

 

「……ユズさん?聞こえてますか?」

 

「____」

 

再び問いかけても、ロッカーから返事はない

 

「………?」

 

不審に思った俺は思い切ってロッカーのドアに手をかけ、勢いよく開ける

 

 

 

「ひ、ひいいいぃぃぃぃっ!!!!」

 

「………」

 

「た、たたた食べないでくださいぃぃ!!!」

 

「食べません」

 

「すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんっ!!!!」

 

「ちょっ、落ち着いてください」

 

俺はロッカーの中でたけしみたいに怯えているゲーム開発部の部長、花岡(はなおか)ユズに落ち着くよう諭す

 

「もーまた?ユズ落ち着いて。ハイドリヒは悪い人間じゃないって言ってるでしょ……あの時眼の前にいた敵をばったんばったん倒してくれたんだしさ」

 

「そうだよ。ほんとにかっこよかったし___

 

「………で、でも……やっぱ怖い……」

 

「………?」

 

俺ってそんなに怖いか?

 

う〜〜〜ん…今まで怖がられた事ないしなぁ……トリニティにいた時の事は覚えてないね

 

「…まぁ、適当にポテトチップスとかジュースでも買ってきますから」

 

「は、は、ははははいいいっ!!!すみませんすみません!」

 

「ちょっとハイドリヒ!怖がらせちゃ駄目でしょ!」

 

「私ですか!?」

 

理不尽すぎだろ!

 

「じゃあ行ってきますからね〜〜〜」

 

「アリスもお供します!」

 

「私も私も〜〜〜!」

 

そう言いながら彼女らは妹かのごとく寄り添ってくる。一人妹が混じってるが

 

そんな感じでワチャワチャしていたら、ミドリが口を開いた

 

「……ねぇ、お姉ちゃん残ったらいいじゃん」

 

「え、どうして?」

 

モモイが率直に返す

 

「だって……ユズちゃんを一人にするのは可哀想じゃない?」

 

「ま、まぁそうかな…じゃ、ミドリ私の分も頼んだよ〜〜〜」

 

そう言ってモモイはソファの上に座る

 

「__アリスちゃん」

 

「はい?」

 

アリスがくるっと振り返り、可愛らしく首をかしげる

 

「……ハイドリヒさんが今度はこのゲームやってみたいって」

 

そう言って何やら冒険ゲームのソフトのような物を懐から取り出す

 

「そ、そうだったんですか?」

 

「___?まぁ面白そうですね」

 

そんな事言ったか?__言ったっけ

 

「だからアリスちゃん、帰って来るまでそのゲームの準備しといてくれない?」

 

「了解しました!アリス、クエストを受注しました!」

 

そう言ってミドリからソフトを貰い、ゲーム機に挿入する

 

 

 

「じゃ、ハイドリヒさん___行きましょうか」

 

「そうですね」

 

「……アリスもいるなら私が行っても良k「早く行きましょう」あ、ちょ___」

 

 

ガチャン!

 

ミドリは俺の腕を無理やり引いて部室から逃げ去るように飛び出る

 

 

 

 

 

 

ミレニアムの廊下で二人

 

「___じゃ、行きましょうか__あれ?どこにコンビニエンスストアあるんでしたっけ?」

 

「それはこの近くに………」

 

「へぇ、近くにあったんですね__

 

「___いえ!ちょっと遠くなるんですけど。私がエスコートしますから安心してくださいね?」

 

「あ、ありがとうございます……?」

 

そうして二人はコンビニに向けて歩を進めるのであった

 

いつもよりスピードが遅いのは、わざと遅くしているミドリの歩調にハイドリヒが合わせているからだろう

 

___きっとそうだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、ハイドリヒさん……し、質問良いですか?」

 

「どうぞ、答えられる範囲内でしたら」

 

若干緊張しているような口調で話しかけてくる_なぜだ?

 

「と、トリニティにいた時……彼女さんはいらしてたんでしょうか?」

 

おいおいおいおいおい、なんて酷い質問なんだ

 

俺みたいな誰にも好かれない非モテにそんな質問するんじゃぁありません!__なんて事は言わないが

 

「まっさかーいませんよ。誰も私のことなんて異性の対象として見てなかったでしょうしね」

 

「そ、そうですか____」グッ!

 

ミドリが軽くガッツポーズをしているのが見える__馬鹿にするんじゃねぇ!

 

「そういうミドリさんはいないんですか?」

 

「わ、わわ私ですか!?」

 

「はい」

 

「私は__えと____」

 

「ほらっ、私も泣く泣く教えたんですからそっちも言わなきゃ対等じゃありません」

 

「その_____」

 

ミドリは重い口を開く

 

「す、好きな人はいるんです………」

 

「ほう_____ほう!?」

 

な、なんだってぇ!?これは面白い情報を手に入れたぜ!

 

「誰ですか誰ですか?私にだけ教えてくださいよ〜〜〜」

 

「ひ、ヒミツですっ!」

 

「良いじゃないですか。ほらっ!私とミドリさんの仲でしょ」

 

「っ」ピクッ

 

「特徴だけでも良いですからっ!」

 

「じゃ、じゃあ………」

 

うん?やっと観念したか?

 

「私が話したら、また一つ質問していいですか?」

 

「何個でも大丈夫ですよ」

 

「よ、よかった……」

 

 

 

 

「その人はとても頼れるかっこいい男性で__背が私より高くて___」

 

「ほうほう……」

 

「気が利いて、力強くて、かっこよくて、行動力が学校を瞬時に自主退学できるくらい大きくて___」

 

「すっごい人ですねぇ、その人は」

 

そんなかっこいい男性がいたら誰でも惚れちゃうよね……分かるわー

 

「そんな人がいるだなんて_知りませんでしたよ」

 

「___もう」

 

ん?

 

「じゃ、じゃあ質問しますね」

 

ミドリは少しだけ緊張するような素振りをしながら、少しばかり顔を赤らめて話し出す

 

「は、ハイドリヒさんの好きな人の特徴ってなんですか_!?」

 

「なるほど……なにぃ!?」

 

お、お前ぇ!なんでそんなに答えにくい質問をするんだぁ!!!???

これって答えにくいよね、いざ考えてみると良く分からん

 

う〜〜〜ん……過程的な人?ケツとタッパがでかい女?

 

「あぁ………そうですね………ベタですが、『一緒に過ごしたい人』でしょうか?」

 

「その一緒に過ごしたい人の特徴が知りたいんです!」

 

ミドリは道の真ん中で立ち止まり、俺に迫るように聞いてくる

 

「そうですね……………思考が似ている___?とかですか?大雑把に言えばそうですね」

 

「なるほど………あの!」

 

「はい?」

 

「これから、ハイドリヒさんともっと一緒にいていいですか!?こ、これから頑張ってハイドリヒさんの考えとか!趣味嗜好とか学びますから!」

 

「それは楽しみですね」

 

「!!!」

 

ミドリは一瞬顔を真赤にさせ、両目をカッと見開く

 

「ありがとうございます!!!」

 

夜中の町中で、ミドリは叫んだ

 

その足取りはいつも以上に軽かったという

 

 

「えへへ…あ、ハイドリヒさんってこのままミレニアムに入学するんですか?」

 

歩みを再開して数歩

 

急に違った方向性の質問が飛んでくる

 

内容は俺がこのままミレニアムサイエンススクールに入学してくれるのかって話だ

 

___どうだろ

 

「今は、なんとも言い難いですねぇ……もしかしたらトリニティに戻るかもしれません」

 

「えっそうなんですか!?」

 

そうなんだよなぁ__

 

「もしもですよ?もしトリニティ内が本当に危機的状態に陥れば、私は武装親衛隊に戻って指揮を取るはずです」

 

「___それは悲しいですね」

 

「私としてはそんな危機は訪れないに限りますがね__現実はいつも非常です」

 

俺とミドリはどっと悲しい顔になる

 

「__たとえそうなってもゲーム開発部に遊びに来てくださいね?」

 

「あったりまえですよ」

 

俺は胸を張って答えると、ミドリはどこか安心してくれたような表情をする

 

 

「…ずっと……ずっと今が続けばいいのに___」

 

「え?なんて?」

 

「…ハイドリヒさん。手、握ってくれませんか?」

 

「良いですよ」

 

ギュッ

 

ミドリが差し出した手をそっと優しく握る

 

「………あったかい」

 

その手の温もりは、どこまでもあったかく、どこまでも優しさで満ちていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま帰りました___

 

「だから王女に夜ふかしをさせるなとあれほど言ったじゃないですか!!!」

 

「だって…ゲームしたいしー!」

 

部室に戻ると、モモイとアリス__いや、ケイが口論していた

 

奥の方ではロッカーが小刻みに揺れているのが見える

 

「あ、ハイドリヒ〜〜〜!ケイが怒っちゃった」

 

「当たり前です!なぜこのようなことが許されると思ってるのですか!?理解出来ません!」

 

どうやらそうとうご立腹なようだ。た、確かに夜ふかしは良くないな……

 

「王女の体調を気遣うのが当たり前でしょ!?頭イかれてるんですか!?!?」

 

落ち着けって

 

ヴゥン!

 

おや?目の色が__

 

「ケイうるさいです!アリスはこれからお兄様と一緒にこのゲームをやるんですから!」

 

どうやらアリスに戻ってくれたようだ

 

ヴゥン!

 

「王女よ、それは認められません。私は王女の体調を思って___」

 

ヴゥン!

 

「よけいなお世話です!アリス、ゲームを続行します!」

 

ヴゥン!

 

「駄目です」

 

ヴゥン!

 

「やりたいです!」

 

ヴゥン!

 

「絶対に駄目です」

 

ヴゥン!

 

「いーや、やります!!絶対にやりたいです!!!」

 

ヴゥン!

 

「だから駄目ですって言ってるでしょ!?なぜ理解してくれないんですか!?」

 

面白いほどに目の色を変えながら二人?で口論している

 

「___カオス、だね」

 

「本当ですよ、妹は二人いるけど、一つの身体だってのは理解し難いもんです」

 

俺とモモイは遠くからその光景を見つめていた

 

 

数分後

 

「はぁ、私自身も肉体を持ってさえいれば、無理にでも寝かしつけるというのに___」ヴゥン!

 

「アリスも賛成です!ケイと一緒にゲームがしてみたいです!」

 

___ほう?

 

「つまり_ですね。一つの肉体に二人じゃなくて、私達みたいに一つの肉体に一人づつがいいんですね?」

 

俺が二人に聞く

 

「はい、そっちのほうが絶対に面白いです!」ヴゥン!

 

「面白いかどうかは別にして。その方が効率が良いのですが___」

 

「資金面や技術面で厳しいかと思われます__いや、技術はエンジニア部が所持しているでしょうが。それには莫大な資金が必要になるでしょう」

 

「__分かりました」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

「私に任せてください」

 





いつトリニティに話を戻せれるんだい?
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