忠誠こそ我が名誉inトリニティ   作:もりもりバナナ

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空崎ヒナとかいうどの学園のどの生徒にでも合わせられる万能生徒。



蛇足編
横乳はんた〜〜〜い!


 

時は昼下がり。とあるトリニティ郊外の喫茶店

 

中は嫌と言うほど静まり返っている__まるでお通夜のようだ

 

その店にはこれと言って特徴がない

 

美味しいケーキも絵になるジュースもありはしない

 

店内はがらんとして空席だらけである

 

しかし、ここに一人の少女が座っていた

 

………いや、一人の少女というのは少し違うだろう

 

一人の少女と一人の男が並んで座っていた

 

 

 

 

「お待たせしました。ヒナさん」

 

「こっちこそせっかくの休日を潰してしまって悪いわね、長官さん?」

 

「お互い様ですよ___何か頼みますか?」

 

そう、風紀委員長である空崎(そらさき)ヒナだ

 

どうやら休みを取れたようだ。とてもかわいらしい私服を着て席に着いている

 

「丸くなったわね_アイスアメリカーノを貰おうかしら」

 

「貴方こそ_すみません、アイスアメリカーノを二つ」

 

「了解しました」

 

店員にそう伝えたあと、ハイドリヒは話し始める

 

「最初あった頃とは大違いですよ。目に隈が出来ててパンダみたいだったのに…」

 

「ありがと……貴方こそ、初対面の頃はゲヘナ嫌い筆頭みたいな人だったのにね。何が貴方を変えたの?」

 

「変わりませんよ。ただ、蔑むべきクソゲヘナの相手が変わっただけです」

 

「万魔殿のことでしょう」

 

「__それともう一つ。貴方の組織内に私の…いや、私達の敵とも言えるべき人間がいます」

 

ヒナは意味が分からないとでも言いたそうな顔で、首をかしげクエスチョンマークを浮かべる

 

「ヒント:横乳」

 

「!?___はぁ、その節は本当に申し訳ないわね」

 

「いい加減あの馬鹿げた服装を止めさせてくれませんか!?アリスに悪影響です!」

 

そう、別に俺はこんなくだらないことで怒ることは無い

 

だって他の学園だしこちらには関係ないからだ__だが

 

何故か、アリスとヒナさんがめちゃ仲良くなったのだ。俺の妹ってすご

 

そうなると必然的に他の風紀委員にも出会うわけだが…もちろん最悪なことにアイツ(アコ)に出くわしてしまった!!!

 

「その後なんて言ったか分かりますか!?『アリスもあの服を着てみたいです』ですよ!?!?!?私寝込む寸前でしたからね!!!!!!!!」

 

「も、申し訳ない………」

 

「考えてもみてくださいよ!!!愛する純粋無垢な妹があのF◯cking B◯tchな服装を見て「着てみたい!」と笑顔で言うんですよ!!!_____すみません、ヒートアップしてしまいました………はぁ___」

 

「いえ、ごめんなさいね。私がもっと気を配ってあげられれば………はぁ___」

 

どうやら双方に苦悩があるようだ

 

「貴方の妹……今でも信じられないわ。失礼覚悟で言わせてもらうけど全く似てないし」

 

「姉もいますよ」スッ

 

一瞬で目を見開いて驚いた表情になったヒナさんにスマホを見せる

 

そこには、家庭菜園で芋を掘っているユメ姉さんが写っていた。芋を左右の手で一つずつ持って溢れんばかりの笑顔でこっち側を向いている__奥の方では先生が芋に絡まれて倒れていた

 

「……太陽のような人ね」

 

「はい、梔子ユメっていう名前なんです。年齢で言うとヒナさんの3つ上ですね」

 

へぇ〜っとヒナが言った瞬間、少しだけ表情に曇りが見えてくる__

 

__多分あれだな

 

「名字がこうも違う理由が気になりますか?」

 

「っ」

 

ビンゴ♤(ヒソカ風)

 

「ちょっと複雑なんですよ。

まず姉と私の母親は違います、父親は一緒ですから血は繋がってるんですよね」

 

「そして妹たちは___まぁ、良く分かりませんが血は繋がってるので家族です」

 

「___野暮な事聞いたわね」

 

「気にしなくて大丈夫ですよ。散々トリニティに諜報員送ってる貴方がたですから気にしてはないでしょうが__おっと、それは万魔殿のF◯cking B◯tch達でしたね」

 

(F◯cking B◯tch………流石はお嬢様学校、発音がゲヘナの不良どもとは違う)

 

「てか悪いわね。うちの生徒が」

 

「いいえ__いずれあの横乳を市中引き回しに……嘘ですよ。トリニティジョークです」

 

そう言って俺はぐいっとコーヒーを一口飲む

 

まぁまぁな苦みが俺の口の中に広がる__

 

「すみません、ショートケーキ二つ」

 

「了解しました」

 

「貴方ってけっこう甘党なのね。ケーキを二つも_」

 

「一つは貴方のですよ」

 

「っ!?」

 

おー驚いていやがる

 

まったく、ゲヘナの人間が驚いているのを見るのは滑稽だなぁ!ふはははは!

 

「貴方、女性に好かれやすいでしょ」

 

「バレました?」

 

今までの俺とは違う!

 

俺にはアズサがいるんだーーーーー!!!!!

他からは全くモテません

 ↑

クソボケ語

 

「____ねぇ」

 

「はい?」

 

「その……えっと……わ、笑わないで聞いてほしいんだけど___」

 

「分かりました」

 

もじもじと指を忙しなく動かしてちょっとだけ赤面するヒナ

 

そんな彼女の口から衝撃の一言が飛び出たことは誰だって想像できたであろう

 

 

 

「気になる子がいるんだけど」

 

「なるほど……なにぃ!?

 

「きゃっ!」

 

おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!今ヒナさんはなんて言った!?

 

”気になる子”だってぇ〜〜〜〜〜!!おーーーいおいおいおいおいおい!!!

こいつはスクープだぜぇ!俺がもしクロノススクールだったら全キヴォトスに報道するところだったなぁ!あいつら殺す

 

「ちょっと誰なんですか〜〜〜?私にだけ教えてくださいよ!」

 

「……そうね。教えないと話が進まない」

 

おっ、ミドリとは違ってやけに聞き分けがいいな

 

「その………万魔殿に羽沼「嘘でしょ!?!?」___」

 

「羽沼って…あのゲヘナバカマコトの事ですか!?」

 

「ち、違う!弟よ」

 

弟?あいつに弟なんか____あ

 

「確か羽沼キョウカでしたっけ?あの人は万魔殿では類を見ないほどいい人ですよね〜」

 

「……ふふっ」

 

「___あの人に、好意を持ったってことですか?」

 

ヒナは何処か恥ずかしそうに頷く

 

__だが

 

「なぜ私に相談を?先生がいるじゃないですか。

先生は自称恋愛のエキスパートですよ」

 

「先生ってほら、付き合ったこととか無いらしいし」

 

「ほんとですかあの人(笑)」

 

「……でさ、本題に入りたいんだけど___」

 

お、キタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

「キョウカの事が_その___」

 

「大好きだと」

 

「ちょっと///!」

 

「別に恥すことではないですよ。人のことを愛すことは素晴らしいことであり輝かしいものです、きっとその行為は神々が祝福してくれるでしょう」

 

「な、なんか妙に説得力があるわね……」

 

愛って素晴らしいんだよなぁ。最後に愛は勝つとはよく言ったもんだぜ

 

「へぇ、彼のどんな所に惹かれたんですか?気になります」

 

俺がそう問うと彼女は恥ずかしそうに呟く

 

「あの…その………真面目で清純で誰よりも正義感が強くて、でもどこか抜けてるとこもあって、それを補うために努力を欠かさない所とか_彼と何気なく話す話題はどんなくだらない物でも凄く楽しいと感じられるし、一緒にいるだけでもそれだけで心が落ち着く_いや、ドキドキしてきたから恋だと気づいたんだった……それにね、最近また仕事を手伝ってくれたのも嬉しかった。いつもいつも私がゲヘナの不良どもと戦ってる間に彼もすぐさま駆けつけてくれて一緒に戦って私の負担を少なくしようと気遣ってくれたりするところもかっこいいわ。驚くことに万魔殿から書類の山が送られてきてるけど彼もそれを処理することを手伝ってくれるの、笑えるでしょ?だって彼の所属する組織からの仕事だって言うのに彼自身も『ヒナさんに負荷を与えたくない』って言って一緒に残業しながらもその書類を処理してくれるの。最近になってフウカの所に行くことも少なくはないんだけどそれも彼女に負担をかけさせたくないからって魂胆でその誰にでも与えられる優しさに惹かれた…のかな?詳しくは分からないけど……でもキョウカの事が好きだってことは覆しようのない事実。確かに彼は他の生徒からも好かれてるし尊敬もされてるんだと思う、だから万魔殿とか風紀委員会の大半の生徒は彼に従ってるように見えるわ。だからこそ、早く私物にしたい。恋敵は測定不可能だし何処にいるのかも分からない_でも、最後に勝つのはこの私よ____あ、あとね?この前やっと一緒にお昼ご飯を食べに行けたのだけど、彼ったらケーキを頼んだ時に私に一口くれようとしたのよ?これってもう…///、ま、まぁ…美味しかったし?それに最後の会計で割り勘と言うわけでもなく『ヒナさんはいつも頑張ってるので』って言いながら私の分も出してくれて_もうっ!なんでそんな事が出来るのっ!?かっこよすぎっ!!!今思い返せば私が三年生に上がって不良どもと戦ってる時の大体に彼がいたわね。温泉開発部と戦ってる時も、美食研究会と戦ってる時も、便利屋68と戦ってる時も、変なデカいパンケーキと戦ってる時もほとんど側にいてくれたわ。彼ったら私よりも絶対に身体が強くないはずなのに身を挺してまで私を守ろうとしてくれるのよ!!!???いつも大丈夫だって言うんだけど『可愛いヒナさんに怪我をさせるわけないじゃないですか』だって………キャーーー//////!!!なんで恥ずかしがらずにあんな事言えるの!?これってもしかして彼も……///よし、この戦い、必ず勝ってみせるわ。そもそも彼は最初から風紀委員会に入ろうとしてたわけで決して私のことを蔑むように思ってないはずだしそれ以上かも……うふふ///」

 

「長いです」

 

その数なんと1110文字!?これだけでどれほどアイツ(キョウカ)の事が好きなのかが伝わってくるぜ

__あとなんか後半になるにつれて感情的になってきてるし

 

「__あ、ごめんなさい……ついヒートアップしちゃって///」

 

「それは素晴らしいですが…落ち着いたほうがいいです」

 

俺が優しく諭すとヒナは汗をかきながら己を落ち着かすためにショートケーキを一口ほおばる。とても美味しそうだ

 

俺も食べてみる__うん、初めて食べるけど普通に美味いな。脳内に糖分が送られてくる感覚が心地よい。

__でも、なんでこんなにお客さんがいないんだ?俺達しかいない

 

「ちょっと質問いいかしら?」

 

おっと失礼、考え事してた

 

「なんなりと」

 

「えっと…これは貴方をここに呼んだ最大の理由にもなるんだけど__」

 

「ほう?」

 

「……男の子って、なにしたら喜ぶの?」

 

「っ!!!」

 

ヒナさんが恥を承知で聞いてくるその姿__とっても心打たれたぜ

 

俺はふぅっと肺から息を出しながら、ヒナさんに向かって話し始める

 

「ヒナさん、それは相手が自分に対してどう思ってるかによって変わります」

 

「な、なるほど………」

 

「もし相手に好かれていたとしましょう。だったら何してもOKです、なんなら近くにいるだけでも好感度は上がるものです……あ、不倫とかそれに疑われるような行為は避けてくださいね?」

 

「………」メモメモ

 

「ですが、それが逆で嫌われていたとしましょう。だったら何しても駄目です、さっさと自分の駄目だった所を治すのが得策かと_近くにいるだけでも不機嫌になられたらそれもうヤバい」

 

「そ、そうなのね……」メモメモ

 

「はい、そうです」

 

「ふぅん…………それだけ?」

 

「はい」

 

「そ、その……何か近づくための技とか無いの?相手の気持ちを探る手段とか_」

 

「読心術ですか?」

 

「ふふっ、これもトリニティジョークかしら?」

 

「いえ」

 

「は?」

 

「はい?」

 

 

 

__この瞬間、ヒナは思い知ったのだ

 

相談すべき相手を間違えた__と。実際ハイドリヒはモテモテ(本人は自覚ほぼ無し)だし異性だからいい相談相手になるだろうという考えは間違っていない

 

それどころか正しいだろう。

恋愛経験がベアトリーチェの存在価値と同じくらい無い先生に相談するよりも、恋愛経験豊富なピッチピチな男に聞いたほうが何倍も役に立つのは火を見るより明らかだ

 

だが、ここには重大な落とし穴がある

 

___そう、彼がクソボケ(・・・・)な事だ!!!!!!

 

彼女は知らなかった!実はミレニアムとトリニティと、実はゲヘナにも彼を想っている生徒がいるにも関わらずその大多数(アズサ以外)の気持ちを認知していないのだ!!!

 

そんな彼がまともな相談など出来るはずもなく___

 

「__な、何か__せめて相手が私にどう思ってるのかを探る手段は………」

 

「う〜〜〜ん……あ、一つ考えてみました。それは_____」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「代金はこれで」

 

「ありがとうございました〜〜〜」

 

会計を済ませて店を出る、ヒナさんの方に視線を移すとなにやら不安げな表情で俯いていた

 

「………」

 

「大丈夫ですって、この私が教えたことですよ?」

 

「だから心配なのよ__でも、これ以外頼る事は出来そうにないわね」

 

「ケーキとコーヒー、ご馳走様」

 

彼女はそれだけ言い残すと、一回だけ振り向きはしたがゲヘナ学園に歩みを進めるのであった

 

その後姿は何処か期待で満ちているような、不安で満ちているようななんとも言い難い眺めだったとさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

ゲヘナ学園の小休憩室にて

 

ここは人の出入りは多いものの時間帯でけっこう差がひらいている

 

例えば昼とか夜とかは極端に多いが、その中間らへんはあんま人は来ない

 

そんな部屋の中、一人の男子高校生がまったりと己の時間を過ごしていた___

 

 

 

「ふへ〜〜〜っ、お仕事終わったよぉ」

 

彼の名前は羽沼キョウカ

 

羽沼マコトの弟であり、ゲヘナのクソボケである

 

「あの糞姉貴__イブキと一緒にどっか行きやがった……いつかぜってぇ殺す。

てかあいつ仕事押し付けすぎだろ!反省しろ!いやっ、風紀委員に押し付けんな殺すぞ!」

 

「貴方も大変そうね」

 

「ほんとにあのクソッタレバカタレ鼻垂れ焼肉のタレでもかけて食ってやろうか________へ?」

 

「今日は休日だから、来ちゃっt「ヒナさぁん!?」っ!」

 

「落ち着いて__」

 

「ほ、ほんとすみません…」

 

急にシュンッとなって反省しだすキョウカ

 

 

「__あれ?なんでヒナさんがここに?ここ万魔殿の休憩室ですから面倒くさいですよ。姉貴に見つかったら」

 

「えっと…今日は試したい遊びがあって___」

 

「?」

 

キョウカは首を傾げる

 

「その…ま、まず。『好き』って十回言ってくれないかしら?」

 

そう、ハイドリヒが進めたそれはあまりにも古典的だった!!!

 

まず相手に『好き』と十回言わせ、その後『じゃぁ私は?』と問い相手に『好き』と言わせる__言ってしまえば誘導尋問である!

 

流石トリニティ武装親衛隊!やり方が狡い!

 

___あ、今これに共感した人は今日中に黒服のお姉さんがお話(保護拘禁¹)しに行きますからね

 

「えと、すきすきすきすきすきすきすきすきすきすき__これでいいっすか?」

 

「ありがと……じゃ、じゃあ……私のことは?」

 

俺が尊敬してる完璧で最高な先輩です!!!

 

生憎…彼にこの行為の意味を理解するほどの頭は無かった

 

彼もまたクソボケの一人だったのだ___

 

___だが

 

 

「えへへ……///」

 

「?」

 

彼女は嬉しそうだった

 

結果オーライだね。このクソボケ共が

 

¹
保護するための拘禁と書いて”保護拘禁”ですが。このトリニティ風に当てはめると怪しい人物を先に逮捕する事です。例えばAさんが怪しい行動をします、それに対して武装親衛隊の長官はその行動に悪意や犯罪の有無関わらず逮捕することが出来るのです。





はぁ……あんまタイトル通りにいかんかった。
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