ティーパーティーって変な人しかいない気がする。
前回のあらすじ
勝手にセイア様がミレニアムの厄介事に首を突っ込み、俺もそれに巻き込まれた
そして今は何故か聞き込み調査をしている___あれ?
これって確か交流会だったよね?
「………」
「…セイア様、考え直す気は無いですか?」
「無い」
「………」
珍しく…いや、このミレニアムに来てからずっとそうだったが_
なんかセイア様ノリノリじゃんね
「しかしですよセイア様、他学園の事は他学園の者に任せるのが世の常でですね。我々が首を突っ込む必要は無いんです」
「…ハイドリヒ」
「はい」
セイアは歩みを止め、ハイドリヒの顔を見つめる
「なんだろう__ワクワクしないか?」
「……は?」
「久しぶりな感情だ…まるで遊園地のテーマパークで次に乗るアトラクションを選んでいる最中のような、嬉々とした感情に触れている__そんな気がする」
「……やっぱ分かりません」
いつになってもセイア様の気持ちを完全に理解することは出来ない
てか誰一人として分からん
「…もしかして、今この状況を楽しんでいます?」
「勿論、人生楽しんだ者勝ちだからね」
「………」
こんなセイア様に哀れの目を向けるのは俺だけじゃないだろう
__よく世の中知らずのお嬢様にあることなんだが、危ない物に目がない
ふつーの人間は「あれは危なそうだし近寄らないどこ」とか、「糞ゲヘナは異常者の集まりだから殴らなきゃ」とか考えるだろうが__それがお嬢様になると「面白そう!」に変化してしまう
岸辺◯伴みたいな人間だと思ってくれて構わない
いずれ痛い目会うのは必然だろう__てかティーパーティーって誰も家事が出来ないイメージあるんだが
「………」
今すぐ武装親衛隊を呼んで強制的に帰園させるか?
__うん、スマホであいつらを呼べばすぐに来てくれるはずだし
「………」
可及的速やかに対処せねば…
俺は
あれ?
あっるぇ?
普段入れている内ポケットをいくら弄ろうが、違う所に手を当てようが何処にも俺のスマホは無い__ま、まさか…落とした?
___いや
「………」
俺はセイア様に目線を移す
___すると
「あ、そうだ。ハイドリヒに見せておきたい物があったんだ」
ほら
「はぁ……スマホを奪うだなんてトリニティ紳士としていかがなものかと__」
セイアは徐ろに袖から何か黒い棒を取り出す
「では返してください………せ、セイア様!?」
「どうしたんだい?そんなに慌てて」
「そ、その手に持ってるのは___」
「………ふふっ」
そう、セイアが持っているのは彼のスマホではなく_もっと強く、もっと刺激的で__そして
もっと輝いていた
「や、やめ__!」
ピンッ
パァァァァァァァァン!!!
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
ハイドリヒの目は光で包まれ、轟音とともに視界が奪われてしまった
「……っ…セイア様___」
ハイドリヒの視界が正常に戻り、耳の雑音も完全に無くなったときにはセイアは何処にもいなくなっていた
「………」
ま、まず現状を確認しよう__
・セイア様は何処かに消えた
・スマホはセイア様に取られた
・現状仲間に連絡する手段は無い
___ふむ。控えめに言ってもやばい
「……やばい」
もしセイア様に何か危害が加わったとしよう…多分トリニティとミレニアムは戦争になる_____やばい!!!
俺がお腹にポッカリと穴が空いた時も開戦前夜みたいな状態だったのに。それが
そしたら
「くっそ、何としてでも探し出さねば!」
ミレニアムとトリニティの未来は俺にかかってる…まずは何処に行けば___は!
「……ゲーム開発部のとこに行きましょ」
_ひとまずは妹達を見て心をなだめよう
ハイドリヒが考えついた先は現実逃避だった
テクテクテク
「……悪いことしたなぁ」
セイアは若干、ほんとに若干ハイドリヒに対して罪悪感を抱く
「確かにスマホを勝手に奪って、閃光弾を食らわして、そして逃げた__ふむ、後でケーキの一つでも買ってあげようか」
ハイドリヒへの接し方が幼稚園児に対するのと同じなのは…まぁ、セイアだし
「さて…まずは誰に調査しようか__」
聞き込み調査を始めようとしているセイアは、何処までも楽観的で楽しそうだった
「___おや、また会ったね」
セイアの眼の前ではアスナとカリンが二人でたむろしていた
「あ、セイアさん_ハイドリヒは?」
「彼ならちょっと野暮用でね」
嘘である
「ちょっと質問良いかな?」
「答えられる範囲内なら」
「_君の目から見て、この学園内で隠れやすいとことか_見えにくい場所とか知らないかい?」
「……え?ミレニアムの面白い出し物とかじゃなくて___『隠れやすい場所』?」
カリンが首を傾げる
「あぁ、この学園の生徒を信用してないわけじゃないんだが…情報を知っておく事に越したことはないからね」
「なるほど……?」
「それならいーっぱいあるよ!」
アスナがにこやかな笑顔でそう答える
「ミレニアムは沢山建物があるから_その分隠れ場所も、事件も沢山あるの!」
「そうだなぁ、任務でここを飛び回ってるけどいくらでもあるぞ。怪しい場所も人も数え切れないほどだ」
「……ふむ」
「それに今日はミレニアムの
「_セミナーは監視とかしないのか?」
「なにせ人員が足りないからな___」
これがトリニティだったらティーパーティを始めとして色々な組織が監査を入れてる…だからトリニティで危ない出し物とかは出ない____はず
一方ミレニアムになるとそう上手くは行かない。セミナーの人員は4人、そのうち2人くらいが失踪?してるから実質2人が部活の出し物の監査をしている現状、目の届かない部活は沢山ある
___だから、過激な部活が暴れるのは必然的だった
「
「そ!なんかあったら守るためのね!」
「君たちも苦労してるんだね」
「すまない、力になれなくて………」
「いやいい。私こそ無理難題押し付けてすまないね」
(ふむ…トリニティほどじゃないが、結構自由な校風なんだな)
(……しかし、次は何処に行けば………あ、ひらめいた)
「一般生徒にも聞いてみよう」
ガチャッ
「私が来ました!」
ハイドリヒはゲーム開発部の扉を思いっきり開ける
「ハイドリヒじゃん。あれ?この前言ってたセイアさんは?」
「……………逃げられました」
「へ?」
「に、逃げられたってどういう事ですか?」
ミドリが頭を傾けながらハイドリヒに問いかける
「私のスマホを奪って、閃光手榴弾を投げつけてきて、逃げられました」
「ハイドリヒは何をしたの!?」
「アリス、理解できません!」
ゲーム開発部のちびっこたちはざわざわと騒いでいる
「くそう……くそうっ!」
「女たらし過ぎて見捨てられたんじゃないですか?」
「お、女たらしだなんて……私そんなにモテてないですよ?」
「このクソオオボケトリニティハイドリヒ。呪われてしまいなさい」
「なぜ!?」
な、なんで俺が馬鹿にされるんだよ__意味が分からないんだが!?
俺はアズサ以外に好意的な目で見られてないし、非モテだし(クソボケ語)
「てか今そんな話しないでください。ゲームしましょ!ゲーム。今度こそ勝ってやりますから」
「ふーっふっふっふ。今回もボコッボコにしてあげる!」
「その口みたいな栗を塞いでやりますよぉ!!!」
ハイドリヒはセイアという爆弾を放っておいて遊ぶようだ
ちなみにこの後20連敗した
彼女の名前は歌住サクラコ
握力だけでトランプの一部を千切るような女だ
そんな彼女は今__変な場所にいた
「………なぜでしょう」
見渡す限りの機械…よく分からないランプ…なんか動き出しそうなロボット
そう、彼女は今エンジニア部に訪れていたのだ
「これは……?」
彼女に機械の知識は殆無い。地下鉄の乗り方さえ怪しいレベルだ
そんな彼女にとってエンジニア部の部室はまさに未知の宝庫であろう
___すると
「説明しましょう!!!」
「!?」
急に背後からなにか大きな声が聞こえてきた
「あ、貴方は……?」
「私の名は
「え、えぇまぁ……はい」
あまりの勢いにいつもの圧が出せないでいるサクラコ
「これはいったい何なんでしょうか__」
「説明しましょう!
それは我々エンジニア部が開発した『完全自立歩行型調理マシーン』です!この機械は人と同じように二つの脚で立ち、そして歩き、さらに二つの腕と手を器用に使い全自動で料理を行ってくれる夢の機械です!中華は勿論のこと様々なジャンルの料理を調理してくれて、材料も勝手に冷蔵庫の中から取り出して調理してくれます!使い方は簡単、この胸のアイパッドに向かって優しく作ってほしい料理を話すだけ!まぁまぁ費用は高かったですけど完璧な料理マシーンに出来上がりました!!!!!」
「なるほど…少し使ってみてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ!」
サクラコは少しだけ前かがみになり、ロボットに胸に備え付けられてあるタブレット端末に向かって囁く
「その……」
ゴゴゴゴッ
「?」
「ショートケーキを、作ってくださりますか?」(にっこり)
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
『!?』
ドガアァァァァァァァン!!!
瞬間、爆発するロボット
吹っ飛ぶコトリ
破片が頭に刺さってしまった、遠くで作業していたウタハ
爆破が連鎖して爆発するヒビキの迫撃砲
「………」
見渡せば、機械が沢山置いてあった部室は見る影もない
殆どが爆破四散していた___
「………」
ダッ!
サクラコはクールに去った
特に屋内等の閉所に突入する際に用いられ、閃光と180デシベル以上の大音量により[1]、効果範囲内の人物に対して眩暈やショック状態を引き起こさせ、その混乱に乗じて作戦を実行する。スズミが持っているのはこれ。
ハイドリヒはゲーム開発部のスマホを借りて電話するって手段は思い浮かばなかったのか__?