ダーウィンズストーリー   作:R,n

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第十五話 グリード

 

「貴方は確か秋田グループのアヤツジ社長……でしたわね、これはトリニティが提供するゲームでは無いのだけれど?」

「【期待の新人スドウカナメ君と舞い戻ったランカースサノオが両者並んで勝利するかどうか】でしょう?面白そうじゃありませんか」

 

そう話す綾小路さんの表情はどこか面白そうであり………声をあげて口を挟もうとするリュージさんに、片手をあげて私は静止をし

 

「秋田グループのアヤツジさん、ですか、その一口乗りたいと言うお話——私達にですか?それともテミスさんにですか?」

 

暫くして彼の口からは

 

「勿論サンセットレーベンズ——カナメさんとスサノオの同着勝利ですね、私は彼等の大ファンなんです」

「スドウさんとスサノオさんの勝利に1000でどうです?」

「あらアヤツジさん、うちで1000と言ったら1000万ではなく——1000p……つまり1億円よ?」

「えぇ勿論、今から使いの者に持って来させましょう」

 

そう話を続ける二人の間につまらなさそうにシュカさんがヤジを突っ込む

 

「ちょっと!あんた達何勝手に進めてんの!横から勝手に乗られるの嫌なんだけど!」

「あぁ確かに失礼しました、ではこうしましょうか、横入りしたお詫びとして——貴方がた全員に今回のイベントについての興味深い情報をプレゼントしましょう」

「興味深い情報ぉ?」

 

私はチラリとリュージさんを見ればこくりと頷いて居るのを確認して……であれば、シュカさんを説得してから聞くべきですね

 

「別にいいんじゃないですかシュカさん、元々こちらに直接的なデメリットがある話ではないですし」

「じゃぁ聞くだけは聞いたげるけど……」

「ありがといございます」

 

そう言ってアヤツジ——綾小路さんは懐に手を伸ばしてとある写真を取り出す

 

「今回のハンティングゲームイベントにおける高ポイント獲物(ターゲット)——島の主に関する面白い話なんですよ、この写真、1ヶ月ほど前に南米のコロンビアで撮影されたものなのですが……これが何か分かりますか?」

 

そう言って彼に差し出された写真は目を見張る物だった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は日も暮れた二日目の夜に今日も今日とて狩った鹿を捌き、調味料と呼び出した調理道具を使用して料理を作っていた……こういい時はカナメのシギル火神槌(カグツチ)は便利だよな、某アーチャーみたいに投影もどきが出来るし……そういやスキル似てるしカナメのモデルの一人に例のドンファンさん居るのかなぁ………そう思いながら、俺は今日も鹿肉を貪って

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

なんで俺の周囲をぐるぐる回ってくれるのか、まぁカネヒラのシギルあるから食うとか飲むとかそう言うのには困らないけどさぁ………

 

「俺がお前らぶっ殺すと一気にトップ入り果たしちまうからダメなんだよな、カナメでもリクと一緒で一匹どうにかだぞ?おおかたどういうストーリーかはわかってるから関与できるっちゃ出来るけどさぁ…」

 

この状況をレイン達に見られちゃ溜まったもんじゃねぇ、あーあ、オボロ君とか助けてくれないかなぁ、いやまぁあいつカナメにご執心だから無いだろうけどさ

 

そう考えているとスマホに見知らぬ番号から連絡がかかってきて、ずるずるとそこらの草で作った麺を啜りつつスマホをタップして

 

「もひもひ?」

『やっほー!初めまして、君がスサノオきゅん?』

 

俺は即ガチャ切りした、来て欲しいとは言ったがガチで来んなよポポロン(オボロ)、あいつ言霊のシギルとかだっけ?違うよね?

 

そう考えつつ麺を啜る………まぁ、最後になったらこいつらぶっ殺してオボロン手助けして、ボスグリードぶっ殺してもらえりゃ良いしな………それでカナメの勝利にしてもらえりゃ万事解決…………そう考えてると再び見知らぬ番号から電話がかかって、ため息混じりに再び電話に出れば

 

「………もしもし?」

『やだなースサノオきゅ〜ん!電話切らないでよ〜!泣いちゃうよ?』

「御託はいいけどオタクどちら様?生憎今の電番には誰も登録してないんですけど」

 

またしてもオボロが出てくる為、念の為シラを切って電話を続ける………まぁ、今は村の方にいるオボロから電話がかかってくるってことは何か俺に関すること………おそらく巫女様のシギルとかかね

 

『いやー、実はこっち島のどこかにある村にいるんだけどね、ここにいる村の巫女様がさ、【君が村にやってきて、襲ってくる人から助けてもらう】っていう宣託?みたいな予知夢みたいなのが出たらしくて……』

「俺に村に来て手伝え、と………悪いが無理だな」

 

と静かに告げれば

 

『そりゃまたどうして?』

「妙な化け物5〜6体に常に周囲囲われて逃げきれん、明らかに警戒されてる動くだ……ふぅ……一応飯とかは取って食えてるが、行くとなると奴らの隙を突かなきゃならん」

 

やろうと思えば殺せるが、実際手間がかかるのは事実だ……初心者狩りのシギルをコピーできてりゃ良かったが、おあいにく様あいつと俺のシギルは都合が悪いからな……

 

『ふむ、多分それがドウメだねぇ………ふーむ………じゃぁまぁぶっ殺してから来なよ、全然いいよ』

「アホ抜かせ、出来ると思うのかお前」

『何言ってんのさ、()()()()()いま生きてるんでしょ?』

 

俺が正論を告げる様に出来ないと意味を込めるが、オボロの奴はどうせ電話越しでうすら笑いをあげつつそう言っているだろう………実際ドウメ複数体とやり合って殺せると理解されてるから、俺は今も生きてるし監視されてるってのは事実だがなぁ………あー、嫌だけど………GMからのお願いもあるからなぁ………

 

「………分かったよ、その巫女様に村の位置を教えてもらえ、東南東とかいう程度の具合でも構わん、後で適当に見繕って………明日の昼、最悪夕方には着いてやるよ」

『さっすがぁ!スサノオきゅん話がわっかる〜!それで村の位置だけど——』

「あぁ、分かった、じゃぁ………また明日」

『また明日、スサノオきゅん』

 

そう言って頭が痛くなるような奴との電話が終わる………雪蘭といいオボロと言い、めんどくさい奴らが増えてくなぁ………しかもアイツら強い奴らだし、戦ったら負けそうだなぁ、などと考えつつ、俺は手にドライバーを構えていた

 

「じゃぁ、死んで貰うか」

 

そう言いつつ俺はドウメへと大量のドライバーを投げつける

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一息ついて私達は士明さんの運転する車へと乗り込んで、へたりと椅子に体を預け、車の壁に体を寄せて力を抜いて楽になる

 

「今日は予定外の連続で疲労困憊ですよ」

「そういうレインも最後ちゃっかり暴れてただろ?」

「それはそれ、これはこれです」

 

そう言いながら、首からしなだれるネックレスに手を当てて

 

「少しは予定通りに行動出来ないんですか?シュカさん」

「べっつにー!賭けのことならどうせ勝てるんだし良いでしょ?二人が帰ってきた時驚かせたいしー、それより私はレインぼ行動が驚きかにゃー、まさかツクヨミのことあそこまで勝ってるなんてねー」

「別に、彼ならばカナメさんと協力すると踏んだ上での賭けですから、彼ら二人であれば100%により近づきますからね」

 

私が論理的にそう言って見せれば、シュカさんはニヨニヨと微笑み、ほかのメンバーもスイさんを除いて笑っている様子を見て私は少し赤くなって

 

「な、なんだって言うんですか………それ以上も以下もないですからね」

「んふふふ〜、まぁ今そういうことにしておこっかにゃ〜」

「今はって何ですか!今はって!後そういうことって何ですか!」

 

と立ち上がって顔を真っ赤にして叫べば殆どが嬉しそうな笑顔を浮かべて笑い出す…………全く、笑い事じゃ無いんですよ全く………そう思って、私は席へと座り直す………

 

ふと、窓の外を眺めて月を見る………今夜は綺麗な三日月だった……

早く、ツクヨミさんやカナメさんが帰ってきてくれなければ困りますね………このままでは私はいじられってぱなしです………そう考えて、 ()の姿を考えてしまっていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

日が変わって翌日の昼過ぎ、村の大きな屋敷の前で行われるカナメとリクの神明決闘の様子を眺めつつ、和服を着込んで村人達に紛れて鹿肉を貪っていた………

 

「………なぁ、お前はリクとアイツら、どっちが勝つと思う?」

「そりゃお前、リク様だろう、あいつらは俺たちの我が子に等しい子達を殺した下手人だ、リク様がそんな汚い奴に負けるわけがない」

「ふーん、そうか」

 

まぁ村人殺されたからそこまでになるのは分かるけども………まぁ、どうせ茶番になるからなぁ………面白い劇とでも思って俺はひっそり眺めることとした

 

暫くすればカナメとリクの言い合いが始まって、槍を突き出しリクから攻め始める、カナメは槍で応戦し、リクを無力化することに専念して動いている、お互い相応に腕があるから、すっごい殺陣やってるみたいだな

 

そう考えつつ俺は食ってる鹿肉に胡椒を振り撒き貪っていく、互いの槍捌きに警戒しているリクとカナメの様を見て、唖然となる周囲の奴らを見つつ、静かに俺はクラッカーを手の中に生成し、密か密かと待ちながら、鹿肉を適当な奴に手渡して、カンペを片手に般若の面を被る

 

そしてトワちゃんがカナメとリクの間に乱入し、互いが互いの槍を手に必死に押さえてトワちゃんに怪我が起きない様にと頑張っている……そして

 

「摘み出せ!囲みを作るお前達の失態だぞ‼︎」

「すみませぬっ‼︎小柄ゆえ足元を抜けられまして………!」

 

そう言って若い一名がトワを連れ戻しに腕を手に取り歩き出す

 

「ほら!来い‼︎神聖なる決闘を汚すな‼︎」

「やぁっ!私はどちらにも死んでほしく無い!何のためにこんな事をやらせているの!?」

「それは殺人の真偽を明らかにする為で——」

「嘘っ!みんな真偽なんて本当はどうでも良いんでしょ!シノちゃん達を殺した相手が恐ろしいから抵抗しないカナメ様達に当たり散らしてるだけじゃ無い!」

 

必死に泣いてそう言い続けてトワちゃんはさらに言い続ける

 

「八つ当たりしたってシノちゃん達の仇は取れないのにっ!!卑怯者‼︎」

 

そう言うトワちゃんの声に皆が静まり返って、そして………

カナメが銃を抜き、リクが持っていた石槍を穿ち、周りの青年達が持っている石槍も穿っていく………あれ、俺これ看板平気か?と思いカンペを見てみれば、残念ながらお手製のカンペには穴が空いていて、嘆きつつ片手に持ってかかげなおしていれば、銃を投げ捨てリクと拳を撃ち合っていた

 

そして………互いの拳が顎に入り……2人揃ってばたりと地面に倒れ込み、ロクロウとオージが急いで駆け出し介抱し始める……そんな時に

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕がカナメさんに駆け寄って、意識を確認しようとしたところで、パァンと火薬が弾ける音が聞こえ

 

「っ!?」

 

咄嗟に僕やみんなが音のする方へ顔を向ければ………決闘中に気づかなかっちゃのが不思議なほど、異様な人物がそこには立っていた、村人と同じ服を着ている長髪の男性、そこまでは普通だ、おかしいのは………その男性が般若の面を被って【ドーモ皆サン、スサノオ=サンデス】と書かれている看板を手に持っている事だった

 

「………スサ、ノオ?」

「全く、待ちくたびれたよースサノオきゅーん!」

 

そう言いつつ飛びかかるオボロさんを、少し穴の空いた看板でいなして弾き、肩を落としてため息をついた様なそぶりをして、

 

「……で、何で決闘なんてやってんの?」

 

随分若々しい声で、そう尋ねてきたので、僕は急いで説明を始めた

 

 

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