デイリークエスト───強者を目指して
目標
──腕立て伏せ [100/100]✓
──腹筋 [100/100]✓
──スクワット [100/100]✓
──ランニング [10/10km]✓
クエスト報酬
報酬を選んで下さい
[次の中から選べます]
報酬1.状態の回復
報酬2.能力値ポイント+3
報酬3.ランダムボックス+1
「能力値ポイントだ」
これでよろしいですか?の文字の後に続く[はい]の選択肢を選び、ポイントは全て筋力値へと振る。
どうやらここでもデイリークエストは発生するらしく、丁度今トレーニングを終えたところである。もういつもの日課になっていたこのクエストは、いつからか苦もなくこなせるようになっていたが、この空間ではそうもいかない。
息を整えつつ、額に浮いた汗を拭っているとゴジータが近づいてきた。
「やってるみたいだな。少し休憩したら修行を始めよう」
その言葉にああ、と返しゴジータの後を追う。
数日前.....いや、正確には3日前か。
俺はゴジータの提案に同意し、早速と修行が始まったのだが、先ずは瞑想やストレッチといった基礎の基礎といったところから始まり、次に身体の運び方から型を、そして今日やっと体がこの空間に慣れ始めたところで実践を始めるという運びになった。
正直、今この時点でもこの提案を受け入れてよかったと考えている。それほど有意義だった。
旬の戦い方は基本我流だ。短剣の使い方も誰かから教わった訳では無く、何となくから来る勘とシステムの恩恵。E級だった頃に他の先輩のハンター達に少し教わることもあったものの、全てアドバイスといった範疇であり、剣や技の精度もイグリットやゴジータのような本職には及ばないだろう。
それでも勝ててしまうのは旬のポテンシャルの高さからか、それとも何かしらのシステムの力なのか。
それはさておき、こうして人から教わるというのはとても新鮮な気分だった。
階段を登り、門をくぐるといつも通り薄暗い廊下を歩く。
そしていつぞやの回廊へ着くと、台所の方で物音がしたため其方へ向かった。多方、ゴジータが夕飯の仕込みでもしているのだろう。
ここ数日一緒に過ごしてみて分かったのだが、ゴジータは大のつく程の大食らいだ。一般家庭の炊飯器よりふた周り程大きいジャーで炊いた米を冗談抜きで十合は平気で平らげる。
なので食事前に仕込みをしておかないと消費する量が多くて追いつかないんだとか。それだけ食べて食料は無くならないのかとも思ったが、ゴジータ曰く毎回いつの間にか補充されているそうだ。
ちなみに余談だが、初めてその話を聞いたのが1日目の食事時、目の前に山盛りの酢豚を差し出されたのと同じタイミングだった。
戦々恐々とした心に更なる疑心が募りつつも、俺に毒や状態異常の類いは通用しないだろうと恐る恐る口にした酢豚は普通に美味しかった記憶がある。
俺が台所へ顔を出すと、案の定そこには仕込み中のゴジータがいた。
「悪い旬、もう少しで終わるから待っててくれ」
そうこちらを振り返ることも無く口にするゴジータ。
こう言っては何だが、これでも旬はS級の暗殺系のハンターであり、気配を消すという事に関しては人一倍長けている。
それこそ、実力者揃いの他のS級ハンターですら欺ける程。
更に言うと修行を初めてからは、その一環として普段から気配を消して過ごしていた。それでもゴジータは、何故か俺の居場所を完璧に把握しているようだった。
そして今、ゴジータは無防備に背を向けているように見えるが、今俺が本気で刃を振るった所で簡単に受け止められる未来が容易に想像できた。
「ヨシ、またせたな」
こちらを振り返るとまた、猛獣のような笑みを浮かべた。
「なぁ」
手合わせとは名ばかりな稽古を終えた後、普段なら早々に声をかけてくるゴジータだが、労いの言葉をかける前に口を開いたのは旬だった。
「一つ、聞きたいんだが」
ずっと頭に浮かんでいた一つの疑問。
「どうした?急に改まって」
「ゴジータ、アンタは─────
ここから出たいと思わないのか?」
その質問に、ゴジータは不意をつかれたかのような顔をした。
これは、旬からしたら最後の""見定め""だった。
""自分が何者なのか""数多の人語を話すモンスターに問うてきたこの質問に対して、答えられた者は一人もいなかった。
このダンジョンに入る前は。
だからこそ、もしかしたら、ゴジータなら。
このシステムについてなにか知っているのではないか。モンスターの存在意義を、ダンジョンという""現象""について。
そんなちょっとした希望を抱いての質問だった。
もしここで一言でも""出たい""といえば恐らくシステム意志に反したと見なされ""規制""されることになるだろう。
だがもし、その規制を受けない存在だったら...?
そんな存在が居るのかは分からないが、全てにおいて謎が多いシステムならそういう""イレギュラー""が居ないとも言いきれないだろう。
しかし、その期待は裏切られることとなった。
「別に...かなぁ」
「.......え?」
この質問の""答え""を得るには大前提、""出たい""という言葉を引き出さなければならなかった。
「今すぐ出たいとは思わないな。まぁ修行してればそのうち出れるだろ」
何故そんな初歩的な事を見逃していたのか?その要因は旬の精神状態にあった。
まずこの空間、ご存知の通り人間が生きることにはとことん向いていない。更に、殺風景で代わり映えもしない真っ白な空間は旬の精神を知らず知らずのうちにゴリゴリと削っていった。
正直、旬が正気を保てているのはシステムによるカウント機能と残してきた家族を想っての部分が大きい。あとほんの少しの自然鑑賞と飯。
しかしそれもせいぜい一週間が限度。それ以上長く続くとなると少々キツイものがある。
普段の会話でゴジータの言葉の節々から現れる口ぶりから、恐らく旬が来る前からずっとここにいたであろう事は伺えた。その期間は少なくとも1ヶ月以上。
旬と違って簡単には出ていくこともできない。終わりが見えないというその苦痛は計り知れないだろう。
だからこそ、絶対に""出たい""という言葉が出ると考えていた。
旬は、ゴジータという男を甘く見すぎたのかもしれない。
「そう.....か...」
とんでもない楽観主義者なのか、何も考えていないだけなのか、それともただの修行バカか。
どれも当てはまるような当てはまらないような.......。
「そうだなぁ...旬、逆にこっちも質問していいか?」
ゴジータの方から何か聞かれるのは初めてだった。
「一応聞かせて貰うんだが、旬の出身はどこだ?」
「え?」
「旬はココの外から来たんだろ?」
「あぁ、そうだ」
「どこの星だ?」
「星...?」
全くもって質問の意図が掴めなかった。
出身国なんかを聞かれるのはよくあるが、星...。もし互いの認識に相違がなければ惑星の名前を聞かれてるという事になるが、あまりにも範囲を広く取りすぎではないだろうか。
いや、待てよ。
そこまで考えてふと、ある""可能性""が頭を過ぎった。
それは、全てシステムの想定内である可能性。
今まで対象はバラバラだったが、それぞれが生い立ちだったり、それまでの生きた""歴史""を持っていた。
それがシステムから与えられた""設定""なのか実際に生きていたのかどうかはまでは分からないが、これまでのケースを元に考えるとゴジータにもそういう""ストーリー""があるのではないかと考えたのだ。
悪魔の城しかり、クエストから発生したインスタンスダンジョンには街並みなど現実世界に通ずる部分が多少あった。
そしてゴジータは最初に""ココに来た時""と言っていたことから元は別の世界にいたと考えるのは妥当だろう。
更に言えば料理やそれに使う器具などの""文明""は旬にとって馴染み深いものだった。
もしこの仮説が正しければ───
「俺は地球という星から来た」
「へぇ...やっぱりか」
その反応を見るに、俺の仮説は間違えていなかったらしい。
「オレも...いや、この場合は違うのか...?まぁ、オレも地球出身なんだ」
まあ、出身の定義がこの世に初めて生を受けた場所ということになるのなら、ゴジータにとっての""生""は初めて精神が芽生えた場所という事になるので正確には""地獄""となるのだが、そこは既にもうこの世ではなくあの世だし、両方死んでるし。
それでもまぁ中身は地球人なので地球出身という事にした事を、旬は知る吉もないのだが。
あのゴジータの圧倒的な力量。旬をもってしてでも軽くいなされる程度の実力者。
陰の兵士やポーションなどのアイテムを使っていないにしても旬のスピードに着いてこられるのはほんのひと握りだけだろう。
それほどまでの力を持っていながら""一般人です""など到底言えて良い訳がない。
そして、星という言葉から真っ先に連想されるのは.....宇宙。
「ゴジータ、最初に出会った時""ここに来た時""って言ってたよな」
「ん?あぁ、そうだな」
「そしてここに来る前のことはよく覚えていないとも」
「まあな。""来る直前の事""はあんまよく覚えてないな」
「なら、その前までは何をしてたんだ?」
「んー、まあ...そうだな、いろんな敵と戦ってた、かな」
その""敵""というのは恐らく.....。
「""モンスター""...確かに、容姿だけならそう言えるような奴らもいたな」
容姿だけなら...つまりそれ以外は人間とそこまで大差がない、知性を持つ上位のモンスター。
その言葉で全てが確信に変わった。
ゴジータは、ハンターだ。
そしてその相手は─────宇宙にいる。
ここは""強くなるために来る部屋""だとゴジータ本人がそう言っていた。
つまり、ゴジータは宇宙から来たる未知のモンスターに備える為にこの部屋へ自ら赴き、自身の力を高めている。
つまりこれは、更なる強敵が現れるというシステムの暗示とも受け取れる。
そしてクエストの内容ですら触れられていないクエスト名である""伝説の存在""。
もしその""モンスター""の存在を""伝説""と称しているのなら。
その正体を知っているのは.....。
「........」
黒い双眼はジッとこちらを覗いていた。
「(なんだ?急に黙り込んだぞ、大丈夫か?)」
手合わせの後から少し様子のおかしい旬の顔を覗き込むが、一切反応を示さない。朝(かどうかは分からない)はなんとも無さそうだったが...。
先程何故かいろいろと質問をされた、かと思いきや急に深刻そうな顔をして思考に耽り始めて今。
まあ連日慣れない環境で動き続けているのだから仕方ないか。そう考えて再び青いウィンドウに目をやった。
⚠クエスト案内
同化率 [58.88% / 100.00%]
旬と手合わせをするようになってから、低迷していた同化率がグンと上がり始めた。旬のレベルに合わせていつもより修行のハードルを下げているのにも関わらずこの伸びだ。
やはり実戦というのは一番体に効くらしい。
もし全力でやり合ったらどれだけ伸びるのか、これからが待ち遠しくてたまらないな。
「よし、そろそろ休憩は終わりだ」
そう声をかけてからやっと顔を上げた旬に、思わず笑みがこぼれた。
「もういっちょいくぞ」
2人は互いが互いの心知らずな故に、とんでもないすれ違いを起こしていることに気づいていなかった。
ゴジータ「(うーんどう見ても地球人ぽいけどサイヤ人みたいな見た目近い宇宙人もいるからなぁ...せや)どこの星出身なん?」
ゴジータ「色んな敵(フリーザ、セル、ブウetc...ドラゴンボール歴代敵)と戦ってたよ(素の2人が)」
旬「(全ての情報を総合中)ゴジータは宇宙で戦っている...?」←名探偵
ゴジータ(ドラゴンボールの世界基準に考えてる)がとんでもないすれ違いの火種になっている...
ということで皆様お久しぶりです。
長らくお待たせして申し訳ない。年明ける前には上げたくて死にものぐるいで書き上げたので変なとこあったらすみませんね。
いやほんとに放置したくてしてた訳ではなくてですねどうしても別日に見返してみるとこんなん面白くねぇ!!!って感情が勝ってしまってですね1部を書いて消して書いて消して一旦全部消して作り直してちょっと息抜きを繰り返していたらこの時間になってしまったのですよだから決してサボりではない(早口)
そう。決して他の作品に目移りして別の話を書いていたとかそういう訳では無い(別作品の話が5話ぐらいできた)
でも安心して下さい。
この作品だけは逃げ出さずに書き続けたいと思ってはいます。
思って""は""います。
...........極力早めに出せるようにはします。
あとついでにアンケートです。
ヒロイン作らないのかというご意見を頂いたのでどうするかと、もしヒロインにするなら誰がいいかをお聞きしたくてですね。
あでも私がそういうの書くの苦手なので完全に結ばれることは無いです。あくまで好印象に捉えられたり一方的に好意を持たれる関係で。それなりに絡みは増えるかもしれませんね。
では良いお年を。また来年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m
閲覧ありがとうございました。
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