外務省より転送。
以後、暗号復号文。
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発 秋津洲国オルクセン公使館駐箚武官
宛 参謀本部兵要地誌局
秋津洲国生息魔種族に関する特別報第1報。
星歴874年8月5日、キャメロット公使館と共同にて初の魔種族調査に出発。
当秋津洲国生息魔獣については過去に数度、秋津洲軍によって討伐された後に見学を許された個体に関する報告を、魔種族については秋津洲国内で流通している書籍や秋津洲人より聴き取った情報を送っているが、今回は初の魔種族に関する直接観測による詳細な報告となる。
監視を兼ねていると思われる秋津洲国より派遣された通訳と護衛の警官3名、キャメロット公使館から派遣された3名と共に、まずは秋津洲国首府より騎行にて北西に3日の距離にある山間部の神殿に赴く。
道中、星洋諸国であるのならば驚かれる筈のコボルト族シェパード種の私をみても秋津洲人は大して驚かず。
それどころか神殿に近づくにつれて私に対してのみ、文明の違いがあっても敬意を感じる挨拶をする人間種ばかりとなる。
この反応からだけでも書籍や聞き取りで示されていたように、秋津洲国にも数種の魔種族がいることは間違いないかと思われる。
神殿に到着すると巨狼族が神官長として、同胞であるコボルト族が神官としており、大変な驚きを感じる。
過去の星洋においてコボルト族と巨狼族は生活圏が交わることはなく。
しかし秋津洲においては、書籍や秋津洲人からの聞き取り、そして今回のコボルト種からの今回の聞き取りによって、少なくとも1000年前のこの地域においては既に巨狼族とコボルト族が共同で生活を営んでいた可能性大。
この神殿にて神官を勤める巨狼族は5頭、周辺の山岳地帯で生活しているのは更に多いとのことだが、総数は誰も把握しておらず不明。
なお体高は150歳の成獣で150センチほどと、我が国の巨狼族に比べると小型で顔つきも違う。
コボルト族は神殿の周辺山岳地帯に複数の村にて生活とのこと。
正確な総数は不明なるも、聞き取りからの推定で500~1000頭ほど。
外見からの判断では種数は少なく、体高については種により差はあるものの概ね各種150センチほどで、小型種や大型種は見受けられず。
なお当神殿のコボルト族はオルクセン国内においては見たこともない種のみ。
比較的近年に星洋よりこの秋津洲に移住したのではないのは確実。
以上で簡易報告を終わり。
詳細は帰国後、口頭並びに書面にて再度報告。
なお近日中に第二報を発信予定。
追伸
秋津洲国在住コボルト族の一部"Enigma"に感あり。
秋津洲国での歴史的事実において"Enigma"使用の痕跡多々あり。
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星歴874年8月14日 外務省 受電
星歴874年8月15日 参謀本部 受領
星歴874年8月16日 参謀本部兵要地誌局 受領