もしも進撃の巨人の世界で、2000年前の王様がスーパーダーリンの優しいパーフェクト名君だったら?

 というIF小説です。
 本作には進撃の巨人の重大なネタバレが含まれています。
 原作未読の方はご注意ください。

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進撃の巨人の二次創作です。

原作のネタバレを含みます。原作未読の方はご注意ください。


もしも初代王がめっちゃ優しくて、偉大で、完璧な英雄だったら?

王「この中で豚を逃した者は名乗り出よ!」

 

 ある村にて、豚が逃がされた…。

 食料の乏しい村、ここでは生死につながる大事件であった。

 

 

王「名乗り出ぬか……民よ、頼む!ワシに……真実を話してくれ。」

 

 王は懇願する。そして愛すべき王に背くことに耐えきれなくなった民たち。

 

 そして民が一斉に金髪の少女……ユミルを指差す。

 

王「なっ……そうか……。その子を庇う為に隠していたのか……すまない。」

 

 王はこの時、初めて民達の真意を悟った。

 

王「沙汰を下す、ユミル!貴様を……3日間追放の刑に処す!」

 

部下「王!それでは甘すぎます!豚が3頭も逃がされたのですよ!?」

 

王「それについては……ワシがなんとかする!だから……皆よ、3日間の追放で許してくれ。それで我慢してくれ……。」

 

 そして王は、ユミルに、少女に近づいた。

 

王「ユミルよ……すまない。何一つ罰を与えないというのは無理なのだ。

 たとえ無罪にしてこの場を収められても、民はお前がワシに贔屓にされたとして、不和が生じてしまう。

 だが3日、3日さえ凌げば……!

 示しがつき、民もお前を受け入れるだろう!」

 

 

 そして動物の尿と糞を掛けられるユミル。

 

王「ユミルよ……。これはこの辺りで最も獰猛な獣の主の糞尿じゃ。

 これを被れば、並の獣は近寄るまい。

 3日程なら持つはずじゃ……!

 ワシが近くでそなたを見張る。

 どうか……耐えてくれ!」

 

 そう言うと王はユミルを抱きしめた。

 

 

 

 

 そして森を彷徨うユミル。

 

 お腹を減らして歩いていると、木の葉の上に置かれた木の実がある。

 

 あたりを見回すと、王が隠れて見守っていることがわかる。

 ユミルは会釈をして、その木の実を食べた。

 

 

 

 そしてユミルが次の日歩いていると、とても大きな熊に出会った。

 そのクマは……森の主であった。

 

 王の予想通り、並の獣は近寄らなかった。

 最も獰猛な獣の主の匂いがする人間など、恐怖を感じて、皆逃げ出したからだ。

 しかし……あろうことか、その最も獰猛な獣の主とユミルは出会ってしまったのだ!

 

 怯えるユミル。

 そしてユミルとクマの間に王が、庇う為に飛び出す!

 

 王「ユミルよ!逃げるのだ!」

 

 ユミルが逃げ出すと、クマが襲いかかる。

 

 しかし王は剣振るい、傷つきながらもクマを倒す。

 

 そして逃げたユミルは大樹のウロに逃げ込む。

 そこでハルケギニアに……光ムカデのような虫に寄生される。

 

 

王「ユミル!ユミルよ!?どこじゃ!?頼む……出てきてくれ!」

 

王は包帯を巻きながらも、多数の部下を引き連れて、ユミルを探す。

 

 すると巨人が現れる。

 

 部下の一部は逃げ出して、一部は戸惑い、そして一部は武器を巨人に向けた。

 

 だが王は臆することなく、部下を制止して、武器を下ろさせた。そして尋ねた。

 

王「そこの巨人殿よ!麗しき女巨人よ!つかぬ事をお聞きする!

 ここらで美しい少女を見なかったか?

 そなたのように美しい金髪で、白い肌を持つ女の子じゃ!

 何か知っている事はないか?

 もし教えてくれるなら……この財宝をやろう!

 この指輪じゃ!先祖の代から伝わる黄金の本物の指輪じゃ!

 どうじゃ?……足りぬか?

 あいにく食料は厳しくてのお……。

 ならこの剣もやるぞ?」

 

 王が巨人と交渉をしていると、巨人はうつ伏せになり、首からユミルが出てきた。

 

 王「こ、これは!?ユミル!ユミルか!

 会いたかったぞ!あ、いや、ちがうな。

 まずは謝罪じゃ。

 迎えに行くのが遅れてすまない!

 怖い思いをさせなかったか?

 もう大丈夫じゃぞ!」

 

 そういうと王はユミルに駆け寄った。

 

 するとユミルは王に抱きついた。

 

 王「よしよし、其方も会いたかったのか?

 ははは、そうかそうか。

 ん?どうしたのじゃ?ワシの指輪……?

 ああ、ユミルの場所を教えたのだからこの指輪が欲しい?

 はっはっは!お主は賢い女じゃのう!

 よーし!この指輪をくれてやる!

 大切にするのじゃぞ!」

 

 

 ユミルは貰った指輪を、顔を赤らめながら見つめた。

 

 そして部下の一人が走ってやってきた。

 

 部下「王!大変です!マーレが!敵が攻め込んできました!」

 

 王「なんじゃと!?……ユミル。すまない。

 ワシは行かねばならんところがある!」

 

 そういうと王は部下を引き連れて戦場向かいました。

 

 王「突撃ぃぃぃいいいい!

 マーレを倒せ!

 エルディア族のために!

 民を守るために!

 敵を倒すのじゃ!

 憎しみのためではなく!

 戦士たちよ!愛の為に武器を振え!」

 

 戦士達はよく戦った。

 王の指揮のもと、圧倒的な数の差がありながらも健闘していた。

 

 そんな中、稲妻が走る。

 

 兵士「なんだあれは!?きょ、巨人だぁ!」

 

 突如現れた女性の巨人。

 それはマーレの兵士を次々と打ち倒した。

 

 王はそれがユミルだと察した。

 

 王「エルディア族の勇者達よ!あれは味方じゃ!

 このままの勢いでマーレを打ち倒すのじゃ!」

 

 王に鼓舞されたエルディア族はそのまま勝利した。

 

 

 

 

 

 王「ユミルよ……お主のおかげで、此度の戦に勝つことができた。

 ありがとう……。本当にありがとう。

 感謝するぞ、ユミルよ。

 お前のおかげで民も戦士も救われたのだ。

 何を望む?ワシにできることならば、できるだけのことをするつもりじゃ。」

 

 王がそう言うと、ユミルは王から貰った指輪を王に返して、ユミルは自分の左手の薬指を差し出した。

 

 ここまでされて、王は鈍感であり続けることなど出来はしなかった。

 

 王「なるほど……。それが望みか。

 褒美だ、ワシの子種をくれてやる。」

 

 

 

 そして、王とユミルの盛大な結婚式が挙げられた。

 

 

 

 優れた王と巨人のユミル。

 この二人に率いられたエルディア族は瞬く間に、マーレの領土を次々と制圧した。

 

 

 王「そうじゃ!ユミル!そのまま石を運ぶのじゃ!

 そうやって橋をかけて、道路を整備するのじゃ。

 そうすれば民は、エルディアもマーレも隔てなく、皆豊かになる!」

 

 

 そして出来上がったユミルによる道。

 これらは大きく繁栄に寄与した。

 そして王は演説する。

 

 王「民よ!マーレの民よ!

 ワシはエルディア族の王じゃ!

 確かにワシは其方ら、マーレと戦った!

 しかし……それは憎しみからではない!

 因縁に終止符を打ち、争いを止めて、新しい時代を築く為じゃ!

 

 ワシは愛すべき妻、ユミルと共に橋をかけて道路を敷いた!

 これでこの村も豊かになるじゃろう!

 だがワシは、その分の富を奪うための重税をかけようとは思わん!

 いや!むしろ税を安くする!

 もし其方らがエルディア族……いや違う!

 エルディア帝国に忠誠を誓うならば、そこから更に税を安くしよう!

 この道はそれだけ税下げても、余りある富を生み出し、ワシらはその低い税で十分じゃからのう!」

 

 それを聞いたマーレの民は困惑した。

 

 マーレの民「王よ!エルディアの王よ!

 何故そのようなことをするのです!?

 何故我らを滅ぼさない!?

 何故我らに慈悲をかける!?

 たとえ滅ぼさなくても、我らを全て奴隷にすることもできるはずだ!

 何故エルディアの民のように、我らを扱うのか!?」

 

 それに対して、王は答えた。

 

 王「簡単だ!ワシが見たい世界には、奴隷はいない!

 虐げられるものもない!

 ワシは……理想の世界を創りたいのだ!

 ワシはまだ観ぬ景色が見たい!

 ワシらは彷徨っている。

 森の中で、殺し合う森の中で、外の見えない森の中で彷徨っているのだ!

 ワシが見たいのは、その森の外にある光景!

 森の先に何があるかわからない。

 それはもっと過酷な世界かもしれないし!

 今より少しマシなだけかもしれん!

 じゃが、ワシは見たいのじゃ!

 伝承に聞くだけの、様々素晴らしいな世界を!光景を!

 例えば……海を!」

 

 民や王の部下、そしてユミルは王の演説に聞き入る。

 

 王「ワシは思う!

 今までのやり方じゃだめじゃ!

 それでは森の外に出れん!

 何かを……何かを変えねば森の外に出れん!

 じゃからワシは憎むのではなく、他人を愛したいのじゃ!

 それが森の外に出る事に繋がるかはわからん!

 たとえ森の外に出たとしても、海なんてものが本当にあるかもわからん!

 じゃがワシは……それでも一歩を踏み出したいのじゃ!

 その一歩が……マーレの民。

 其方達と、友達になることじゃと思う。」

 

 聴衆は黙って聞いていた。

 

 王「馬鹿な夢じゃろう?

 じゃがどうか頼む……。

 もう憎しみ合う関係は終わりにしたいのじゃ!

 どうかワシらと……友達になって欲しい!」

 

 それを聞いたマーレの民は叫んだ。

 

 民「王様!万歳!王様!万歳!

 エルディア帝国に忠誠を!

 エルディア帝国に万歳!」

 

 その言葉を聞いた王は喜んだ、しかし人々を制止して言った。

 

 王「ありがとう……皆。

 じゃが頼みがある。もし慕うのなら、ワシだけじゃなく、ワシの愛する嫁も慕って欲しいのじゃ。

 紹介する!

 橋をかけて、道を切り拓き、ワシを助け続けた愛する妻!

 ユミルじゃ……!」

 

 民「「「ユミル!ユミル!ユミル!」」」

 

 人々は賢王とその妻、巨人のユミルを称えた。

 

 

 

 そして王とユミルの帝国は拡大した。

 

 そして王とユミルの間には三人の子供ができた。

 

 王とユミルが二人の結婚13年目を祝う式典に参加していた最中……事件は起きた。

 エルディアの躍進を好まぬ国の暗殺者が現れて、ユミルを刺そうとしたのだ。

 

王「危ない!ユミル!」

 

 王は咄嗟に庇った。

 王は知っていた。

 ユミルは頑丈で、刺された程度では死なぬと。

 それでも……考える前に、王はユミルを庇ったのだ。

 

 

 それから王は三日三晩、眠り続けたままだった。

 ユミルはその間、娘達と付きっきりで看病をした。

 ユミルは食事の時には、粥や薬草を頬張り、よく咀嚼して食べやすくした後、王に口移しでそれを与えた。

 

 そして4日目の朝、ついに王は目覚めた。

 

 王「ユ……ユミル?」

 

 ユミルは王に抱きついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これが俺たちの国の、初代王とユミル様の歴史書だ。」

 

 黒髪のゴツい男が、息子の金髪の少年に語りかける。

 

 「そうなんだ!じゃあ僕らが巨人になれるのは、そのユミル様の血を引いてるからなんだね!」

 

 「ああそうだとも。

 だがな、その力はいいことの為にしか使っちゃだめだぞ?

 かつて最初の王様とユミル様が、正しいことにしか使わなかったようにな!」

 

 それを聞いた息子は元気よく返事をした。

 

 「わかったよ!父さん!

 ところで……マーレってなに?

 そのマーレって人達は今どうしてるの?」

 

 父親は考えてから言った。

 

 「そうだなぁ。だいぶ昔の話だからな。

 マーレの民はそのままエルディアの民と仲良くなって、一つの民族になったんじゃないかと言われてるな。」

 

 「一つの民になる?」

 

 「ああ!言うなれば、俺と母さんが結婚して、ブラウン一族になったようにな!

 まぁ俺の場合は婿養子なんだが……。」

 

 少年は婿養子がなにを意味するのかはわからなかったが、取り敢えず仲良くなったということだけはわかった。

 

 「あらあら、私の可愛いライナー。お父さんとなにを話してたのかしら?」

 

 そして台所から金髪の女性、ライナーの母がやってくる。

 

 「ああ、母さん!今お父さんと、エルディアの昔話をして貰ってたんだ!

 いつもエレンやアルミンに、昔の話を教えて貰ってるから、今度は俺が教えてやろうと思ってさ!」

 

 「ああ、イェーガー先生の息子のエレン君ね?

 あの子の父は医者だし、先生は歴史が好きらしいからねぇ……。

 なんでもあのエルヴィン教授の講義も、暇を見つけては聴きに行ってるそうよ?」

 

 それを聞いた父親は驚く。

 

 「エルヴィン教授!?あの調査大学の……?

 凄いなぁ……。なんでもあの、ハンジ博士の師匠でもあるっていう話じゃないか!

 エルヴィン教授もハンジ博士も、まだまだ若いのに功績を残した研究者……。

 ハンジ博士に至ってはまだ学生って話も聞いたぞ!?

 俺たちとは無縁の話だなぁ……。

 きっと関わり合いになることも無いんだろう。」

 

 それを聞いた母が笑う。

 

 「そんなことないわよ?

 エルヴィン教授やハンジ博士も、みんな親しみやすくていい人よ?

 そうだわ!近々、調査大学の学園祭がやるらしいのよ!

 そこで研究発表会をやるらしいわ!

 小難しい話だけじゃなくて、新しい装置……。

 確か立体機動装置の新型……だったかしら?

 そういう凄い装備のお披露目会もやるらしいわよ!」

 

 それを聞いたライナーは目を輝かせて言う。

 

 「立体機動装置!知ってる知ってる!

 確か大昔からあるけど、それをより安全にして、子供で使えるようにしたんだって!

 もしかしたら俺でも使えるかも!」

 

 ライナーは目を輝かせて言う。

 

 「そうか……!興味があるのか!

 じゃあ、その大学の学園祭とやらに、家族みんなで行こうじゃないか!」

 

 父親の言葉に、ライナーは喜ぶ。

 

 「本当!?やったぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界の中心であるエルディア帝国。

 この国は、多くの人種が入り乱れる世界帝国。

 2000年帝国は、2万年帝国を越すだろう……。




 なんか書いてるうちにグリシャの解読した古文書みたいになった……。
 「グリシャの妄想落ちじゃね?」を回避する為に、平和に暮らすライナー家族を書きました。

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