先生視点
最初に彼を見た時の第一印象は『性別どっちだろ?』という聞く人によっては失礼かもしれない疑問だった。
ひとつに纏めた長い金髪には一か所だけ白のメッシュが入っている。
顔は男の子か女の子か迷ってしまう中性的な顔。
なにより目立つのがその"瞳"。
彼から見て右眼が青色で左眼が赤色という所謂オッドアイというやつだ。
どちらの眼もまるで宝石のように見える。
服装は白のワイシャツにミレニアムの青色のネクタイ、胸のところにはミレニアムの学生証がピン留めされている。そしてそれらを覆うように着ている濃紺色のコート、下は黒のズボンに黒のブーツと全体的にシンプルなものだった。
(いやホントにどっちだ?男の子?女の子?)
彼に会って早々に私はそんなことを考えていた。
軽い自己紹介を私が行うと彼も自己紹介をしてくれた。
「はじめまして、ミレニアムサイエンススクール2年、便利屋部部長の
名前と声質的に男の子かな?多分恐らく十中八九メイビーそうだろう。
……それにしても、近くで見ると本当に性別が判らない。…………おっといけない。あんまり見すぎると警戒させちゃうかな。ここは笑顔を浮かべておこう。
「
"『ヘイロー』がない。"その一言が指すのはつまり、彼も私と同じ銃弾一発で命に関わるということ。
「キヴォトスでは人間の"男"は珍しいですからね。ヘイローに関しては少し事情がありまして」
男の子で合っていた。…………いやいや問題はそこじゃない。ヘイローがないことに事情があると彼は言ったが彼も私と同様に"外の世界"から来たのかな?
「そっか」
(まぁ、彼にだって言いたくないことはあるか)
そう考え、これ以上の追求はしなかった。
「自己紹介もしましたし、さっそく依頼内容を尋ねても?」
今日彼を呼び出したのは渡したい物があるから。
でも少しだけ、ホントにすこぉーしだけ気になったことがある。
「うん、でもその前に……その"刀"って本物?」
そう"刀"。オタクの皆が大好きな刀。無論私とて例外ではない。興味津々。わたし、気になります!
「……えぇ、本物ですよ」
(マジか!!本物だと!?模造刀ではないと!?)
正直に言おう…………メッッッッッチャくちゃ触りたいッッッッッ!!!
銃刀法違反?キヴォトスにそんな法律あるの?
私が好奇の視線を送っていると、トウマは視線に気づいたようなので言ってみる。
「触ってもいい?」
お触りさせてください。(オヤジ風)
「えぇ、いいですよ。鞘に入っているとはいえ刃物ですので気をつけてください」
え?マジで?やった!!やっぱり言ってみるものだね!!
彼から刀を受け取る。黒い鞘に収まっている状態だが十分カッコイイ!
……ここまできたら抜いてみたい、でも怒られるだろうか?
「……鞘から抜いてもいい?」
恐る恐る聞いてみた。
「いいですけど、怪我をしないように十分に気をつけてくださいね」
(え?マジ?抜きますよ?抜いちゃいますよ?抜きますね。)
刃に気をつけながら少しづつ鞘から抜き出す。
ッ!凄く綺麗な刃だ。しっかりと手入れをされていることがわかる。少し傾ければ蛍光灯の光を反射してキラッと光る。
名前はあるのか、と彼に聞いてみた。どうやら『
……ん?でもよく考えたら彼は銃弾飛び交うキヴォトスで刀一本だけで生活しているということになる。
「銃弾が飛んできたらどうするの?」
純粋な疑問だった。私のその問に彼は。
「弾くか避けるか斬るかします」
「え?」
え?……聞き間違いかな?今彼は弾くか避けるかすると答えたように聞こえた。まだ耳は正常な年齢だと思うんだけどな─────。
「弾くか避けるか斬るかします」
聞き間違いじゃありませんでしたありがとうございます。
……なんだか変な空気になってしまったので別の質問を投げかける。
「て、手入れとか大変じゃないの?」
「それなりに大変ですね」
よかった、今度はちゃんとした答えが返ってきた。
気持ちを切り替えてもう一度刃をよく見る。
"名刀は刃が青く見える"と言うが、この刀も例に漏れず刃が青く見えるため相当腕のいい職人が作ったことが分かる。
「先生、もしかして武器とかロボットが好きだったりしますか?」
刃をジッと見ていた私に彼が問いかけてくる。
答えは勿論。
「うん!大好き!」
特撮にロボットに武器にスマホゲーム、数えだしたらキリがないと言える程に私は趣味が広いと自覚している。
トウマからは今度ミレニアムに遊びに来て欲しいと言われたが……。
「遊びって言うより仕事でだけど、必ず行くよ!」
遊びで行く訳ではない、断じてない、ないったらない。
「先生?刀に夢中で本題を忘れていませんか?」
「……あっ……そうだった。ごめんね、はい、刀」
いけないいけない、刀に夢中になりすぎて本題を忘れていた。
刀を鞘に戻し彼に返す。……次会うときも触らせてもらおう。
彼が刀を受け取ったタイミングでふと気になることがあった。
(……刀に夢中になっていた私は彼から見てどう写っていたのかな?…………子供っぽいとか思われたかな?……)
……今更恥ずかしさが込み上げてくるが顔には出さない。私は大人だからね。
(…………いや、大人が本題を忘れて別のことに夢中になってるのってダメじゃない?……)
……一旦考えるのをやめ、私は彼に今回呼び出した理由を告げる。が……。
「本題に入る前に。もう一度ごめんね、あんな雑なメールで呼び出しちゃって」
そう、彼に送ったメールだ。
彼に送ったメールには『シャーレに来てほしい』という雑な一文を送った。あれでは流石にダメだろうと送った後に後悔した。
なので今、謝罪をする。文句のひとつでも言われると思っていたが。
「いえいえ、お気になさらず」
と、案外簡単に返されてしまった。
彼は言葉通り特に気にした様子もなかったので私も気にしないことにした。
「それで依頼内容なんだけど、これをを君にこれを渡したくて」
私が渡したのは鮮やかな青色の手紙。シッテムの箱と一緒に置いてあった手紙。宛名には彼の、『月見トウマ』の名前。そして差出人の名前は…………。
"連邦生徒会長"。
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その後はトウマが"連邦生徒会長に必ず説教をする"と決意を固めたり、SRT特殊学園という学校ひとつの権限をトウマに譲渡するといった内容に驚いたりはしたがなんとか頑張ろうと二人で覚悟を決めた。
……気がつけばかなりの時間が経過していた。
「それでは先生、さようなら」
「うん、気をつけて帰ってね」
トウマとモモトークを交換し、解散となった。
私は彼の背中を見ながら見送った。
(これからは更に忙しくなるな……)
私はこの後のやるべきことを考えた。大人として、なりより生徒たちの為に私は頑張らなければならない。
私は先程交換したモモトークを見る。
『トウマ』と下の名前だけで登録されたプロフィールを開く。
「……トウマの為にも」
真面目だが年相応に可愛いところもある。そんな彼の役に立ちたいと思えるのは彼が『生徒』だからなのか、それとも…………。
私はシャーレのオフィスへと戻った。
200連でドレスサオリがでました。20000あった石が殆どなくなりましたよちくしょう。