便利屋部業務日誌   作:とざっく

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前回の投稿から期間が空いてごめんなさい。本日から投稿再開します。(亀更新ってタグ付けてるから大丈夫だろ)

話は変わりますが、みなさんは周年記念はどうでしたか?

周年記念が終わった後って(石がたらねぇ……)になる。


先生が生徒の家に泊まるのってセーフなのか?〜その①〜

 「おっ邪魔しまーす!!」

 

 先生はそう言いながら()()()に元気よく上がり込んだ。

 

 

 ……そう、()()()である。

 

 ミレニアムの校舎から割と近くにある俺の家。前は寮暮らしだったが便利屋部が大きくなり収入が増えたことで思い切って一軒家を購入した。

 

 部員たちから『遊びに行かせてほしい』だの『一緒に住む』だの言われたのは記憶に新しい。野郎と同居してもいいことなどないだろ普通。

 

 話を戻すが、今俺の家には外の世界からキヴォトスにやって来た大人こと先生が訪れている。

 

 なぜこうなったか、時は数時間前に遡る……。

 

 

 

 

 

──────────

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 金曜日のとある日、シャーレに当番で訪れていた俺に先生は。

 

 「トウマの家に行ってみたい!!」

 

 と、どでかい声でそう言った。

 

 「……急になんですか、仕事のやり過ぎでとうとうイカレましたか?」

 

 「ひぃん、トウマが冷たい……」

 

 シャーレの当番で書類仕事をしていた俺に先生はそう言ってきたものだから驚き半分呆れ半分だった。

 

 「そもそも先生が生徒の家に行くのってアリなんですか?普通はダメだと思うんですけど?」

 

 そんな疑問を持つ俺に先生は……。

 

 「まぁここキヴォトスだし、先生が生徒の家に行っても問題ないでしょ」

 

 確かにそれはそう。……いや納得したらダメじゃね?

 

 「第一、なぜ俺の家に?」

 

 「いやー、前にアビドスのみんなとお泊まり会したんだけどさ、その時にふと気になったんだよね。生徒の皆ってどんな家で生活してるのかなーって……」

 

 なるほど……いやなるほどじゃないな。

 

 「気になったからとりあえず当番の子の家に行ってみたいなと」

 

 「なるほど」

 

 いやなるほどじゃないな(二回目)

 

 「それで丁度今日が当番だった俺の家に来たいと……」

 

 「そういうこと!」

 

 「ダメです」

 

 「えぇー!!なんでさ!?」

 

 「さっきも言いましたけど、先生が生徒の家に行くなんて普通ダメでしょ」

 

 「ぐッ!……そこはホラ、家庭訪問的な……!」

 

 「それでもダメです」

 

 他にも理由はあるが。まぁね、察して欲しいよね……。

 

 「……!分かった!!私が女だからって気を遣ってるね!!」

 

 その通りでございます。

 

 「……そうですよ、先生が男性だったらまだ考えましたけど、貴女は女性でしょ。だから野郎の家にホイホイ行こうとしないでください」

 

 「なになに、私を女性として意識しちゃう感じ?」

 

 先生はニヤニヤしながら俺にそう問いかけてきた。

 

 なんだこのダル絡みは?

 

 「……えぇ、そうですよ。女性として意識してしまうから、俺の家には来させたくないんですよ……」

 

 大人しくそう白状する。

 

 「……」

 

 ……?なんだ、急に静かになったな?

 

 よく見ると先生は顔を真っ赤にして放心している。なぜ?

 

 「先生?」

 

 「ひゃい!?なっ、なにかな?」

 

 声をかけた瞬間にすごい勢いで返事をした。顔は真っ赤なままで。

 

 「続けますけど、とにかくダメなものはダメです」

 

 今度はちょっとキツめに子供を叱りつける親のように。

 

 「えっと……そこをなんとかお願いできないかな?」

 

 さっきとは打って変わってしおらしくなった声色で問うてくる。まだ食い下がるか。

 

 先生の顔を見る。なんか放置してたら目尻に涙溜めはじめたし。

 

 あれ、悪いの俺だっけ?俺当たり前のことしか言ってないよね?

 

 でもこのままでもな……。

 

 「…………はぁ、わかりました。今回だけですよ……」

 

 ため息混じりにそう言うと。

 

 「ホント!?やった!!」

 

 俺の目の前には、さっきまでの涙をどこかに吹っ飛ばし笑顔を咲かせ子供のように飛び跳ねて喜ぶ先生の姿があった。

 

 

 ナニがとは言わないが……すごい揺れてた……。

 

 

 

 

 

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──────

 

 

 

 

 

 まぁ、シャーレでこんな感じのやり取りがあった訳だ。

 

 今考えてもなんでこうなったのか疑問に思う。

 

 「先生って、案外自由人なのか?」

 

 リビングに先に向かった先生の後を追いながら、そんなことを独りごちる。

 

 「おぉ!綺麗にしてるんだね!埃ひとつない!」

 

 「まぁ、休みの日は基本掃除してますね。帰ってきたら埃まみれなんて嫌でしょ?」

 

 「うわぁ……たしかにそれは嫌だ……」

 

 「……ふふっ」

 

 なんだか友人を家に招いた気分だ。相手先生だけど……。

 

 「じゃあ、適当に座っといてください。飲み物用意しますので」

 

 「はーい!」

 

 うーん、何がいいだろうか?レモンティーにミルクティー、コーヒーもありだな、勿論俺はブラックは飲めないが。お子ちゃまかよと思ったやつ前に出ろ。

 

 ここは先生に直接聴くのが早いか。

 

 「先生何飲みますー?レモンティーとかミルクティーとかコーヒーとか緑茶とかほうじ茶とか水とかありますよー」

 

 「多いね!?……それじゃあレモンティーをお願い!」

 

 「了解でーす」

 

 レモンティーのティーバックにお湯をかける。良き香り。

 

 「砂糖はお好みでどうぞ」

 

 「ありがとねー」

 

 できたレモンティーを持っていくと先生は笑顔でお礼を言ってきた。

 

 (この人、ホントに笑顔が絶えないな)

 

 「……!このレモンティー美味しい!」

 

 「ありがとうございます……でも、ただインスタントですよ」

 

 たかだかインスタントなんだから少し大袈裟だと思う。

 

 「あっ!照れてるー!少し顔赤いよー」

 

 そう言うと先生は俺の頬をつついてくる。微妙にくすぐったい。それに照れてない。……断じてない。

 

 「ほっぺぷにぷにだー!」

 

 先生は変わらず笑顔だが多分俺は今真顔だと思う。くすぐったい。

 

 先生の指先から逃れ。

 

 「あっ……」

 

 名残惜しそうな声をだしてもダメだぞ。

 

 「先生、着替えとか日用品はしっかり持ってきましたか?ないなら俺のを貸しますけど……」

 

 「もっと触ってたかったな……」

 

 「おーい、せんせーい?」

 

 「わっ!?……え、えっと、なにかな?」

 

 「着替えと日用品は大丈夫か聞いたんですけど?」

 

 「あぁ!それなら大丈夫だよ!」

 

 そう言って先生は持ってきた物を見せてくれる。勘違いされそうだが勿論下着は見てないぞ。

 

 着替え、シャンプーにリンス、歯磨きセット、櫛、酒、つまみ、etc……

 

 

 

 ……ん?なんだこの違和感は?

 

 もう一度先生の荷物を確認する。

 

 着替え、シャンプーにリンス、歯磨きセット、櫛、酒、つまみ───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 "酒"と"つまみ"!?

 

 え!?は!?なにこの人!?生徒の家で酒飲もうとしてんの!?

 

 いや、つまみはまだいいが酒飲むの!?倫理観どこいったんですか!?

 

 「えーっと。先生、この酒とつまみはいったい……?」

 

 「え?なにって、今日飲むから持ってきたに決まってるじゃん?」

 

 なんでさも当たり前のように言えるのか疑問でしかない。それに俺を"何言ってんだこいつ"みたいな目でみてくる。はったおすぞ。

 

 「……いや、あの、その、ここ俺ん家、あーゆーおーけー?」

 

 「Yes, I understand that (はい、私はそれを理解しています)」

 

 いや無駄に発音いいな。……いやそこじゃなくて、理解してこの発言をしているのなら先生の正気を疑ってしまう。本当に仕事のやり過ぎでおかしくなったか?

 

 普通、生徒の家で酒は飲まんだろ。

 

 「その酒は先生の自宅かシャーレで飲んでください」

 

 いや、シャーレは先生の職場だからアウトか?

 

 「えぇー、なんでさ……?」

 

 「いや、普通生徒の家で酒は飲まないでしょ……」

 

 「そんなの知りませーんだ」

 

 え?もしかしてもう既に酔ってる?俺ん家来る前に飲んでた?

 

 「冗談で言ってるんだったら今の内ですよ……これ以上は俺も怒りますからね」

 

 「冗談なんかじゃないもん、本気だよ!」

 

 「……早瀬さんにチクリますよ?」

 

 「うッ……たしかにユウカに怒られるのはイヤだけど。私の中ではもうトウマの家で飲むのは決定事項だから!」

 

 そんな決定事項さっさと捨ててきてほしい。つーか俺に怒られるのはよくて早瀬さんはダメなのかよ……。

 

 「じゃあ、飲む理由を教えてください。ちゃんとした理由なら飲んでもいいですよ」

 

 「今日は丁度金曜日じゃん?」

 

 「はい」

 

 おっと嫌な予感。

 

 「明日から土日で休みじゃん?」

 

 「えぇ、まぁ、はい……」

 

 もうなんかこの先が読めたな。

 

 「疲れた身体を休められる大事な大事な休日じゃん?」

 

 「……」

 

 …………。

 

 「飲むしかないよね!?!?」

 

 

 もう帰ってくれないかなこの人…………。

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