便利屋部業務日誌   作:とざっく

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 いやお前ブルアカ擦りすぎだろとか言われたら終わりだと思っている今日この頃。
 


本編
月見トウマは便利屋部


 ここは"学園都市キヴォトス"。数千もの学園が集まり生徒たちが自治を行うことで出来ている"超巨大学園都市"であり子供たちが当たり前に銃や爆弾を持ち歩く、そんな世界。

 

 そしてここは『ミレニアムサイエンススクール』"千年紀"の名を冠する科学技術に力を入れている新興の学園である。キヴォトスにおいて『最先端』『最新鋭』と呼称されるものの多くはここミレニアムで開発されたものであり、その多くがキヴォトスに普及している。

 

 そんなミレニアムにはとある部活が存在する。

 

 校舎の教室棟から五分程歩いた場所にある技術の最先端をいっているミレニアムにしては古くさい電子ロックのついていない横開きの扉。

 

 まず目に入るのは扉にかかっている"在室"の木札。

 

 ここは"便利屋部"キヴォトスの様々な依頼を解決する何でも屋兼部活である。

 部長の月見トウマと百を超える部員たちによって運営されている。しかし部長のトウマ以外の部員はミレニアム校舎外にある事務所で働いている。なので実質、部室にいるのはトウマだけである。

 

 そして今日も彼は依頼を受け、キヴォトスを駆け回るであろう。

 

 

 

 これはそんな便利屋部の部長と少女たちの少し騒がしい青春の物語。

 

 

 

 

 

──────────

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──────

 

 

 

 

 

 「黒崎さん、この書類もお願いします」

 

 「えぇー!まだあるですかぁー!」

 

 「文句言わずに手を動かしてください」

 

 「こんなのブラック企業と同じですよぉー!」

 

 「何言ってるんですか、この前の悪戯を書類仕事だけでチャラにしてあげてるんですから感謝してください」

 

 「うぅ……わかりましたよぉーだ……」

 

 悪戯の罰として書類仕事を手伝っている彼女、黒崎コユキさんに新しい書類を渡す。

 

 「ほら、お菓子あげるんで頑張ってください」

 

 「私がお菓子だけで頑張れるとでも?いただきます」

 

 「食べるんですね。召し上がれ……」

 

 「美味しいです!どこのお店のですか?」

 

 「トリニティです。かなりいい値段しましたよ」

 

 「そんなこと言って結構稼いでる癖に」

 

 「ハハッ!なんのことだか」

 

 黒崎さんとそんな会話をしていると、部室の横開きの扉が開かれる。

 

 「コユキ、しっかりやってる?」

 

 「失礼しますトウマ君」

 

 「おー、早瀬さんと生塩さん」

 

 「ゲッ……ユウカ先輩にノア先輩……」

 

 「なにコユキ?そんなに私たちが来たら嫌なの?」

 

 今入ってきたのはミレニアムサイエンススクールが誇るセミナーの二人、会計の早瀬ユウカさんと書記の生塩ノアさんだ。……そして"一応"コユキさんもセミナー所属だ。

 

 「……トウマ先輩、今失礼なこと考えてませんでしたか?」

 

 「マッサーカー」

 

 「うあぁああああーー!!私の存在雑じゃないですか!?」

 

 「ハイハイ、手を動かしてー」

 

 「うあぁああああーー!!」

 

 「トウマ、コユキの扱いに慣れてるわね」

 

 早瀬さんからそんなお言葉をもらう。

 

 「黒崎さんの相手をしていたら自ずとね。御二人は今日はどんな御用で?」

 

 何故二人が来たのか尋ねる。というか黒崎さんお菓子食べ過ぎでは?

 

 「コユキちゃんの様子を見に来たのとトウマ君に書類を届けに来ました」

 

 そうして生塩さんから書類を受け取り内容を確認する。

 どうやら今月の部費関係の書類のようだ。

 

 「ありがとうございます。というかごめんなさい、俺が直接セミナーの部室に取りに行けばよかったのに、御二人に配達させちゃって」

 

 「気にしないでください」

 

 「えぇ、ノアが言ったようにコユキの様子も確認したかったし丁度良かったわ」

 

 「そう言ってくれるとありがたいです。座ってください飲み物とお菓子を出しますよ」

 

 二人に感謝をしつつ、ソファに座ってもらい新しいお菓子をだし部室の隣にある給湯室兼簡易的なキッチンに向かう。てかいつの間にか黒崎さんも休憩してるし。

 

 「御二人共、なに飲みます?」

 

 「じゃあ私は珈琲を」

 

 「なら私は紅茶を」

 

 「トウマ先輩!私にも何かください!」

 

 「了解です」

 

 一応来客が来た時用に珈琲や紅茶を淹れるのに必要な物は用意してある。ブラック珈琲?飲めない飲めない。

 

 「そういえばトウマ君、聞きましたか"先生"のこと?」

 

 お湯が沸き上がるまでの待ち時間に生塩さんから尋ねられる。

 

 「えぇ、聞きましたよ。"連邦捜査部シャーレの先生"でしたっけ?」

 

 "連邦捜査部シャーレ"。つい先日行方不明となった"連邦生徒会長"。彼女が設立した謎の多い組織、そしてそこに着任した"先生"。今キヴォトスで最も盛り上がっている話だろう。

 

 そういえば。

 

 「早瀬さんはこの前先生に会ったとか言いませんでしたっけ?」

 

 「えぇ、いい人だったわよ。戦術指揮だって凄かったんだから!」

 

 先生がキヴォトスにやって来て直ぐにD.U.地区で起きた不良生徒たちによる襲撃事件。その事件に早瀬さんは関わっていた。

 

 「"リン"行政官ったら酷いのよ!私とその場にいた他の学園の子たちを暇人呼ばわりして!!」

 

 「まぁまぁ、それに彼女はもう行政官ではなくて"連邦生徒会長代行"なんでしょ。彼女だって忙しいんでしょうから、不良生徒たち相手に裂ける人員もいなかったでしょうし」

 

 「グッ!……確かにそうかもしれないけど暇人呼ばわりは許せないわ!」

 

 「セミナーが忙しいのは、どこかの問題児が起こした面倒事の後始末もあるからでしょうしね。─────ですよね、黒崎さん?」

 

 「うぇっ!?」

 

 「確かにそうですね」

 「コユキ、後で一発ビンタさせなさい」

 

 「うあぁああああーー!!ひどいですよトウマ先輩!!」

 

 今日はいつもより"うあぁああああーー!!"が多いな。

 と、そんなことを考えているうちにお湯が沸き上がったようだ。

 

 それぞれにお湯を注ぎソーサーを敷く。珈琲と紅茶のいい匂いがする。黒崎さんは……オレンジジュースでいいか。

 

 「はい、御二人の珈琲と紅茶です。ミルクと砂糖はお好みで。黒崎さんにはオレンジジュースを」

 

 「ありがとうね、トウマ」

 「ありがとうございます」

 「なんか私だけ子供扱いされてませんか?……ありがとうございます……」

 

 「ふふっ、どういたしまして」

 

 「……この珈琲おいしい」

 

 「ありがとうございます」

 

 俺も少し休憩するかね。そう思いデスクを少し片す。

 

 「あれ?トウマ先輩はこっちに来ないんですか?」

 

 「いや、俺はこっちでいいですよ」

 

 野郎が女子の空間に入っちゃいけないって誰かが言ってた。

 

 「こっちで一緒に休憩すればいいのに」

 

 「いやいや、俺が座ったら邪魔になるでしょ」

 

 「ユウカちゃんが寂しがっているので、こちらに来てください」

 

 「ちょ!?ノア!?」

 

 「そうですよ!ユウカ先輩が寂しがってます!」

 

 「コユキ!?あんたまで!?」

 

 「えぇ、いやいや遠慮しますよ」

 

 何故そんなに俺を女子の空間に入れたがるのか。

 

 「あーもう!トウマ、早く来なさい!」

 

 三人からの視線を受ける俺。やめてそんな見ないで、俺がおかしいみたいじゃん。

 

 「…………わかりましたよ」

 

 渋々言うことを聞く。これパワハラではとか思うが空気を読んで言わないことにした。

 

 俺の分のオレンジジュースをコップに注ぎ三人が座っているソファに座る。因みに、俺と黒崎さん、早瀬さんと生塩さんという感じで座っている。

 

 「それでいいんですよ」

 

 「俺を犬かなんかと勘違いしてます?」

 

 「違うんですか?女の子を誑かしてばかりいるのに?」

 

 「人聞き悪いこと言わないでくださいよ」

 

 「間違っていなでしょ……トウマって"リオ会長"には従順だし……」

 

 「仮に、本ッッッ当に仮に、女性を誑かしてるとしても尻尾を振る相手くらいは選びますよ」

 

 「……今自分を犬って認めましたね」

 

 「……あっ」

 

 「ハァ……先生のことも誑かしたりしそうで恐いわね」

 

 だから誑かさないって……。ん?

 

 「……え?先生って"女性"なんですか?」

 

 「えぇそうよ、ニュース見てないの?クロノススクールが大々的に取り上げてるわよ」

 

 「最近はニュースを見る時間すら取れなくて」

 

 「便利屋部はキヴォトス中を駆け回っていますしね。──ところでトウマ君?また無理をしているじゃありませんか?」

 

 「ピ」

 

 生塩さんからめちゃくちゃ怒気をぶつけられる。まっっっずーい。

 

 「いや……大丈夫ですよ」

 「本当に?」

 「ほんとうですしんじてくださいおこらないでくださいしんでしまいます」

 

 「……」

 「……」

 

 生塩さんが怒り始めてから早瀬さんと黒崎さんは黙るし俺はめちゃくちゃ詰められるし冷や汗ダラダラだしで何だこの状況。

 

 生塩さんが怒るのにはしっかりと理由がある。前に無理をし過ぎて部室でぶっ倒れて医務室に運ばれたことがある。それ以降無理をしていないか早瀬さんと生塩さんに時々確認されるようになった。全体を通して全て俺が悪いですはい。

 

 そして今に至る。普段は優しい生塩さんだが怒ると凄く怖い。

 

 そんな時。

 

 「えーっと……トウマ先輩、携帯鳴ってますよ」

 

 そう言ってテーブルの上に置いておいた俺の携帯を渡してくる黒崎さん。女神かな?

 

 「オットーシゴトノデンワダーダレカラダロウ」

 

 「……今日はこの位にしてあげます」

 

 やった!

 

 「どの学園からの依頼ですか?」

 

 「外に出るのはいいけど、報告書はしっかりね」

 

 「トウマ君、戻ってきたらさっきの"お話し"の続きをしましょうね」

 

 黒崎さんと早瀬さんはまだいい、生塩さんとの"お話し"は覚悟を決めておこう。

 

 んでそんで、肝心の依頼主は、………………え?

 

 「どうしんですか、そんな顔して」

 

 「なにか面倒事?」

 

 「もしそうなら私たちも力を貸しますよ」

 

 「うん、ありがとう、うん」

 

 「本当にどうしたんです?」

 

 困惑してしまうのも仕方ないと感じてしまう……なぜなら依頼主。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 "連邦捜査部シャーレの先生"なんだから。

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