俺は『ラキア・アマルガ』……シャーレの先生だ 作:カブライニキ
「先生は、アビドスに来るのは初めて?」
「ああ」
ラキアはシロコの問いに対して、特に興味もなさそうに答えた。
だる、と言わないだけでも成長なのかもしれないが
「アビドスにお客さんが来るのは久しぶり」
シロコは無愛想なラキアを連れながら、ラキアの目的である『アビドス高等学校』の校舎を案内していた。
校舎の中まで砂が入り込んでおり、足場も相当悪い
ラキアは特に気にしていないようだが
「......お前以外に誰もいないのか?」
「ううん、私の他に4人。でもそれで全員」
「他の学校はもっと人数が多かったが」
「ん、それでもアビドスは5人しかいない」
覆らない現実を語るようにシロコはラキアからの言葉を返す
グラニュートであるラキアにデリカシーを求めるのは筋違いもいいところだが、もう少し女子高生に対しての手心を学ぶべきだっただろう
「着いたよ。ただいま」
シロコは唯一砂の捌けた廊下の突き当たりの部屋の扉を開ける
すると
「おかえり、シロコせんぱ.........い?」
教室の中には3人の生徒がいた。
シロコと同じような獣耳を持った黒髪の少女と、メガネのショートカットの少女
淡いベージュの頭髪にカーディガンを羽織った少女
一貫しているのはシロコと同じような制服
そして、ラキアを物珍しそうに眺めるひとみだった
「うえっ!?そ、その人誰!?」
「わあ、シロコちゃんが大人を拉致してきました!」
「拉致!?大人の人を!?シロコ先輩がついに犯罪に手を......!!」
そこからはもうてんやわんやてんやわんや
シロコがラキアを攫ってきたものだと勘違いした3人はあたふたとしている
「......いや、普通にうちの学校に用がある大人だから」
「......だる」
こればかりはダルさを抱えても仕方のないことなのかもしれない
「ってことは......お客さん?」
「うん、シャーレの先生だって」
そのシロコの一言に再び全員の瞳が見開かれる
「.........だる」
さっきよりも少し貯めてラキアはそう呟いた
「連邦捜査部の先生!?」
「ってことは支援要請が受理されたのですね!よかったですね、アヤネちゃん!」
さっきまでの雰囲気からは一変、わいわいと和やかな雰囲気を浮かべる3人をよそにラキアは背負ってきた巨大なバッグを床に下ろした。
「もしかして......これ全部補給品!?」
「ええっ!?こんな重いの持ち上げてここまで......?」
「大人ってすごいんですね〜♩」
もはや『大人』という言葉では片付けられない現象だが、彼女たちの目からすればラキアは『頼りになる大人』としか写っていないのだろう
「と、とりあえず私ホシノ先輩のこと連れてくる!」
『セリカ』がそう言って教室を飛び出した瞬間________________
(ダダダダダダダダッ!!)
「......なんだ?」
「銃声......!?」
ラキアは不用心に窓のそばに近づく
窓の外にはカラフルなヘルメットを被った集団がグラウンドに屯していた。
「ひゃーっはっはっは!!」
「今日こそ学校を手に入れてやるぜ〜!!」
まるで蛮族のような集団が空に向かって銃を乱射しながら校舎へと向かってきていた
「なんだあいつら」
『データベースを検索したところ、カタカタヘルメット団、という不良集団のようです!このままじゃアビドスの生徒さんたちが危ないですよ先生!ってどこ行くんですかぁ?!』
「補給は渡した、あとはそれぞれで戦える。俺は疲れたから帰る」
『流石に酷いですよ!?』
ラキアの目から見ても4人は決して弱くない
だからこそ見捨てるのではなくここで撤退する判断を下したのだ
そして、扉の前に立った瞬間
ラキアの足が止まった
「.........だる」
そして、ラキアの足は出口の方ではなくいつの間にか窓の方へと向いていた
「先生!危ないので隠れて________________
そして勢いよく窓を開き
その身を三階の窓から投げた
「はっ!?」
「えっ......!?」
後ろからは『ノノミ』と『アヤネ』の驚愕の声が聞こえる
そしてラキアは________________
『ヴラスタムギア』
腰にヴラスタムギアを装着し、華麗に着地
『せ、先生!?本当に危ないですっ!!』
アロナの静止する声が聞こえるが、ラキアは無言でヘルメットの集団に近づく
「ああん?なんだテメェ」
ラキアは表情を隠していた帽子を脱ぎ捨て________________
『カップ・オン』
「変身」
その怒りの表情を、露わにした
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語り部:ラキア・アマルガ
なぜ俺がこんなことで感情が昂ったんだ
それがわからない
だが
『にいちゃん!これもあげるよ!』
俺は
『えへへ......』
少なくとも俺は
『インビジブル・ゼリー』
奪われる苦しみは、知っている
なんか最近書けない