「つまり、快楽のための非生産的生産行為を僕としたいと、そう言うんだね?」   作:ほわぁ

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短編が書きたかった。一番最初のセリフだけ思いついて書き始めました


「つまり、快楽のための非生産的生産行為を僕としたいと、そう言うんだね?」

 

 

 

 

 

「ふーむ、つまり、快楽のための非生産的生産行為を僕としたいと、そう言うんだね?」

「……はい」

 

 ソファに寝っ転がって、スマホを弄りながら彼女はそう私に聞く、足をパタパタしているから可愛いあっ違う違う少し真面目な雰囲気を出していてちょっとだけ圧がある。

 

 彼女はソファから起き上がると私を手で指図して、ソファに座っている彼女の前に座るよう指示してきた。つまり地べたに座るってことね。

 いや違うらしい、立ち上がって座布団引っ張ってきて渡してくれたからありがたく使わせてもらおう。ありがとう感謝永遠にヤらせて。あっ違う。間違えた。

 

「まぁそうだね、まずは君に生産行為というものについて教えようと思う」

「お願いします!」

「わざわざお願いしますなんて言わなくてもいいが」

 

 彼女はどこからかメガネを取り出すとつけた。彼女は普段は裸眼なので伊達メガネだろう可愛い。

 

「生産行為というものだが、定義的には、性別の違う者同士でまぐわうことを指すな。大半の動物が生産行為を行なうが、種族はたまに違うことがある。オスにとってはそのメスは魅力的に見えたのかもしれないな。しかし、メスとオスという関係はほとんど不変的なものだ。ここまでいいか?」

「はい!」

「そこまで元気に返事しなくていいが」

 

 テレビが喧しかったのか、彼女はテレビのリモコンを取りに行こうとしていたので、私が先に取ってテレビの電源を消した。これでいいはずだ。

 

そういうことじゃないんだが……続けよう。人間はもちろん、その他の動物もすべてオスとメスという生物があり、生産行為のときには確実にオスメスの関係なのだが、ここで例外があるのだよ」

「はい! 無性生殖ですね!」

「先に台詞を取って言わんでよし。まあその無性生殖のことなのだが、それは生産行為と言うよりかは、複製行為とでも呼ぶ方が適切なのだな。そもそも、無性生殖というのは、性別の区別のない細胞によって行なわれるものだ。文字通り、姓がない生殖だな」

 

 彼女はメガネをクイッとあげた可愛い。なんだこの子無敵か? 無敵だったか。ハイパームテキ!

 

「……どうして急に立ち上がったんだ? トイレか?」

「いえ、違います、失礼しました」

「そこまで畏まらなくていいが」

「えぇ〜、まじ感謝っスパネぇ〜」

「逆にそこまで弛まれとも言ってないが」

 

 彼女に注意されてしまったので、真面目に正座に戻ろう。

 外ではメスを求めて蝉の鳴く声が聞こえて、夏を感じるが、部屋の中はクーラーで快適な温度に保たれているため実に涼しい。蝉は暑い夏の中メスを求めて必死に声を上げるが、人間はそんなことをする必要はない。涼しい日陰の部屋でゆっくりメスをくどく、これが日本の人間の夏だ。

 しかし、日本人は何故虫の"声"と表現するのだろう? 虫が人語を喋ってるわけでもないのに。

 

「オスとメスの関係についでに加えると、自身で性別を変更できる生物も例外と言っていいだろう。例外の例というのはなんとも奇妙な言葉となるが、例としてはカクレクマノミだな。彼ら、まあカクレクマノミは生まれたときの性別は定まっていないので彼らまたは彼女らと呼称しよう。彼らまたは彼女らは、カクレクマノミとあるだけあって、イソギンチャクの中に隠れて過ごすわけだが、その中ではコロニーというものを作って生活しているんだな」

 

 彼女はどこからか持ってきたホワイトボードに貼ってあるカクレクマノミとイソギンチャクの図をこれまたどこからか持ってきた指差し棒で指しながら説明する。

 

「コロニーの中ではもちろんオスメスが同時に存在しているわけだが、メスは一匹しかいない。一体どういう決まり方でメスがいるのか、わかるか?」

 

 ……うーん。真面目にわからないことを聞かれてしまった。頭をうんうんと捻って考えるフリをしてみるが、それっぽい答えすら出てきやしない。それもそうか、頭の中でそんな真面目なことを私は考えてないからね。考えていることといえば彼女とどういう仕方でするかおっとやめとこう。

 

「……わからないか? じゃあ答えを言おうか、正解は体の大きさだ。コロニーの中では色んな大きさのカクレクマノミがいるわけだが、その中でも一番大きいのがメスになる。もちろん、見た目とかそういうのだけじゃなく、身体の構造自体がメスに近づく。それ以外は全部オスだ。逆ハーレムというやつだな、ライオンのプライドも似たような構造をしているがあれはどっちかって言うとかかあ天下に近いな。オスが一匹いるだけだが、メスの方が狩りをするし強い。まあライオンは大体ハイエナの獲物を奪って生きているんだがな。野生動物の中で共通しているのは、オスよりもメスの方が強いということだ。メスの方が身体の大きいことが多い。子どもまたは卵を沢山産むためにそういうことが起こるんだな」

 

 彼女は休憩と言って息をつくと、棒の先にチョコがついてて恋人とそれでゲームしたりして遊ぶ(最大限アレに配慮した呼び方)お菓子の袋を開けるとそれを食べ始めた。

 くれないかなー、と思って手を伸ばしてみるとくれた。優しい可愛い美味しい!

 

 

「もぐもぐ………さて、生産行為についてくどくどと話のレールを逸らしたりしながら話してきたが、次は本題の快楽のための非生産的生産行為の話に入ろう」

「待ってました!」

「歌舞伎の主役登場みたいな言い方をするんじゃない」

「主題歌がラスボスとの戦いで流れてくる」

「興奮する演出ランキング一位タイの表現を使って表すんじゃない」

「同率のやつは何?」

「ライバルが味方になる」

「わかりみが深い」

 

 ライバルが味方になるのは超熱い演出のうちの一つだ。でも問題なのはライバルが勝手に弱体化してることが多いこと、またはすぐに負けてしまったりすること。そのまま普通に活躍させたらいいのに、素直には活躍させてくれない。

 

「快楽のための非生産的生産行為というのは、人間の一部に多く見られる行為のことだな。野生動物では見られない。何故なら、人間は生態系の頂点に立っていて、生きることに必死にならなくとも生きれるから、様々なことに興味が向く。地球全体では、発展していないところではまだ生きようとしないと生きれないため、快楽のための非生産的生産行為は行われないが、逆に、発展しているところだと、割と頻繁に行われるな。人間の三大欲求は金、暴力、セッだとはよく言うだろ」

「三大欲求って本当にそれです?」

「ん? ……生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求だったか。寝ることに食べることにヤることは三大欲求として挙げられがちに思うが、それらは実はすべて生理的欲求に含まれてるのだったな」

 

 彼女は少し赤面しながらそう言った。普通に間違えてしまったので恥ずかしかったのだろう可愛い。

 彼女はメガネを直した。

 

「さて、快楽のための非生産的生産行為だが、二つの種類があることはわかるな?」

「うん」

「急に敬語抜けたな。まあいいが。所謂"避妊"をしてオスメスでまぐわうものと、もう一つはそもそも子供の生まれない関係でまぐわうことだ。オスとオスだとか、メスとメスだとか、磁石のように本来は反発する間柄でヤるのだな」

 

 まだホワイトボードに貼ってあったカクレクマノミの図を指しながら彼女はそう言う。よく見たら、カクレクマノミの図は可愛らしい絵であった。たぶん、彼女が書いたのだろうそうに違いない。(推量と断定の同時使用)ちなみに、なんでこの話とは関係なさそうなのにカクレクマノミの図を指さしてるんだろう?

 

「あの、素人質問で恐縮なのですが」

「敬語が入ったのは感心するがその言い方は僕の心臓に少しばかり、いや、かなり悪いな、なんだ?」

「なんで同性セッ○○の話でカクレクマノミの図を指してるんですか?」

「え? ……あっ」

 

 赤面し出した。かわいい。

 

「ん"んっ! ………この図は関係なかったな、気を取り直して次の説明へと行くぞ」

 

「避妊をしてヤるという話に戻すと、オスメスの避妊はまあ人間には普通のことだ。人間には普通のことというだけで、野生動物にはありえないことであるが。動物は基本生き延びるために生産行為をするわけで、それは当然子どもが生まれてきて欲しいからなのだが、人間には生まれてほしくない子どももいると言うことだな。ただ、中には子どもが欲しくてもできない人間もいるわけで、それを考えると人間はエゴな存在であると実感するな。そもそもエゴじゃない生物もいないのだろうがな。世の中は人間が悪いだとか動物を守れだとか色んな意見に溢れかえっているわけだが、私に言わせれば、それもすべて人間の活動のだけで、巻き込まれていなくなってしまう動物はそれだけの生命というだけの話だ。実際、人間がどれだけ活動していても一向に変化のない動物はいるからな。何が絶滅危惧種だ」

 

 この人とんでもない発言してるぞ。誰か止めろよ、私は彼女の頑張って話している様子が可愛いから止められないたまらない。

 

「同じ性別同士ですることは流石の人間でもなかなかアブノーマルなことらしく、それは特別な呼び方がされてるんだな、レズだとか、ホモだとか、ゲイだとか。ゲイはちなみにオス同士のまぐわいを称する場合が多いが、実際の意味はたしか同性同士でのまぐわいを意味しているのでメス同士のまぐわいもゲイで表せるはずだ」

「ほーん」

「興味ないな? まあいい、さっきも言ったように、生きようとしないと生きれない場所では、快楽のための非生産的生産行為は行われない。生産行為は体力を大量に消耗するからな、それで何も生み出さないのだったらコストパフォーマンスが合っていない。が、例えばここ日本ではかなり文明が進んでいるから人間は生理的欲求を満たすために快楽のための非生産的生産行為を行おうとするわけだ。これは人間にとっては実は案外普通のことである。しかし、それによって引き起こされる現象は子どもの減少だ。日本以外でも、発展が進んでいる国では同様のことが起こっている。子どもを持つことがめんどくさいと思ったり、好きな人としたいという感情が生まれるわけだ。そのため、国別人口では発展国の人口は段々と減ってきているが、発展途上国の人口は爆発的に増えていってることが見られる」

 

 またまたどこからか取り出した国別人口の年ごとの増加数のグラフを指差し棒で彼女は指す。

 プールから帰ってきた子どもが外で遊んでいる声が聞こえる。これだけ元気な子がいるなら私たちは人口なんて気にしなくてもいいと思っていたが、彼女はそう思わないようだ。

 

「なので、我々は実際のところは、快楽のための非生産的生産行為は行なうべきではないのだ。人口が減れば、たとえ日本以外のどんな国でも問題が露呈してくる。人間、いや野生動物も含め動物全般は生産行為を生産行為として扱わなければ絶滅してしまうのだ。これを踏まえ、僕の結論を出してやろう。どうやら、君は僕の話を理解していないようだからな」

「バレた?」

「バレるだろう。話のレールがあっちにいったりこっちにいったりまるでジェットコースターみたいな話をしてしまった僕も悪いとは思うが」

 

 彼女はメガネを外しながらそう言った。メガネを外しても可愛い!

 

「さて、快楽のための非生産的生産行為を君とするかという話の結論だが…………い、イエス………」

「えー、なんてー? もっとハッキリ言ってほしいなー」

「ば、バカ! こんなことをハッキリと言わせようとするな、聞こえてたじゃないか!」

 

 彼女が赤面しながらそう言う。手をぶんぶん振って恥ずかしがっていてとても可愛いかわいい。は? 可愛すぎだろ。

 

「ちなみに理由は?」

「………な、なんで理由なんか聞くんだ」

「さっきまでの話を踏まえてなんでその結論になったか知りたいから」

「……日本の国別総人口増加数は減っていっていると言ったが、しかし近代の世界は世界で団結しようと活動している。グローバリズムというやつだな。なので、戦争がなくなれば、いずれそのうち国境というものが無くなる。人間は争うために人種を区別しているだけだからな、真の意味で人間が共通になれば国境は自然と消える。その未来を考えてみると、日本の国別総人口増加数なんてものは気にしなくてもよくなる。地球全体で人間は人間の問題を捉えるようになるからな。そうなると、快楽のための非生産的生産行為をしても、別に悪いことではないということになる。………それに、少し興味があったから……

「絶対最後の理由が一番大きいやつじゃん!」

「う、うわっ、何!?」

 

 私は彼女に飛びかかって、彼女をソファの上に押し倒した。こんな状況に遭うことは初めてなのか、彼女は赤面して少し涙目になっている、やば我慢できそうにないんだけど!

 

「……や、ヤるんだな? ヤることはいいんだが、ぼ、僕はいかんせんネコとかタチだとかそういうものが何が何なのかわからない。だから、お、お手柔らかにな?」

「わかりやすいよ、それは。可愛い方がネコなんだから」

「そ、そうなのか? ………に、にゃ〜ん」

 

 その瞬間、私の中の理性のタガは外れ、気づけば朝になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 







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