Re:黒い球と共に   作:八雲ネム

11 / 11
第10話 絶望への序章

(また増えたなぁ………この中で戦力になりそうなのは道着を着ている外人さんと…やっぱ、東郷さんも来てるのね)

 

 東郷さんと接触後、暫くするとガンツの招集が掛かったのでガンツスーツを着て転送されると、東郷さんを含めて新顔9人に加えて玄野に加藤、ホモ(仮)とサダコ(仮)の4人が先に来ていた。

 その為、東郷さんに目配せして軽く挨拶した後で壁に寄り掛かると美哉に岸本、ジャックも来たのだがお坊さんがこの場所は極楽浄土とか何とか宣い始めたので、経験者である俺や美哉からすれば失笑ものである。

 もしも、西が生きていれば彼もまた内心で爆笑しながら初心者を装って彼の迷走を見物したのだろうが、俺にはそんな腹芸はできないのでただ単に眺めているだけである。

 

 幸い、この世界の岸本は俺達の所に来ているので原作の様に玄野と岸本のすれ違いは発生せず、玄野が凹む様な事にはならなかった一方で今回も加藤が説明に入ったが、最初は経験者以外は誰も信じなかった。

 しかし、ラジオ体操の音と共にガンツが展開したのを確認するとホモ(仮)とサダコ(仮)も説明に参加した後、いそいそと自分用のスーツを取り出して別室で着替え始めた。

 その際、既にガンツスーツを着た上で普段着を着ている俺らの事を引き合いに出されたのもあって、一種の集団心理が働いた。

 

 何しろ、いくら恥ずかしいコスプレ衣装だからと言っても多人数が来ている上、新顔である東郷さんも普通に着替えに行ったので自分達も着替えた方が良くない?という風な流れになった為、この場にいる全員が着る事になった。

 

「その………」

「上手く着せたな。まぁ、びっくりはしたが良いんじゃねぇか?」

「あぁ、すまん」

 

 そんな中で、加藤が俺に済まなさそうな顔を向けてきたので特に気にしない事を伝えると、安堵の表情で持っていく武器を選び始めたので俺らも100点武器を選ぶ事にした。

 

「一応、今回は全部持っていくつもりだ」

「それだけの星人なの?」

「分からん。ただ、持っていた方が良い気がするだけだ」

「じゃあ、私も持っていく」

 

 別室にあるタブレットを操作し、俺がすべての100点武器を選択するのを見て美哉も今までに獲得した100点武器を選択したので、おこりんぼう星人編に登場する千手観音星人も楽勝じゃねぇかなと思ってしまったが、そんな甘い相手ではない事を思い出した。

 あれは確か、スピンオフ作品のGANTZ:Eで何回も100点クリアをした猛者数人を倒した挙句に連載時は最強と言われたキャラに道連れを選択させる程、強化された星人だった。

 あの戦闘で、能力が本編並にナーフされた事を考えれば今までの強力な星人と同格の存在として戦った方が良いだろう、と考え直してからガンツがある部屋に戻ると既に転送が始まっていた。

 

「先に行っている」

「あぁ、分かった」

 

 その際、転送中だった東郷さんが部屋に戻った俺にそう言ってきたので短い返事をしてから転送を待った。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「   なんだ、もう倒したのか?」

「このヘルメット便利ね。どれが星人なのか、すぐ分かっちゃった」

「オーケイ、加藤! 暫くみんなをまとめて星人を倒してくれ!」

 

 俺が転送されると、都内の寺院の正門前だったのだが正門の両隣にある阿吽の像が既に破壊されていた為、美哉に聞いてみるとどうやら彼女がやったらしい。

 まぁ、俺と同じ様にハードスーツを着込んでいる以上はヘルメット越しに星人の有無を確認できる事から、初手でハードスーツのビームを撃ち込んだだけだが、それが星人にとって初見殺しになって動く前に倒されたのが現実なのだろう。

 

「分かったけど良いのか? かなり動揺している様に見えるんだが」

「それに関しては仕方ないと割り切るしかない。じゃなきゃ、碌な説明もなしにこんな所に送り込んだ奴に文句を言えば良い。誰か判ればの話だがね」

「………分かった。中に入るにはどうすれば良いと思う?」

「こうすれば良い」

 

 その為、声をかけられた加藤が少し戸惑いながらも聞いてきたので先人としてのアドバイスをしてから正門の中央部を縦にビームを撃っていき、開けれる様にしてから老婆心ながらもう一つアドバイスをした。

 

「それと、誰かを守るって事はそいつにとっての脅威をその身を挺してでも排除しないといけない。その覚悟があるのか、しっかり考えておきな」

「あぁ、分かった」

 

 その言葉を伝えてから、飛行ユニットに乗って巨大ロボの操作室へ飛んだ。

 今の加藤はミッションの参加回数が3回しかない為、経験不足からまだまだ正義感が先走っている高校生から抜け出せていない以上、俺の言葉の意味を理解するのはまだまだ難しいだろうけど、早めに理解してもらわないと色々とマズイ。

 彼の弟さんの事もあるが、下手に突っ走った事で周りも引き摺られる様に星人の群れに突っ込んだ結果、強力すぎる攻撃でメンバーの大半が戦死するリスクが常に転がる様になるのを危惧している。

 

 くたばるのが赤の他人であれば、特に気にしないものの美哉が戦死すればそこそこショックを受けるし、カタストロフィまで生き残れる自信がなくなるので彼には早めに実感してほしい所である。

 

 実力が伴わない奴が下手に突っ走った結果、仲間がくたばるかもしれないと言う実感を。

 

 

 

 美哉 side

 

「すっげぇ! すっげぇぜ、アイツ!」

「やれる! やれるぞぉ!」

(今回の新入りメンバーはうるさい)

 

 正門から入ると、既に複数体の仏像が戦闘モードで待機していたので私は両手からビームを繰り出して各個撃破していると、今回が初参加のメンバーが自分達で持ってきた武器を使わずに後ろで突っ立っていたのでそう思わずにはいられなかった。

 その為、数が減った星人に対して適当に撃っていると私のとは違う銃声が聞こえて一体の星人の頭が爆ぜた。

 

「俺だって戦える………戦えるぞ!」

「分かった。近付いてきた敵をよろしく」

「分かった!」

 

 振り返ると、Xショットガンを撃ったのは今までモブ同然だった玄野でそれまでのやる気のなさから一変して、戦う衝動に駆られる顔つきになったので彼と協力して星人を倒す事にした。

 そんな私達の姿を見て、他のメンバー討伐に乗り出したので順調に星人の数を減らしていくと、本殿の壁が音を立てながら壊れていって中に入っていた大仏が姿を露わにした。

 そして、大仏が立ち上がったので私達はその大きさに圧倒されたけどその大仏は何かに殴られたかの様に体勢を大きく崩し、他の建物を巻き込みながら倒れた後で大仏の頭が踏み潰された。

 

「何が………起きたんだ………」

「多分、道彦くんだね」

「!? アイツが!?」

「100点の武器の中に巨大なロボがあってね。それごと透明化して操作しているから今まで姿を見せなかったの」

「そうか」

 

 その光景を見て、加藤が唖然とした表情で呟いたので解説すると彼は納得した様子で頷いた為、私はロボがありそうな方向に向かって大きく手を振るとロボが姿を現してコックピットにあった飛行ユニットが飛んできた。

 

「そっちはどうだい?」

「まずまずかな?」

「分かった。上空から警戒してるかはこのまま、討伐してくれ」

「了解」

 

 飛行ユニットに乗った彼が、私達の前に降り立って声を掛けてきたので軽く会話をすると、広場に残っている星人を殲滅する事が決まったので飛び立った彼を見送った後で私達は行動に移した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。