愛される少女、忌み嫌った青年   作:情緒オシロスコープ

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 すいませんでした(土下座ならぬ土下寝ならぬ土下埋)。


 ちらっと前話修正したから復習もかねて先にそっちから読んでくるのをお勧めするぜ! 大した文字数ねぇし!(過去の自分への罵倒)


始まりは、猫をも殺す好奇心。

 ──何時(いつ)とも知れぬ、何処(どこ)とも知れぬ、とある山中。そこに、複数の人影があった。

 

「くそっ、あいつ、綾辻ん所のおかみさんさんどころか、長の言葉すら無視して巫女を連れていきやがって……! おい、お前ら目と耳がいいのにまだ見つからんのか!」

「目が良いって言っても限度がありますよ。まして月が出てない夜なんですから」

「んー、こっちも全くわからんす。なんでかいつもより山の奴らがうるさくてかなわんすね」

「こ(・)の(・)夜(・)明(・)け(・)ま(・)で(・)に(・)儀式を行わなければならんのだぞ!? 次の夜まで遅れてしまえば、どれ程の者たちが倒れてしまうのかわかっているのか!!」

 

 ──その山々は、昔から霊峰とされていた。それ故か否か、その地に人はいない筈だ。その筈であった。

 

「自分としては、そもそも巫女がいればこの状況も何とかなる、ってのがどうにもわからんのですがね」

「お前、長の言うことを疑ってるのか!? これまで苦境を乗り越えてこられたのは長のおかげだろうが!」

「しかし、今のこの状況で、長が示した方法で好転した何かがありましたかい?」

 

 ──ならば、人を捜しているふうである彼らは、外より入り込んだのか。

 

「お前、長を愚弄するのもいい加減にしろよ……ッ!」

「落ち着いてください、二人とも。なんにせよ、あの二人がいないことには話が始まりませんから、早いとこ捜してしまいましょう。私もだいぶ夜目が利いてきましたから」

「っ……、わかった」

「…………ハァ。中立の立場でも気取ってるつもりですかね、気色の悪い……」

 

 ──否、否である。彼らは、元(・)よ(・)り(・)こ(・)の(・)山(・)に(・)生(・)き(・)て(・)い(・)る(・)のである。外の者たちの与(あずか)り知らぬうちより、彼らは確かにそこにいたのである。

 

「どうしても見つけたいってんだったら、ここらで別れませんかい? このひっろい山の中で小さい子供二人探すってのに固まってちゃキリねえっすよ」

「一理ありますね。であれば、あなたと私たちで別れるのが一番危険はないでしょうか。あなたは私よりも"視野"が広いでしょう?*1」

「自分はそれで構わねぇっす。どうです?」

「……わかった、良いだろう。巫女を見つけたら必ず連れ帰ってくるように」

「綾辻さんとこのお子さんはどうするんで?」

「あの餓鬼はこの際どうなったっていい。子供であろうと村の掟に逆らったことに変わりはないのだ。此度の様な我らの存亡の危機において、例外を作るわけにはいかん!」

「まあまあ、落ち着いて。長たちがどのような判断を下すにせよ、最善は二人とも無傷で連れ帰ることでしょうね。見つけたら、ちゃんとお願いしますよ」

「言われずともわかってますよ。こんな時にも掟だ何だと喚いてるから、生きるか死ぬかってことになってるんでしょうに、頭の固い糞爺共が……」

 

 ──だが、外の者たちが彼らのことを知るのも、遠からぬ未来なのかもしれない。

 

 

 

 


 

 

 

 

"縄で囲まれた場所より外に出るな"

 

 それは、その村で常々口に出されてきた、訓戒の様なものだ。曰く、縄の中、つまり村とその周辺の森一帯も含めた、このあたりの山は全て『お狐様』の領域であり、我々は縄の中であれば住んでもよいと言われた者たちであるため、その外に出ればお狐様がお怒りになり村が祟られる、と。そう伝えられてきた。"山に立ち入るな"、ではないのは、果実や冬越え用の薪といった山の恵みを取ることを許されているからだとか。

 

 閉じられた環境において、先人よりのお言葉というやつは何よりも強い意味を持つ。だからこそ、子を授かった家庭の親というのは、かつての自分たちもそうだったように自分の子供にも厳しく教え込む。家庭によっては折檻をすることもあったとか。

 

 しかしやはり、時にはそれでも──だからこそ,と言うべきかもしれないが──入り込もうとする子がいるのもまた確かだ。そのほとんどはその前に大人に見つかってこっぴどく怒られるものだが、ごく稀に、ごくごく稀に、誰にも気づかれないまま入り込み、そして何事もなかったように戻ってきてもやはりバレないケースもある。言い伝えの通りであれば何かしらが起こってもかしくないが、この村は現在に至るまで問題なく続いている。これはお狐様の慈悲か気まぐれか、あるいは…………。

 

「ふぅ、ふぅ……」

 

 事の真偽はともかく、息を切らしながらも勇ましい足取りで獣道を歩くこの少年もそんな一人であった。

 この少年が山に入った理由は、特にない。強いて言うならば、類まれなる冒険心だろうか。

 彼は歩けるようになる前から、好奇心が強かった。強すぎたと言い換えてもいいかもしれない。気なったものは何でもかんでも触りに行く。とりあえず振り回してみる。いわゆるやんちゃ坊主というやつだろうか。そんな彼に両親含め近所の大人たちは手を焼きつつも、しかし相応の愛情を持って育てていた。

 もちろん、縄の外に出るなということを懇々と教えていたにはいたのだが、両親のその言葉は、彼の好奇心をいたずらに刺激しただけのようだった。

 

 そんなわけで彼は囲いを出て山に踏み入ってしまったわけだが、本人である少年の気分は非常に高揚していた。いつもは縄の内側から見ていただけの木々に囲まれ、様々な生き物や草木の音が自らを通り過ぎていく。小規模ではあるが開かれた村の中しか知らぬ彼にとっては、何もかもが新鮮で、そしてきれいに思えた。

 もう少し表現があるのでは……と思うのはご尤もではあるが、まぁ十にも満たない子どもの語彙力では無理もないだろう。とにかく、彼は己の知る言葉のみでは明確に形容できないほどに感動していたのだ。

 その間も彼の足は歩くことをやめようとはしない。その足取りは、もっと、もっと自分の知らないことを、と彼の魂(・)が(・)求めているようだった。

 

 やがて、太陽が最も高いところへ上がるころ。少年は不可思議な空間を見つける。

 遠くに見えるその一帯だけ、やけに明るいのだ。不思議に思った彼は、その方向へ足を向ける。

 近づくにつれ分かったのは、広場と呼ぶべきその場所にだけは、きれいに木が生えていないということだった。だからこそ、日の光が木々の葉に遮られることなく地に降り注いでいるのだろうと、いまだ幼い少年でも理解することができた。

 やがて彼の足は広場に近づく。だが、それに伴いその足運びは音を忍ばせ(ようとしてい)るものに変わる。

 

(誰かいる……?)

 

 そう、その広場の中央には、座り込んでいる誰かがいるのだ。顔は少年がいる方向とは逆をむいており、その表情をうかがい知ることはできない。おそらく少女だろうか、身長はおそらくそれほど高くはないが、少年から見た背中のほぼすべてを濡羽色の髪が覆っている。腕の動きを見れば、うつむいて何かをしている? ようだ。

 

 パキッ

 

「あっ……!」

 

 しかし、少年は足元への注意がおろそかになってしまったために、枝を踏み折ってしまう。

 やってしまった、と思わず声を上げとっさに少女をうかがいみる。

彼女はその物音に驚いたようにこちらを振り返っており────、

 

 

 見開かれた、琥珀を宿したような瞳とぶつかった。

 

 

 少年、その名を綾辻トウマ。彼が生まれてから、間もなく9年になる年の春のことだった。

*1:
 視覚障がい者は聴覚や嗅覚を使うことで脳内に自身を中心とした地図を作り出すことで空間を認識しているように、本来なら見ることができない後方も視野の内ともいえるかもしれない。

 もっとも、彼にその類の障碍(がい)はないことを明言しておく。




 えー、どうもお久しぶりです、オシロスコープです。
 え、「なんてところで止まってんだ」って? まことにおっしゃる通りです……。
 ……「エタるつもりはない」とかほざいてるくせに一話だけ投稿して一年以上音沙汰無しの奴がいるってマ?(呆れ)(自戒)
 年も明けて、年度も変わって……そこからさらに二か月半……? シンプルに馬鹿じゃねえの?

 いやね、前話のあとがきで、プロット書いてないって言ってたじゃないっすか。だから、あれから結局どうやって進めようかってのが全く決まってなくて。一回血迷って「過去編ぶっ飛ばしてブルアカ本編のプロローグ行くか! 過去編はまぁなんか、回想とかで何とかなるやろ!」ってなったりするぐらいには迷走してしまいまして、ええ。大体それのせいっすね。あとはモチベーションが出なk(((殴 
ほんどずびばぜん……

 え、プロットは結局書いたのかって? 


 ………………………………(目逸らし)

 ま、まあ大体の道筋は見当ついた……かな? 多分ついたと思うんで……

 あと、文体読みづらかったら遠慮なく言ってください、割とノリと勢いで描いてるところあるんでそういう時はちょっと日本語終わり散らかしてる可能性ありますんで。
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