転生したら腕が六本あった   作:らびどっぐ

10 / 10
 カピラリア七光線で滅んではいませんでした。
 だってオラは人間だからっ……!!


超人オリンピックへ!!

 絶妙なタイミングだ。怪我が完治し、次はどこに行こうかと『殺し屋超人ボーン・コールド逮捕』のニュースを見てカフェでコーヒーを飲んでいると街頭のモニターにでかでかと濃い顔が映し出され、超人オリンピックの開催が宣言された。

 

 多くの超人達がこうしてはいられないと祖国に戻り予選リーグへの参戦を決める中、やはりオレは『どこへ行こうか』と思案する。

 オレの故郷は異空間の魔界であり、地球の国ではない。現在いるブラジルの予選に参加してしまうと、恩人でもあるヒカルドと予選から潰し合いになってしまう。

 

「よし、直接聞くか」

 

 思い立ったが吉日。そのままパソコンが使えるところへ移動し、ハラボテ星の超人委員会本部に連絡を取る。

 

「よお、ハラボテの爺さん。まだ生きてたか」

『フン、そう簡単にくたばってたまるか! 用件は分かっとる。超人オリンピックはツテでの参加は出来んぞ』

「何もそこまで期待しちゃいない。まだ予選を行っていて、予選に間に合う場所さえ教えてもらえればそこに行く」

『だとしても、悪行超人半歩手前のお前なんぞに誰が教えるか』

 

 ケビンマスクやチェック・メイトという前例があるとはいえ事実上キッドを殺したに等しいオレには反感が強いか。実際アレ奇跡だからな……さてどうしたものか。

 

 そこで、ハラボテ側の画面が途切れた。通信を切られたのかと思ったが、どうもそうではなく誰かに通信を切るのを逆に止められたようだ。

 

 ハラボテ星では、通信を切ろうとしたハラボテをイケメンが止めたところだった。

 

「お待ち下さい父上。シバは超人レスリング停滞の最中、過去資料のレンタルで家計を助けてくれた恩人ですぞ」

「しかし、奴は悪行超人……」

「いえ、経歴そのものはケビンマスクと大差ありません。現在はフリーで活動しています……それに」

「それに?」

「シバは顔も悪くなく、現代の超人の中では規格外の超人強度を誇る。参加すれば優勝候補の一角なのは間違いありません……参戦を喜ぶ者は多いでしょう、つまり」

「宣伝効果が高いというわけだな?」

「その通りです。金のなる木が自分から手元に来るのに逃す手はありませんぞ!」

「む、むう……イケメンよ、お前の言う事は理解出来る。だが既に予選が空いている場所も限られている」

「ふむ、念のため動向は把握したい。そうなるとこれを全て明かすのはあまり得策では……」

「ここにしましょう。伝説超人(レジェンド)が観戦するのですから無茶はしないでしょう。それに、私はシバの戦いが楽しみです! ここなら対抗出来るような超人もほとんどいないはず」

「なっ!?」

 

 どうせイケメンが止めたのだな、と当たりをつけつつもこちらにはどうしようもないので待っていると、次に画面に現れたのは巨乳美人だった。

 

「お待たせしました、シバ。私はジャクリーン・マッスル。ハラボテ・マッスルの娘にしてイケメン・マッスルの妹です。あなたがお望みの舞台、お教えします……インド会場がまだ間に合うはずです。好きなだけ暴れて超人オリンピック本戦にいらっしゃい」

 

 そういやこの巨乳ちゃん、この段階では血生臭い残虐ファイト大好きだったな。キッド戦では流血そのものは大したことは無かったのだが、デビュー戦から正義超人とは一線を画した残虐ファイトを披露したオレの戦いにそれを期待しているわけか。

 

『予選は伝説超人カレクックが観戦している。心して挑むように』

 

 案外やるもんだな。かつて『世界三大残虐超人』の一人と呼ばれたカレクックは伝説超人の中では残虐ファイトに理解がある方だ。故に『明確な殺意からの残虐ファイトか』という判断を冷静に下す事が出来る。単純な戦闘能力に関しては現役を退いた、現役当時ですら『そこそこ強い方』ではあっても『上澄み』には届かないカレクック程度ではオレが本気で悪行超人として暴れても止める事など出来はしないが、監視の目としては十分だ。

カレクックの目から見ても明らかな『悪行超人としての行動』を見せれば、即座に正義超人が束になって潰しに来るぞという無言の牽制というわけだ……まあそこまでしなくても余計な事をする気はさらさらないけどな。

 

 身も蓋も無い話ではあるが、オレにとっては超人オリンピックも最終トーナメント以外はお遊び感覚だ。ヘラクレス・ファクトリー卒業生、と言う時点で新世代超人(ニュージェネレーション)の中では比較的上位であるはずのテリーですら阿修羅バスターを決めて立ち上がった事には驚いたが、実力そのものは失望感すらあった……そこから察するに、正義超人は数多くいるが、並の正義超人の実力などたかが知れている。

 流石にケビンマスクやジェイド、イリューヒン、キン肉万太郎といった超人オリンピック最終トーナメントに残るような連中は侮れないが、言い換えればそこまで来れる実力者でようやく本気で戦えるレベルなのだ……せっかくの超人の祭典にして貴重な全力を出せる場所である以上、自分から不意にするなどもったいないどころではない。可能な限り楽しまなければ損と言うものだ。

 一方で、能力差はともかく超人オリンピックの競技には人間が絡んでくるものもあるので、気を抜くと足元をすくわれる可能性はある。原作でチェック・メイトやテリー・ザ・キッドが脱落したのは実際その面が大きい……楽しむ事は忘れないようにしたいが、油断は禁物だな。

 

「さて、行くか」

 

 ヒカルド、パシャンゴ一門に別れを告げて空港へ向かう。

 

「お前ならどこの予選でも勝てるだろう、ここで当たらなくてホッとしたぜ」

「ああ。オレとしても恩人を予選でふるい落とすのは忍びないからな……超人オリンピック本選でまた会おう。その時は手加減出来ないぜ」

「その言葉、そっくりお返ししてやるよ」

 

 軽口を叩きつつ、ヒカルドに背を向ける。本選トーナメントでは心情に加えて関節技のエキスパートと言う意味で相性も悪い……勝てたとしても文字通り腕の2,3本も持っていかれかねないのでできれば当たりたくないところだ。

 

 そうしてやって来た、インドでの予選についてはとりあえず代表になれたため割愛しよう。やった事は普通のトーナメント試合だし、そこまで手強い相手もいなかった……強いて言うなら、勢い余って殺してしまう危険性を考慮した結果阿修羅バスター封印縛りだったのだが、阿修羅稲綱落としも十分強力だし、何なら普通に殴るだけでも手数が違う。2,3新技の練習に付き合ってもらった奴もいたが、とりあえず殺してはいないので問題無いだろう。

 

 そうして、本選があるのは日本――!




 復帰としてはざっくりし過ぎている感じがしないでもないです。
 感想でいただいた案を頂き、インド代表で出場……一応、監視にカレクックが付いていましたが問題起こしてないのでOKって事で。

 本選の流れをあまり覚えていないので、真面目にコミック探さないとダメかも。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

キン肉マン世界古代転生(作者:ウボァー)(原作:キン肉マン)

人間がいない時代の地球に転生した中身令和人間な超人がプロレスをせずに生きたいだけの話。


総合評価:3499/評価:8.73/連載:20話/更新日時:2025年02月27日(木) 22:15 小説情報

ネプチューンマン・リビルド “究極の超人タッグ編Ⅱ”(作者:速筆魔王LX)(原作:キン肉マンⅡ世)

“究極の超人タッグ戦”――それは、キン肉マン、テリーマン、ロビンマスクといった伝説超人の面々や、キン肉万太郎、テリー・ザ・キッド、スカーフェイス、ジェイドといった新世代超人の面々が入り交じって闘う、まさに究極のタッグ・トーナメント。▼ その準決勝第2試合、齢50過ぎながら若い頃に戻ったつもりで悪虐の限りを尽くした完璧超人ネプチューンマンは、さらに上をいくワル…


総合評価:3515/評価:9.37/完結:106話/更新日時:2025年12月05日(金) 12:00 小説情報

詐欺占い師と米花町(作者:罠ビー)(原作:名探偵コナン)

 爆処同級生の未来が視える占い師≒詐欺師がコソコソする話。▼ pixivとのマルチ投稿です▼


総合評価:3264/評価:7.97/連載:18話/更新日時:2026年06月13日(土) 00:10 小説情報

落ちてきた地球外高度知的生命体とヒーローやることになった件について(作者:緑茶山)(原作:MARVEL)

多重転生し多数の前世の記憶を持つ高村優李の元に、ある日空から地球外高度知的生命体が落ちてきた。見るからに小さなシロクマの形だが、姿が似ているだけで別物らしい。▼そのシロクマによってマジカルパワーを得た優李は、魔法少女になる……ことは無かったが、なんやかんやでアベンジャーズの仲間入りを果たすことになる。▼真面目だったり不真面目だったり、わりかしシリアスにお送り…


総合評価:9653/評価:8.97/完結:101話/更新日時:2026年05月22日(金) 20:42 小説情報

超人スペックで転生させられた俺はせめて正しい敗北を選びたい(作者:正樹)(原作:ガンダム)

夢の中で『何か』と駄弁っていたら、夢で喋ってた厨設定盛り盛りで幼児転生させられていたので、世話になった人のためにも、せめてジオンにはマシな敗北をしてもらいたいと頑張る話。▼1年戦争編終わりました。▼注:主人公の設定について一点、万人には納得しがたい年齢設定がございます。この話を書くにあたっての大前提となっておりますので、読む際にはそれをご了承いただくか、ある…


総合評価:46648/評価:8.54/連載:73話/更新日時:2026年04月07日(火) 22:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>