転生したら腕が六本あった   作:らびどっぐ

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 カピラリア七光線で滅んではいませんでした。
 だってオラは人間だからっ……!!


超人オリンピックへ!!

 絶妙なタイミングだ。怪我が完治し、次はどこに行こうかと『殺し屋超人ボーン・コールド逮捕』のニュースを見てカフェでコーヒーを飲んでいると街頭のモニターにでかでかと濃い顔が映し出され、超人オリンピックの開催が宣言された。

 

 多くの超人達がこうしてはいられないと祖国に戻り予選リーグへの参戦を決める中、やはりオレは『どこへ行こうか』と思案する。

 オレの故郷は異空間の魔界であり、地球の国ではない。現在いるブラジルの予選に参加してしまうと、恩人でもあるヒカルドと予選から潰し合いになってしまう。

 

「よし、直接聞くか」

 

 思い立ったが吉日。そのままパソコンが使えるところへ移動し、ハラボテ星の超人委員会本部に連絡を取る。

 

「よお、ハラボテの爺さん。まだ生きてたか」

『フン、そう簡単にくたばってたまるか! 用件は分かっとる。超人オリンピックはツテでの参加は出来んぞ』

「何もそこまで期待しちゃいない。まだ予選を行っていて、予選に間に合う場所さえ教えてもらえればそこに行く」

『だとしても、悪行超人半歩手前のお前なんぞに誰が教えるか』

 

 ケビンマスクやチェック・メイトという前例があるとはいえ事実上キッドを殺したに等しいオレには反感が強いか。実際アレ奇跡だからな……さてどうしたものか。

 

 そこで、ハラボテ側の画面が途切れた。通信を切られたのかと思ったが、どうもそうではなく誰かに通信を切るのを逆に止められたようだ。

 

 ハラボテ星では、通信を切ろうとしたハラボテをイケメンが止めたところだった。

 

「お待ち下さい父上。シバは超人レスリング停滞の最中、過去資料のレンタルで家計を助けてくれた恩人ですぞ」

「しかし、奴は悪行超人……」

「いえ、経歴そのものはケビンマスクと大差ありません。現在はフリーで活動しています……それに」

「それに?」

「シバは顔も悪くなく、現代の超人の中では規格外の超人強度を誇る。参加すれば優勝候補の一角なのは間違いありません……参戦を喜ぶ者は多いでしょう、つまり」

「宣伝効果が高いというわけだな?」

「その通りです。金のなる木が自分から手元に来るのに逃す手はありませんぞ!」

「む、むう……イケメンよ、お前の言う事は理解出来る。だが既に予選が空いている場所も限られている」

「ふむ、念のため動向は把握したい。そうなるとこれを全て明かすのはあまり得策では……」

「ここにしましょう。伝説超人(レジェンド)が観戦するのですから無茶はしないでしょう。それに、私はシバの戦いが楽しみです! ここなら対抗出来るような超人もほとんどいないはず」

「なっ!?」

 

 どうせイケメンが止めたのだな、と当たりをつけつつもこちらにはどうしようもないので待っていると、次に画面に現れたのは巨乳美人だった。

 

「お待たせしました、シバ。私はジャクリーン・マッスル。ハラボテ・マッスルの娘にしてイケメン・マッスルの妹です。あなたがお望みの舞台、お教えします……インド会場がまだ間に合うはずです。好きなだけ暴れて超人オリンピック本戦にいらっしゃい」

 

 そういやこの巨乳ちゃん、この段階では血生臭い残虐ファイト大好きだったな。キッド戦では流血そのものは大したことは無かったのだが、デビュー戦から正義超人とは一線を画した残虐ファイトを披露したオレの戦いにそれを期待しているわけか。

 

『予選は伝説超人カレクックが観戦している。心して挑むように』

 

 案外やるもんだな。かつて『世界三大残虐超人』の一人と呼ばれたカレクックは伝説超人の中では残虐ファイトに理解がある方だ。故に『明確な殺意からの残虐ファイトか』という判断を冷静に下す事が出来る。単純な戦闘能力に関しては現役を退いた、現役当時ですら『そこそこ強い方』ではあっても『上澄み』には届かないカレクック程度ではオレが本気で悪行超人として暴れても止める事など出来はしないが、監視の目としては十分だ。

カレクックの目から見ても明らかな『悪行超人としての行動』を見せれば、即座に正義超人が束になって潰しに来るぞという無言の牽制というわけだ……まあそこまでしなくても余計な事をする気はさらさらないけどな。

 

 身も蓋も無い話ではあるが、オレにとっては超人オリンピックも最終トーナメント以外はお遊び感覚だ。ヘラクレス・ファクトリー卒業生、と言う時点で新世代超人(ニュージェネレーション)の中では比較的上位であるはずのテリーですら阿修羅バスターを決めて立ち上がった事には驚いたが、実力そのものは失望感すらあった……そこから察するに、正義超人は数多くいるが、並の正義超人の実力などたかが知れている。

 流石にケビンマスクやジェイド、イリューヒン、キン肉万太郎といった超人オリンピック最終トーナメントに残るような連中は侮れないが、言い換えればそこまで来れる実力者でようやく本気で戦えるレベルなのだ……せっかくの超人の祭典にして貴重な全力を出せる場所である以上、自分から不意にするなどもったいないどころではない。可能な限り楽しまなければ損と言うものだ。

 一方で、能力差はともかく超人オリンピックの競技には人間が絡んでくるものもあるので、気を抜くと足元をすくわれる可能性はある。原作でチェック・メイトやテリー・ザ・キッドが脱落したのは実際その面が大きい……楽しむ事は忘れないようにしたいが、油断は禁物だな。

 

「さて、行くか」

 

 ヒカルド、パシャンゴ一門に別れを告げて空港へ向かう。

 

「お前ならどこの予選でも勝てるだろう、ここで当たらなくてホッとしたぜ」

「ああ。オレとしても恩人を予選でふるい落とすのは忍びないからな……超人オリンピック本選でまた会おう。その時は手加減出来ないぜ」

「その言葉、そっくりお返ししてやるよ」

 

 軽口を叩きつつ、ヒカルドに背を向ける。本選トーナメントでは心情に加えて関節技のエキスパートと言う意味で相性も悪い……勝てたとしても文字通り腕の2,3本も持っていかれかねないのでできれば当たりたくないところだ。

 

 そうしてやって来た、インドでの予選についてはとりあえず代表になれたため割愛しよう。やった事は普通のトーナメント試合だし、そこまで手強い相手もいなかった……強いて言うなら、勢い余って殺してしまう危険性を考慮した結果阿修羅バスター封印縛りだったのだが、阿修羅稲綱落としも十分強力だし、何なら普通に殴るだけでも手数が違う。2,3新技の練習に付き合ってもらった奴もいたが、とりあえず殺してはいないので問題無いだろう。

 

 そうして、本選があるのは日本――!




 復帰としてはざっくりし過ぎている感じがしないでもないです。
 感想でいただいた案を頂き、インド代表で出場……一応、監視にカレクックが付いていましたが問題起こしてないのでOKって事で。

 本選の流れをあまり覚えていないので、真面目にコミック探さないとダメかも。
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