最強と最凶の生き残りたちに鍛えられた白兎がオラリオに来るのは間違っているだろうか   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回は神々の会話とヘスティアファミリアの過去を少しだけ語らせてもらいます。とあるキャラが生存しておりますが物語にどう関わるかはまだ特に決めてません。だけど彼女を生かしておけばいつかの未来で修羅場が楽しめると愉悦神父が囁いてきたのです・・・!!


第八話 神々の会話

化物祭での騒動から三日後、ゴブニュファミリアを始めとした建設業を担うファミリアたちの手によってオラリオの街並みはすっかり元通りとなっており町民たちも冒険者たちもいつもの日常を表向きには取り戻していた。食人花は未知のモンスターとして現在その生態についてロキファミリアやアトラスファミリアなどの有力ファミリアたちと協力して調査することがギルドから正式にオラリオに通達された。幸い死者が出なかったことと負傷者もアミッドたちディアンケヒトファミリアやミアハファミリアのロゼ・フリージア団長が結成した《救命団》を始めとした医療系ファミリアとベルの活躍によって既に傷は癒えきっていたために町民からの文句は上がらなかった。

 

闇派閥に関しては遭遇したのがアイズたちロキファミリアの幹部4名とヘスティアファミリアの団員であるベルだけであることと7年前の暗黒期によってオラリオに与えられた被害のことを考えれば無駄にオラリオに不安を撒き散らすのは避けるべきだと判断したギルド───正確にはギルド長であるロイマンによる判断───によって信用のできる実力のあるファミリアたちの主神と一部の眷属たちにのみ闇派閥残党に関する情報を共有する程度で終わった。

 

これにより大半のファミリや町民たちが化物祭前と変わらない平凡な日常を過ごしている中でアトラスファミリアやロキファミリアを始めとした五大ファミリア、ヘスティアファミリアやガネーシャファミリア、アストレアファミリアなどの一部のファミリアたちは再び現れようとしている闇派閥たちに対しての対応を考えるべく行動を起こしていた。

 

「────それで?私たちを呼んだ理由は何かしらアトラス」

 

アトラスファミリアの傘下ファミリアの一つが経営している酒場の奥にある密会室にてアトラスは信頼できる神々を呼び話し合いの場を設けていた。今この場にいるのは女神アストレア、男神ガネーシャ、女神ヘファイストス、男神ミアハ、そしてアトラスの5柱だった。

 

「先日の化物祭で暴れ回った食人花と闇派閥の残党について話し合いたい」

 

「その様子だとあなたは何かしらそれらについて知ってたみたいね」

 

ヘファイストスは少しだけ強くアトラスを睨みながら確認を取る。アトラスが善神よりの神であることは理解しつつも知っていたのならば事前にその情報をギルドあるいは他のファミリアと共有していれば被害はもっと抑えられたのではないかという思いを込めながら聞くとアトラスは少しだけ申し訳なさそうに話し始める。

 

「闇派閥に関しては俺も知らなかったが、食人花。それに関係すると思われるモンスターのことは知っていた。だが下手に情報を広めてしまえば面倒なことになると思ってな」

 

「むぅ・・・」

 

アトラスが言う面倒なことが食人花が神々によるものではないかという疑いから来たものであると察したミアハは唸るしかなかった。それ以上アトラスに何を言った頃で無駄だろうと察したアストレアたちはそれ以上の追求をやめたところでアトラスは先日の化物祭で暴れ回った食人花から回収した魔石をテーブルの上に置く。

 

「これは例の食人花から回収した魔石だ。これと同じようなものを俺の眷属たちがダンジョンの深層で回収した」

 

「新種、という訳ではなさそうだな」

 

「あぁこんな色をした魔石は古代のモンスターにもいない。明らかに何らかの手が加えられていると考えるのが妥当だろう」

 

ガネーシャはテーブルの上にある極彩色の魔石を見ながらダンジョンで生まれた新種だと一瞬予想したがそれを即座に否定する。それは過去にまだゼウスやヘラを筆頭に有力なファミリアたちがオラリオにまだいた頃に外の遠征として古代のモンスターを討伐した際に見たモンスターの魔石とも違うことから何らかの存在が干渉したことによって産み出されたモンスターであるとアトラスは予想していた。

 

「とりあえず今は情報が少ない。俺は眷属たちにダンジョンに例のモンスターたちがまだいるかもしれないし何らかの痕跡を発見出来るかもしれないからな」

 

「なら私とガネーシャは闇派閥の残党の探索に力を入れるわね。ダイダロス通りを中心に探してみたらなにかあるかもしれないし」

 

「私とミアハはいざと言う時に備えて武具や回復薬を可能な限り用意すればいいかしら」

 

アトラスたちは互いにできることをすべくそのまま今後のことについて話し合いを始める。その途中でアストレアはどうしても気になったことがあるためにアトラスに聞くことにした。

 

「ねぇアトラス。やっぱりヘスティアは今回の一件に関わらせない気なの?」

 

「・・・・・・」

 

アトラスはアストレアの言葉に思わず押し黙る。今のヘスティアファミリアは2人の一級冒険者を抱えてはいるものの冒険者の数は15人と少ない小規模ファミリアだ。しかしヘスティアがその気になれば諸事情で引退していることになっているレベル8が2人とレベル7が3人、とある事件がきっかけでヘスティアファミリアに5年前から帰還していないレベル6を1人呼び出すことができる。そしてヘスティアの神望と高い神格など諸々含めればオラリオにいる多くのファミリアからの協力を得られるだけでなく外で活躍しているゼウス、ヘラ、アルテミスなどのファミリアの参戦も可能である。

 

それらのことから闇派閥や謎のモンスターなどの問題を解決するのにヘスティアの協力を得られれば早期の解決がなされると判断してのアストレアの言葉であるが、アストレア自身アトラスがヘスティアに協力を求めない理由をある程度察してはいるものの実際に口にしてもらわねば納得できないとしての言葉だった。

 

「・・・ヘスティアは闇派閥によって多くのものを奪われすぎた」

 

アトラスが思い出すのは7年前の暗黒期での出来事。15年前のゼウス・ヘラファミリアをメインに他ファミリアからもレベル6~7の冒険者たちが参加して挑んだ三大冒険者依頼の最後の対象である黒竜の討伐の失敗により参加した冒険者の内4分の3が死亡或いは重症にあい冒険者としての復帰が厳しい状況にまで追い詰められた。特に力を大きく失ったゼウス・ヘラファミリアはロキとフレイヤの策略も合わせてオラリオを追放、更にそれに反対したいくつかのファミリアも同様に追放された。これにより大きく戦力を失ったオラリオに闇派閥なる邪神たちの集まりが表舞台に出るようになりオラリオに大きなダメージを与えた。特に絶望の7日間と呼ばれた日は熟練の老兵(ロートル)から未来ある新兵(ルーキー)、さらには一般人も含めて大量の死者が出た。

 

しかし冒険者たちの底力と尽力、何よりもヘスティアによる呼び掛けによって追放されたアトラスを含めた有力なファミリアの帰還及びゼウス・ヘラファミリアから3人の眷属を改宗(コンバージョン)してもらったことにより当時の闇派閥のトップであるアンリマユを筆頭に多くの邪神たちの送還とその眷属たちの討伐に成功した。

 

それからは地下に隠れ潜み細々と闇派閥たちの処理に取り掛かっていたオラリオだが、6年前に闇派閥がダンジョンで不審な動きがあると嘘の情報を流し、有力派閥である冒険者パーティを27階層におびき寄せ、そこに大量のモンスターを誘導して多くの冒険者を虐殺させるために起こした《27階層の悪夢》でそれは起こった。

 

当時冒険者たちの指揮を執っていたフィンとシロエは27階層のことを罠だと判断してそれを利用して多くの闇派閥の邪神と眷属の始末することを選んだ。それが多くのファミリアが犠牲になることを理解しつつも闇派閥の掃討を優先したからであり、オラリオ五大派閥としての役割を果たすための一番の選択だと思ったからだ。

 

それに当時の彼らは27階層に向かうファミリアの中に少数精鋭でありながら優秀な冒険者たちを持つ《アストレアファミリア》と《ミアハファミリア》、《ヴィーザルファミリア》を始めとした有力ファミリア。そして何よりもかつての最強と最凶ファミリアから《ヘスティアファミリア》へと改宗したレベル7のヒューマンの男性《剣聖》マルクオス・ラングリス、レベル6の《爆炎姫》と《鋼硬盾》。初代ヘスティアファミリア団長のレベル7ハイエルフ《聖騎士(パラディン)》のグラハムと当時の団長であるレベル6エルフのアマンダを筆頭にヘスティアファミリアに所属する上級冒険者全員が参加した。

 

誰もが問題ないと判断した結果、27階層へと向かったファミリアの冒険者たちの半数以上が死亡し生き残った者たちも誰もが重症で運ばれて帰ってくる最悪の結果となった。これにより多くのファミリアが団員を失った或いは冒険者として戦えない身体になったことで中堅、弱小となったり中にはオラリオを去った者もいる。ミアハファミリアも団長であるロゼ以外の上級冒険者全員を失った上に右目を失い規模が縮小、ヴィーザルファミリアは諸事情でオラリオの外にいた当時の団長であるベート・ローガとヘスティアファミリアのおかげで何とか生き残った副団長であるセレニア以外の団員たちが全員死亡したことによりオラリオの外へ、アストレアファミリアは誰もが重傷であったものの奇跡的に死亡者はいなかった。

 

そしてヘスティアファミリアだが、他ファミリアの救援を優先したのとダンジョンのイレギュラー、さらに闇派閥の不意打ちによってほとんどの上級冒険者たちが死に、グラハムは呪詛とモンスターの毒の重ねがけによって体が蝕まれ長時間の戦闘が不可能な身体に、マルクオスたち元ゼウス・ヘラファミリアからの改宗組とアマンダは何とか生還したが生き残ったヘスティアファミリアメンバーは当時レベル3に上がったばかりの銀時とフィルヴィスの2人、そしてヘスティアに対しての信仰が強かったレベル5のヒューマン《断罪者》スカー・ヴァルドスを含めてたったの8人だった。

 

ヘスティアが地上に降りたのは今から300年ほど前であり多くの眷属(子供)たちの死を見送ってきた。しかしその殆どは寿命が訪れたことによる別れであり、元々のゼウス・ヘラファミリアの調停役兼孤児院経営から30年ほど前に探索ファミリアとして活動を始動してから初めての眷属の喪失、それも1人2人だけでなく50を超える眷属たちの一斉の死と一緒にヘスティアファミリアを育ててきたグラハムの負傷も合わせてヘスティアの心は壊れかけた。ヘファイストスやデメテル、アルテミスなど彼女の同郷の女神たちがフォローに回ってくれたおかげで時間はかかったもののいつものヘスティアに戻ってくれた。

 

しかしヘスティアを悲しませたことと多くの同胞を殺された事に怒りを抱き感情の赴くままに復讐の道を選んだスカーはアマンダたちの制止を無視して単身闇派閥の殲滅に取り掛かった。その際に闇派閥と少しでも関連があった者は商人だろうとギルドの人間であろうと老若男女問わず問答無用で殺害したことにより行き過ぎた報復行為からギルドがスカーを賞金首としてブラックリストに乗せようとしたが、ヘスティアからの嘆願によって何とかそれは取り下げられた。しかし最後のステータス更新とランクアップ以降スカーはヘスティアの前にその姿を見せていなかった。

 

「ヘスティアは今では平気そうな態度を取っているが内心まだあの時のことを忘れていないだろう。そんな状態でまた眷属たちを闇派閥と関わらせて命を落とすようなことがあれば・・・」

 

「ヘスティアの心が壊れるかもしれないわね・・・」

 

「あぁ・・・」

 

アトラスが懸念していることを聞いてアストレアたちは誰もが悲しそうに顔を暗くする。ヘスティアの存在は彼にとっても大きなものであり、それと同じようにオラリオにとってもなくてはならない存在である。もしヘスティアが送還される或いはオラリオから離れた場合オラリオにいる多くのファミリアと町民たちに多大な影響を与えることが考えられるために彼女は下手すれば五代派閥よりも重要な存在としてウラノスを含めたもの達は考えている。

 

「・・・念の為俺の眷属たちにヘスティアとその眷属たちの護衛を陰ながらさせている。お前たちも余裕があれば気にかけてくれ」

 

アトラスはそう締めくくってから再び今後のことを話し合おうとしたところで扉が勢いよく開き興奮した様子の椿がその手に羊皮紙を握りしめながら入室してきた。

 

「主神殿!主神殿!!これを見てくれ!!ベル坊がやりおったぞ!!」

 

「椿・・・今大事な話をしてたんだけど・・・」

 

「む?すまんな神アトラスたちよ!!しかしこれをいち早く見てもらいたくてな!!」

 

ヘファイストスが頭が痛いと言わんばかりに右手で頭を抱えるがあまり反省していない椿にこれ以上言ったところで無駄だと悟り興奮している椿から羊皮紙を受けとりその内容を読んで石のように固まった。

 

「む?どうしたヘファイストスよ?」

 

「何かあったのかしら・・・?」

 

「ハッ!まさかこれはガネーシャ!!」

 

「違うと思うから落ち着けガネーシャ」

 

ミアハ、アストレア、ガネーシャ、アトラスは様子のおかしいヘファイストスに疑問を感じているとヘファイストスは引きつった笑みを浮かべながら羊皮紙を4柱に見えるように見せつけた。そしてその内容を読んだアトラスたちもまた固まり少し遅れてから酒場を揺らすほどの絶叫を上げた。

 

 

 

 

 

──────ベル・クラネル、冒険者になってから僅か3週間でLv.2へのランクアップ達成

 

 

 





あとがき
今回は短めになりましたが区切りがいいのでこれで勘弁してください・・・。ちなみにベルくんのLv1最終ステイタスは以下の通りになります。

ベル・クラネル
 
【ステータス】
Lv.1
力:SSS1497
耐久:SSS1238
器用:SSS1741
敏捷:SSS1975
魔力:SSS1859
 
【スキル】
双児神物語(デウスストーリア)
・ゼウスとヘラの血縁者の証明
・魔法スロットに関係なくゼウスとヘラの眷属の魔法を使用することができる使用できる
・ゼウスとヘラの眷属のスキルを使用することができる。
現在使用可能スキル
・神饌恩寵(デウス・アムブロシア)
・流血闘術(ブラッディ・コンバット)
ブレングリード、斗流血法・シナトベの血闘術が使用可能
・致命兎魂(ヴォーパル・ソウル)
ヴォーパル刃術を初めとしたスキルの使用が可能
・自然宝典《ネイチャー・ギフト》
属性攻撃の威力が上昇する。属性攻撃の耐性付与

現在使用可能魔法
・サタナス・ヴェーリオン 詠唱式:【福音(ゴスペル)】
・エアリアル・ブレード 詠唱式:【切り裂け(ジャッジ)】
・ケラウノス 付与魔法 詠唱式:【駆け抜けよ(アクセル)】
星閃剣・創輝ノ断光(アステリア・エテルネア) 長文詠唱魔法 詠唱式:【夜空を覆う星々よ、我が剣に宿り、その輝きを示せ。静寂なる銀河に瞬く灯火よ、希望の導となりて我が敵を穿て。遥かなる古(いにしえ)の記憶より継がれし、天の理を剣に宿し、この身、この魂、この一閃にて、運命を切り開く。我が刃は星を裂く閃光、絶望を払う彗星の一撃!――星閃剣・創輝ノ断光(アステリア・エテルネア)

 
大英雄願望(ヘラクレイノス)
・早熟する
・英雄への憧れが続く限り効果持続。
・英雄への憧れの強さによって効果向上。
・全武器の使用適性向上
・致命傷回避(1日最大12回まで)
・能動的行動アクティブアクション に対するチャージ実行権。
・発動時、周囲の味方の戦意高揚

喜劇ノ英雄譚(アルゴノゥト) NEWスキル 
・自身が認めた仲間がいることにより自身と仲間のステータスを一時的に上昇《効果はスキル所有者のレベルに応じて上がる》
・自身が認めた仲間と共に戦闘することによって仲間の経験値所得量アップ
・????
・????
・????
 
【魔法】
治癒ノ鐘音(サナトゥース・コーリング) 長文詠唱魔法 詠唱式:【傷ついた英雄、怯える民、失われた箱庭、絶望を乗り越え立ち上がれ。我が力、我が願いををもって癒せぬ者さえも癒しつくすることをここに誓う。さぁ顔を上げよ、我らが戦士たちよ、我が鐘の音を聞き、その傷を癒せ。】
傷の治療、体力回復、状態異常及び呪詛の解除。生まれ持った病をも軽減させる。詠唱完了時ベルを中心に地面に魔法陣が浮かび上がりその魔法陣にいるベルが味方と認めたもの達を治す。



どうですかね?ベルくんのステータスが高すぎるといわれるかもしれませんが、食人花を十数匹は倒してたりLv4相当のドレイクホースとの戦闘、その前にも描写はなくともダンジョンに潜っていたことも合わせてこうなりました。
ちなみに今回登場したキャラたちの元ネタは以下の通りになります。

ロゼ・フリージア→治癒魔法の間違った使い方の救命団団長のローズ

マルクオス・ラングリス→ 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』のヒロインであるシルファの父親にして騎士団長

スカー・ヴァルドス→鋼の錬金術師のスカー

獣やドラゴンよりの亜人などを登場させてもいいか?

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