農業高校出身の生徒がいたら?
などのオリ主中心の短編集(予定)です。
先生に元の世界からの親友がいる概念が流行ることを祈願。
2025/08/02タイトル少し変更しました。
今回のオリ主。先生とは元の世界からの親友でシャーレでは主に事務仕事を担当している。
とある春の日の昼下がり。長引いたシャーレの仕事がようやく終わり、午後から何をしようか、寝るか。と妄想を膨らませながら贅沢に高い茶葉を使って紅茶を入れている人物がいた。
その人物の名は「清夜 コノ」。
元いたところからの親友である「先生」に巻き込まれて、ギウォトスに呼び出されあれよあれよという間にシャーレに加入。それからも紆余曲折あったが「先生」の元、たくさんの生徒と共に協力し、何とか大団円をつかみ取ったシャーレの副部長を務めている人物である。
そんなのコノの平和だった脳内に核弾頭が叩き込まれたのは、シャーレの執務室のドアが開きゲヘナに行っていた「先生」が帰ってきたのと同時だった。
『コノ!!!私、イブキと結婚することにした!!!』
「あ!コノ先生こんにちは!」
「はい(返事)えっ(動揺)あ~(言葉の意味を解析中)は?(理解できぬ)」
先生のほうを向いてみると、右手にはゲヘナ学園の万魔殿所属御年11歳の丹花イブキの左腕が握られており、さすがのコノも思考が停止してしまいました~!
ちなみにせっかくの高い紅茶が入ったカップがコノの手から落ち、終わらせた書類を茶色に濡らしていく様子はぜひ先生視点をご覧ください。
『それでさ、コノ!式場はどこがいいと思う?私的にはチャペルなんだけど、ゲストハウスとかも捨てがたいよね!』
「結婚式!?おいしい料理も出るー?」
「すいません、頼むから置き去りにしないでもらっていいですか。」
ほんの少しだけコノが思考停止をしている間、俺たちは止まることはないぜと言外に伝えるように、コノを置き去りにして行きつつ進む会話に、コノは頭が痛いといわんばかりに片手で頭を押さえながら言った。
「詳しい話は談話室で聞きますので少し落ち着いてください。クッキーと紅茶もありますから。丹花さんはジュースでいいですか?」
「うん、いいよ!イブキクッキーも好きだもん!」
『よかろう。』
「いや、お前は何様なんだよ。」
『は?シャーレの先生だが?』
「それはそうだけどムカついたのでお前はクッキーなしね。」
悲しきかな。コノも一応シャーレの副部長であるはずなのに相手の方が立場が上だから、コノは大人しく?肯定をするしかないのである。
さて、今相対しているロリコ、ゲフンゲフン、変質者が誰なのかという疑問があると思う。説明しよう、彼こそは自分の上司的な立場にいるシャーレの先生でもあるコノの唯一無二の親友なのであった。
ちなみに、シャーレの先生といえば品行方正、清廉潔白で有名な人物である。
果たして、今目の前にいる足をノータイムで舐めたり、女子生徒の匂いを嗅いでいたこともあり、そしてなにより今とんでもない面倒ごとを抱えてやってきた人物は本当に世間からの評価が高いシャーレの先生なのか。
コノは訝しんだが、こんなことを考えて思考を止めているとと再び先生のイブキとの結婚プランマシンガントークが始まると確信したため全力で思考を宇宙の彼方へぶん投げた。
しかし、それはそれとして大の大人より11歳の子のほうが礼儀正しいというのはどうなのかと疑問を覚えるコノであった。
ーーーーー
そうして談話室に三人は移動し、コノは二人をソファに座らせてお茶請けを準備し始めた。
ティーポットに入っていた紅茶と冷蔵庫からジュースを取り出してカップに注ぎつつ、クッキーを用意し運ぶ。その一連の所作は無駄がなく、思わず見とれるほどの流麗な動きだった。
さぞ、こんな優雅な所作をできる人なら考えていることも優雅なんだろうなと見ている人に思わせるほどの動きであった。
ここでその時のコノの内心を覗いてみよう。
(お前ー!なんでそんな一つ間違えればギウォトス滅亡RTA待ったなしな厄ネタ持ってきておいて、なんでそんな、ほうトリニティの有名菓子店のクッキーですか…たいしたものですね、みたいな面してんだよ!なめんな!おまえの分はないからな!こちとら開口一番結婚します!とか言われて思考と心臓と呼吸が止まったわ!?私がたまたま三日前に盗聴器とかカメラとかを探してまとめてヴェリタスのもとにクーリングオフしたからよかったものの!)
阿 鼻 叫 喚 であった。
また、コノはヴェリタスに盗聴器などを定期的に返送しているのだが、そのたびにヴェリタスの恨みをしっかりと買っていた。堪忍袋の緒が切れて報復に出たヴェリタスにパソコンをハッキングされてデスクトップ上に消えないホラー画像を大量に貼られ、パソコンに正拳突きをして数十万クレジットが虚無に消えるお金消失バグが起こすことになるのはまだもう少し未来の話である。
閑話休題
さて、いつになく剣呑な顔をしているコノ、
まるでゲマトリアと相対した時のように鋭い顔をしている先生、
またしても何も知らない丹花イブキ(11)、
の三名がテーブルを挟み一人で座るコノ、隣同士に座るイブキと先生という風に別れてソファに座った。
一触即発(一人を除く)の雰囲気が漂う中、先生はただひたすら考えていた。
実のところ、先生はなぜこのような状況に陥っているかわからなかった。
何故親友は怒っているのか、先生はそれの原因究明のためにすさまじい思考速度で脳を回転し始めた。
(まず、イブキはかわいい、それは親友も知っているはずだ。なぜならイブキといるときはいつもの三割増しで親友の表情が柔らかい。)
(次にかわいいと結婚したくなる。これも常識だ。考えるまでもない。)
(そして私は結婚できる年齢にある。)
(何故だ。何故怒っている?)
そのとき、三徹明けの先生の灰色の脳細胞に電撃が走る!
(は!そういえば私はここ最近仕事ばかりで親友に構ってやれてなかった。逆もまた然り。)
(つまりこれは親友から私への構ってほしいというサインだ。)
(わかった!わかったぞ!この状況下で私が次に放つべき言葉、それは!)
そうして考えに考え抜いた言葉で先生は会議の幕を切った。
『お義父さん、娘さんを僕に下さい!!』
その発言に対し、あきらめたかのように顔を伏せたコノはソファを立ち上がる。そして、深呼吸しながら六秒間じっくりとかけて再び顔を上げる。
その顔に刻まれていたのは疲労の跡である黒い黒い隈といっそ白く輝かんばかりの笑顔であった。
そして先生と目を合わせて、こう言った。
「辞世の句を読め。介錯してやる。」
Bad communication!!!
先生の完璧(笑)な発言に返ってきた返答に込められていたのは溢れんばかりの怒気だった。
いや、正確に言えば溢れんばかりの怒気はさっきから放っていた。相違点はどこからともなく取り出した鞘付きの短刀(百鬼夜行土産)が先生に向けられていること。そして、少ししか混じっていないものの生命の危機を感じるくらい鋭い殺意が怒気のなかにあるところである。
(あ、私死ぬんだ。)
先生は察した。目は口に程にものをいうというが、コノのすべてが先生に対する怒りを伝えていた。それを食らった先生はすでに来世のことを考えていた。
(らいせはしごとがすくないところがいいなぁ。)
しかし、神はもう人生を諦め、来世の労働環境にトリップしていた先生を見放してはいなかった。とんでもないレベルの怒気を向けられたことで、奇跡的にもう止まる事はないと誰もが思っていた三徹パーリナイだった頭が冷えていったのだ。
そうして先生は悟った。自分の行動の危険さ、その全てを自覚したのだ。
ーーーーー
『あーもう仕事が終わらない!』
今朝、先生は書類の山と格闘していた。
その傍らには両手では数えられないほどのの妖怪MAXの空き缶が転がっており、誰が見ても修羅場であることは容易に理解できるであろう。
普段はこんな文字通り殺人的な仕事量ではないのだが今回は不運に不運が重なった。
まず、本来の当番をお願いしていた正義実現委員会が緊急出動命令でこれなくなってしまったのだ。それだけならまだよかった。コノも先生もその生徒の心配をできるくらいには余裕があった。
しかし、それを皮切りに大量の仕事が現れたのである。まずはトリニティで巻き起こった暴動の事後処理。また、それから始まったトリニティ周辺での軽犯罪の対応。なぜか突然暴れだしたビナーの鎮圧。連合ヘルメット団+カイテンジャー新型合体ロボの更生局への襲撃と戦う生徒たちの指揮。ミレニアムでの突然の大規模な停電。ゲヘナでは温泉開発部、美食研究会、便利屋68の三つが同時に動き風紀委員会はてんやわんや。そこに突然現れた謎の巨大生命体パンちゃん。レッドウィンターでは大規模デモ。
どこの学園も似たようなもので当番なしでそれぞれの学園で起こった事件によって発生したシャーレに襲い掛かる大量の書類を二人で処理することになったのだ。
そして四度目の睡眠を挟まずに拝んだ燦燦と考えている朝日。それによって見えるのは、一日目からしたらかなり減ったがそれでもなお大量に積み上げられた書類。先生はもう限界だった。ほぼ腱鞘炎になりかけてそうな腕。気を抜けば一瞬で瞼を閉じてしまいそうになる眼。まともに回っていない頭。硬すぎる椅子。そろそろオーバーヒートしそうなくらいに熱くなってるパソコン。鳴りやまないモモトークの通知。昨日買いに行く予定だった新作プラモが売り切れたというネットニュース。書類の向こうで死にかけている親友。ん、あれ生きてるか?
まあ、親友の安否はともかく先生はもう限界だった。疲労がたまり過ぎていた。正常な判断ができなくなっていた。そうして先生はたった一つの完璧()な答えにたどり着いた。
『そうだ、ゲヘナ行こう。』
先生は三徹した後とは思えないくらいの速さで身支度をして出て行った。後ろから必死に引き留めようとする声を全て出張だから!で振り切って。
「ええ、まじかよ...」
伸ばした手は空を切って、発した言葉は届くことはなかった。コノは諦めて一人で仕事の続きをこなしていくのであった。
ちなみにこの時のコノは絶望を体現したような顔をしてたそうだよ。ウケるね。
けれども翌日の昼までには何とか終わらせたそうだよ。偉いね。
ーーーーー
「お客さん、お客さん!」
『ん、うあぁ~。』
D.U.から出ているヘリタクシーに乗ってゲヘナに向かってからヘリで揺られて一時間と少し経った頃、ヘリの中で仮眠をとっていた先生は自分を呼ぶ運転手ロボの機械音声で目が覚める。
間抜けな声とともに体を伸ばして窓の外を見てみると青々とした平原の中に荘厳なつくりの建物があった。
あれこそが今回の先生の旅k、じゃなかった出張先のゲヘナ学園である。
現在時刻は6時半。取り合えず風紀委員会にでも寄って皆を労おうと思い運転手に風紀委員会までと伝えたがもう着いたんだ。ヘリタクシー用のヘリポートに着陸し運転手のロボットに礼を言ってから少し色を付けて代金を渡し、出ていく。
朝の新鮮な空気を深呼吸をして取り込む。うん。少しヘリの中で仮眠したからか気分をリフレッシュできた。
「よし。行こう。」
風紀委員会の近辺とはいえ流れ弾が飛んでくるかもしれない。当たったらひとたまりもないのでアロナにバリアの準備となるべく安全なルートを表示してもらう。
先生は頑張っている生徒を労うために一歩目を踏み出した。
なお、親友に仕事を押し付けてきたことは忘れているものとする。
読んでくださりありがとうございました。